最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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292 不良さん、可憐なる恐怖・要ちゃんに出会う(笑)

公開日時: 2021年11月25日(木) 00:21
更新日時: 2022年12月18日(日) 13:47
文字数:3,048

●前回のおさらい●


崇秀は下衆野郎だった(笑)

 俺は、そんな下衆男崇秀の正体を知って、呆れながら壁に凭れていた。


そんな折……俺の横を可愛らしい女の子が通り過ぎ。

何事も無い様な感じで、控え室に入ろうとする。


見た目や身長からして、明らかに小学生の女の子なんだが……誰だ、この子?


どこから紛れ込んできたんだ?


俺は、その女の子に不思議なものを感じ、ついつい凝視してしまう。

それほど彼女は、子供ながらに男の気を引く容姿をしている。



「……オイ、おまえ。さっきから、なに、俺の事ジロジロ見てんやがんだよ?」

「へっ?」

「オマエだよオマエ。『へっ?』とか、素っ頓狂な事をぬかしてるオマエの事を言ってんだよ、このデカブツ」


……おっ、男?


いやいや……んな訳ねぇよな。

この鼻に掛かった様な女の子独特のアニメ声。

それに付け加えて、彼女の愛らしい容姿。


これはもぉ明らかに、女としか言い様がねぇだろ。



「いやいや、お嬢ちゃん。此処は、関係者以外入っちゃイケネェ所なんだぞ」

「オイ、オマエ。俺が、こんな形だからってナメてんのか?俺は、此処の関係者だし、第一男だ」

「はぁ?女じゃねぇのか?」

「オマエなぁ、どんな節穴に目ん玉くっ付けて生きてやがんだ?俺のどこが女だってんだよ?どこを、どう見ても男だろうが。視覚障害でも持ってんなら、俺が、良いヤブの目医者でも紹介してやっから。直ぐ様、そこに行って来い」


うぉ、口悪ッ!!

こりゃあまた、ステラ級に、とんでもなく口の悪い女だな。


それになんだ?この子は、自分を男だって言い張る女なのか?

もしそうなら、最近の女の子ってのは、自分に色んなキャラ付けしてんだな。



「オイオイ、女の子が、そんな口の利き方しちゃイケネェだろ。……それによぉ、目が悪いからって、俺にヤブ医者を紹介して、どうすんだよ?」

「じゃあ、逆に聞くがな。ヤブ医者を紹介しなくて、なにを紹介すんだよ?オマエの最悪な目を治療して貰うには、ヤブ医者は必要不可欠だろ。少しは頭を使えよな。オマエの脳天には、河豚の味噌でも詰まってんのか?」


いや……ホント、口悪いなコイツ。


けどな、これは、これで、結構、可愛いもんだな。

こんな小さい女の子が必死になって自己主張してる所なんか、既に、これは萌を感じるぞ!!

(↑哀れなロリコン重症患者な俺)



「いやいや、ヤブ医者じゃ、俺の目は治せないだろ」

「チッ。モノをシラネェ馬鹿餓鬼だな。良いか、デカブツ?ヤブ医者ってのは、本来『藪に住んでた名医』の事を指して言う言葉なんだよ。……だが、そこから、そのヤブの医者を真似た売名行為が横行した。早い話、ド素人の馬鹿の糞医者が氾濫して、民草に迷惑をかけたって事だ。そこからヤブ医者って言葉の意味が変わってきて、現在の『下手な医者』を差す言葉になったんだよ。……けどな、さっきも言ったが、本来のヤブ医者ってのは、良い医者の事を指して言うんだよ。この糞馬鹿」


……知らんかった。

薄学大王の俺を持ってしても知らない知識だ。


最近の小学生は凄いな。



「物知りだな、お嬢ちゃん」

「オイ、糞カス。さっきから、俺は男だって言ってんだろ。……それにオマエ、俺の事を年下だとか思ってんじゃねぇだろうな?」

「お嬢ちゃんは、幾つだ?」

「テメェなぁ……マジ殺すぞ。俺は、逗子二中2年の武藤要だ。名前ぐらい知ってんだろ」


ほぉ……要ちゃんは、俺と同じ中学二年生なんだな。


なるほどなるほど、それは悪い事をしたな。

同い年なのに、子供扱いされちゃ機嫌も悪くなるってもんだ。


悪いな要ちゃん。


・・・・・・


……うん?ちょっと待てよ。


武藤要?


へっ?はっ、はぁ~~~っ?


なっ!!なんだと!!ちょ、ちょっと待て、ちょっと待て!!

逗子二中の武藤要と言えば、相当な悪名の売れた不良の名前だぞ!!


なんでも……卑怯な手口で相手をのして、その上、精神崩壊するまで、そいつの悪口を言い続けていたぶる真性のサディストって噂の奴だ。


それが、この愛らしい女の子だと?


……いやいや、有り得ねぇ、有り得ねぇ。

口が悪いとは言え、こんな可憐で可愛いらしい女の子が、そんな酷い仕打ちをする訳が無い。


きっと、同姓同名に違いないな。



「ははっ、同姓同名なんだな。お嬢ちゃんが、そんな悪い奴の名前を語っちゃいけないぞ」

「オマエなぁ……」

「そっか、そっか。それじゃあ、納得出来無いんだな。……だったら、俺にパンチ打ってみるか?お嬢ちゃんが、その武藤要って奴なら、俺を一発でKO出来るだろ」

「ほぉ、良いんだな。……後悔すんなよ」

「勿論だ。どっからでも、ドンと掛かって来~い」

「あっそ。じゃあよぉ、俺がオマエを一発でKOしたら、なんでも言う事を聞けよ」

「あぁ良いぞ。欲しいものが有ったら、なんでも買ってやるよ」

「……コイツ」


いやいや、ムキになって、ホント可愛いのぉ。


反抗的なのも含めても、全面的に可愛いのぉ。



「おにぃちゃん、嘘付いて、ごめんなさい。……やっぱり、そんな事は出来無いよ」


ブッ!!可愛過ぎんぞ、この子!!

出来無いと判断したのか、反省して謝罪してきたよ。


うぉおぉぉ~~!!そこがまた……『チン!!』


またチン?


いや、この場合【股チン!!】



「がっはっ!!……」

「なんて……言うとでも思ったのかよ、この真グソ野郎?オマエ等、下衆は、みんな考える事が同じだな。こんなアホみたいな手に、簡単に引っ掛ってよぉ」


しっ……信じられねぇ。

この子……俺が気を抜いた所を狙った様に、思いっ切りチンコにパンチをくれやがった。


そこはダメだって……鍛え様がねぇんだってばよ。



「おい、オマエ。約束通り、俺は一発でKOしたぞ。だからオマエは、今から俺の舎弟な。早速、荷物持ちでもして貰おうか?」

「ダメだぞ。……女の子が、男の急所なんか叩いたら……」

「この馬鹿、まだ言ってやがるよ。……しょうがねぇ野郎だな。ほらよ、俺が男だって証拠を見せてやるよ」

「こっ、こら、女の子が……」


要ちゃん、そんな大胆な真似をしちゃダメだぞ!!

女の子はな、自分の肌を、そう簡単には男に見せちゃ行けねぇんだぞ!!


『べロ~~~ン』


あっ、あれ……なんでだ?

俺の眼前には見慣れたものが……


嘘ッ!!これって、野郎のナニじゃねぇか!!

つぅか、コイツ、俺のよりデカイぞ!!



「キッ、キタネェ……騙しやがったな」

「アホかテメェは?勝手にテメェが、俺を女だと勘違いしただけだろうが」

「ぐっ」

「つぅか良いからよ。敗者は、サッサと、その荷物抱えて控え室に持って来いつぅの。それともなにか?テメェは、約束を違える様な『女の腐ったみたいな男』なのかよ?」

「ぐっ」

「オラ、解ったんなら、さっさと行くぞ。無様なロリコンおにぃちゃんよぉ」


そう言って、武藤とか言う可憐で最低な生き物は、なんの躊躇もなく控え室の扉を開いて中に入って行く。

勿論、奴の容姿から、警戒する女子など居る筈もなく、女子からも悲鳴らしきものは一切上が事もないだろう。


いや……寧ろ、コイツが男だって事に気付けって方が困難だ。


俺は、そんな奴の後姿を見ながら、一応、奴のバックを持つ……一応、理由はどうあれ、さっき武藤にKOされたのだけは事実だからな。


これは条件付きでの勝負をした結果なのだから、仕方が無い話だ。



「よいっしょっと……がっ!!」


……重ッ!!なんだ、この重さは?

俺の肩に喰い込む程の、尋常じゃない重さは?


一体、なにが入ってんだ此処に?何を入れたら、こんなに重くなるんだ?

しかも、こんなに糞重い鞄を、あんな華奢な体で持っていたって言うのかよ……嘘だろ。


俺は、それらの謎を知りたくて、慌てて控え室に入って行った。



すると……


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


はい、今回は新キャラである『倉津君と要ちゃんとの出会い』を描かしてもらいましたぁ♪


あっ、因みになのですが、要ちゃんは『男の娘では決してありません』

寧ろ、そんな愛らしい見た目に反して、非常に男気溢れる野郎です(笑)


そんな要ちゃんとの出会いなのですが、倉津君に、どう言う影響を及ぼす子なんでしょうね?


次回は、その辺を描いていきたいと思います。

なので、また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ

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