最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1539 まぁ、自ずとこうなっちまうわな

公開日時: 2025年4月22日(火) 00:21
文字数:2,072

●前回のおさらい●


 彼女の環境がそうさせてしまったのか。

ヒナちゃんの演奏レベルが、著しく低い事が判明。


だが、そのままでは良くないと思い、少し厳しめの評価をしていたら……

「そんな言い訳みたいな真似すんなよな。ミットモネェ。それでもオマエは仲居間ヒナかよ?」

「そんな事を言ったって、しょうがないじゃない!!1人じゃ、どうしても限界が有るんだから、しょうがないでしょ!!」

「泣き言を言ってんじゃねぇよ。1人だろうとなんだろうとなぁ。俺の知ってる仲居間って奴は、そんなもんも、物ともせずに乗り越えていきやがったよ。オマエも、その立ち位置にあるんだったら、アイツと同じ様に乗り越えてみせろよ」

「そんなの出来無いよ。それに、そんなの関係無……」


もぉ、しょうがねぇ奴だなぁ。


そんな弱気な態度を見せつけられたら……



「……俺が手伝ってやっからよ」


あぁ~~あっ……やっちまったよ。


これだけは言うまい、言うまいと我慢していたんだが、とうとう情に絆されて言っちゃったよ。

また無責任な事、ついつい口走っちゃったよ。


まぁでもな。

此処までキツク言っちまった以上、何もせずに、口出ししただけで終わる訳にもいくまいて。

こんな俺でも頑張れば、今のヒナを、ちょっとぐらいならレベルアップさせる手伝いが出来るかもしれねぇしな。


まぁ俺だけに、成功するっと言う確証は、どこにもねぇけどな。


俺、人にものを教えんの、滅茶苦茶下手だし。



「えっ?」

「そんな顔すんなっての。俺と一緒にやろうぜヒナ。俺がオマエの味方をしてやるからよ」


俺は典型的なアホだな。

そこまで分かっていても、また更に調子に乗って、無責任な言葉を重ねちまったよ。


救いがねぇな。



「真琴……」

「それとも、俺じゃあ不満か?」

「……ふっ、不満に決まってるじゃない。なっ、なんで私が、真琴に手伝って貰わなきゃいけないのよ?冗談じゃないわよ」


うぅ……もぉコイツだけは、マジで堪んねぇなぁ。

こう言う無理に意地を張ってる女の子って、腹が立つ処か、見てて微笑ましいんだよな。


可愛すぎるぞヒナ。


あぁけど、あれだぞ。

そうは言ってもだな。

此処だけは変に誤解されちゃあイケネェから、キッチリと言って置くがな。


どれだけヒナの事を微笑ましいと思っても、奈緒さんが一番……絶対に彼女が一番で在り続けてる事だけは、なにも変わらないからな!!


此処は不変の法則だからな。


けど、それとは別にな。

ヒナだって、仮にも俺の幼馴染なんだから、どうしても放って置けねぇってのも事実なんだよ。


だから、こういう結果に成っちまってるって訳だ。


……ってか、これって、俺の方がツンデレなだけなのか?


もしそうだったら、かなりキモイだけだな。



イカンイカン。

危うく、また脱線する所だった。


まだ合意を得れてないんだから、話を戻さねば。



「あぁそぉ。そこまで嫌がられてるなら、別に無理にとは言わねぇよ。今の俺なら、バンドの宛てなんぞ幾らでもあるからな。無理してまで、下手糞なヒナで付き合う必要はねぇわな」

「なによ……そんな言い方しなくても良いじゃない」

「アホかオマエは?それを言われたくねぇんなら、どんな事をしてでも、それ相応の実力を付けるしかねぇんじゃねぇの。それだけが現実ってもんだろうに」

「だったらさぁ。……一緒に、やってあげても良いよ。真琴がどうしてもって言うなら、一緒にやってあげる」


プププ……コイツの、この言い様。

ホント、何所までも素直じゃねぇ性格が滲み出てやがるな。

骨の髄まで『ツンデレ体質』でやんの。


けど、それが仲居間たる所以なのかもしれねぇから。

此処はそんなヒナの気持ちを汲み取って……これでOKOKとして置こうかの。


それにしても、マジのツンデレ、マジで堪んねぇな。



「そっか。じゃあヒナ、一緒にやってくれよ。俺はコッチの世界じゃあ右も左も解らねぇ状態なんでな。こうやって真実を打ち明けたヒナに頼るしかねぇから、そこを踏まえてよろしく頼むぜ」


そう言いながら俺は、自身の手を差し出した。


これで罷り也にも協力関係の合意を得れた訳だし、握手って事でな。



「グッ……もぉなんなのよ、この真琴は?真琴のクセに生意気よ」


『ビシッ!!』


なのにコイツは。

素直に握手する素振りを見せたかと思えば。

その手を、そのまま上にあげて来ると言うフェイントをかましながら、照れ隠しの為にコンパチしてきやがったよ!!


もう、この女だけは……



「イテッ!!なにすんじゃオマエは」

「だって、そんな生意気な事ばっかり言うから……真琴なのに……」


アカン。

もっと文句を言ってやろうと思ったけど……これ、俺にとっては可愛いだけだわ。


やっぱり、全然腹が立たん。



「まぁ、そう言うなっての。俺も、オマエには、これから世話に成るんだからよ。宜しくつっても、なにもおかしくはねぇだろうに」

「ハァ……もぉ、ホント拍子抜けるなぁ。それになんか、その余裕な態度が腹が立つのよね」


おや?

そんな俺に反して、オマエさんは意外にも腹が立ってたのな。


だったら……

(↑また懲りずに、良からぬ事を考える俺)



「まぁまぁ、お嬢さん、そう怒りなさんなって。仲良くやろうぜ」

「もぉ……そうやって馬鹿にして」


『ビシッ~~~ィ!!』



「へぶしゃっ!!」


……思いっ切りするのはヨセ。


そこまで行ったら、流石の俺でもマジで痛いからな。


まぁ良いんだけどな。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


なんだかんだ言いながらでも、ヒナちゃんと倉津君も仲が良いですよね♪

一応、今の倉津君は、まだ出会って間なしだと言うのに、この有様ですからね。


結局の所、男女問わず、倉津君と仲居間家っと言うのは相性が良いのかもしれません(笑)


さてさて、そんな中。

最終的には倉津君がヒナちゃんの手伝いをすると言う事で、一応の決着は見えてきたのですが。


そうなると残る問題は『どうやって元の世界に戻るか?』って部分に成って来ると思います。


ホント、此処はどうするつもりなんでしょうね?


次回は、その辺の話も出てくるかもしれませんので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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