最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1535 性差

公開日時: 2025年4月18日(金) 00:21
文字数:2,025

●前回のおさらい●


 ある程度までは、元居た世界と変わらない様子だったが。

ヒナちゃんの説明が進むにつれ、徐々に誤差が生じてきている様子。


それは当然、GUILDにも影響があり……


「いや、だってよぉ。オマエのGUILDの力を使えば、そんな事ぐらい容易いだろうに」

「なんで、そうなるのよ?」

「いや、なんでって……」

「あのねぇ真琴。GUILDって言っても、所詮は、素人ばっかり集めた『烏合の衆』だよ。だったら私に、そんな権限がある訳ないじゃない。それに眞子は、うち一番の出世頭。もし仮に、なにか出来たとしても、そんな事する必要性はないでしょ。頭悪いんじゃないの?」

「そうなんか?……あぁ、でも、オマエ、アメリカ留学とかはしてるよな」

「してないわよ。ウチのお母さんが、そんな大それた真似を許す訳ないじゃない」


だったらあれか。

この言い分じゃあ、静流さんは『男』である崇秀みたいに自由奔放に扱うんじゃなく。

『女性』であるヒナには厳しくて、余りコイツ自身が身動きが取れてないって事にも成り得るな。


だとしたら、こりゃあ、ヒナの作ったGUILDは、崇秀の作ったGUILDよりも、かなり小さい規模のものと考えるべきだな。

それに眞子がバンドをクビに成ってないって事は=眞子のアメリカツアーも、なにも無いって事にも成る得るな。


なるほどなぁ。


しかしまぁ、性別の差だけで、此処までの違いが出るもんなんだな。



「そっかぁ。んじゃあ、思ってた以上に、ヒナの行動は制限されてるんだな」

「行動が制限されてる?それって、どういう意味?」

「いや、信じる、信じないは、別だけどよぉ。俺の知ってる仲居間って言うのはな。崇秀って男なんだよ」

「男?……私が男に見える訳?」

「いや、半分位は見えなくもないが。一応、女だとは認識出来てるが」

「そうよね。……でもさぁ、その崇秀って人が、私の変わりに居たとしたら、何が違うって言うの?」


いや、質問するのは良いんだけどよぉ。

この女、さっきから俺の話鵜呑みにしてるみたいだが、こんな戯言みたいな話を本気で信じてるのか?



「いや、ちょっと待てよ」

「なによ?」

「聞きたいなら、そりゃあ、幾らでも説明はするけどよぉ。……さっきから聞いてたら、オマエ、こんな与太話を信じる訳?」

「今更、信じるもなにも、この場で、そんな夢物語をするのは空想科学の小説家ぐらいんもんだと思うんだけど。それに私自身が、アンタの事を『真琴だけど、真琴じゃない』って最初から言ってるんだから、信憑性を高く感じても、おかしくないんじゃないの」


あぁ、そっか。

こう言う割り切りって、崇秀のアホンダラァも、矢鱈と早かったな。


だったら、一層の事、隠し事無しに、一気に全部話してみっか。


それもまた一興だな。


***


 そんな訳で。

此処からは俺が生きてきた経緯を、ヒナに話し始めた訳なんだが。


まずは、今までヒナが話した所の誤差を説明。


その後、俺が、奈緒さんと付き合ってた事や。

その他にもゴチャゴチャと起こった特殊イベントについてなんかも説明してみた。


メインは、出来るだけ崇秀の話でな。


なので勿論、クローン眞子の件なんかは完全に伏せて置いたがな。

コチラでは、眞子が普通に生活してるだけに、あぁ言う話はトラブルを巻き起こす原因に成り兼ねないからな。



「……ってな感じなんだが、どう感じた?」

「ふむ。私が男だと、そんな事に成ってるんだ」

「そうなんだよ。どうだ?これでも信用出来るか?」

「うん。正直言っちゃえば、規模が大きく成り過ぎてるから、かなり眉唾物でしかないけど。その中にも信用出来る要素が無い訳でも無いわね」

「そりゃあ、また、なんでだ?」

「今、真琴が言った、それって。……私が将来的に考えてるGUILDの構想なのよ」

「ほぉほぉ」

「それを私が誰にも言ってない以上、真琴が、それを知ってるのは、おかしいでしょ」


矢張り、身動き取れないなりにも、試行錯誤は繰り返してたんだな。


どこまでも抜かりの無い奴だ。


けど、静流さんが障害に成っちまって。

意外と、構想通りには上手く事は進んでないって結果か。


女は身を守らなきゃいけないだけに、自由に動けないから大変だな。



「あぁ、そこかぁ。そう言う事な」

「そぉ、そう言う事。……あぁでも、その話が、もし本当だとしたら、今の真琴ってベースが弾けるって事に成るんだけど、その認識で良いの?」

「まぁなぁ。一応程度には弾けるわな。つっても、あれだぞ。眞子程は上手くねぇし、素人に毛が生えた程度のものだぞ」

「そぉかぁ。でも、一応は弾けるんだ。……だったら、ちょっと付き合いなよ、真琴」


そう言ってヒナは、突然立ち上がり、俺に手を差し伸べてくるんだが。


なんだ?

俺がベースを弾けると何か有るのか?



「へっ?なんだよ、急に、それに何所行こうって言うんだよ?」

「もぉ良いから、早くしなさいよ。このノロマ」


『ビシッ!!』


俺がノロノロしてると、ヒナは、俺のデコにコンパチをかましてきやがった。



「イテッ!!……って!!オッ、オイ」


なにを思い付いたかは知らないが。

こう言う強引な所は男であっても、女であっても同じなんだな。


ホント、問答無用だな。


……にしても、感心すべき対応の速さだな。


かなり強引だけど……


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


崇秀とヒナちゃんの基本のスペックは同じ筈なのですが。

男女の差で、かなりの誤差が出てるみたいですね。


……っでまぁ、その誤差が出てる原因って言うのが、静流さんの様なのですが。

彼女は過去に『出来ちゃった婚(授かり婚)』をした経験があり。

そこに関しては後悔はしていないにせよ。

多くの苦労を強いられてきただけに、そう言った苦労をヒナちゃんにさせたくない一心で、少々厳しく成っちゃってるんですね。


それだけに行動を制限されてしまって、こうなってる訳ですので。

なので決して、ヒナちゃんが崇秀と比べて劣ってる、って言う訳ではありませんので……あしからず。


さてさて、そんな中。

倉津君がベースを弾ける事に、ヒナちゃんがなにやら反応している様子なのですが。


何故、こんなにも反応しているのでしょうか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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