●前回のおさらい●
またお説教されつつも、崇秀と契約してしまった倉津君。
だが、その約束をした崇秀の態度は、果てしなく「軽い」(笑)
「ちょ、ちょっと待てくれ、崇秀。この件は、そっ、そんな簡単な事なのか?」
「んあ?あぁ至極簡単な事だな。ってか寧ろ、こんな程度の事の、なにがそんなに難しいのか、俺には全く理解出来ねぇぞ」
「ばっ、馬鹿な!!……ひょっとして、あっ、あれか、違約金を払うとか言う奴か?」
「あぁ……まぁ確かにな。オマエの言う通り『金で全てを済ます』なんてて単純な手も有るな。……だが、そんなもんの、なにが面白い?どうせやるなら、何事も日本を震撼させるぐらいデカイ事をしなきゃ面白味が無いだろ」
「『日本を震撼』だと?……オマエ、一体、なにを考えてやがる」
「それは、まだ秘密だ。ただ、もし、それをオマエが望むなら、必要なものがある」
いやいやいやいや……俺、そんなのイラネェし!!
ただ単に、奈緒さんと一緒に居たいだけだし!!
「ちょ、ちょっと待て。俺は日本震撼なんて望んでねぇぞ」
「ほぉ。それが向井さんを、自分の手元に置く手立てだとしてもか?」
「どういう事だ?その『日本震撼』とやらが、奈緒さんの為になるって言う事か?それに、そんな大それた真似、一体、どうやるんだ?」
「方法については、矢張り、教えられねぇ。……ただ1つ警告をすればな。まずは、これが上手く行かないと、今回の計画はスタート地点にすら立てない。それとな、向井さんの為になるかならないかは、全てオマエ次第だ」
「……って事は、上手くいかない事も有るって事か?」
「ったりめぇだろ!!世の中、そんなにナンデモカンデモ自分の思い通りに行くなら、貧富の差なんて生まれねぇわ!!馬鹿じゃねぇのか?」
「だっ、だよな……」
イカンな。
どうにも崇秀の話を聞いてると、ナンデモカンデモ上手くいく様に感じてしまう。
俺は、魔王との契約を交わしただけで、テッキリ、奈緒さんが自分の手元に居てくれると、安易に決め付けていた。
アホ過ぎるな……
「……さて、話は、一旦これで終わりだ。早速だが倉津、初仕事って奴を頼みたいんだが。オマエにはな……」
当然、崇秀は信じられない様な無茶な話をしてくる。
***
……っと思ったんだが、今回に限っては、別に、そんな大した話じゃなかった。
コイツが、俺に依頼して来た初仕事ってのは、なんて事はない。
『此処に居る、奈緒さん以外の9人の女子を『1人1人個別にコイツの元に連れて来る』と言う単純なもの。
身構えていた俺にしたら、とんだ拍子抜けだ。
だから俺は、奴の指示に従い、1人1人事情を話して、崇秀の元に連れて行く。
『ヒデ君、これが、本当に向井さんの為になるの?……もしそうなら、幾らでも、お手伝いします』
『じゃあ、悪いが。いつも以上に、シッカリ頼むぞ、アリス』
『奈緒の為なんですね。仕方有りません、そう言う事情なら力を貸しましょう』
『おぉ、頼んだぞ、ステラ。オマエの力は、絶対に必要不可欠だったからな』
『良いよぉ。椿もねぇ、奈緒ちゃんと、もっと仲良くしたいし、一杯遊びたいもん』
『じゃあ、頼んますね、椿さん。アナタが『居る』と『居ない』とでは雲泥の差ですからね』
『こんな大それた事、私なんかに出来るんですか?問題が無いなら、協力はしますけど……』
『大丈夫。全部、任せてくれれば、悪い様にはしないよ、咲さん』
『またアンタは……』
『良いじゃん。やってくれよ、千尋』
『あぁなるほど、そう言う事ですか。……わかりました。折角、奈緒とも知り合いになれたんだし、ご協力させて頂きます』
『ごめんな、美樹さん。初対面なのに、こんな無理言ってさぁ』
『別に良いですけど……こんな事して、私、どうなっても知りませんよ』
『問題無い、問題無いって。楽しくやってくれれば良いからさ……頼んだよ、元香さん』
『本当に、こんな事……可能なの?』
『大丈夫、大丈夫。これは、アナタ達の実力を知った上での話だからね。真美さんなら、余裕で出来るよ』
『仲居間さんって、ホントに面白い事を考える人なんですね。私、そう言うの好きですよ』
『うん。俺も、そう言う感覚好きだよ、理子さん』
……ってな感じで。
奈緒さんだけを省いて、崇秀は9人の女の子から、何らかの了承を取る。
その間に、山中、遠藤、嶋田さん、鮫島、モヒ&ロンが到着して、海岸で楽しそうに遊んたんだが。
女の子全員との話が終了後、男連中も、全員崇秀の元に呼ばれた。
勿論、此処でも同じ様なやり取りが繰り返される。
『仲居間さんよぉ。それ、マジで奈緒ちゃんの為になんだろうな?』
『じゃなきゃ、オメェに頼まねぇよ鮫。……その、オマエの『向井さんを思う気持ちが無きゃ』話にもならねぇしな』
『全然良いッスよ。奈緒様が居ねぇと、あのバンドじゃねぇッスからね』
『そう言うこった、モヒ』
『良いッスね、良いッスね。俺、出来る限りの人間を集めますよ』
『ロン、ヨロ』
『ふむ、なるほどねぇ。倉津君に借りを返すには、絶好のチャンスだね。乗らせて貰うよ』
『ほんじゃま、宜しくッス、遠藤さん。……まっ、俺が借り1つって事で』
『また……そう言う無茶振りを……』
『なに言ってんッスか?嶋田さんだからこそ、こんな無茶な事を頼むんッスよ』
此処までは、女子同様、順調に事が運んだ。
だが、最後に残ったのは山中だ。
『オマエなぁ。なんやねん、それ?敵に塩を送るつもりか?』
『まぁ、そんな感じなんじゃねぇか』
『断る』
『ぷっ……じゃあ、オマエ1人だけやんねぇのな?向井さんをメジャーにしてやる、なんて大口叩いた割りには、非効率な事を言うんだな。……オマエって、意外とガキなんだな』
『アホか?そんな古典的な挑発には乗らんで……俺は、やらん言うたら、やらん』
『あぁそっかよ。じゃあ、もうなんも言わねぇよ。好きにしろ。……但し、そんなオマエを見て、アリスの奴は、どう思うんだろうな?バンド仲間なのに冷たいよな』
『ちょ!!オイ……なんでオマエが、そんな事しっとるねん?……マコか?マコのアホが、また余計な事をベラベラ喋りよったんか?』
『ぷっ……いいや。違うぞ。今のはカマを掛けただけだ』
『ぐっ!!……あぁもぉ、わかったわ!!やりゃえぇんやろ、やりゃ!!』
『はい、大正解』
『いつも、いつも、腹立つわぁ~~~、コイツだけは』
『まぁ怒んなって、偶には一緒に即興(ジャム)ろうぜ……カズカズ』
『うわっ、メッチャうっとぃ』
なんか、他の奴等より揉めてたみたいだが、結局の所、無理矢理、納得させられたみたいだな。
山中の奴、かなり不貞腐れてたみたいだ。
まぁその反面、崇秀との即興(ジャム)が楽しみなのか、機嫌が良い様にも取れる。
器用な顔だ。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
さぁ、崇秀と倉津君の悪魔の契約が成立した事により。
此処からは、第一章の最後に向けて動き始めますよぉ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
そして、このイベントが終わった後に、倉津君はどうなるのか?
望み通りの展開を迎える事が出来るのか?
その辺を楽しんで頂けたら嬉しく思います♪
ではまた良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ
読み終わったら、ポイントを付けましょう!