最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
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1519 完全に狂いし魔王

公開日時: 2025年4月2日(水) 00:21
文字数:2,458

●前回のおさらい●


 倉津君の『持って生まれた強運の活用法』について語った崇秀。

その後、2人で歓談しながら、軽く飲んでいたら……

「あのよぉ、崇秀」

「んあ?今度はなんだ?」

「俺等が敵対組織を作ろうって言うのに、オマエが、そんなに協力してて良いのか?」

「あぁ、全然構わねぇよ」

「なんでぇ?どうせ敵わないとか思ってる訳か?」

「いや、そうじゃねぇよ。……って言うか。今回は、一葉の独断先行があったにせよ。元々GUILD内で上がってた話だからな。機会としては悪くないだけの話だ」


あっ、そっか。


そう言えば、そんな事を言ってたな。



「そっかぁ。けどよぉ。そうやって協力してくれんのは有り難いが、眞子が抜けるのって、結構な痛手になるんじゃねぇのか?」

「全然」

「なんでだよ?そんな事を言ってやるなよ。アイツ、GUILDにとって有用な人間じゃねぇかよ」

「そりゃあ有用だわな。それにステラも、ミラーも、アリスも有用な人間では有るな。付け加えて言うなら【無名】もそうだし。【奈緒グリ】【Fish-Queen】千尋・咲さん……まぁ言うなれば、登録してくれてる全員が、俺にとっちゃあ大切な宝物だな」

「だったら、オマエ……」


今、崇秀と話してて、急に思ったんだがな。

俺やモジャが、今からやろうとしてる事って言うのは本当に正しい事なのか?


崇秀が丹精込めて、必至に作り上げたものを、俺等は壊そうとしてるだけなんじゃないないのか?



「けどな。それで良いんだ。そうでなくちゃイケナイ」

「なんでだ?なんで、そうなるんだよ?」

「倉津、オマエさぁ。俺がGUILDを作った当初の目的ってのを忘れてないか?」

「へっ?」

「俺は、なんの為にGUILDを作ったんだっけ?金の為か?人と接する為か?……違うよな。そんなチープな理由じゃなかったよな」

「へっ?それ以外なんか有ったっけ?……うん?……って!!オイ、オマエ、まさか!!」


オイオイオイオイ。

コイツ、まさかとは思うけど……『あれ』の事を言ってんじゃねぇだろうな?


あんな冗談めいた事を、マジに考えてたとでも言うのか?



「そう、そのまさかだよ。俺がGUILDを作った理由は、俺の敵を作る為だけの組織。元々強敵を作る為だけに作られた育成機関なんだよ」

「がぁ!!ヤッパリそこかよ!!オマエだけは……」

「まぁまぁ、そう呆れるなって。その俺の腐った欲望のお陰で、世に出た奴も沢山居るんだからよ。そぉ悪い事ばかりじゃねぇだろうに」

「まぁ、そうだけどよぉ。だからって、俺に協力する理由にはなんねぇだろ」

「そうか?そうでもねぇんじゃねぇか」

「なんで……だよ?」


久しぶりにコイツの、この狂った感覚を目の当たりにすると、結構キツイな。



「なんで?ってオマエ。だってよぉ。今まである程度までレベルを上げて来た人間を、オマエサイドにひき渡せば、今までの様な恩恵が無く成る訳だろ。だったら、此処からは自立して必死にレベルアップするしかねぇじゃん。……それがアイツ等の、これからの課題になんだからよ」

「オマエ、馬鹿じゃねぇの?いや、馬鹿だろ。今まで積み上げてきた物を、全部台無しにする気かよ」

「台無し大いに結構。それで、俺の敵に成り得る人間が出て来るって言うなら、俺は、それだけで満足だ。……それが得れるなら、全部破壊しても構わねぇよ」

「あのなぁ……」


アホだコイツ。


マジもんのアホだコイツだけは……



「良いか倉津?この世の中で、人を進化させる方法ってのは、なにもコンピューターや、パソコンが有るから出来るって、単純なもんじゃねぇんだよ。破壊と創造。これがこそ一番、人間を効果的に進化させる重要なファクター。要するに、揉め事や、戦争が起こるのは、その際たるものだ。だから俺は、この時代に、戦国時代を作り出してやるのが目的。オマエのサイトが立ち上がった時点で、ある意味、第三次世界大戦の幕開け……って訳だな」


……この子、度を越えてアホ過ぎる。


魔王様は、世界の覇権を賭けて。

自ら作り出した最強の勇者集団と、単独で戦おうってのかよ!!


なに、その自作自演?


何所の厨二病患者だよ!!


……ってか、モジャの野郎!!

崇秀のアホンダラァ、全然ヒヨッてねぇじゃねぇかよ!!


寧ろ、生き生きと頭のイカレタ様な語りをしてきやがるじゃねぇか!!


あの野郎……見事なまでに騙しやがったな。



「アホかオマエは?そんな自分の欲望を満たす為だけに、あんなスゲェ組織まで1人で作りあげたって言うのかよ」

「まぁ、そんな言うほど大層なものじゃねぇがな。程良くは上手く行ったな」

「あ・の・な・ぁ、崇秀よ」

「なんだよ?」

「程良くじゃねぇわ!!あれだけの成功を納めれる人間なんか、早々居ねぇわ!!」

「あっそ。みんなショボイんだな」


……もぉ、誰か、このアホを止めてくれよ。


こんな強烈な馬鹿、俺なんかじゃ制御なんて出来ねぇよ。



「つぅかよぉ倉津」

「なんだい!!」

「なんなら、そんなサイトなんか立ち上げずに、オマエがGUILDを運営してみるか?それも面白そうだしよ」

「はい?」

「いや、だから、オマエがGUILDの二代目を襲名するか?って聞いてんだよ」


なに言ってるのかな、この子は?



「うん……無理だな。そんなもん100%無理だから」

「じゃあよぉ。俺もバックアップしてやるから、頑張ってみろよ」

「余計にイランわ!!」

「なんでぇ?オマエ等の最終目的って、俺を討伐して、GUILDを吸収する事なんだろ。だったら、今の段階でGUILDだけでも吸収しちまえよ」


言ってる事が、もぉ無茶苦茶だよ。

なんでコイツは、毎度毎度こうなんだろうな?


・・・・・・


あっ……いや、違う。


コイツの目的は、そんな所じゃねぇわ。

俺の勘違いじゃなきゃ……



「オマエさぁ。……まさかとは思うけど。GUILDを俺に譲渡して、俺をヤクザにさせないのが目的で、こんな事を言い出してるんじゃないんだろうな?」

「んあ?なっ、なんの話だ?言ってる意味が解らないな」


あぁ!!この野郎ヤッパリだ!!


なぁ~~んか、さっきから、おかしい事ばっかり言いやがると思ったら、そう言う事か。


この馬鹿。

俺を自由にする為だけに、今まで自分が苦労して作りあげて来たGUILDを手放す気だったんだ。


ホントなに考えてやがんだよ!!


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


またまた崇秀が、トンデモナイ事を言い出し始めましたね。

まぁ、コヤツがロクデモナイ事を言い出すのは毎度の事なのですが。


今回に至っては『GUILDを倉津君に譲渡しようとする』っと言う、誰も考えない様な暴挙。


幾ら倉津君をヤクザにしない為とは言え、これは完全に度が過ぎてる様に思います。


さてさて、そんな中。

何故、崇秀は、この様な暴挙に出ようとしたのか?


次回は、その辺の理由を書いていこうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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