●前回のおさらい●
全ての苛めを青山さんのせいにして、自分は保身に走る岡田君。
そんな彼に対して、堪忍袋の緒が切れそうになっていた倉津君だったが……ある言葉を切欠に、最悪の復讐の仕方を思い付く。
その一言とは『彼の家が会社を経営している』との言葉。
「あっそ。岡田の家って会社経営してんだ。ふ~~~ん。……って事は、あれだよな。この件で運命共同体の俺は、オマエの親の会社を骨の髄までしゃぶり尽くせるって事だよな」
「えっ?ちょ、ちょっと……」
「俺さぁ、ヤクザだからさぁ。真上さんの事より、利益を追求する方が大切なんだよ。だから、今この瞬間から良い金蔓だよオマエ」
「えっ?いや、そんな……」
「つぅか、そんなに俺と縁が切りたきゃ。今夜中に、取り敢えず、5000万程用意しろ。それで、このレコーダーを渡してやるからよ。なんて良心的なんだ俺って」
「ごっ、5000万……そんな大金無理だ」
「知るかよ。もし出来なきゃ、俺と一緒に少年院にでも入るんだな。……そんな事になって、オマエの家は大丈夫か?俺は箔が付くだけだけどな」
「そっ、そんな……」
はぁ~~、まぁこれ位、この自分本位なバカボンを脅して置けば、青山さんの気も晴れるだろう。
そろそろ辞めてやるか。
あぁっと、その前に1つ遣り残した事があったな。
「あぁ、それとよぉ。オマエさぁ、もぉ二度と真上さんに近付くなよな。少しでも近付いた時点で、色々行動を起こすからな。良いな?」
「わかった、わかった。真上の事なんて別にどうでも良い。そんな事より、さっきの5000万の件は、何とかならないのか?」
はい!!此処で2台目のレコーダースィッチON。
マジでチョロイなコイツ。
「そうだなぁ……なら、真上さんの虐めの件を、正直に全部話したら勘弁してやっても良いぞ」
「なっ、なんの話だよ?俺は、そんな件、なにも知らないぞ」
「そうしらばっくれんなって。悪いがな。先持って、ある情報網から、オマエに関するネタは全部上がってんだよ。だから、その件について正直に話せば、このレコーダーは、此処で破棄してやる。但し、1つでも嘘を言ったら……解ってんだろうな?」
「なにを知ってるって言うんだ?」
「それを俺の口から言わす気かよ?馬鹿言ってんじゃねぇぞ。全部自白しろ。それでチャラだ」
「知ってて騙したのか?最低だオマエ!!」
「最低なのはどっちだよ?そんなもん、青山って女の子を使って、真上さんを虐める様に指示して、影で暗躍してた奴の言うセリフじゃねぇよな」
「ぐっ!!なんで、そんな事まで知ってるんだ?どこから漏れたんだ?」
「ほれ、これで少しは自分の置かれてる立場ってもんも解っただろ。だからサッサと全部自分の口で悪行を吐いて、自分の人生と、実家の会社の存亡を、俺から買い取れ。オマエには、もぉその方法しか残されてねぇんだよ」
「わかったよ。……全部吐くよ」
良し!!終了だ!!
所詮は中学生、こう言う2段構えの脅しを掛けたら一撃で撃沈だ。
同い年のガキなんざ、崇秀みたいな変態じゃない限り、チョロイチョロイ。
……んで、この後、約一時間に渡って、岡田は、自分の悪事を洗いざらい話した。
まぁ青山さんにとっちゃあ、聞くに堪えない様な内容だったんだが、それでも洗い浚い全部話をさせた。
***
「それで全部か?もぉ言い残した事はねぇか?」
「あぁ、もぅこれ以上はなにもしてない。だから、約束通り、そのレコーダーを破棄してくれよ」
「まぁそうだな。どんな形であれ、約束である以上このレコーダーは破棄してやる。……この1台目はな」
俺は、そう言った後。
ポケットに入れて置いた2台目のレコーダーを、岡田の前にプラプラさせてみた。
それを見た瞬間、岡田の顔は一気に青ざめたのだが。
それと同時に、自分が騙された事に気付いたのか、今度は顔を真っ赤にしだした。
馬鹿じゃねぇのコイツ?
「えっ?なっ、なんだよ、それ?そんなの約束が違うじゃないか!!」
「はぁ?なに言ってんだよ?俺はオマエとの約束通り、このレコーダーはキッチリ破棄したぞ。けど、2台目のレコーダーまで破棄するなんて1言も言った覚えはねぇぞ」
「そんなの詐欺だ!!」
「黙れな。それにオマエ、自分で言ったじゃんかよ。『反省出来無い人間は、少し懲らしめるべきだ』ってな」
「それは青山の事で、俺の事じゃないだろ!!」
「どこがだよ?つぅか、大体にしてだな。青山って女を使って苛めをした処で、実際の主犯がオマエなのは、なにも変わらねぇんじゃねぇの?オマエ、まずにしてそこを理解出来てるか?」
「グッ……」
「それによぉ。そのオマエの態度のどこが反省してるんだ?そうやって調子に乗るのは結構だがな。あんま舐めた口利くなよ」
「まっ、待ってくれ!!頼むから待ってくれ!!俺が悪かったから、全面的に俺が悪かったから、そのレコーダーも破棄してくれよ!!」
「やだね。……じゃあな、反省出来無い馬~~~鹿ッ」
「頼むから待ってくれよ……」
ふふふ……ヤクザの手口を舐めちゃイケネェよ。
俺達やくざ者はな、果てしなく、人の弱みに付け込む生き物なんだよ。
それになぁ、自分の仲間がやられた場合は、倍返しなんぞじゃ済まねぇの。
その辺を、よぉ~~く憶えとけよ。
まぁ、そんな訳だから、オマエはこれからの人生、俺のと言う名の影に怯えて暮らせ。
そんな項垂れる岡田の姿を無視して、俺は、此処の会計を済ませて出て行った。
これで、この青山さんの気持ちを弄んだ馬鹿も、少しの間は悪さも出来まいて……
まぁ、これでやったら、人生積む事ぐらいは解ってんだろうしな。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
倉津君、今回は綺麗に決めましたね!!
流石は実家が広域ヤクザなだけの事はあって、人の脅し方をよく心得ているです(笑)
まぁ言うて、今回の一件、岡田君だけが悪い訳でもないし、青山さんに非がなかった訳でもないので。
青山さんだけ同情して、彼だけが、こんな目に遭うのは少々可哀想な部分でもあるのですがね。
『本気で反省して、更生しようとしている人間』と『反省もせずに、他人に責任を押し付けて、自分だけは蚊帳の外に逃げようとした人間』の差が、此処で明確に出た感じですかね(笑)
さてさて、そんな感じで、この自白のシーンは終わって行くのですが……これで全てが終わった訳ではありません。
矢張り、青山さんのアフターケアも大事な場面ですからね。
ってな訳で、次回は。
そんな青山さんの為のアフターケアの話になりますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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