第四十七話『バックステージ』が始まるよぉ~~~(*'ω'*)ノ
047【バックステージ】
先程の崇秀とのおかしな会話のせいで、今回のライブの様相が、また更に、ややこしく変貌を遂げ様としている。
当初の目的だけで言えば、勿論『俺と奈緒さんが一緒に居る』事がメインだったのだが……先程の交わした会話せいで、なにかが、そぉ、なにかが、少しづつ悪い方向に変わった行った様な気がしてならない。
恐らく奴の事だから、最初の目的とする所は、何も変わらず、必ず完遂してくるとは思うんだが……俺に対する『苦行』とやらに、やけにアイツの強い意気込みを感じる。
とても危険な匂いが撒き散らかされてる状態だ。
だが……それに対して俺は、何も手を打つ方法がない。
元々崇秀と言う男は、いつ、なんどき、何をしでかすか解らない男だし。
それに+αで、俺への苦行とやらが追加されるのだから、俺なんかの脳味噌じゃ、とても、とても予想なんてしょうがない。
仮に『奴が何をやってくる』かが想像が出来たとしても。
そんなもんを瞬時に跳ね返す力なんか、俺には何所にも存在しない。
いや……脳味噌のスペックが基本的に違うから、まずにして対応すら出来る筈がない。
故に、俺に残された道は、いつも通り成り行きに身を任せて行くしかない訳なんだが……今回に限っては、上記に記した様な状況なので、いつも以上に一抹の不安の量が多い。
『矢張り、人に頼った人生を送るのは危険なんだな』
そう認識をせざるを得ない状況だ。
『これに懲りて、今後は、少しぐらい自分で考えてモノをしなきゃいけねぇな』
……等と、いつも通りの進歩の無い反省をする。
***
そんな無駄な思考を繰り返しながらも。
不意に会場に集まっている観客に入りが気になり、ステージの脇に向って歩き出す。
そこに立つと、裾から観客席をチェックする。
そんな風な心境でキョロキョロと観客席を見渡してみると……そこから見えるのは、人・人・人の・大量の人の群れ。
まだ後方には数箇所空席が有る様なので、すし詰め状態と言うには、やや程遠い状態ではあるんだが、それでも、思いの他、このイベントには人が集まってるみたいだな。
現に、最後方ら辺は、前方の観客の出す熱気と、照りつける太陽の熱気が合わさって見え難い。
少し陽炎の様な物が出ている。
にしても……こうやって改めて見ると、なんちゅう広い会場なんだ。
流石、8000人以上の観客を収容出来るだけの事は有るな。
とは言ってもだ。
勿論、この浜辺に設置されたドデカイ特設会場は、なにも俺達だけの為に作られたものでは無い。
明日から『ZaP』の3日間ライブを皮切りに、その後も、湘南をホームグラウンドにするメジャーバンドが、この夏の終わりを告げるまで、目白押しになるぐらいライブの予定が組まれている。
けど、そう考えるとだ。
俺達みたいなマイナーバンドが、こんな所で演奏なんかして良いものなんだろうか?
『本当に観客達は、俺達の曲なんて聞きたいのだろうか?』
……等と言う、今更的な疑問にも襲われる。
この弱音は恐らく、自分の中のライブに対する不安が爆発している証拠だろう。
実に情けねぇ事なんだが、このドデカイ会場と、いつもやっているライブハウスみたいな小さな箱とでは、明らかにスケールが違いすぎる。
見ているだけで、人酔いしそうなぐらい、気分が悪くなっていく。
……意外と、自分の肝が小ささを認識する羽目になった。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
こうやってライブが始まる前の熱気を感じてる倉津君なのですが。
なんだか人の多さに当てられたのかして、少しいつとは違う雰囲気に成ってしまっていますね。
まぁ流石の倉津君も緊張気味の様です(笑)
さてさて、そんな中、次回からライブが本格的に開催されていく訳なのですが。
倉津君……こんな調子で大丈夫なんですかね?
そんな不安を抱えつつも……
どうなるかが気になった皆さんは、また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ
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