●前回のおさらい●
会話の中で崇秀が何気に放った『世界一良い女に成れる可能性がある』っと言う言葉。
この話題が気になった倉津君だが……そんな折、検査の準備が整ったとのお知らせ(笑)
話の続きを聞きたい倉津君は……(笑)
「あっ、でも、崇秀」
「いいから行け。……つぅか、その件が気になってるなら、後で、ゆっくり教えてやるから、今は検査に行ってこい」
「うぅ……」
「……それとも、なにか?話を聞く為だけに、俺に検査室まで付き添って欲しい、とでも言いたいのか?」
「あっ、うん、うん♪それ、良いね。そうして、そうしよ、付き添って、付き添って……話もキッチリ聞きたいしさ」
優しいのぉ。
それに、よく俺の性格を理解してくれとるのぉ。
元々俺は、一度気になった事を後回しに出来ない性格。
だから、こんな状態で検査なんか受けようものなら、精神的に変な影響を及ぼし、おかしな検査結果が出かねないからな。
なので、この付き添ってくれると言う提案は、非常に有り難い。
なのに崇秀は……
「ハァ、あのなぁ、眞子……俺が付き添うって意味、ちゃんと理解した上で、そう言ってるんだろうな?」
「えっ?なっ、なに?付き添うだけなのに、なんか意味があるの?」
「アホかオマエは?アホなのか?……」
「なっ、なんで?なんでよぉ?」
「良いか眞子?俺がオマエに付き添うって事はな。その時点で俺は、オマエを『サンプル』として見なきゃならないっと言う事になる。だから検査の際、間違いなく、オマエの体の隅々までチェックするって事になるんだぞ。……そこ解ってるんだろうな?」
「えっ?」
「まぁそれでも良いなら、幾らでも付き添ってやるがな」
「えっ?えぇっと……ちょ、ちょっと待って、ちょっと待って、ちょっと待って貰っても良い?」
「別に構わねぇけど。なんだよ?」
「あの、その全部って、全部って事?果てしなく全部見られちゃうって事?」
「あぁ、そうだな、全部だな。出来れば、体の内部状況も知って置きたいから、下手したら『マ〇コの中』までキッチリと見る事になるだろうな」
うぇ……それは嫌だぁ。
奈緒さんならまだしも、崇秀に、この体を弄繰り回されるのなんて、ゴメン被る。
幾らコイツが色々心配してくれてるとは言え。
さっきの話を聞くだけの為に、そんなリスクを背負うのは嫌だぁ。
「あの……それは無理ですね。絶対に無理です、はい」
「あっそ。だったら、四の五の言わずにサッサと検査に行け」
あの……でも、それってよぉ。
崇秀には裸を見られないかもしれないけど、医者には、この体の全容を見られるって事なんッスかね?
普段なら服を着てるから見えないけど。
そんな誰にも見せない様な恥ずかしい部分まで、他人に見られちゃう訳なんですかね?
いやまぁ、検査だから、少しはこうなる事も理解はしてはいたんだが。
いざ、それを真正面から言われたら……なんか、非常に検査するのが嫌に成って来たんだけど。
なので、このまま帰って良いですかね?
……無理。
「あぁ、あの、此処まで来て、なんなんだけど。……あの、その……」
「あぁ、もぉコイツだけは……なにを心配してるかは知らねぇが、そんな余計な心配なんかすんな」
「なんで?……それに心配するなって言われてもさぁ」
「アホか?今オマエが考えてる事ぐらい、前以て、ちゃんと考慮してるわ」
「どう言う事?」
「此処で検査して貰う産婦人科及び、その他にもオマエを担当してくれる医者は、誰かさんが文句を言い出さない為にも、最初から全員、俺の知り合いの女医で固めてあるんだよ。だから、そんな無用な心配はしなくて良いから、安心して調べて貰って来い」
女医さんで固めてるねぇ……
確かに理に適った話ではあるんだが。
俺としては、それはそれで、また嫌なんだが……
そりゃあまぁ妥協すりゃあ。
オッサンに、この裸を見られるぐらいなら……まだ、今現在の同性である女性に見られる方がマッシってもんではあるんだがなぁ。
でもなぁ……それはそれで、男としての俺としては、なんかスゲェ恥ずかしい様な気がするんだが。
ある意味、羞恥プレイを受けてる様な感覚に成りそうなんだよなぁ。
だから、やっぱ帰って良い?
「いや、あの、でも……」
「はぁ~~~……もぉ、此処まで来て、今更おかしな我儘を言い出すなよな。なにを言われたって、これ以上は、どうやっても譲歩のしようがねぇんだからよ。ちょっとぐらい我慢しろつぅの」
「いやまぁ、そうなんだけどねぇ……」
「どうしても、それが嫌だって言うなら、俺が全身、隈なく調べてやるしかねぇけど、どうするよ?どっちが良いんだよ?」
もぉだから、それが一番嫌だって言ってるだろうに。
本当、マジでそれだけは勘弁してくれ。
この変わり果てた姿を、オマエに調べられるのなんて、絶対嫌だぁ~~~!!
それに、裸を見られる事によって、変にオマエに意識されても……なぁ。
けど、此処で検査しないと『男に戻す方法』も暗礁に乗り上げちまう可能性が高い。
そう考えたら、こりゃもぉ女医で妥協するしかねぇのかもな。
「あっ、あぁはい。……じゃあ、不本意ですが女医さんの所に行ってきます。我儘言って、すみませんでした」
「おぅ。じゃあ俺は、その間に『点滴』でも打って、ちょっとの間寝てるわ」
えっ?うん?
今、崇秀が……『点滴?』『寝てる?』って言わなかったか?
言ったよな?
「えっ?それって、少しは休憩するって事?」
「あぁ。だから検査が終わったら、その最後の担当女医にでも俺の居場所を聞きゃあ、俺が、どこに居るか解るから、終わったら、そこに来てくれ」
「あぁ、はい。わかりました」
「おっ、なんかしらねぇけど、突然、良い返事になったな……じゃあな眞子、また後でな」
「あっ……うん」
そう言って、この場から離れて行く崇秀を、俺は見えなくなるまでズッと眺めていたんだが……
そんな後ろ姿を見て。
実際、俺は、自分がこれから受けなきゃいけない検査の事なんて、もぉどうでもよくなっていた。
そんな風に崇秀が、点滴を打ちながらでも『少しでも休憩をしてくれる気になった』事の方が、俺にとっては重要だったからだ。
何故ならアイツは……
あんな風に平静を装っていても、事実は12日間近くも殆ど睡眠をとらず『俺を男に戻す研究』だけに打ち込んでくれてる。
その上で、その経過報告をする為だけに帰国した筈なのに、俺に『生理が来る』のを予見して、その準備も怠らずに、この煩わしい問題にも全部携わってくれたし、その世話を最後までしてくれた。
これを、もっとハッキリ言ってしまえば。
俺のこの女性化する奇妙な体の研究のせいで、いつ何時、崇秀が体に異常をきたして倒れても、なにもおかしくは無い状態にアイツは陥ってる筈なんだと、俺はズッと感じていたんだよ。
けど、アイツ自身は、そんな疲れた素振りを俺に見せることなく。
いつも普段通りに俺に接してくれてる上に、眞子と言う存在を最初から居た様な扱いまでしてくれている。
こんな精神的負担になる様な事すらアイツは、俺だけの為に無理してでも、それをやってくれていたんだ。
だから『どうやったら、そんな崇秀を休憩させれるか?』って考えてはいたんだが……アイツは、これと決めたら止まらない暴走機関車の様な男。
俺が『ちょっとは休めよな』っと言った程度で、休んでくれるほど甘い男じゃない。
そんな折、こうやって崇秀自らが休む事を宣言してくれた。
俺が懸念しても、どうやっても叶わなかった願いを、アイツは自らの口で宣言してくれた。
なので俺は、もぉ自分の検査の事なんて、どうでもよくなっていた。
アイツが少しでも休んでくれるのであれば、今は同性の女医に裸を見られるぐらい、どうって事ねぇや!!って気持ちに成ってる次第だ。
そんな気持ちに成っている俺は、正直『此処での検査が、少しでも長引けば良いのになぁ』って思いながら。
何度も、この場を立ち去る崇秀を見ながら、呼び出しを受けた一番病棟に向かって行った。
この機会に、マジで少しは休んでくれな、崇秀。
オマエは、俺にとって『唯一無二、掛け替えのない親友』
オマエが居なくなっちまったら、ホント、人生つまんなくなっちまうんだからよ。
あんま無理してくれるなよ
・・・・・・
……って、恥ッ!!
何を言うとんじゃ俺は!!(笑)
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
なんだかんだ言いながらでも、常にお互いの事を気遣ってる2人。
まぁ、その比率は、明らかに崇秀の方が高いのですが。
それでも、この2人は、本当に仲が良いからこそ、こう言う気遣いが出来るものだと思います。
そして私は、こう言う関係こそが、本当の友達だと考えていますので、今回、こう言うお話を書かせて頂きましたぁ♪
さてさて、そんな心境で検査に向かう倉津君なのですが。
一体、どの様な検査をされるのか?
そして、検査にどれ程の時間が掛かって、崇秀を休憩させられるのか?
その辺を次回は書いて行きたいと思いますので。
良かったら、また気軽な感じで遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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