最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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658 崇秀から眞子への提案

公開日時: 2022年11月26日(土) 00:21
更新日時: 2023年9月12日(火) 17:15
文字数:3,014

●前回のおさらい●


 現時点に於いての眞子の立場や、真琴としての立場に疑問を抱く眞子。


そんな悩む眞子を、崇秀はキッチリと正しい道に導いてやれるのか?

「ねぇねぇ、だったら、私って、なんなんだろね?」

「あぁ、それを言われると辛いんだよな。『自由に生きろ』とか言って置いて、これじゃあ、結局は『束縛』してるのも同然なんだよなぁ。……ホント、どうしたもんかねぇ」

「じゃあさぁ。この際だから、崇秀と、奈緒さんと付き合ってみたら?意外と相性良いかもよ」


これね。

実は女の子に成って『男に戻れる確率が低い』って宣言された時から、ズッと考えてた事なんだけどね。


なんて言うかさぁ。

こう言う事を、あまり私の口からは言いたくはないんだけど、奈緒さんと、崇秀って、明らかに相性が良いじゃない。


だからさぁ、奈緒さんの幸せを本気で考えるのなら。

こうやって私に縛られるんじゃなくて『他に幸せを探した方が良いんじゃないかな』って思ってたのよ。


そりゃあ辛いよ。


けどね。

崇秀だったら、奈緒さんの全てを受け入れてくれそうだし、奈緒さんも、崇秀だったら100%以上で満足出来ると思う。


良いと思うんだけどな。



「あぁ~~あぁっ、言うと思ったよ。……じゃあ、聞くがな。オマエの幸せは、どこに行っちまうんだ?」

「そんな事を言われたって、両方は難しいんじゃない?」

「アホ。んな事は前々から解ってんの。そうじゃなくて、オマエ等2人が、お互い妥協出来る部分を作らねぇと、ホントに全ての関係が空中分解しちゃう訳だ。俺としては、それだけは、なんとしても避けたいんだよな」


ドッチ付かずですか。


あぁでも、奈緒さんが幸せになるんだったら、それ=私も幸せなんだけどなぁ。



「難しいね」

「だろ。だから、今は一旦、そう言う関係を保留して置きたいんだよ。まぁ、その為にも、オマエとHする訳にもイカンって話だ」

「だよね。……ってか、私が元凶?」

「いや、オマエが心配しなくても、基本的な元凶は俺だ。だからな、此処で1つ提案が有るんだよ」


ヤッパリだ。

これ以降の事も、ちゃんとなんか考え付いてたんだ。


はぁ~~~、流石、崇秀だね。



「っで?提案ってなに?」

「オマエさぁ。明日で冬休みが明けても、取り敢えず、明後日からも学校行かないから、どうせ暇だろ」

「あぁ、うん。まぁ、幾ら本籍が在るとは言え。今の処、眞子で学校に行く訳には行かないからねぇ」

「だよな。だったらよぉ。折角、暇なんだから、その期間を使って、例の全米ツアーに行ってみねぇか?丁度、オマエは英語を喋れるしな」

「あぁ、うん、そうだね。でもさぁ『全米ツアー』って、あの今月から予定してた奴の話で良いの?」

「そうそう、例のあれ。今ならオマエも、新しいベースの弾き方を憶えた所だから、更なる飛躍のチャンスだと思うんだが。……どうだ?」


悪くない提案なんだろうなぁ。


それに『行く』『行かない』は別としても。

崇秀が言う所の『奈緒さんとの時間を稼いであげる』事も出来る。


それに、少しお互いの事を考えるには、丁度良い期間なのかも知れないなぁ。



「即決?」

「あぁ、出来れば」

「あぁ、そっか。じゃあ、やろっかな。体がベースの弾き方を憶えてる内に、サッサと習慣付けたいしね」

「そっか、やってくれるか。……しかしまぁ、こんなチープな提案しか出来なくて、悪ぃな」

「良いよ、良いよ。本当は、こう言うの私が考えるべき事だしね」

「そっか。けどまぁ。ホント、オマエ、たった2週間で良い成長してるよ」

「ははっ……そっかな」


ははっ……また褒められた。


あっ、そうだ。

重要な事を聞くの忘れてた。



「ねぇねぇ崇秀。学校で思い出したんだけど。真琴ちゃんの件はどうするの?」

「あぁ、それなぁ。一応な『行方不明』って事で、学校には届け様と思ってんだけどな。……取り敢えずは、それで良いか?」

「あぁそっか、そっか。みんなには心配掛けるけど。それが順当と言えば順当だよね」

「まぁなぁ。あんま良い手でもないんだけどな。馬鹿津は、あれでいて、結構、人望が有るからなぁ。素直や、ステラ辺りが暴走しなきゃ良いんだけどな」

「確かにね。……あぁそうだ、もう一個だ」

「なんだよ?」

「学校のバンド。カジ・グチ・ステラと組んだバンドは、どうしよっか?」


スッカリ忘れてた。



「そうだなぁ~~~。まぁ、敢えて言うなら、全米ツアー後に、オマエを転校生に扱いにしちまって、バンドのHELPをする感じが良いんじゃねぇか?」

「期間が期間だけにバレないかなぁ?それに怪しまれないかなぁ。……特にステラ」

「まぁなぁ。アイツは、変に鋭いからなぁ。けど、流石のアイツでも、馬鹿津が女に成るとは思うまいて」

「まぁねぇ。でもさぁ、ちょっとでもベース弾いたらバレちゃわない?」

「いや、多分、そこはねぇだろ」

「なんで?」

「んあ?だってよぉ。多分、オマエ、全米ツアーに行ったら格段にレベルアップする筈だから、そこを聞き分けるのは難しく成る筈。それに向井さんが、今日のライブで、オマエの事を『仲居間一門』だって言ったから、弾き方にしても納得出来るんじゃねぇか」

「そっか、そっか。なら、尚更、全米ツアーは外せないね」

「非常に悪ぃけど。そういうこったな」


とか言いながら。

多分、此処まで、全て考えた上での提案なんだろうけどね。


ホント、凄いや。



「……さて、本当に、そろそろ向井さん家に送らねぇと不味いよな。行くか」

「ははっ……だね。もぉAM4:00前だよ」

「遅くまで付き合せて悪ぃな」

「ぜんぜん。……ってかね。今日は、本当に楽しかったよ♪だから女の子の定番の『お礼』をあげる。此処だけは、眞子の気持ちだから拒否権なしね」

「待て待て、此処に来て野暮な真似すんな」



「えっ?……あっ……んっんん……んっ」

「はい、ごちそうさん」


ははっ……なんだこれ?

崇秀からチュ~されちゃったよ。

しかも、口惜しい事に、滅茶苦茶上手いでやんの。


……はいはい、すみませんね。

キスされただけのクセに、どうせまた『濡れました』よ!!


エロくて、ご・め・ん・ね!!



……あぁ、でもさぁ、奈緒さんとの話で『清らかな乙女』って話が有ったじゃない。


あれ……奈緒さんの言う通り、絶対に無理だわ。


あんなもん男が描く、女への幻想ですよ幻想。


ホント有り得ないって!!


***


 ……ってな感じで、奈緒さん家に帰ろうと思ったんだけど、何故か、久しぶりに崇秀の家に泊まってしまった。


いやいやいやいや、流石に、あれだけの事を言われたんだからHはして無いよ。


実はさぁ、あれから昼ぐらいまで2人で楽器抱えて、ズッと練習してたんだよね。


けどね、そこで凄く痛感したんだけど……ヤッパ、崇秀の楽器指導は、全てが的を得てて的確なんだよね。


たった数時間で、フィンガー・ピッキング、タッピング奏法のレベルは上がったし。

Hi-C弦を活用した多彩なハーモニクス奏法や、ハード系のスラップ奏法まで、ある程度キッチリ教え込むんだもんなぁ。


ホント、狂気の音楽の神様に溺愛されてるよ……この人。


そんな訳で、その後は、崇秀も疲れ果てたのか、漸く睡眠を取り。

私も、その横で、なにも気にせず『雑魚寝』した。


ホンで夕方過ぎぐらいに起きて、奈緒さん家まで送って貰った。



……んだけど!!

此処で、当然の様に、またしてもアクシデント発生!!


一緒に居た崇秀を見た奈緒さんが、またとんでもない事を言い出すんだよね!!


***


 ……ッで、そこは、次回の講釈と言う事で。


あの~~~、一応は言って置きますけど。

そのトンデモナイ事って言うのは、エロじゃないですからね……


ははっ……本当にエロじゃないよ。


ちょっとは有るかも知んないけどね……


ははっ……


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>

これにて第一章・第三十一話【After-talk・time】はお仕舞なのですが……如何だったでしょうか?


奈緒さんの自分を見詰め直す時間や、眞子自身も自分を見詰め直す時間を設ける為に『45か所にも及ぶアメリカ弾丸ツアー』に参加する事を決意した眞子。


この辺については、今後の事を考えれば、本当に良い判断をしたと思います。

今は、まだどうしても、2人には時間が必要そうな時ですしね。


ですが、そう感じているのは、なにも崇秀や眞子だけではありません。


当然、奈緒さんも……


さてさて、そんな事も踏まえた上で。

次回からは、第一章・第三十二話【Please Want to fortitude】が始まりますので。

良かったら、是非、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾


何が起こる事やら(笑)

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

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