●前回のおさらい●
現時点に於いての眞子の立場や、真琴としての立場に疑問を抱く眞子。
そんな悩む眞子を、崇秀はキッチリと正しい道に導いてやれるのか?
「ねぇねぇ、だったら、私って、なんなんだろね?」
「あぁ、それを言われると辛いんだよな。『自由に生きろ』とか言って置いて、これじゃあ、結局は『束縛』してるのも同然なんだよなぁ。……ホント、どうしたもんかねぇ」
「じゃあさぁ。この際だから、崇秀と、奈緒さんと付き合ってみたら?意外と相性良いかもよ」
これね。
実は女の子に成って『男に戻れる確率が低い』って宣言された時から、ズッと考えてた事なんだけどね。
なんて言うかさぁ。
こう言う事を、あまり私の口からは言いたくはないんだけど、奈緒さんと、崇秀って、明らかに相性が良いじゃない。
だからさぁ、奈緒さんの幸せを本気で考えるのなら。
こうやって私に縛られるんじゃなくて『他に幸せを探した方が良いんじゃないかな』って思ってたのよ。
そりゃあ辛いよ。
けどね。
崇秀だったら、奈緒さんの全てを受け入れてくれそうだし、奈緒さんも、崇秀だったら100%以上で満足出来ると思う。
良いと思うんだけどな。
「あぁ~~あぁっ、言うと思ったよ。……じゃあ、聞くがな。オマエの幸せは、どこに行っちまうんだ?」
「そんな事を言われたって、両方は難しいんじゃない?」
「アホ。んな事は前々から解ってんの。そうじゃなくて、オマエ等2人が、お互い妥協出来る部分を作らねぇと、ホントに全ての関係が空中分解しちゃう訳だ。俺としては、それだけは、なんとしても避けたいんだよな」
ドッチ付かずですか。
あぁでも、奈緒さんが幸せになるんだったら、それ=私も幸せなんだけどなぁ。
「難しいね」
「だろ。だから、今は一旦、そう言う関係を保留して置きたいんだよ。まぁ、その為にも、オマエとHする訳にもイカンって話だ」
「だよね。……ってか、私が元凶?」
「いや、オマエが心配しなくても、基本的な元凶は俺だ。だからな、此処で1つ提案が有るんだよ」
ヤッパリだ。
これ以降の事も、ちゃんとなんか考え付いてたんだ。
はぁ~~~、流石、崇秀だね。
「っで?提案ってなに?」
「オマエさぁ。明日で冬休みが明けても、取り敢えず、明後日からも学校行かないから、どうせ暇だろ」
「あぁ、うん。まぁ、幾ら本籍が在るとは言え。今の処、眞子で学校に行く訳には行かないからねぇ」
「だよな。だったらよぉ。折角、暇なんだから、その期間を使って、例の全米ツアーに行ってみねぇか?丁度、オマエは英語を喋れるしな」
「あぁ、うん、そうだね。でもさぁ『全米ツアー』って、あの今月から予定してた奴の話で良いの?」
「そうそう、例のあれ。今ならオマエも、新しいベースの弾き方を憶えた所だから、更なる飛躍のチャンスだと思うんだが。……どうだ?」
悪くない提案なんだろうなぁ。
それに『行く』『行かない』は別としても。
崇秀が言う所の『奈緒さんとの時間を稼いであげる』事も出来る。
それに、少しお互いの事を考えるには、丁度良い期間なのかも知れないなぁ。
「即決?」
「あぁ、出来れば」
「あぁ、そっか。じゃあ、やろっかな。体がベースの弾き方を憶えてる内に、サッサと習慣付けたいしね」
「そっか、やってくれるか。……しかしまぁ、こんなチープな提案しか出来なくて、悪ぃな」
「良いよ、良いよ。本当は、こう言うの私が考えるべき事だしね」
「そっか。けどまぁ。ホント、オマエ、たった2週間で良い成長してるよ」
「ははっ……そっかな」
ははっ……また褒められた。
あっ、そうだ。
重要な事を聞くの忘れてた。
「ねぇねぇ崇秀。学校で思い出したんだけど。真琴ちゃんの件はどうするの?」
「あぁ、それなぁ。一応な『行方不明』って事で、学校には届け様と思ってんだけどな。……取り敢えずは、それで良いか?」
「あぁそっか、そっか。みんなには心配掛けるけど。それが順当と言えば順当だよね」
「まぁなぁ。あんま良い手でもないんだけどな。馬鹿津は、あれでいて、結構、人望が有るからなぁ。素直や、ステラ辺りが暴走しなきゃ良いんだけどな」
「確かにね。……あぁそうだ、もう一個だ」
「なんだよ?」
「学校のバンド。カジ・グチ・ステラと組んだバンドは、どうしよっか?」
スッカリ忘れてた。
「そうだなぁ~~~。まぁ、敢えて言うなら、全米ツアー後に、オマエを転校生に扱いにしちまって、バンドのHELPをする感じが良いんじゃねぇか?」
「期間が期間だけにバレないかなぁ?それに怪しまれないかなぁ。……特にステラ」
「まぁなぁ。アイツは、変に鋭いからなぁ。けど、流石のアイツでも、馬鹿津が女に成るとは思うまいて」
「まぁねぇ。でもさぁ、ちょっとでもベース弾いたらバレちゃわない?」
「いや、多分、そこはねぇだろ」
「なんで?」
「んあ?だってよぉ。多分、オマエ、全米ツアーに行ったら格段にレベルアップする筈だから、そこを聞き分けるのは難しく成る筈。それに向井さんが、今日のライブで、オマエの事を『仲居間一門』だって言ったから、弾き方にしても納得出来るんじゃねぇか」
「そっか、そっか。なら、尚更、全米ツアーは外せないね」
「非常に悪ぃけど。そういうこったな」
とか言いながら。
多分、此処まで、全て考えた上での提案なんだろうけどね。
ホント、凄いや。
「……さて、本当に、そろそろ向井さん家に送らねぇと不味いよな。行くか」
「ははっ……だね。もぉAM4:00前だよ」
「遅くまで付き合せて悪ぃな」
「ぜんぜん。……ってかね。今日は、本当に楽しかったよ♪だから女の子の定番の『お礼』をあげる。此処だけは、眞子の気持ちだから拒否権なしね」
「待て待て、此処に来て野暮な真似すんな」
「えっ?……あっ……んっんん……んっ」
「はい、ごちそうさん」
ははっ……なんだこれ?
崇秀からチュ~されちゃったよ。
しかも、口惜しい事に、滅茶苦茶上手いでやんの。
……はいはい、すみませんね。
キスされただけのクセに、どうせまた『濡れました』よ!!
エロくて、ご・め・ん・ね!!
……あぁ、でもさぁ、奈緒さんとの話で『清らかな乙女』って話が有ったじゃない。
あれ……奈緒さんの言う通り、絶対に無理だわ。
あんなもん男が描く、女への幻想ですよ幻想。
ホント有り得ないって!!
***
……ってな感じで、奈緒さん家に帰ろうと思ったんだけど、何故か、久しぶりに崇秀の家に泊まってしまった。
いやいやいやいや、流石に、あれだけの事を言われたんだからHはして無いよ。
実はさぁ、あれから昼ぐらいまで2人で楽器抱えて、ズッと練習してたんだよね。
けどね、そこで凄く痛感したんだけど……ヤッパ、崇秀の楽器指導は、全てが的を得てて的確なんだよね。
たった数時間で、フィンガー・ピッキング、タッピング奏法のレベルは上がったし。
Hi-C弦を活用した多彩なハーモニクス奏法や、ハード系のスラップ奏法まで、ある程度キッチリ教え込むんだもんなぁ。
ホント、狂気の音楽の神様に溺愛されてるよ……この人。
そんな訳で、その後は、崇秀も疲れ果てたのか、漸く睡眠を取り。
私も、その横で、なにも気にせず『雑魚寝』した。
ホンで夕方過ぎぐらいに起きて、奈緒さん家まで送って貰った。
……んだけど!!
此処で、当然の様に、またしてもアクシデント発生!!
一緒に居た崇秀を見た奈緒さんが、またとんでもない事を言い出すんだよね!!
***
……ッで、そこは、次回の講釈と言う事で。
あの~~~、一応は言って置きますけど。
そのトンデモナイ事って言うのは、エロじゃないですからね……
ははっ……本当にエロじゃないよ。
ちょっとは有るかも知んないけどね……
ははっ……
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
これにて第一章・第三十一話【After-talk・time】はお仕舞なのですが……如何だったでしょうか?
奈緒さんの自分を見詰め直す時間や、眞子自身も自分を見詰め直す時間を設ける為に『45か所にも及ぶアメリカ弾丸ツアー』に参加する事を決意した眞子。
この辺については、今後の事を考えれば、本当に良い判断をしたと思います。
今は、まだどうしても、2人には時間が必要そうな時ですしね。
ですが、そう感じているのは、なにも崇秀や眞子だけではありません。
当然、奈緒さんも……
さてさて、そんな事も踏まえた上で。
次回からは、第一章・第三十二話【Please Want to fortitude】が始まりますので。
良かったら、是非、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾
何が起こる事やら(笑)
読み終わったら、ポイントを付けましょう!