●前回のおさらい●
倉津君の精神的にも苛烈な報復に、精神が持たなくなって、おしっこまで漏らしてしまう青山さん一行。
『これ以上は不味い』っと感じた倉津君が、報復の中止を考えた瞬間。
何故か、重体で病室で眠っていた筈の真上さんが、この場に現れて……(笑)
「真上さん?……ちょ!!なにしてるんッスか!!病室で、ちゃんと寝てなきゃダメじゃないですか!!」
「あっ、あの、私ならヘッチャラですよ。ほっ、ほら、こんなにピンピンしてますから。そんな事よりですね。青山さんを許してあげて下さい。私からも、お願いしますから」
「はうへ……」
「けど、真上さん。アナタを、あんな酷い目に遭わせた連中なんですよ。アナタが許しても、俺が許せる訳ないじゃないですか」
「違いますよ。……私、最初に言った筈です。あれは靴の汚れが……」
喋ってる途中で、意識を失いそうになる。
俺は慌てて立ち上がり、倒れそうな真上さんの体を支える。
しかし、無茶するなぁ。
足元が、完全にフラフラじゃないですか。
「真上さん!!」
「靴がですね。……汚れたんで、洗ってただけなんですよ。本当ですよ。だから、青山さん達は関係ないんですよ」
意識を失いかけて尚、うわ言みたいになっても、まだ言ってるよ。
この人、本当に、どうなってるんだ?
なんで、そこまでして、虐めた相手を庇う必要があるんだろうな?
人を庇う時の執念は、恐ろしく一貫した人だな。
「あぁもぉ、わかりましたよ。そこまで言うんなら、真上さんに免じて辞めますよ。……って事で玄さん、此処はもぉ俺に任せて組に戻って良いッスよ」
「へい、坊ちゃん。では、そうさせて頂きヤスね」
「ありがとうございます、倉津さん、玄さん。……あの、序と言ってはなんですが、倉津さん、少し手を離して頂いて、宜しいでしょうか?」
「あぁウッス……良いッスけど、大丈夫なんッスか?まだ足元がフラフラしてますよ」
「はい、ヘッチャラですよ」
俺が手を離すや否や、真上さんは、青山さんのションベンに塗れた床に膝を着いて座る。
寝巻きが濡れても、全く、その辺を気にする様子は無い。
まるで、なにも無い様に、青山さん達の猿轡を解き始める。
「大丈夫でしたか?怖い思いをさせましたね」
「真上……なんで?なんでなの?なんで、いつも、そんな風に優しく出来るの?私達、あんな酷い事したのに、なんで優しく出来るの?……なんでなの?……なんで?」
「最初から……なにもなかったんですよ。だから、青山さんが怖い目に遭う必要なんてなかったんです。それに青山さんは、私の大切なお友達。そんなお友達が、私の事で嫌な気持ちになってるのに気付いてあげられなくて、ごめんなさい」
「真上……本気なの?……本気で、そんな事を言ってるの?」
「はい、これは私の落ち度です。今後は気をつけますね」
「ごめん……真上ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」
じわ~~っと涙が零れ落ちてきて。
青山さん一行はボロボロと泣きながら、真上さんに縋って行く。
今の現状は、本当に奇妙な光景で、3人で虐めてた相手に抱きついて泣き崩れてる。
それにしても、本当に、この人は恐ろしい人だな。
全てを、なにも無かった様に飲み込んだよ。
どう見ても、普通の精神じゃ出来ないよな。
「泣かないで……もぉ、全部終わった事だから」
「真上、ごめんね。ごめんね。今まで嫌な事一杯して、本当にごめんね。もぅ絶対、2度としないからね。今回だけは許してね……ごめんね……」
「なにも、なかったんですよ。なにも……」
「「「うっ……うっ……うわ~~~~~ん」」」
……本当に許す気なんだ。
なら、俺も、もぅなにも言う事はねぇ。
ただなぁ、真上さんがこの調子だから、虐め再発防止の為にも要点だけは注意しとかなきゃな。
「オイ、青山さん」
「ヒッ!!ごっ、ごめんなさい、ごめんなさい!!もぉ許して下さい……もぉ二度としませんから……」
「あっ、あの、倉津さん、本当になにも無かったんですよ。だから、もぉやめてあげて下さい」
ビビる3人を抱いて、懇願する様な目を向けられる。
うわっ!!こりゃあキツイな。
「いやいやいやいや、そうじゃなくてッスね。一応、忠告ッス」
「なんの忠告ですか?青山さん、なにも悪く無いんですよ」
「まぁまぁ、そう言わずに聞くだけ聞いて下さい。最初から危害を加えるつもりなんて微塵もないんッスから」
「あぁ、じゃあ……」
このシュチュエーション……なんか俺って、悲しくなるほど悪役がピッタリだな。
この調子だと、その内『悪役商会からスカウト』とか来るんじゃねぇかな?
イカネェけど……
「なぁ、青山さん」
「・・・・・・」
「返事無しかよ。……まぁ良いや。取り敢えず、今回の件で、これだけは言って置くぞ。今日、真上さんが示してくれた、この気持ちだけは絶対に忘れんなよ。この人はな。こう言う人だから、自分が死んだとしても、決してオマエ等の事を責めたりする人じゃないんだ。だから、そこに胡坐掻いて座る様な真似だけは2度とすんな。今度、もしやりやがったら、マジで、ただじゃ済まないからな。……良いな?わかったな」
「・・・・・・」
「ハァ……解ったんなら、返事ぐらいしろよな」
「ごっ、ご迷惑……お掛けしました。にっ、2度と、こんな事が無い様に心掛けます」
はぁ~~~、漸く、この気分の悪い虐めの話も、これにて一件落着か。
まぁ青山さん達も、これだけ怖い目に遭って深く反省したんだから、これで全て良しとするべきだな。
この調子で、早く、本来の青山さん達に戻って欲しいもんだ。
(↑この期に及んで、まだ理想を追う俺)
「そっか。じゃあ、この話はお仕舞いだ。……あぁ因みになぁ。さっきの注射器の中身。あれ、ただの『ビタミン注射』だから、それと拳銃もモデルガンだからな」
「えっ?じゃあ……あれって、全部嘘?」
「まぁ、そう言うこった。最初から、あんな真似をする気は更々なかったんだけどな。真上さんの気持ちだけは、アンタ等にも絶対に知って置いて欲しかったからな」
「酷い……人前で、おしっこまで漏らしちゃったのに……」
「そりゃあ、全員自業自得だろ。これに懲りたら、2度と虐めなんてツマンネェ事しねぇこったな」
「酷いよ……」
うん、確かに酷いな。
些かやり過ぎた面が有るから、此処で反省するべき点は有るかも知れないな。
あぁ因みにだが、俺はスカトロの気はないから、青山さん達の小便には興奮はしてないぞ。
『まだ』そこまでレベルの高い変態じゃないからな。
此処だけは誤解するなよ。
……なんて思っていたら、真上さんが。
「……あっ、あの、倉津さん」
「あぁっと、なんッスかね?」
「あのですね。急な話で、なんなんですが。今度、宜しかったら、このメンバーで1度どこかに遊びに行きませんか?」
「へっ?」
なっ、なに言ってんだ、この人?
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
真上さん……あんな酷い目に遭わされたのにも拘らず、青山さん達を庇い。
悪役が死ぬほど似合う倉津君の魔の手(?)から、完全に救い出してしまいましたね(笑)
っとは言え。
此処まで慈愛に満ちた聖人君主っぷりを見せ付けられると……ちょっと怖い感じですけどね。
でも、この子は、何処まで行っても、こう言う子なんですよ(笑)
さてさて、そんな中。
そんな聖人君主な真上さんから、意外な提案が齎されたみたいですが。
これを提案された倉津君や、青山さん一行は、一体、どんな反応を見せるのでしょうね?
それは次回の講釈。
また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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