●前回のおさらい●
片倉さんの所持品である、ちょいビンテージなSting -rayを5万で手に入れるチャンスが訪れた!!
だが、それには『コスプレしてステージ上で演奏する』っと言う条件が!!
さてさて女性に成ったばかりの倉津君が、この過酷条件を飲む事が出来るのか?(笑)
「あの……演奏するのも、教えさせて頂くのも、全然、構わないんですが。……コスプレだけは……その……なんて言いますか。ちょっと許して貰えませんか……正直言って、恥ずかしいんで無理です、はい」
「あぁ、そっかぁ。けど、その気持ちも解らなくもないんだけどね。それじゃあ会の意味がないんだよな。どうしても倉津さんにはコスプレして貰って、さっきみたいな格好良い演奏をして欲しいんだよ。……どうしてもダメか?」
「あの、意地の悪い事は言わないって、さっき言ったじゃないですか。……虐めですよ、これ」
「まぁ、そうは言ってもねぇ。それ自体が、会の趣旨だから。そこは、倉津さんには悪いんだけど、どうしても外せないね」
「ううぅぅぅ~~」
そりゃあ、コチラに言い分がある様に、相手方にも言い分もあるわな。
それに、そこを外してバンドのメンバーが演奏してたら、主催者としても示しが付かないもんな。
解る!!解るんだが……でも、どうしてもコスプレだけはヤダなぁ~~~~。
いやまぁな。
眞子の容姿については、これでも俺も、結構理解してるつもりだから『コスプレしても、恐らくは変な違和感はない』とは思うんだけどな。
それでも、ステージ上で、その姿を晒しながら演奏するって言うのは、今の俺のとっちゃあ中々ハードルが高いもんなんだよ。
うわぁ……どうしたもんだこりゃ?
「ごめんな、倉津さん。俺もさぁ、意地悪で、こんな事を言ってる訳じゃないから。そこだけは解ってな」
「あぁ、はい。……じゃあ、此処は一旦『その件については保留』って事にして置いてですね。先に、皆さんの練習をしましょう」
「えっ?良いの?」
「あの、一応、此処は、お手伝いって事で良いですから」
「ホントにぃ。ありがとうね。……って事で、全員、倉津真子さんに敬礼!!」
「「「ありがとうございます!!」」」
「ヒィ!!」
オタクが集まって作ったバンドなのね……
「なんか、自分で、自分を追い込んだ様な気がしますね。……ははっ」
***
……っで、この後、練習を開始するんだが。
流石にフルタイムでの演奏は、コイツ等のレベルだと到底無理だと踏んだので、まずは前回のダンパで使ったDJモドキを保険の為に即座に召喚。
そんで、コイツ等の演奏する曲を一気に削って、3曲だけに選択してしまう。
その後は、時間一杯まで、丁寧な言葉に、それでいて強烈にキツイ嫌味をスパイスして練習をした。
その出来はと言うと……まぁ良い所、中学生のやや下手糞レベルまで、なんとか引き上げる事には成功した。
そんで、アッサリ決断に時間がやって来た。
はぁ~~~~……
***
「申し訳ない!!本当に申し訳ない!!……他にも何か衣装があると思ったんだけど、それしか、倉津さんの体型に合う衣装が無かったんだよ」
「あぁ、はぁ……そうですか。じゃあ、もぉ良いですよ」
俺は、完全に我欲に敗北を喫した……
だって、こんな良い音のするベース、デジマートでも滅多に見掛けないんだもんよ。
それを5万って……
そんな貴重な物に、寄りにも拠って、こんな所で出逢うとは……
もぉえぇわい!!
Sting -rayの為に、コスプレでも何でもして憤死したるわい!!
「あぁ、あのでも、1つだけお願いが……」
「良いよ、良いよ。此処までやってくれたんだから、もぉなんでも倉津さんの言う事なら聞いてあげるよ」
「本当ですか?約束ですよ。絶対ですよ」
「うん。勿論、絶対に約束は守るから、安心して……っで、その約束って、なに?」
「あのですね。ここでの映像とか、写真とかを、絶対に残さないで欲しいんですよ。それと今回の件は、ネットに流すのも、売るのも無しにしてください」
「へっ?えっ、えぇっと……」
今しがた約束を守るって言った所なのに、何故に悩む?
折角、妥協したのに、そっちがそんな態度を取るなら。
このまま演奏を放棄して、Sting -rayだけ持って帰っちゃうぞ!!
それでもえぇんか?
「酷い。……約束守るって言ったじゃないですか」
「あぁ、じゃあさぁ。他の奴には、絶対に撮らせないから……せめて、俺にだけは、何枚か写真を撮らせてよ。お願い」
「あの、絶対、ネットに流さないですか?絶対、変な事に使いませんか?」
「うっ、うん。やっ、約束する」
うわ~~~~ん!!
この言い方、絶対、コイツ、俺をオカズにして家でオナニーする気だぁ~~~~!!
男の時の俺がそうだったから、その口調に成る時の理由が、こちとらよく解ってんだよ!!
もぉマジで最悪だよぉ~~~~!!
……でもなぁ。
もう既に、この時点で何枚か写真を撮られてるかも知れないしなぁ……此処は1つ、片倉を信じるしかないよね。
……ははっ。
(↑壊れてる俺)
「私、絶対的に伸宏さんの事を信じてますよ。……絶対、そんな事をする人じゃないって信じてますからね。信じて良いですよね?」
懇願EYE。
必死に懇願する様なウルウルした目を向けたる。
「ごめん。……解った。神に誓ってやらない」
「伸宏さん……信じて良かったです。そう言ってくれると思ってました」
「ははっ……もぉ、まいったなぁ」
ヤリィ!!
こんな時にこそ最大の効果を発揮する、野郎の、な・ま・え・呼び♪
これでこの技を、最後の最後まで取って置いた甲斐があったってもんだよ。
「でも、その代わり、全開でやってね。決め台詞も頼むよぉ」
「はい、頑張ります♪」
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
片倉さんの出す条件を飲んじゃいましたね(笑)
まぁ確かに、現状の倉津君にとっては厳しい条件ではあったかもしれませんが。
所詮、ミュージシャンなんて目立ってなんぼだし、そう言う承認欲求が無ければ、恐らくミュージシャンなんてしないでしょうから、これはこれで良い経験になるかもしれませんね(笑)
さてさて、そんな中。
なにやら合う衣装が少なかった中での、衣装を宛がわれた様なのですが。
一体、倉津君は、どの様な衣装を宛がわれたのでしょうか?
その辺が、少しでも気になりましたら、是非、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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