●前回のおさらい●
箪笥で発見したハードケースの鍵。
屋根裏で発見した楽器が入ってるであろうハードケース。
今こそ、その開封の儀式が始まる!!
……っと行動に起こそうとした瞬間、山中君が『何しとんねん、オマエは?』って感じで現れ(笑)
「つぅか、豪いキッタナイ、ハードケースやのぉ。それ、オマエのんか?」
「汚いは余計だつぅの!!……まぁ、つってもな。このハードケース。正確には、俺の物じゃねぇんだけどな」
「さよか。ほな、誰のやねんな?」
「でも、さっき屋根裏を隈なくチェックしてる時に見付けたから、これはある意味、第一発見者の俺のもんではあるわな。第一此処、俺の家の所有物件だし」
「さよか。……要するに、前の住人の忘れられた置き土産ちゅうこっちゃな」
「まぁ、そんな所だな」
「ほな、何や知らんけど、早速、ご開帳といこか?」
「オイオイ、俺が見付けたってのに厚かましい奴だな。……まぁ良いけどなよぉ」
「……結局、えぇんかい」
そうだな。
なんかオマエの登場で一気にテンションが下がったから、もぉ中身なんざどうでも良くなってきたな。
此処で、オマエじゃなく奈緒さんが登場してくれれば。
あの人はビンテージ楽器が好きだから、中身の当たりハズレに関係なく、ハードケースを開けるまで期間、あれやこれやと2人でスゲェ盛り上がっただろうけどなぁ~~~。
そこにビルダー見習いである沙那ちゃんが加われば、更に会話が弾んで楽しみが倍増したんだろうけどなぁ~~~~。
それがオマエじゃあなぁ……ホント、もぉどうでもよくなったわ。
「いや、ちょう待て、ちょう待てマコ」
「うん?」
「ヤッパ、まだ開けるな」
「はぁ?なんでだよ?つぅか『開けろ』とか『開けるな』とか鬱陶しいなオマエ。別に開けたって良いじゃんかよ」
「いやいや、ちゃうねんて。それ、意外とおもろいもんが入ってるかも知れへんぞ」
うん?なんだ?
この中に面白いものが入ってるとな?
どういうこった?
・・・・・・
あぁ、そう言えばコイツも、かなり楽器には詳しかったな。
まぁまぁ、本人は打楽器使いだから、やや楽器の知識は偏ってる部分があるにせよ、詳しい事には間違いない。
……って事はだな。
このハードケースに、なにか違和感を感じたって事だよな。
それって、なんだろうな?
「なんだ?どう言うこったよ?」
「いやな。そのハードケースに付いとる消え掛けのステッカーって『シャドウズ』のステッカーやんけな。……なら、ひょっとしたら年代物のシグネーチャーモデルとかが入っとるかも知れへんぞ」
あぁ、そう言う事な。
その部分に違和感を感じて、一旦、俺の手を止めたって事か。
けどなぁ。
確かに、そのステッカーらしきものはあるんだが、多分シグネーチャーとかではないと思うぞ。
……って言うのもな。
あの危険極まりない箪笥の中にも『シャドウズ』のアルバムが有ったから、あの姉ちゃんがシャドウズのファンだと言う可能性だけは非常に高いだろうけどもだな。
これを買ったのって、当時の女子高校生だった女の子だぞ。
幾らシャドウズのファンだからと言っても、そこまで入れ込んでるとは、到底、思えないし。
一般的な学生に、そんなものを買う余裕なんてものは、早々には無い筈だと思うんだよなぁ。
それに『シャドウズ』のアルバムが有ったとは言え、たった2枚しかなかったからな。
これは、ある意味、動かぬ証拠なんじゃね?
なので、まぁ良い所、楽器屋に騙されて『TEISCO』の中古品を買ったって所じゃね。
しかもリシューモデルとかをよ。
「ねぇな。そこは、ある意味、断言して良い程、ねぇな」
「ほぉ、そりゃあまた、なんでやねんな?」
「アホか?まずにして、この家の前の家主はババァだぞ」
「ババァか……確かにババァは、そないなギター買えへんわな」
「だろ。それにな。当時、此処によく出入りしていた、この持ち主であろう此処の孫娘はな。不良っぽい姉ちゃんではあったんだけどな。ギターや、ベースを抱えて歩いてる姿なんか一度も見た事ねぇ。だから期待した所で、精々ミーハーで買えるレベルの品物が入ってると想定するのが賢明だと思うぞ。過度の期待は禁物だ」
多分、それしか考えられねぇんだよ。
だってよぉ。
考えてもみたら、あの姉ちゃん。
本当に1度たりとも『楽器を持ち歩いてた記憶なんてどこにもなかった』処か。
90年代に、なにを勘違いしたのか知らねぇが、濃い化粧に、アフロの出来損ないみたいな髪型をして。
ポケットに手を入れながら、長いスカートを引き摺って練り歩いてるイメージしかねぇんだもんよ。
今と成っては、あのマンガにしか出て来そうにない、靴まで隠れる様な面倒臭そうなロングスカートをな。
そんで更に、今しがた思い出したんだけどな。
『あたいを、なめんじゃないよ!!ドサンピン!!』とか、今聞いたら100%相手が卒倒して、笑い死にしそうなセリフを、それはもぉ白昼堂々と言ってた記憶が蘇って来たんだよな。
(↑当時でも死にそうな気がするが……)
まぁ、そこから総合するとだな。
あの姉ちゃん、かなりのアホか、漫画の読み過ぎの部類に入ると思うから、シグネェーチャーモデルなんて意味すら解ってない様な気がする。
そんな奴が、間違っても、そんな高価なもんに手を出すとは思えないぞ。
なんと言ってもシグネーチャーモデルは、一番グレードの低い物でも約10万以上はするしな。
なので精々頑張っても『GUYATONE』を買って、これが本物だと勘違いしてるのがオチじゃねぇか?
ホント、俺も、さっきまで『宝物』だと思ってたんだが、冷静に考えると、色々在り得ないと判断出来るな。
故に『過度の期待は禁物』って事も、同時に思い知らされたよ。
ちぇ……ショボボボボ。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
結局、箱の中身は解らないまま終わってしまったのですが。
なんだかんだと山中君の登場に文句を言ってた割に、その山中君との会話を楽しんでますね。
ホント支離滅裂な男ですよ(笑)
まぁただ、そんな中にあって。
このハードケースの持ち主であろう孫娘さんの記憶が鮮明に蘇って来た事により。
中身が、あまり大した物ではない可能性が、かなり高くなってしまった様です。
まぁ、所詮は、屋根裏に放置されて、忘れられてた物ですからね(笑)
なら、このハードケースを、どう扱うべきか?
今開けるのか?
それとも、なにか他の機会に開けるのか?
次回は、その辺の『ホントどうでもいい話(笑)』を書いていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来てくださいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
……あぁ、それはそうと。
山中君、学校もある筈なので、こんな時間に何しに来たんでしょうね?(笑)
(↑理由が先延ばしに成ってしまった言い訳(笑))
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