●前回のおさらい●
今更ながら、崇秀と夜遊びをした事に気付き。
その後、奈緒さんの家に帰宅はしたものの、彼女に怒られるのが怖くて、完全にビビってる眞子。
だが、自分の行動に責任を取って、怒られる覚悟を決めなければいけない時もある。
「眞子。いつまでもそんな所で突っ立ってないで、早く部屋の中に入って座りなさい。……そんな事してても、意味ないでしょ」
「あっ、はい。……ごめんなさい」
奈緒さんに言われるがまま部屋に入り。
コタツには入らず、無意識のままペタンと床にお尻を着けて『とんび座り』をした。
「眞子。人の話を聞く時は、ちゃんと正座しなさい。その格好は違うでしょ」
「あっ、あっ、はっ、はい、すっ、すみません。ごめんなさい」
奈緒さんの指摘で我に返り、慌てて正座する。
でも、ホント、ダメだなぁ私って……こんな事、誰かに言われてからする事じゃないよね。
人として常識の範疇なのにね。
「ハァ~~~……それで、昨日は、連絡1つもせずに、どこに行ってたの?」
「あっ、あの~~~、崇秀……ライブの後、崇秀と話し込んでました」
「そぅ。じゃあ、ズッと横浜アリーナに居たんだね」
「あぁっと、あの、その後。崇秀の家に……行きました」
「ハァ~~~~、もぉこの子は……」
「あっ、あの、でっ、でも、誤解しないで下さいね。崇秀とは、なにも変な事はしてませんから。ホント、なにもしてませんから。……お昼まで、一緒に楽器弾いてただけなんで」
決して嘘じゃないんだけど……こう言うのって、信じて貰えるのかなぁ?
奈緒さんは生まれついての『生粋の女の子』だから、こう言う男同士的な感覚って解ってくれるかなぁ?
ヤッパ、今現在のこの見た目じゃ、そう考えて貰うのは難しいかなぁ?
「そぉ。……それで、本当に、そう言う事は、なにも無かったのね?」
「あぁっと、えぇっと」
「はぁ~~もぉ……その様子じゃ、仲居間さんとなにかあったんだね」
「あっ、はい」
「じゃあ、何があったか正直に言ってみなさい」
「えぇっと、あの、その、私、なんて言うか……崇秀に、どうしてもお礼がしたくて、キスしちゃいました」
「そっか。……っで、それ以上は、本当に、なにも無かったのね?」
「あっ、はい。それ以上は、本当に、なにもしてません。神様に誓って、本当です」
「そぉ。なら、良いんだけどね」
「あの、怒ってないんですか?」
「怒ってるよ。今すぐにでも、眞子を、この場で殴りつけたいぐらい怒ってるよ」
「あぁ、はい。すみません。……そうですよね」
裏返しで考えたら、それだけ奈緒さんに心配を掛けてたって事だよね。
女の子なのに軽率な行動をとって、ごめんなさい。
「・・・・・・」
「あっ、あの、本当に、ごめんなさい。連絡しなかったのも、キスしたのも、自分でも悪い事だと思ってます。あっ、あの、だから、その、許して欲しいとは言いません。あの、でも、でも……」
「もぉ良いから、ちょっと落ち着いて」
「あぁ、あっ……はい」
奈緒さんは、いつも冷静だ。
私の自分勝手な行動に、腸が煮えくり返るほど怒っているのは、勿論、解ってるんだけど。
それ以前に奈緒さん、昨日心配で寝てないのかして、ほんのり眼の下に隈が出来てる。
物凄く心配してくれてたんだろうなぁ……
今更ながらだけど、こんなに心配してくれてる奈緒さんを見たら、本当に馬鹿な真似をしちゃったもんだね。
愚か者過ぎるよ……
「眞子。……1つだけ聞くよ。ちゃんと答えるんだよ」
「あっ、はい、なんなりと」
「君……仲居間さんの家に行った時『クラ』だったの?『眞子』だったの?……どっち?」
うぅ……
「えぇっと……んっと……眞子……です。倉津眞子……でしたね」
……ごめんなさい。
この年で、男の家に泊まりに行くなんてハシタナイ女ですよね。
でも……出来れば、奈緒さんにだけは、そう言う風には見て欲しくない。
もぉ無理だろうけど……
「そっか。……じゃあ、しょうがないよね」
「えっ?」
「ふふっ。もぉ、怒ってないから、顔上げて良いよ」
「えっ?……でも、私……」
「コラコラ、君は、私を誰だと思ってるの?中学の時に『援助交際』する様な女だよ。そんな人間が、男の家に泊まったぐらいで怒る訳ないでしょ。……ってか、怒れる訳ない」
「あの、でも」
そうなんだろうけど……そんなの、もぉ過去の話じゃないですか。
今の奈緒さんは、もぉ、その時の奈緒さんじゃないよ……
「あのねぇ眞子。『フリーの眞子』が、仲居間さんに誘われて断れる訳ないでしょ。私だって、クラが居なかったら、仲居間さんのお誘いを断り切る自信なんて微塵も無い。そんな風に私ですら無理なのに、まだ中学生の眞子に断れる訳ないでしょ」
フリー……
「あの、あの、奈緒さん。こんな事をしでかしてしまった私の事なんか、もぉ嫌いになっちゃいましたか?気持ち悪くなっちゃいましたか?……あの、あの……でも、もぅ絶対しませんから、見捨てないで……見捨てないで下さい……」
嫌だよ……
自分に都合の良い事ばっかり言ってるのは解ってるけど、こんな終わり方なんてないよ。
浮気して、ごめんなさい。
本当に、本当に、もぉ絶対しませんから……どうか、こんな私を許して下さい。
「はい?なに言ってんだかね、この子は。私、眞子の事は、今でも大好きだよ。クラと同じ位ね♪」
「えっ?でも……」
「でもさぁ。なんか口惜しいよね」
「えっ?えっ?なっ、なにがですか?」
「ほらほら、折角、秋田から出て来た眞子を、コッチにいる間、ズッと私が面倒を見てきたのにさぁ。幼馴染とは言え、横から仲居間さんに眞子を掻っ攫われるのって、私の立場としたら、なんか口惜しくない?」
「あっ、はぁ……そうなんですか?」
「そっ、私は悔しい訳。……だからさぁ」
「だっ、だから?」
「眞子。……今迄みたいに倉津真琴として恋人関係に成るんじゃなくて、倉津眞子として、正式に私と付き合ってよ」
えっ?
これって、どう言う事?
これって、ひょっとして奈緒さんが、正式に私の存在を……
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
冷静な奈緒さんは、強く怒るのではなく。
ちゃんと順を追って話を聞いてくれた上に、今、眞子の存在を完全に認めたのを仄めかす様な発言をしてきましたね♪
これは一体、どう言う事なのでしょう?
でも、この真相を、此処の後書きで書いても仕方がありませんので。
次回は、その辺の内情や、奈緒さんのがこの思考に至った経緯などを詳しく書いていきたいと思います。
なので良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾
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