最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1469 専用は男のロマン……なんだけど

公開日時: 2025年2月11日(火) 00:21
文字数:2,053

●前回のおさらい●


 倉津君の要求を全て了承する奈緒さん。

去れど彼女にも、なにやら、それを飲むには条件っと言うのがある様子で……

「あぁ、でも、クラ、あれだよ」

「なんッスかね?」

「幾ら、普段が敵同士に成るとは言っても。プライベートでは、ちゃんと彼氏彼女やってよ。そこをちゃんとしてくれなきゃ……やだ。この話はお断り。クラを、アメリカに連れて、駆け落ちしちゃう」


どんな条件を出されるのかと思えば、これまた可愛らしい事を。

しかも『駆け落ち』とは、また古風で可愛い事を言いますなぁ。


実に愛い奴じゃ。


……すんません、調子に乗りました。



「勿論ッスよ。俺だって、そうじゃなきゃ嫌ッスよ」

「そっ。なら、よろしい。……あぁ、それとね、クラ」

「なんッスかね?」

「さっきね。『俺以外には、2度と眼を向けられない位』って言ってたけどね。私、元々余所見なんか出来無いんだけど。クラが一番だから……」


死ねるな。

この人の可愛さには、本当にアッサリ死ねそうだな。


そう言う事を、少し照れた様に言う所が堪らなく愛しいッスな。



「まぁ、あんな事しちゃった後だから、信用には値しない言葉なのかも知れないけどね。本気だから……私、これでも本気なんだよ」

「いやいやいやいや『信用してない』なんて一言も言ってないじゃないッスか。奈緒さんの言葉なら、俺は、絶対に信用しますよ」

「あぁ……」

「確認するまでもなく、俺も本気ッスからね。今と成っちゃあ、奈緒さんを、少しでも疑った自分が恥ずかしいぐらいなんッスから」

「……クラ」

「俺は、なにが有っても奈緒さんだけは疑っちゃいけなかった。信用してあげなきゃいけなかったんッスよ。だから、これで謝るのも最後にしますけど……ゴメンな、奈緒さん」


格好付け過ぎッスかね?

此処まで言ったら、あまりにも滑稽過ぎて笑っちゃいますかね?


でも、絶対に笑わんとってな。



「あぁ、もぉダメ。この子は、なんて事を言ってくれるのよ。決意が揺らいじゃうよ」

「へっ?」

「……クラ好き。大好きだよ。もぉ、大好きなんだから!!」

「へっ?へっ?いやいや、おっ、俺もッス。俺も大好きッスよ」

「もぉ無理無理。そんな事を言われたら、クラと離れるのなんて、絶対に無理だよ。こんなに好きにさせといて……君、残酷すぎるよ」


予想に反して、効果が覿面に出過ぎてるな。


こんな事って有るもんなんだな。



「あっ、あの……なんか、すんません」

「なんてね……嘘。嘘嘘」

「へっ?嘘?嘘なんッスか?なにもかもが嘘ッスか?恒例の悪乗りッスか?」

「あぁ、そこは嘘じゃないよ。言葉の文」

「言葉の文ッスか?」

「そぉそぉ。単なる照れ隠しだから。クラの事が好きなのは、嘘偽りの無い本当だし。クラとの約束も、ちゃんと守るよ。私を、そん所そこ等の女と一緒にしないでね。私は、クラに選んで貰った女だもん。主人が喜ぶ事なら、妻は、絶対にやり遂げてみせるもんだよ」


主人ッスか?

それに妻ッスか?


なんとも甘美な言葉ッスな。


そんな限定的にしか言われないレアな言葉を、まさか俺なんぞが言って貰えるだなんて信じられねぇな。


こりゃあ一回、頬が引き千切れるぐらい抓った方が良いのかもしれねぇ。

(↑そこだけに浮かれて、話の内容を聞いてない俺)


しかも、それを、奈緒さんの口から直接言って貰えるなんて……どうかなっちまいそうだぞ!!


ヤバイ、この状況はヤバ過ぎる!!


( ゚д゚)ハッ!


……あぁでも、あれだな。

此処ら辺については『流石は、奈緒さんだ』って言った所だな。

此処まで一貫して、俺のミジンコ的な馬鹿な意思を汲んでくれるなんて、普通の女の子じゃ中々出来たもんじゃないもんな。


根本からして、この人は違うな。

本人の言葉通り『そん所そこ等の女とは違うな』


恐ろしい人だ。

(↑思い出したんで、後付けな俺)



「あっ、あっ、あっ、あの、あのッスね」


はい、ショボイ!!

圧倒的にショボイ!!

くそぉ~~~~!!

こんな時に限って、久しぶりにドショボが発症しやがったな。


もぉ……なんでこんな良い場面の時に発動しちまうんだよ。



「プッ。なによ、その動揺は?」

「いや、あの、だって、突然、奈緒さんが『妻』とか『主人』とか言うからッスよ」

「あれあれ?私の旦那様は、そういうの、お嫌いでしたか?」

「いや、あの、下半身がモリモリと復活する位、大好きッスね。大好物ッスよ」

「ふ~~~ん。でも、それって、誰に言われても復活しちゃうの?」

「失礼ッスね。本妻に成ってくれる予定のある人じゃないと無効ッス。……だから、奈緒さんにしか反応しないッス。これ自身、奈緒さん専用ッスから」


『専用』は、男のロマンだ。

ガンダムに登場する、俺の尊敬して止まない『赤い人』も『専用機』ばっかり乗ってたからな。


なんであっても『専用』は、男のロマンなんでござんッスよ。


けど、女性である奈緒さんに『男性の下半身』が専用だって言っても、ちっとも嬉かないわな。

いや寧ろ、変な意味にとられて、気分を害する可能性すらあり得る。


しまったなぁ……こりゃあ完全に失敗だな。


あっ、あの、決して、そういう変な意味で言ったんじゃないんですよ!!


せめて、そこだけは伝わってくれぇ~~~!!


無理ですね。

はい、暴言を吐いてしまって、すみませんでしたぁ。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


やっぱり、この子はアホでしたね(笑)


折角、そこそこ良い感じに格好が付いていたのにも関わらず。

最後の最後でしくじってしまう所が、秦のアホたる所以。


実に倉津くんらしい所業です。


まぁでも、完全に失敗と決まった訳ではありませんので。

次回は、その『専用』と言われた奈緒さんの反応を書いていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来てくださいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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