●前回のおさらい●
倉津君の話を信用した崇秀。
早速、その原因を探るべく、まずは倉津君の顔の変化を調べる為に、目を閉じる位みるのを嫌がる倉津君を鏡の前に立たせた。
そして、崇秀に怒られながらも、漸く目を開いたら……
「……なっ、なぁ、崇秀」
「なんだよ?」
「さっきオマエ、モブ女っとか言ってたけど。……思ってた以上に可愛いぞ俺」
いや、あの、これが本当に今現在の俺なの??
いや、なんて言うか?
こう言う事を言っちゃうと、ナルシストだと思われちまうかもしれないけど……なに、この美少女!!
有り得ねぇ位に可愛いじゃねぇかよ!!
俺が、こんな子に声を掛けられたら、その夜、絶対に干からびるまでオナニーするぞ!!
「あっそ。……ってか、オマエの容姿の事なんぞどうでも良いから、サッサと自分の顔の特徴を確認しろつぅの」
ちょ……おま……そりゃあねぇだろう。
興味ねぇかもしれねぇけど、ちょっとぐらい興味持ってくれよ!!
……って、そんな話をしてる場合じゃなかったな。
すまぬ。
「そっ、そうだったな。すっ、すっ、すまん」
「はいはい、お利口さん。解ったんなら、サッサとチェック済ますぞ」
「はっ、はい」
それにしても、チェックって言っても、何所をどうやってするんだろうな?
崇秀が電話越しでチェックするんだから、俺の主観でモノを言って良いのかな?
まぁ言うて、それしかないわな。
「んじゃま、まずは輪郭から」
「輪郭?『輪郭』つっても、どうやんだ?」
「簡単だよ。髭剃りを持った感覚で、自分の顔の輪郭をなぞって確認してみろよ。もしその場に髭剃りが無いなら、取り敢えず、自分の指を使って確認だな」
流石、美容関係の御曹司。
手法が的確ですね。
俺は、崇秀の的確さに驚きながら、奈緒さん家には髭剃りなんて物が無いので、自分の指で確認してみた。
「どうだ?」
「あぁまぁ、正確には言えねぇけど。以前と比べて、かなり丸みを帯びてるな。それと、男の時とは違い、格段に肌が柔らかい」
「そっか。じゃあ総称的に見て、オマエと判断出来る部分はあるか。……解り難かったら、自分の子供の頃を思い出してみろ」
なるほどなぁ。
女の顔ってのは、男と違ってゴツゴツしてないもんな。
だから、子供の頃の自分を参照にする訳か。
此処も理に適った話だな。
「あぁ、それなら、なんとなくなら、ガキの頃の顔っぽいな……」
「そうか。じゃあ、それはOK。次だ」
「あっ、あぁ」
「次は眉毛。もし仮にオマエの体が変化したものなら、此処が一番変化が少ない所だと思うからハッキリと解ると思うんだが。それにオマエ、自分で眉毛を整えてるから、より解り易いんじゃねぇか」
「だよな。……あぁって言うか、俺、そのまんまだわ」
「OK。じゃあ、目元」
「目元か。……まつげが大分長くなってるな。目全体と、黒目が少し大きくなってるけど。見た感じ、俺っぽいかな」
「じゃあ、髪と髪質」
「コッチも、かなり伸びてる感はあるが、基本的な部分では、ほぼ同じだな。……あぁ、少し髪質が柔らかいか」
「そっか。……じゃあ、オマエの主観で言って、自分が『女になったら、こんな感じかな』って思えるか?」
「あぁ、自分じゃ、ちょっとそう言うのはわかんねぇけど。……オマエがさっき言った、ガキの頃の顔には似てるかなぁ」
なんか誘導されてる様な気分は否めないんだが。
真正面から、鏡で、ちゃんと自分の姿を確認すれば、意外と俺の特徴らしき物は残ってるもんだな。
って事は……
「なぁ。……ヤッパ、これって、俺の体が変化した証拠なのか?」
「いや、まだ答えを安易に考えるな。……つぅか、今、それを確認してんだからよ」
「あぁ、だよな。チャチャ入れて、すまん」
「まぁ良い。そんな事よりオマエ、次、服脱げ」
「はい?……いやいやいやいや、ちょっと待て、ちょっと待て。それに、なんの意味があるんだよ?女の体で、なにをチェックしろって言うんだよ?」
「オイオイ、倉津。あのなぁ、此処に来て、変に恥ずかしがってんじゃねぇぞ」
「いや、そうは言うけどよぉ。オマエだって、こうなったら恥ずかしい筈だぞ」
「馬鹿かテメェは?なんで自分の体で恥ずかしがる必要が有るんだよ。……それに俺がそうなったら、率先して、まずは体を調べるぞ」
「変態だな、オマエ。……ってか、裸になって、なにする気なんだよ?なに考えてんだ、オマエ?」
ひょっとして、女性になりたい願望でもあるのか?
なら、直ぐにでも代わってくれ。
「ボケ……これから、どうなってるとも解らねぇ体で、そう簡単に一生過ごせるかよ。そうなった時点で、最初から戻らねぇ事も想定しろっての。それにだ。ズボンを脱げば、確実に解る事が有るんだよ」
賢いね。
ゲスな考えの俺とは、大違いですね。
「あれ?服脱ぐって……ひょっとして、ズボンを脱ぐだけで良いのか?」
「オマエ、なに考えてんの?誰が、裸になれって言ったよ。そう言う想像するテメェの方こそ変態だ」
「……ですね」
いや、でもよぉ。
だったら『ズボン脱げ』って、親切に言ってくれれば良いじゃんかよ。
なんで『服脱げ』って言うんだよ。
「つぅか、サッサとしろ」
「へいへ~い」
「コイツ……誰の為にやってるのか、完全に忘れてねぇか?」
あっ……だよな。
忘れてました。
すんまへん。
心で簡単な謝罪を述べてから、ズボンを脱いでみる。
するとな。
毛が一本も生えてない、スラッとした綺麗な生足が眼に入る。
そんな自分の生足に、妙に『ドキドキ』してる自分が死ぬ程、情けない。
「っで、どうだ?なんか目まぐるしい変化はあったか?」
「毛がねぇ。無駄毛が一本も無くなってる……」
「そうか。悪ぃが、そりゃあビンゴだな」
「なにがぁ?」
ホントなにがぁ?
「オイ、倉津。テメェの無くなったスネ毛が、そこら辺に落ちてねぇか調べてみろ?無い場合は、ズボンの中か、若しくは、昨日、寝ていた布団の中を探してみろ」
「あぁ、わかった。けど、そんなもん、なんの役に立つんだ?」
「オイオイ、マジかよ……」
「悪ぃ。マジです」
「はぁ……良いか、倉津?そこら辺に、テメェのスネ毛が落ちてたら、その体は間違いなく、男から女に変化した事になる。まずは、それの証明をするのが先決なんじゃねぇのか?俺は、最初にそう言った筈だが」
「そうか、そうか。オマエ、ホント、頭良いな」
「オマエの頭が腐ってるだけだ」
……ですね。
ってな訳でだ。
崇秀の言葉に従って、自分のスネ毛の捜索を開始するんだが。
ズボンの裾にゴムが入ってるジャージモドキをパジャマにしてたので、即座に、その中からスネ毛を発見する。
「おぉ、有ったぞ!!ズボンの中に、結構な量が抜け落ちてる」
「そうか。なら、これで、オマエの体が変化した事が確定だな」
「ヤッパ、この体は、俺の体なのか?」
「まぁ、100%とは言えねぇがな。ほぼ確実だろうな」
「……戻れるのか?」
「さぁなぁ。正直言っちまえば、まだ不確定要素が多過ぎて断定は出来ねぇな。……ただな、思い当たる節が2~3あるんだよ」
なに!!
流石、遺伝子工学の父親を持つだけあって、そう言う系統の話には詳しいみたいだな。
ホント、こいつだけはスゲェな……
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
鏡に映った倉津君は……女体化の定番とも言える『美少女』でしたね(笑)
まぁ本人は、普段から『自分の顔が厳つい』っと思い込んでる部分があるので不思議に思ってるかもしれないのですが。
倉津君が厳つく見えるのは『いつも眉間に皺を寄せて生きてるから』厳つく見えるだけであって。
みんなと楽してる時間なんかに、その顔の造りなんかを見ると、結構な優男なんですよ(笑)
その証拠に、本人の口から『子供の頃の顔つきに似てる』なんて言葉が出てますからね。
美少女に成ってると言う認識があって、子供の頃の顔つきに似ている……それって、小さい頃は、女の子に間違われる位、可愛かったって事なんですよね(笑)
その上で、体の鍛え方も、ボクサー体型を目指して鍛えていたのでゴリマッチョではなく、細マッチョ。
基本的に、細身なんですよね(笑)
まぁ、そんな訳でして。
意味もなく『定番だから美少女に成った訳ではなく』成るべくして成った、って言うのが正解な訳なのですよ♪
さてさて、そんな中。
仮定としては『倉津君の体が変化したもの』だと言う認識の元。
崇秀は早くも、こうなった現状に、なにか心当たりがあるのかして、次のステップに進みます。
それが、どう言う原因なのかは、次回の講釈。
また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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