最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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第十七話 勧誘

087 不良さん 早く人間に成りたい!!と思う

公開日時: 2021年5月4日(火) 00:21
更新日時: 2022年11月16日(水) 14:14
文字数:2,156

第十七話スタートです(*'ω'*)ノ

そのまま続きですね(笑)

 017【勧誘】


 スタジオに置き忘れてしまった奈緒さんのベースを回収する為に。

何度か奈緒さんの方を振り返りながら、1人寂しくライブハウスから外に出ようとした。


されど、何度も後ろを振り返ってみた所で、一向に、奈緒さんが一緒に来てくれる様子は見受けられない。

例え、振り返り際に眼が合ったとしても、直ぐに逸らされる有様。


これじゃあ、全く持って期待が持てない状態だ。


まぁ、そうは言っても。

今回に至っては、元を正せば俺が仕出かした事で原因に成ってるんだからこうなっても仕方がない。


だから奈緒さんがこう言う態度を取る件に関しては、しょうがないと言えば、しょうがないんだがな。


……他の奴等は関係なくね?


そんな俺と奈緒さんの事情も知らずによぉ。

みんなして、そんなに俺を、からかわなくても良いじゃんかよ。


だから、この時、俺はな。

ある事を実行しようと、使えもしない河豚味噌をフル活用していた。


勿論、言うまでもなく、脳をフル活用してる理由は、さっきされた事に対する『仕返し』の為だ。

此処をしなきゃ、腹の虫が収まらねぇってもんだ。


世にも恐ろしい復讐をかましてやる……密かに、そぉ心に誓っていた。


……だがな。

ライブハウスから外に出て30秒。

そんな愚かな考えは、アッサリと消滅してしまった。


こんなものな。

冷静になってみれば解る事なんだが、これ自体が『無駄だと悟る』には、この30秒は十分過ぎる時間と言えるからだ。


だって考えてもみろよ。


懸命に色々な復讐の方法を考えてみた所で。

所詮は、フル活用しても河豚味噌は、何所までも行っても河豚味噌。


まずにして、河豚味噌の思考で、人類に勝てる訳がない。

第一、俺なんかが、あのメンバーに対して、なにが出来ようか?


当然、河豚味噌持ちの俺には、そんな大それた真似は出来無い。


なんなら、何故、無理なのかを、少し解説してみようか。



①まずは、山中と、崇秀を狙って復讐を敢行するプラン。


恐らく影で奈緒さんを操っていた悪の根源である首謀者は、この2人。

だから、ピンポイント攻撃を敢行する行為自体、企画としては、なにも悪くないんだがな。


如何せん、例え、それが上手くいったとしても、多分アイツ等の事だ。

俺の果たした復讐が、後に数倍、数十倍になって返って来る様な気がしてならない。


故に、奴等をターゲットにするのにはリスクが大きすぎる。

こうやって非常に高い危険性を孕んでる以上、奴等に対する復讐は辞るのが順当と言うものだ。


②では、崇秀の隠し玉である、アリスを単独に狙って復讐してやる……って言うのは、どうだろうか?


確かに、これも案としては悪くない。

崇秀の隠し玉なだけに、アリスに復讐してやれば、あのアホンダラァにもダメージが行く可能性があるしな。


それになにより、成りきりの変身が解けてる時の気弱なアリスなら、俺でも手玉に取る事は容易いかも知れないからな。


だがな。

此処にも、キッチリと諦める理由が有ったりするんだよなぁ。


なんて言うかよぉ。

俺自身が、あまりアリスって子の事を知らないのに、イキナリ『酷い事をしてやる』って言うのも、どうなんだろうか?と思ってしまっている自分がいるんだよなぁ。

しかも、それが変身の解けてる時点を狙うと成ると、尚更、可哀想な気がして成らない。


この辺は、さっきの件も含めて解っている事なんだが。

通常時の彼女は、非常に気が弱いのは明白だし。

今度、俺が、そんな彼女に何か余計な事をやったら、驚きの余り失神しかねない。


それじゃあ余りにも可哀想だし、それ以前に彼女は女だ。

俺は、女に嫌がらせする様な卑怯な気持ちは持ち合わせていない。


故に却下……アリスをターゲットにするのは辞めにする。


③嶋田さん……


この人に関しては、復讐以前の問題だよな。

あんな良い人に、そんな真似が出来る訳がないし、しちゃいけない。


だから、嶋田さんに復讐を考えるのは、これにてお仕舞い。


④っで最後に、気紛れ悪戯女王事、奈緒さんなんだが……


此処に関しては、もぅ彼女の名前が出た時点で復讐が無理なのは、お察しの通りだ。

どれだけ酷い悪戯をされ様が俺は、自分が大好きな奈緒さんに、そんな復讐紛いな真似をする気には成れないし、ならない。


それに俺は、あの人のあぁ言う気紛れ、実は嫌いじゃないんだよな。


故に、根本的な部分からして、奈緒さんは復讐対象には成らない……なのでもう、奈緒さんに関しては諦めるしかない。


んな訳でだ。

結局の所、誰に対しても、何も復讐出来無い間抜けな俺は。

此処からは何も考えずに、正面出入り口からトボトボと外に出て行くしか方法がない訳なんだよな。


虚しい……虚し過ぎる。


来世では、せめて相手に気付かれない様に悪戯する位の知恵を持った人間に生まれたいものだ。


あぁもぉ~~~早く人間に成りたあぁ~~~い!!


***


 そんな妖怪人間みたいな悲しい心境に成りながらも、ライブハウスの専用通路を抜けて繁華街に出たら、此処でとある事が起こった。



「おっ、ロン!!漸く、兄貴が出て来たぞ!!」

「ホントだ!!ベースの兄貴が出て来たぞ!!ヤベェ、早く行こうぜモヒィ!!」


そうなんだよな。


繁華街側の道路に出た瞬間。

なんとも柄の悪そうなモヒカン頭&ロン毛の2人組の男が、何故か嬉しそうに、俺の方に向かって駆け寄って来やがるんだよな。


なんなんだこれ?


つぅか、誰だよ、オマエ等?


最後までお付き合いありがとうございました<(_ _)>


河豚味噌は、何処まで言っても河豚味噌。

どうやら人類には勝てない様ですね(笑)


そして復讐を諦めながらも外に出た倉津君を待ち構えていたのは、モヒカンとロン毛の怪しい二人組。


一体、この2人の正体とは……


気に成ったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ

……気に成らなくても来てね( ;∀;)

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