最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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942 結局は、こう成るのね

公開日時: 2023年9月5日(火) 00:21
文字数:3,094

●前回のおさらい●


 偶然にも文化祭で鉢合わせした倉津君・奈緒さん・崇秀・眞子の4人だったが。

些細な口論から、何故か、2手に分かれての歌謡コンクールでの争いをする事を提案されたのだが、その組み分けと言うのが……

「あっ、それ、良いですね」

「但しだ。この文化祭で行なわれる歌謡コンクールなんざ、所詮、素人に毛が生えた程度のコンクールだ。こんなもんに優勝したって、なんの自慢にもなりゃしねぇ。だから、マトモにやったんじゃあ面白くないだろ」

「じゃあ、どうするの?」

「なぁにな。だからよぉ。相性の悪い者同士が組んで、勝負するってのはどうだ?」

「ちょ!!じゃあ私は喧嘩してる眞子と組めって事ですか?」

「そぉ、ホンで俺は、眞子の件で、俺の事が気に喰わない倉津の馬鹿と組む。……っで、勝った方には、さっきの勝利者賞に付け加えて、副賞として1つだけなんでも言う事を聞かせられるってので、どうよ?」


いや、待て。

もぉこの際だ。

百歩譲って、歌謡コンクールに出るのは良いとしよう。


けど、なんで俺が、音楽復帰第一戦を、オマエみたいな強烈にイカレタ奴と組まにゃならんのだ?

俺は、オマエとじゃなく、奈緒さんと100%組みたいの。



「そんなの丸々お断りだな。俺は、オマエとは組まねぇ。奈緒さん希望だ」

「私も、今の奈緒ネェは嫌。崇秀が良い」

「そぉ?私、眞子が良いけどなぁ。だってさぁ。アリーナ以降、ニューヨークで一回しか一緒に演奏してないもん。眞子がアメリカツアーを経て、どれだけ上手くなったかを生で体感したいからね。……因みにクラは1年間休養してたから、なんも変わってないしね」


うぉ!!そりゃあねぇッスよ、奈緒さん!!


奈緒さんが、眞子を指名しちまったら。

自動的に俺は、このアホンダラァと組まなきゃならないじゃないですか!!


なんッスか、その地獄絵図は!!



「あぁ、そう言えばそうですね。じゃあ、私も奈緒ネェと組みたい。……奈緒ネェ一緒にやろ」


この……眞子の奴、アッサリ、裏切りやがったよ!!

オマエまで、俺を、この魔王の生贄に捧げ様ってのか?


鬼か!!



「だね。じゃあ決定♪頑張ろうね眞子」

「あぁはい、全力全開で頑張っちゃいますよ♪」


あれ?おかしいなぁ?

オタク等、さっきまで喧嘩してなかったっけ?

なんで、そんなに直ぐ仲直りが出来るんだ?


意味がわかんねぇぞ?



「いやいやいやいや、ちょっと待ってくれ!!俺もソッチ側に入りたい!!崇秀は嫌だ」

「そっか。だったら俺は、いつも通り1人でも構わねぇぞ。……偶には、俺の本気を見せてやろうじゃねぇか」

「「!?」」

「おぅ!!それで良いんじゃんか!!それで行こうぜ!!それで!!」

「あぁ、仲居間さんに、クラを差し上げますんで。どうぞ、好きに使って下さい」

「えっ?」

「まっ、真琴ちゃんガンバ!!やれるやれる!!」

「いやいや、眞子。そんな酷い事を言うなよ。……わっ、悪かった。崇秀は良い奴だ。だから俺も、そっち側の仲間に入れてくれ」

「うん、ごめん……全力で断る」


なんでぇ?


……って言うか、何を怯えてるんだ、この2人は?

崇秀が『本気』って言っただけで、恐ろしい様な拒否反応を示してるんだけど?


俺が昏睡してた1年の間に……また、なんかあったのか?



「あっ、あの、奈緒さん一緒に……」

「さっ、さぁ、眞子。もぉ時間がないよ。早く他のメンバーも探しに行かなきゃね。行こ行こ」

「そっ、そうですね」

「ちょ!!」


あるうぇ~~~?

昨日、奈緒さん、崇秀をやっつけるって話を熱く語ってたじゃないッスか?


この態度を示すって事は……


あれ……なんだったんッスか?



「ちょっと奈緒さん!!昨日、崇秀を一緒に倒そうって言ったじゃないッスか!!あれ、嘘ッスか!!」

「あぁっとねぇ。あぁほら、今日はお遊びじゃない。それは本気の時の話ね。なんでも勝てば良いってもんじゃないんだよ。本気の音楽で勝たなきゃ、なんの意味も無いの(空気読め!!)」


あるうぇ~~~?

奈緒さん去年、なんでも勝てば、勝ちだって言ってませんでしたか?

それに崇秀だって『本気でやる』って明言してるじゃないですか。


言ってる事が、おかしいですよ。



「いやいやいやいや、去年の文化祭で、崇秀に、なんでも勝てばOKって言ってたじゃないですか」

「うん、そこは悔い改めたのよ。ヤッパ、本気の音楽で勝たなきゃ意味が無いよね(だから空気読め!!今は、その時じゃないの!!)」

「あぁだったら、俺は1人で良いぞ。その代わり本気で……」

「崇秀!!崇秀!!今日は文化祭だし。ほらほら、それに昨日の約束じゃ、昨日と、今日は、お休みでしょ。だから、本気じゃなくて遊びでやろうよ。遊び心を失くしたら、お仕舞いだよ」

「あぁまぁ、それは一理あるなぁ。ところでよぉ眞子。何%までが遊びって事で良いんだ?80%ぐらいか?」

「あの、崇秀……此処に居る全員を殺す気?」


『殺す』だって?


オイオイ、崇秀の本気って、いつの間にか、そんなにスゲェ事になってるのか?

山中の言ってた通り、たった1年間で、また強烈な進化を遂げたって言うのかよ?


……にしても、俺が昏睡をしてる間に、一体何があったんだ?

奈緒さんは、全米でヒットを飛ばし捲くってる超有名アーティストだし。

眞子も、噂じゃハンパじゃない実力の持ち主だと聞いていると言うのに、崇秀の本気に対してだけは、この有様。


そんな2人が、此処まで崇秀を恐れる理由ってのはなんなんだ?


イカンなぁ。

流石に、ちょっと興味が湧いて来たぞ。


なら、いっそうの事、ステージで一緒に演奏する相手が崇秀でも良いか。


なんか、その方が面白そうだしよ。



「あぁ、もぉ解った、解った。大不満だが、崇秀で良いよ。我慢してやるよ」

「ホッ、ホント?」

「ホントも、糞も、奈緒さんも、眞子も勝負自体のヤル気はあるんだろ?だったら、俺が諦めるしかねぇじゃんよ」

「「おぉ……格好良い♪」」

「そっ、そうかぁ?……まぁまぁ。つぅ事だから、仕方なく組んでやるよ、馬鹿秀」

「あっそ(チッ……ツマンネェな)」


なんか言ったか?



「その代わりオマエ、全力全開で行く事な」

「おっ、おっ、はいよ、はいよ~~。委細承知(ククッ……やっぱ、コイツはオモシレェな)」

「「魔王様に、余計な事を言うなぁ!!」」

「はい?」


ダメッスかね?



こうやって『自分の彼氏VS自分の彼女』と言う、奇妙なバトルが勃発した。


これこそが、とんだハプニングだよ。


けどまぁ、こう成った以上、早めにメンバーを探しちまって音合わせとかもしちまわねぇとな。

勝負事になった以上、相手が彼女の奈緒さんだろうと、姉弟の眞子だろうと負けて良い道理なんとものは無い。


どんな事が有っても、最終的には勝たねぇと意味がねぇからな。



……しかしまぁ、もし勝ったとしたら、奈緒さんと、眞子に何して貰うかな?


崇秀がコチラ側にいるだけで、勝率は一気に高く成ってるしな。


キヒヒヒヒ……

(↑卑怯な俺)


***


―――次回予告。


眞子「眞子で~~す♪」

真琴「オぃちゃんだよ~~~」

真琴・眞子「「2人合わせて、予告姉弟で~~す」」



真琴「さてさて、また恒例のとんでもないライブバトルになっちまったもんだなぁ」

眞子「ホントだよね。まさか、普通に楽しもうと思って来た文化祭で、崇秀と敵同士になるなんて、ホント想いも寄らなかったよ」


真琴「まぁそう言うなって。俺だって、復帰一戦目のライブを奈緒さんと出来ねぇんだからよぉ。これ以上の不幸はねぇぞ」

眞子「だよねぇ。お互いついてないよね」

真琴「だな」



眞子「さて……そんな感じで次回は、真琴ちゃんと、私の視点が交じり合ったライブの話をお送りします。お題は……」


『Battle in cultyre festival』

「激突」


真琴「……を、お送りするぜぇ!!楽しみにな!!」



眞子「はぁ~~~、それにしても、崇秀と普通にデートしたかったなぁ……」

真琴「諦めろ。……オマエの彼氏は、既に産まれた時から狂ってる」

眞子「……だよね」


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>

これにて第一章・第五十三話【happening】はお仕舞に成りますが如何だったでしょうか?


今回は色んなハプニングがあったのですが。

この最後の最後で、倉津君・崇秀VS奈緒さん・眞子組の戦いが勃発したのが、倉津君にとっては一番のハプニングになったのかもしれませんね(笑)


……っとは言っても。

現状ではメンバーが足りないのも現実。

これからメンバー探しをしなきゃいけないのですが、一体、この急な状況の中、誰を選出するのでしょうか?


次回は、その辺を書いて行きたいと思いますので。

良かったら、第一章・第五十四話【Battle in cultyre festival】もお付き合い下さいませませ♪

(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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