最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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649 急いで帰路に就かねば……って、オイ、私!!

公開日時: 2022年11月17日(木) 00:21
更新日時: 2023年1月19日(木) 20:34
文字数:2,040

●前回のおさらい●


 崇秀の真意を考察しながら、今回のライブを振り返り。

妙に納得出来た所で、身支度を整えて帰路に就こうとする眞子だったが……

 今日の凄惨なライブを、そんな風に振り返り。

自然に顔がニヤけさせながらも、今度は最後まで綺麗に髪をセットし終えた。


後は……水道の水で顔を洗い、涙でボロボロに成った顔を綺麗にして。

漸く2時間近くも長居していたトイレから、廊下に出て行く事が出来た。


……あぁ、因みにね。

ちょっと、お恥ずかしい話なんだけど。

あの『七つの大罪』の時に、パンツがビチョビチョに濡れて大変な事に成ってたじゃない。


あれってね。

確かに私は、間違いなく七つの大罪の1つ『luxuria(色欲)』を感じてたんだけどね。


実は……その内容ってのがね。

『奈緒さんが男になって、私にHな事をしてる』

『それに対して、馬鹿みたいに善がってる自分』

……なんて、ロクでもない幻覚に囚われてたのよ。


だから、その時の心情としては……

余りにも『無茶苦茶な事を考えてる自分』に、情けなくも、悲しくなって、茫然自失のままポロポロと泣いちゃった訳なのね。


流石に、今考えても……無いわ。


ははっ……妄想エロ女でした。


***


 ……さてさて、そろそろ時間も時間な事だし。

急いで奈緒さんの家に帰らなきゃ、終電の電車が無くなってしまう。


でも、そんな事に成ったら、実は大変。


だってさぁ。

そうなったら、タクシー乗って奈緒さんの家まで帰らなきゃ行けないじゃない。


まぁ、この辺は、ややケチ臭い話ではあるんだけど。

今の私には、とある諸事情があって、通帳に貯金はあっても、それが使えない状態。

なので、こんな所で余計な出費をしてる余裕なんて物はないんですよ。


だから、ソレを阻止する為にも、絶対に電車に乗らなきゃいけない。

なにがなんでも電車に乗らなきゃいけない。


って事!!電車の改札口まで、はよ行こ~~っと!!


ダッシュダッシュ!!


***


 急ぎ足で廊下を横断しながら、一旦、荷物を置いておいた楽屋に向っていった。


なんてったって、私の大切な愛機『79 Sting -rayちゃん』が置きっぱなしだもんね。


それに……みっともなく『濡れたパンツ』も、持って来ていた替えのパンツに履き替えたいしね。


ははっ……此処はイマイチ笑えない。


・・・・・・


……って、オイ、私!!

今までスッカリ忘れてたけど、大変なミスを犯しちゃてるよ!!


『替えのパンツ』については、今日、病院の検査でなにがあるか解らなかったから、鞄の中に何枚か持って来てるのは良いんだけど……


あのライブの後『79 Sting -rayちゃん』って……どこに置いたっけ?

ライブが終わって直ぐに、意識が朦朧としながらフラフラとトイレに行っちゃったから……どこに置いたかハッキリ憶えてないよぉ。


マジでヤバイ!!


そう思いながら、一番確率の高いステージの脇まで探しに行ったけど……


ヤッパリ『79 Sting -rayちゃん』の姿は無い。


仕方なく、誰かが持って行ってくれた可能性を考え、慌てて楽屋に行ってみたけど……


今度は『パンツの入った鞄』すらない始末。


うわ~~~ん!!なにこれ、なにこれ?最悪だぁ~~~!!


結果、アリーナ内を、キョロキョロしながら一周廻ってみたんだけど……なにも見付からずに、途方に暮れるだけだった。


そんで、最後の可能性に賭けて、事務局に、拾得物が無いかを確認したけど……此処でも、なにも無く。

落し物用紙に『79 Sting -rayちゃん』と『鞄』って記載して、トボトボとエントランスに向って歩いて行く羽目に成った。



すると……



「よっ……お疲れ」

「あっ。崇秀……なにしてるの?」


何故か『音狂音獄を統べる魔王』が、タバコを吹かしながら、ロビーに座って居た。


しかもね。

パッと崇秀の方を見ると『79 Sting -rayちゃん』と『パンツの入った鞄』を、ロビーにある長椅子の上に、ちゃんと置いていてくれてたりする。


多分、この様子からして、ステージの脇に置きっ放しになっていた『79 Sting -rayちゃん』を回収して、ソフトケースに詰め込み。

楽屋から鞄を持って、此処で待っててくれた様だ。


……これは中々にして神対応ですね。



「『なに?』って……いや、ただ単に、オマエを待ってただけだが」

「なんでぇ?」

「『なんでぇ』って、オマエ。……そりゃあ『今日1日は、オマエに付き合う』って言う約束だからな。今日の残り時間も、オマエに全部使うのが筋ってもんだろ。……変か?」

「律儀か!!」


それとも崇秀は、スケジュール管理用のコンピュータかなんかなの?

しかも、それだけの為に、こんな所で2時間以上も待つなんて、馬鹿じゃないの?


それによくもまぁ、あんな酷い事を仕出かして置いて、イケシャアシャアと私の前に出て来られたもんだよ。


図々しい。


あぁでも……荷物の回収をしてくれたのは、ちゃんと感謝ね感謝♪



「あぁ、それは、よく言われるな」

「ハァ~~~。そうですか、そうですか。それは困った男ですね」

「……ってかよぉ、眞子。んな事より、どうだ?少しはベースが上手く成れそうか?」


あっ!!此処でイキナリライブの核心に迫れる質問だ。


……っと成ると。

さてさて、此処は何と答えたもんですかねぇ?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


無くしてしまったと思われたベースも、鞄も、パンツも見つかって良かった良かった。


実際の話、鞄に財布を入れてるから。

これが無いと、着払いで奈緒さんの家までタクシーに乗って帰路に就くしかありませんでしたしね(笑)


さてさて、そんな風に眞子の持ち物を纏めてくれていた崇秀に合流した訳なのですが。

此処で突然『ライブについての感想』を崇秀から問われる事に成ったのですが。


眞子は一体、どんな回答をするのか?


そこを次回は書いていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾

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