●前回のおさらい●
倉津君の寛大な態度に対して、せめてなにかお礼をしなければいけないと感じる眞子。
そこで、自身が一番協力出来るであろう音楽の話を持って行ったら。
倉津君の口から『細川君と新しい音楽サイトを立ち上げる』っと言う話をされた上に、勧誘までされて……
「その言い様だったら、無理してまで私はイラナイって事?」
「いいや。眞子が居てくれれば、間違いなく、事は順調に事は進む筈だぞ。けどな……」
「けど?」
「そこは、オマエの意思を尊重させて貰うわ。オマエの気持ち次第で構わねぇよ」
「そうなんだ」
「そりゃあそうだろ。オマエ自身が、崇秀の彼女なんだし、GUILDを散々利用してる部分があるからな。そのままの状態じゃ脱退はし難いだろうからよ」
その辺も全部織り込み済みでの勧誘だったんだ。
私としては、もっと軽い気持ちで誘ってくれてるものだと思ってたんだけど、そうじゃないみたい。
だったらさぁ。
「そっか。じゃあ、1つ聞くけど。私の事いる?必要としてくれる?」
此処まで言ってくれてるのに、これは卑怯な言い方になるのかも知れないんだけど。
真琴ちゃんの気持ちを再度確認した上で、なにか背中を押してくれないと、多分私は、そこに行く事は出来無いと思う。
ほんの些細な事で良いから、もう一声なにかの切欠になる言葉が欲しい所なんですよね。
それに付け加えて言うなら。
このままズッとGUILDに居続けたら、いつまでも崇秀さんに甘えてばっかりの人生に成っちゃいそうな気がしてならない。
勿論、そうは言っても。
ただただ、お世話にだけなるつもりはないし、GUILDの発展に目一杯協力させて貰うつもりではあるんだけど。
この機会に、この辺のケジメを付けても良いのかもしれないと思った。
突然ではあるんだけど、真琴ちゃんの勧誘を受けて、私にはそう思えてきた。
「必要だって言ったら来てくれるのか?」
「うん。今回の件では、本当に真琴ちゃんには一杯迷惑を掛けちゃったからね。その恩返しが少しでも出来るなら、私は、この話に乗っても構わないと思ってるよ」
「だったら来てくれよ。オマエの力は、絶対的に必要だからな」
そうやって断言してくれちゃいますか。
って言うか。
そこまで断言されると、これは見事なまでに背中を押して貰ってますね。
だったら後、今言って置くべき事は……
「あぁ、でも、崇秀さんには、その旨をちゃんと伝えるよ。じゃなきゃフェアーじゃないし」
「勿論、構わねぇよ。どうせ黙ってた所で、アイツなら、直ぐに気付くだろうし。それ以前に『宣戦布告』もキッチリかますつもりだからな」
「そっ、そうなんだ。豪く気合が入ってるんだね」
「まぁな。今回ばかりは、マジで結構な金額の金が動いてるからな。今までみたいに下手打ちは出来ねぇんだよ」
大金まで動くんだ。
……って事は、もぉ出資者を募ってるって可能性すらあるって事だよね。
もしそうなら、行動が思った以上に早いね。
いや、それとも、現状で真琴ちゃんがしてくれた話の内容からして……
「それって、細川君が個人的に出資してくれる感じ?」
「鋭いな。初期投資に関しては、モジャがしてくれる感じだな」
「やっぱり。そうだと思ったよ」
細川君が、真琴ちゃんに話を持ち掛けてきた期間から考えても、そうなるよね。
まぁ細川君の事だから。
この発想を考えた時点で出資者を募ってる可能性は高いけど。
「だろ。けどな。初期投資は、そうやってモジャにして貰う結果には成ってるんだがな。これが上手く行ったら、ウチや、遠藤の所の組にも声を掛けて、いずれは株式会社を作るつもりではあるんだよ」
「へぇ~~~っ、そうなんだ。……って事は、それって、あれだよね?後々、遠藤さんの所まで絡んでくるって事は、ヤクザの組であっても、比較的、全うなシノギを作ろうって寸法だよね?」
「そう言うこったな。流石に、その辺は良く解ってるな」
それはまた、中々見事なまでの社会復帰の方法を考えたものですね。
本当に、この方法が上手くさえ行けば。
仮に真琴ちゃんがヤクザになる羽目に成っても、世間的にはヤクザじゃない立ち位置に付く事も可能になってくる。
まぁ勿論、組長とまでなってしまったら、そうもいかないんだろけど。
組に入る上での初期段階での話であるならば、これはかなり有効な手段だし、組長になるまでの時間稼ぎにもなるので、実に言い考えだと思う。
まぁ、この辺りは、細川君が考えた事なんだろうけど。
それにしても、そのアプローチの仕方は、私の考えには無かったなぁ。
でもでも。
それが解った以上、此処は1つ全力投球で、真琴ちゃんを成功に導ける様に頑張らなきゃね。
なんと言っても、これは私が、今の真琴ちゃんに丸投げしてしまって逃げた事象でもある訳だからね。
これは思わぬ所で、それに協力出来るチャンスが転がって来たもんだよ。
「そりゃあそうだよ。元極道の女ですから……あぁそれはそれとして、そういう思惑があるんなら、私も全身全霊を掛けて真琴ちゃんをサポートさせて貰うね」
「おっ?なんだよ、なんだよ?オマエの方こそ、豪く気合入ってるじゃんかよ」
「当然じゃない。奈緒ネェの幸せを考えたら、ヤクザの組長より、芸能プロダクションの社長の方が数千倍は世間体が良いからね。だから、奈緒ネェとも力を合わせて、真琴ちゃんの為に頑張っちゃうよ」
この分じゃあ、どうせ奈緒ネェも誘うんでしょ。
……って言うか。
この状況下で『奈緒ネェを誘わない』なんて選択肢が存在する筈がないもんね。
それに、もしそうなれば『打倒崇秀さん』も見えて来るってもんだしね。
まさに最強ですよ!!
今考えうる最強の布陣ですよ!!
「・・・・・・」
……って、あれ?
私が、そうやって未来予想図を想像してたら。
何故か知らないけど、真琴ちゃんはイマイチ乗り気じゃない様な奇妙な表情を浮かべてる?
えっ?なに?どうしたの?
奈緒ネェに関して、なにか不安な事でもあるの?
今回も最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
倉津君の話を聞いていて、いつまでも崇秀に頼ってないで、自分ももっと大人いならなきゃいけないと感じたのか。
眞子は、自立する道を選ぼうとしてるみたいですね。
まぁこれ等の眞子の行動を一見したら、安易な気持ちから生じた裏切り行為に見えちゃうのかもしれないのですが。
冷静になって考えてみると。
崇秀は、凄く自立を推奨する人間なので、ある意味、崇秀に対する恩返しにもなったりするんですよね。
結局の所、恩返しというのは「相手が、どうしたら喜んでくれるのか?」を考えるのかが、本当の恩返しになるというものなのですよ。
此処で「一般論だけで考えてるようじゃ」それは恩返しとは言わないのです(笑)
さてさて、そんな中。
眞子の中では、此処で奈緒さんもサイトに加入して貰い。
一気にサイトの知名度を上げようと考えてるみたいなのですが。
それに反して倉津君が、何やら考え込んでる様子。
一体、なにを躊躇っているのでしょうね?
次回は、その辺を書いていこうと思いますので。
良かったら、また遊びに来てくださいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
読み終わったら、ポイントを付けましょう!