●前回のおさらい●
GUILDの秘密と、なにやらその経営の仕方の秘策について語ってくれる理子さん。
そして、それにより崇秀は、最初よりも3倍以上の売り上げを伸ばしている事に唖然とする倉津君。
だが、それで終わりではなかった(笑)
「これも本当は、まだオフレコなんだけど。今回の件に『ZaP』の前田朔哉も絡んでるらしいのよ。確認の為に、さっき仲居間さんのホームページにアクセスしたら、そんな事が、小さくコソッと書いてあったから、これも、確実な情報だと思うよ」
「なるほど……チケット販売に、アイツも最後の切り札を打ったって事ッスね」
「そう言う事だね」
アイツが何を考えての事かは知らんが。
俺が思ってた以上に、なんか凄い事になって来てるのだけは確かだな。
『日本を震撼』させるって言うのは、こう言う意味だったんだな。
まぁつってもな。
8000人程度の観客じゃ、そう簡単には『日本を震撼』させるなんて無理だろうし、俺自身のやる事は、なに1つ変わんねぇんだから、俺の場合はやる事やってりゃあ良いッかって感じだな。
『ZaP』の前田朔哉が来ようが、なにしようが関係ないつぅのな。
「はいはい、お疲れ様ぁ~。チケット完売したよぉ」
話が一段落した所で、美樹さん一行がやって来た。
けど……夏の日差しにやられたのか、美樹さん達Fishの皆さんは、ややダルそうな感じだ。
「フフッ、美樹お疲れぇ~~~。どうだった?握手攻めとかに遭って大変だったんじゃない?」
「ほんと、理子って上手く逃げるよね。汗まみれの手で握手されるのなんて最悪だったよ。……ってか理子、なんで、此処に兄貴君が居るのよ?」
「うん?私が、兄貴君を口説いてたからだけど」
「抜け駆けしたって言うの?……クスッ、けど、その様子じゃ。なにも上手くいかなかったみたいだね」
「そうなのよねぇ。堅いのよねぇ兄貴君は。なにを言っても『奈緒一筋』しか言わないのよ。此処まで堅いとは、流石の私も思わなかったよ」
「ざまぁ」
理子さんが過去話で、お互い毛嫌いしてたとか、なんだかんだ言ってたけど、結局、4人共仲が良いじゃん。
ならあれだな。
最初は嫌いでも、付き合ってみたら『結構、良い奴じゃん』パターンだな。
現に俺と、崇秀もそうだったしな。
ファースト・インパクトでは、アンニャロウにイキナリぶん殴られたれもしたが、俺の心が寛大だったからこそ、そこまでの問題には発展せず、今はまぁ、ソコソコはアイツとも仲良くやってるもんな。
「終わったよぉ……ねぇねぇ、理子ちゃん。椿、喉渇いたぁ。なんか欲しい」
「ただいまぁ……ってか。誰も所定の場所に居なかったんだけど。これ、どういう事よ?」
今度は、椿さんと奈緒さんがご帰還。
美樹さん達同様、2人共なんかヘロヘロになってる。
まさに、夏の日差し恐るべし!!だな
「多分、全員がチケットを完売したんじゃない?」
「最悪だよ。飲み物配りに行った私って、一体なんなのよ?」
「ねぇねぇ、奈緒ちゃん、飲み物が有るの?椿ねぇ、喉渇いた。飲み物欲しい」
「幾らでも、どうぞ」
「わ~い♪」
無邪気に振舞う椿さんに、奈緒さんは疲れた顔をしながらアクエリアスを手渡す。
それを椿さんは、これまた嬉しそうに『こくこく』飲んでいる。
相変わらず、可愛い仕草をする人だ。
「あぁ、じゃあ奈緒、悪いけど、あたしにもなんか頂戴。喉カラカラ」
「はいはい、どうぞ、どうぞ」
「私、コーラ頂戴」
「は~い。はいはい、毎度ぉ」
「あぁ奈緒、序に、私もコーラ」
「あ~~い、あ~~い」
「お疲れ様、奈緒……私も頂戴」
「へいへ~い」
注文をするFishの皆さんに対して、疲れてるのかして奈緒さんは、なんとも気だるそうに渡してるよ。
でも、そんな奈緒さんも可愛いな。
そんで、今いる女性陣に一通り渡すと、奈緒さんも自分の分のポカリを開ける。
「あっつい!!もぉ死ね太陽!!馬鹿太陽のせいで喉カラカラだよ!!……あっ、奈緒、良い物持ってるじゃん。それ、頂戴♪」
「……どうぞ」
「ホント暑いよね。カイちゃん、私も飲み物欲しい」
「どうぞ……ってか、私ゃヤクルトおばさんか!!」
怒った。
アクエリアスを飲もうとした所に、電波な千尋と咲さんが、奈緒さんに飲み物を請求してきたから、とうとう奈緒さんが怒った!!
『『『『『『『あはははは……そうなんじゃない』』』』』』』
「笑うにゃ!!」
「ぷっ!!あははっはは……奈緒奈緒『笑うにゃ』って何?」
「うぅ~~~うるさぁ~~い!!笑うにゃ~~~!!」
一瞬、少し揉めるかなぁって思ったけど、7対1じゃ流石の奈緒さんも分が悪いか……
ってか、壊れてるけど『そんな奈緒さんも可愛いニャ』
「あぁ、それはそうとさぁ、ステラと、素直を見かけないけど。あの2人って、何所に居るの?」
「無視するにゃ!!」
「えぇっとねぇ、多分、正面ゲートで、入場者全員に『バスタオル』配ってる筈だよ」
「そっか、大変だぁ」
「無視するにゃ!!無視するにゃ!!」
「じゃあ、それ、飲んだら、みんなで、ステラと、素直を手伝いに行っちゃう?……このニャアニャアうるさいのも連れて」
「そうだね。流石に、あそこは2人じゃ辛いだろうし。……この小うるさい猫を連れて行きますか。猫の手も借りたい筈だもんね」
「人の事を猫とか言うにゃ!!」
んで結局、全員が飲み物を飲み終わったら、反論虚しく奈緒さんは連れて行かれた。
「にゃ~~~~」
「あの、理子さん。俺、この後、どうしたら良いッスかね?」
「そうだねぇ~。取り敢えず、一旦、仲居間さん所に戻れば良いんじゃない。多分、次の指示出してくれると思うよ」
「そッスか。んじゃあまぁ、一旦、あの馬鹿んとこに行ってみますわ」
「それが賢明だと思うよ」
「ウッス」
そう言って理子さんは、楽しそうに、みんなの輪の中に消えていった。
その姿を見て、なんとなくだが、女子達の仲が上手くいってるんだな……とかも思ってみる。
俺は、そんな理子さん達が見えなくなるまで見送ると、再び、糞重たいクーラーバックを抱えて、崇秀の元に戻って行く。
さてさて、次は、なにがある事やら……
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
これにて第四十五話『庶務雑務な筈の俺が……』はお仕舞なのですが、如何だったでしょうか?
まぁコソコソと、色々な伏線を張る為のお話でしたので、皆さんには楽しんで頂けているかは不安な所ですが。
物語自身は、順風満帆な感じで進んでいるので、一応は、大丈夫だと思っております。
さてさて、そんな中。
次回からは第四十六話『崇秀、真琴の現状解説』っと言う、ちょっと奇妙なお話をしていきたいと思いますです。
……っと言いますのもね。
結構、登場人物が増えて来ましたので。
ちょっと、誰がどんな感じで倉津君の事を思っているのかを整理しておこうと思った次第なんですよ。
但し、普通に書いても面白くないので。
崇秀と、倉津君の見解の違いを踏まえて話して行きたいと思いますです。
そんな感じですので。
また次回も、良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ
読み終わったら、ポイントを付けましょう!