最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1425 この企画の本命

公開日時: 2024年12月29日(日) 00:21
文字数:2,930

●前回のおさらい●


 倉津君が企画に協力してくれるなら、その資金さえも全額負担するとまで言う細川君。


果たして細川君は、何故、そこまでしようとするのでしょうか?

 倉津君が企画に協力してくれるなら、その資金さえも全額負担するとまで言う細川君。


果たして細川君は、何故、そこまでしようとするのでしょうか?


***


「いやいやいやいや、そんなもんイラネェって」

「なんでだい?なにを、そんなに躊躇してまで、拒む理由があるんだい?」

「いや、なんでも、糞もねぇよ。幾ら知り合いとは言え、アンタに、そこまでして貰う義理がねぇからだよ」

「あぁ、そう言う事か。なら、旦那は、根本的な部分で間違ってるな。コイツは、旦那が思う程、義理とか、人情の、そう言う単純な話じゃねぇんだよ」


間違ってるだと?


……って事はなにか?

このモジャ公は、自己の快楽を求める為だけに、俺を利用しようって腹か?


けど『そう言う単純な話じゃない』って言った以上、そんな訳もねぇか。


なら、どういうこった?



「……って事はオマエ。崇秀の替わりに、俺を利用しようって腹か?」

「まぁ、そうさな。それも一理ありだな。……あぁ、但しな。これは、旦那の能力を認めた上でのビジネスの話であって、自分の快楽だけを求めてる訳じゃないさな」

「うん?どういうこったよ?」

「なぁ~にな。さっきも言った通り。もう1度、仲居間の目を覚まさせる為にも『敵対組織』を作るのは、もう解ってると思うがな。その上で、この敵対組織自体を、旦那が運営すりゃ、後に、ヤクザの運営資金源に成る得るだろ。そうなりゃ後は、それをアンタの本家に、この組織を買い取って貰えば、俺の投資は、簡単に成功に終わる訳だ。……これなら、お互いに納得の行く結末だろ」

「なっ!!」


がっ!!そこかよ!!

一般人であるオマエが、ヤクザのシノギを増やす算段をしてたって言うのか?


なんて馬鹿な事を考えやがるんだ。

しかもコイツ、ヤクザを手玉に取ろうとするなんて、どこまで肝の座った奴なんだよ。


けどよぉ、そんな真似をしたら、世間で迷惑する人間が増えるだけなのによぉ。


ホント、なにを考えてやがるんだ?



「それにな旦那。そうすりゃ旦那も、今後、ヤクザの世界に入る様な状態に成ったとしても、多少は日の当たる世界に行けるだろ」

「へっ?……アンタ、まさか」

「そう言う事さな」


なんだこの話?

まともに聞いてたんじゃ、単なる能天気な戯言にしか聞こえないが。

コイツ等の様な頭のおかしい連中は、こう言う場面では、絶対に冗談は言わない。


じゃあ、そんな事の為にモジャは、マジで、こんな馬鹿な申し出をしてくれてるのか?



「けどよぉ。俺で有る必要性はあるのか?」

「あるな。旦那じゃなきゃ、こんなもんは、なんの意味も成さないさな」

「なっ、なんでだ?」

「さっき言った人材の確保と、コネだよコネ。大きなヤクザの組なら、業界に通じるコネの1本や2本は有るだろうに。そこを有用に使う為にも、旦那じゃなきゃ意味はないって事さな」


まぁ、そりゃあな。

親父に聞きゃあ、業界へのコネの一本や二本は有るだろうけどよぉ。



「いや、だったらよぉ。同じヤクザの息子で良いなら、俺なんかより、康弘の方が、俄然良くねぇか?」


アイツは、一流大学に行けるほど頭が良いし。

それを活用して色々な面で暗躍してるみたいだし、機転が利く。

それに何より、馬鹿の俺みたいに、誰彼構わず、直ぐに人を信用せずに『疑い深い』


こう言った面を含めて、ビジネスのパートナーとして見た時、アイツの方が、確実に有能だと思うんだがな。



「確かに、それは、そうかも知れないな。けど、遠藤さんの登場は、まだまだ先の話。後々の話さな」

「後々の話だと?それも、どういう事だよ」

「あのなぁ、旦那。少しは物を考えなよ。あの遠藤さんって人は、旦那が思ってる以上に野心家だし。中々強かで、尻尾を出さない様な腹黒な性格をしてるんだぜ。だから、アイツと、俺が先に組んだんじゃ、旦那が関与し難く成っちまうだろうに」


まぁ言うなれば、あれだな。

康弘は、比較的、自己利益を優先的に考えれる奴だから。

確かにモジャと、アイツが組んだら、俺の入る隙は何所にも存在し無くなっちまうのは明白だな。


利益面、及びコネの部分で言えば、アイツの方が利益を多くあげれるし【無名】での活動があるから、芸能界にもコネを沢山持ってる。


だからモジャの言ってる事は、なにも間違っちゃいない。


なら……



「だったら、別に、それでも良いんじゃねぇの?」

「はぁ……馬鹿言っちゃいけねぇな、旦那。この話は、倉津組と、遠藤組の架け橋に成り得る話なんだぜ。それを易々と、一方的に利益を与えてどうすんだよ」

「架け橋?なんだそりゃ?」


うん?



「はぁ、ダメだ、この旦那は。呆れてモノが言えないさな」

「なんでだよ?」

「良いかい、旦那?まずは、さっきの話を聞いて。どんな事が有っても、倉津組が先に有利な立ち位置に立たなきゃ話にも成らないってのは解るかい?」

「まぁなぁ。オマエが、さっき『俺が関与し難くなる』つったんだから、事実そうなんだろうな」

「だったらな。その有利な立ち位置を、いち早く築いた上で。遠藤組に共同経営の話を持ち掛けたら、どうなるよ?表の美味しいシノギなら、相手側もアッサリ喰い付いてくるんじゃないのかい?堅い絆で、利益を上げる為の関係を作れるんじゃないのかい?」


確かに、そうだけどよぉ。

それは、根本的な部分の話が、上手い事、事が運んだらの話だろ。


だったら、こんなもんは所詮、子供が描く絵空事。


机上の空論じゃん。



「まぁなぁ。けどよぉ、それって、GUILDに対しての敵対組織を上手く運営出来ればのタラレバ話だろ。確証なんてなんもねぇじゃん」

「それは、ある訳ないさな。俺は、そこを楽しみたいから、敢えて、この話を旦那に持ち掛けてるんだからよ。企画があっても、確証なんてモノがあっちゃあ面白くない」

「じゃあ、ダメじゃん。その時点で、計画自体がご破算じゃねぇかよ」

「そうさな。ただなぁ。そう成る為の手立ては、既に幾つか考えてある以上、なにも無しに、こんな馬鹿げた話を持ち掛けてる訳でもない。……それに俺は、旦那に、一切、金銭的な負担は掛けてない筈だぞ」


まぁ、そうだわな。

資金の援助があって、それに対する案や、企画が全て準備済みな状態じゃ、至れり尽くせりではあるな。


……ただな。

そうなるとモジャのメリットって、なんなんだろうな?


利益だけを求めるなら、こんな面倒臭い事をする必要性なんて皆無だし、俺を誘う必要性すらないからな。


必ず俺でなければ成らない、なにかの事情がある筈だ。



「まぁなぁ。けどよぉ、それで生じるアンタのメリットって、なんなんだ?そこを明確にしてくれなきゃ、話に成んねぇな。どうせ、金だけじゃねぇんだろ」

「ほぉ。気付いてたのかい?」

「いや、気付くも、なにもよぉ。これだけ周到に準備されてるのに、金だけを求めてるって言われても、シックリ来ないのは、人として当然だろ。それぐらいは、幾ら俺が間抜けな鈍感野郎だって言っても、自然と気付くわな」

「そうかい。じゃあ、此処も、隠し事無しに、ハッキリと言わせて貰うがな。……俺は、旦那の親戚の……いや、姉弟である眞子助が目的だ。アイツの、今ある最低な状態を、早急に打開してやりたいのさ」


眞子?


へっ?……モジャの真の目的って眞子なのか?


オイオイオイオイ、ちょっと待ってくれよ。


それって、まさかとは思うが……


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


色んな交渉材料を提示してきたモジャさんでしたが。

そんな彼の最終的な目的は、金銭面の話なんかではなく。

なんと『今ある眞子の状況を変える為』っと言う衝撃の事実が明らかになりしたね(笑)


……そうなると当然の如く、モジャさんが『眞子に対する想いがある』っと言う事にも=関係に成る可能性が出て来る訳なのですが。


その辺は、どうなのでしょうか?


次回は、その辺の事情を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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