●前回のおさらい●
何度か家から出て来てはくれたものの。
矢張り、頑ななまでに、眞子との共演を断り続けるホランドさん。
それでも諦められない眞子は、恐ろしい様な大雨が降る中、彼の姿を待ち続けるのであった。
……死ぬ。
多分、このままだと確実に死ぬね。
あれから早くも30分程、雨に打たれながらも待ってみたんだけどね。
もぉさっきみたいに扉が開きそうな雰囲気は無く、ホランドさんの家の前は、異様なまでに静まり返ってる。
それに……私自身の体力の限界が来たのか。
雨に打たれて冷え切った体がガチガチと酷く震え続け、全く止まらなくなってきた。
……って言うかね。
さっきから意識さえ朦朧としてきて、足元がフラフラとおぼついてないや……
ヤッパ、インテリ相手に、馬鹿の力押しじゃダメか……
ホントにダメだ……
寒い……
意識が……持たない……
なら……せめて……
これだけでも……
『カコン』
***
……意識を取り戻したのは、翌日の夕方。
どうやらこの事から、真琴ちゃんから聞いているDG細胞を持ってると言う噂の『真上さん』って人より、自身の体力が無い事が証明された。
そう考えると、真上さんって人、ホント凄いよね。
まぁまぁ……それは、別に関係ない話なんで、何所かに置いておいたとしても。
交渉が失敗した上に、救急車で病院に運ばれたのは、流石に間抜けすぎるなぁ。
その上、折角のお休みも病室のベットの上じゃ、性質の悪いジョークにもなんないよ。
まぁ自らが意地を張った結果なんで……此処は自業自得ですね。
ハイ、そうですね。
因みに……意識が戻って、ちょっとしてからジェフさんが病室に来たんだけど。
メッチャクチャ怒られて、今日1日は、一切合切、この病室から出る事さえ禁じられた。
……すんません。
大人しくしてます。
でも……こういうのって、結構『ロック』じゃない?
違いますね。
度々すみません。
***
……結局、病室で、なんの休日のエンジョイもないまま、ライブの当日の夕方を迎えてしまいました。
……まさにアホですね。
けどね。
丸1日病室のベットで強制休養を取らされたので、一気に体調が良くなったみたいなんだよね。
だから当然、やる事は1つ。
……コソッと病院を抜け出し、早速ライブハウスへGO!!
なんせ、この全米ツアーライブは『GUILD全体の威信』と『崇秀の面子』が掛かってるからね。
こんな程度の事で、絶対、ライブに穴を開ける訳には行かないんだよね。
この辺は、女の意地ですよ意地。
……っと、また馬鹿な意地を張って、懲りない私。
これ、基本。
***
……さてさて、滞在する筈だったマイアミのホテルから『しゃみ太』と『ミニスィッチ付きの79 Sting -rayちゃん』をジェフさんに気付かれない様にコソッと持ち出し、一旦は、タクシーでホランドさんの家に行ってみた。
けど、ヤッパリ『呼び鈴』を押しても、なんの反応もなかった。
……正にスカ。
そんな虚しい気持ちを引き摺りながらも、ライブハウスに到着。
この後、無理を押してライブに強行参加したんだけどね。
普段なら、なによりも心地良い満員御礼の観客の皆さんの熱気が、今日に限っては……どこまでも、果てしなく、非常に気分を悪くさせる。
肺炎手前になって体調が完全じゃないから、兎に角、息がしにくいし、人から出る異様な汗と熱気にやられて前後が不覚になる程、頭がフラフラする。
……ってか、今にも、この場で吐きそう。
……なんて言いながらも。
観客の皆さんに、そんな弱気な部分を見せる訳には行かないので、此処は死ぬ気でガンガンに攻める事にした。
***
……拷問ライブが開始した。
あぁそうそう、今の話には関係ない話で、最近のライブでの、ちょっとした近況報告なんだけどね。
今、私が使ってる三味線の『しゃみ太』
この『しゃみ太』の演奏が、シアトルのライブ以来、物珍しさからして異常に好評なので、ライブのオープニングで、毎回『じょんがら節』を弾かせて頂いております。
そんでそのまま、大体3組のバンドが4曲づつ弾いて、ライブが続けれらるんだけど。
ヤッパ、今日は気持ちが悪い……
最近、少しは慣れて来てたとは言え『音楽共鳴・レゾンナンス』を使っての演奏は非常に体力を消費するので、既に2バンド目の3曲目にして、脳天の中の中までフラフラ。
今では視界が殆ど無くなって来ている様な状態なので、お客さんの顔すら、まともに見えていない。
……けどね。
こんな酷い状態にあっても、継続して弾き続けられるのが私の得意技。
『もぉ、ダメだぁ!!』って思ったら、故意的に、最後の力を振り絞りながら全力でベースを弾いて意識を飛ばしちゃえば、わりかし、なんとかなるもんなんだよね。
そうしてしまえば『なにも憶えてない』とか思った瞬間には、意外と何曲か知らない内に終わってる。
だけど、これをやっても、ライブ中、一度もブーイングされた記憶が無いので、今回はOKって事にして置いて……
……でも、今回のライブツアーで、この技(?)の弱点を露呈する事になった。
なんせ一緒に演奏して下さるバンドが3つもある訳ですから、バンドの入れ替えの時に、必ずと言って良い程『空き時間』が出来る。
そうなってしまったら、テンション駄々落ちで『素』に戻っちゃうんだよね。
そして……当然の様に、あの吐きそうなぐらい不快な気分になり、果てしなく気持ち悪くなる。
今回は、この繰り返し……
***
……ってな訳で、ナントかカントか、最後の3バンド目までは辿り着いたんだけど。
もぉ、体力が限界炸裂ですよ。
違う意味で、なんとか保っていた意識が切れかけてるし、足元も、ちゃんと立ってるのかさえわからない位フラフラになってる。
自分の体が左右にフラフラ揺れてる事さえ自覚出来ていない。
流石に、もぉダメかも……今回ばかりは終わった……
・・・・・・
……っと思った瞬間。
偶々ぼけ~~~っと見ていた観客サイドに、ホランドさんの姿を確認!!
私の意識は、その姿を捉えた瞬間、一気に正気に戻る!!
やっ……やったぁ~~~!!
あれだけ私を拒絶していたのに、とうとう時間を空けてライブを見にきてくれたんだ!!
これなら、一緒に弾けないまでも、来てくれただけでも満足♪
雨の中、意識が無くなる前に『ライブチケット』をポストに投函した甲斐があったよ!!
よっしゃあ!!
なら……私が出来る最高の演奏を、ホランドさんに聞いて貰うだけだ!!
後の事なんて、全~~~部、知ったこっちゃないや!!
ホランドさんに小さく手を振りがら、来て貰った感謝の一礼を入れ終。
そこからは、最後の力を振り絞って……もぉ一丁『音楽共鳴・レゾンナンス』
ぶっ倒れるまで、行けぇぇぇえぇぇ~~~~~!!
このまま行っちゃえぇえぇ~~~!!
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
まさに狂気ですね(笑)
実際、此処まで来たら、もぉ完全に狂気に足を突っ込んでる状態ですね。
ですが、今回の副題の通り『アホの一念、岩をも通す』が如く。
念願だったホランドさんとの共演は果たせなかった物の、彼をライブハウスに引き摺り出すまでは成功したみたいです♪
さてさて、そんな中。
眞子は、ホランドさんの姿を確認してテンションが上がり。
またしても、後先考えない様な行動をしてしまった訳なのですが……こんな調子で大丈夫なんですかね?
次回は、その辺の結果を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾
【年末のご挨拶<(_ _)>】
本年も、沢山の方が遊びに来て下さって、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
また2023年の1月1日から、このペースで【毎日更新】していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。
本当に、今年もお世話になりましたぁ<(_ _)>
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