●前回のおさらい●
奈緒さんの身嗜みを整える時間を稼ぐ命令を受けた眞子。
慌てて、崇秀の待つ柳田さんの店に行くのだが……そこで、いきなり身嗜みを整えていなかった所から『ブス』と言われ。
崇秀から美容の基本を学ぶ事に成った眞子。
そして、その第一弾と称して、眞子の顔に【熱いオシボリ】を乗っけて来た(笑)
「熱いって!!熱いって!!死ぬって!!死ぬって!!虐めだって、確実に虐めだって、これ!!」
「やかましい。身嗜みも整えずに外に出る様なアホは、そのオシボリの下で、熱さを我慢しながら涙してろ。じゃねぇと、もぅ一枚追加すっからな。床に落しでもしたら、その上で、さっき言った『顔面落書きの刑』だからな」
「無理無理無理無理。ちょ、ちょっと熱いって!!柳田さん助けてよぉ」
「はい。……ご愁傷様ぁ~~~」
酷い!!
目の前で、こんな可愛い子が虐められてるのを、ミスミス悪を見逃すなんて生粋の鬼畜生だよ!!
若しくはですね。
柳田さんみたいな虐めを見てみぬ振りする様な人間的に恰好の悪い人が多いから『虐めをしてる奴』が、ドンドン『増長』するんですよ。
流石に、全ての人を助けろとは言いませんが。
せ・め・て、目の前で虐められてる可愛い子ぐらい助けないさいってば!!
……ってか!!熱いって!!
あっ……もぉ良いや。
崇秀がサディステイックな行為に飽きたのかして辞めてくれたみたいだから、もぉ良いよ。
……柳田さん、後で憶えとけよ。
「……ぷはぁ~~~~!!って、なに、なに、これ?なんでこんな真似するの?死ぬかと思ったよ」
「なぁ~に安心しろ。その程度の温度じゃ簡単に人間はクタバりゃしねぇよ。大丈夫だ」
「いや、だとしても、凄く熱いから、熱かったから……ホント、死ぬ程、熱かったんだからね」
「あっそ。そうやって熱さを感じるなら、そりゃあ生きてる証拠だ。……生きてて良かったな」
「なんで、そう言う意地悪の事ばっかり言うかなぁ?そんなに、私の事が好きなの?」
「あぁ、オマエの顔は好きだ。但し、中身がまだまだ腐ってるけどな」
それって、性格ブスって事ですか?
ある意味、ブスって言われるより嫌なコメントかも知れない。
「あの……それについては、出来るだけ、早く治します。精一杯より、ちょっと上のランクで頑張りますんで『中身が腐ってる』とか言わないで下さい」
「おっ、なんだ?やけに殊勝なこったな。……じゃあまず、その為にも、人間、素直になる事が大事だ。その手始めとして、今のテメェの顔を確認しろみろ」
「あっ、はい。確認ですね確認」
崇秀から手渡された手鏡で、自分の顔の状態を調べる。
……あれ?あれれ?あれれれれ?
さっきより、顔全体の血行良くなって、俄然顔色が凄く良くなってるね。
なに、このマジック?
俗に言う、30歳の童貞男マジックですか?
魔法使いなのですか?
「うわぁ~、凄い!!顔色が元に戻ってるよぉ」
「まぁ、そう言う事だ。これは単純にだな。今みたいに顔色が悪い時や、寝不足の時の対応策。まぁ本来なら、まずは風呂に入るのがベストなんだが。それが出来無い時は、今みたいに、熱シボで『血行』若しくは『顔の新陳代謝』を強制的に良くしろって話だ。そうすりゃあ、少しぐらいボケた面も、マッシな顔にはなるってもんだからな」
「あぁ、そうなんだ。凄いね。ただの嫌がらせかと思ってたけど」
「あっそ。オマエは、また懲りずに、そう言う可愛げの無い事を言うんだな。……じゃあ、こう言うのはどうだよ……」
「はわわわわ……あわわわわ……」
ヤメテ……やめて……
なんで、なんの前触れもなく、急にそんな事するの?
顔を、無茶苦茶に拭くのはヤメテ。
ごめんって!!ごめんって!!
女の子!!女の子!!私、女の子だから!!ヤメテって!!
「……って感じで、顔が熱を帯びてる内に、こうやって顔を拭けばな。熱で毛穴が開いてる分、老廃物や、顔に付着してる汚れが取りやすい。……此処までは良いか?最低限度の事は憶えたな」
「はぁ……はぁ……あぁ、はい……ありがとうございます。お世話様です。……でも、やる前には1言だけでも言ってね」
「気が向いたらな」
もぉ……顔を犯された気分だよ。
でも、ホント、崇秀の公言通り、付着していた老廃物や、顔の汚れが良く取れてる。
それだけに、なんか……汚れたオシボリ見たら、ちょっと凹むね。
ドンだけ汚くなってたんだろね?
これでも、ちゃんと、崇秀の家で洗顔はしたんだけどなぁ。
「よっし、じゃあ次だ。時間がねぇから、次は髪型な」
「えぇっと……その前にですね先生。1つ聞きたいんですけど」
「んあ?なんだよ?」
「あのですね。……この髪型、そんなに似合ってませんかね?私個人としましては、結構、良い線いってると思うんですけど……可愛くない?」
「はい?よく聞こえなかったんだが。誰が?なにに似合ってるだと?」
「えっ?あぁっと、私に、この髪型が似合ってるって方向で認識して貰えれば……」
「あぁっとな。正直言って悪いがなぁ。最低のセンスだな。オマエが店に入って来た時、ルンペンが、物乞いしに入って来たのかと思ったぞ」
「あの~~~、あのさぁ、そこまで言わなくても……良いじゃない?」
なんで、そこまで言うの?
幾らなんでも、そこまでは酷くないと思うんだけど……
それに、この髪形、結構気に入ってるんだけど……ダメですか?
「ったくよぉ。オマエって生き物は『美意識の欠片もねぇ』悲しい生き物だな。ブスで性格良い奴に、テメェの顔をくれてやれ。その面は『テメェには過ぎたる物』だ」
「ヤダよ。……ってかさぁ先生。頑張って、ちゃんと憶えますから、1から教えてよ。見放さないで」
「そっか。なら良いだろう。但し、一回しかしねぇから、ちゃんと一発で憶えろよ」
「えぇ~~~っ、ちょっと待ってよぉ。たった一回なの?たった一回しかチャンスをくれないの?それ、おかしくない?」
「あぁ、一回だな。つぅかオマエさぁ、自分の特技を、よぉ~~~く思い出してみろ。……これは、その応用編で出来る事だぞ」
うん?なんじゃね、それは?
私……そんな器用な真似出来たっけ?
「ちょっと待ってって……それ、なんの話?全く話が見えないから、全然わかんないんだけど」
「なぁ~~に、基本になるのはベースの話だ」
「ベース?……カニベース?」
「なんで、そこでキン肉マンの話なんだよ?オマエはイタリア代表か!!」
「いや、イタリア代表ではないんだけど。あぁ、なんとなく……それかな?って、ベース繋がりで」
「そっか。オマエさぁ、女衒に買われて、SEX中毒になって、早く死ねば良いのにな」
嫌だよ!!
なんで、そんな酷い目に遭わなきゃいけないのよ!!
Hはね。
奈緒さんと、崇秀としかしないって決めてるから……絶対ダメェ~~!!
「ヤダよ。……ってか、ベースって、なんの話よ?」
「……あのなぁ、眞子。普通、ベースって聞いただけで、わかりそうなもんだろ」
「わかんない」
「ハァ~~~……オマエってさぁ、人の演奏を見ただけで、その曲弾けるんじゃなかったっけ?それと同じ要領で、俺の手際を覚えろって言ってんの」
出来るかぁ!!
「ちょっと!!そんな無理言わないでよ」
「なんでだよ?どこが無理なんだよ?全然無理じゃねぇし」
「いや、だって、あれはベースの基本が解ってるから、出来るんじゃない。髪型のセットの基本なんか、なにもわかんないよ」
「いいや、それは根本的に違う。人間は、子供の頃から『髪』を一番触ってる筈だ。だから、セットの基本は、誰でも持ってるもんなんだよ。……オマエ、ひょっとして、人類じゃないのか?」
「いや、一応、人類だけどさぁ。……それって詭弁っぽくない?」
「あっそ。憶えないなら、憶えないで、それで良いが。髪が必要ないって言うんなら。オマエが忘れた頃に丸坊主にするからな」
ヤダ!!
マジでそれだけは、絶対ヤダよ!!
髪は女の命なんですよ!!
……でも、この男なら、平然としてそう言う事をやりかねないね。
なら……
うん!!うん!!頑張るぞ!!
頑張るしか、この試練から逃れる方法はなさそうだしね。
もぉ……やだぁ。
「あの……本当に一生懸命頑張って憶えますんで、丸坊主だけは勘弁して下さい。それと出来ればですね。解り易く、ゆっくり、丁寧に教えて頂けると有り難いんですが」
「ほぉ……一発で憶える気には成ったって事か?」
「あぁ、はい。先生が優しく教えてくれるなら、全力を持ってお応えします。お願い出来ますかね?」
「あいよ。ならOKだ」
……って事なんで、髪のセットの仕方スタート。
やな予感……
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
一応確認の為に言って置きますがね。
これは『応急処置』であって、正規の方法ではないですよ(笑)
なので間違っても、時間がある時には、この方法は使わないで下さいね(笑)
さてさて、そんな中。
次は、崇秀の最も得意とするヘアーセットの分野なのですが。
眞子は、キッチリと、その崇秀の手捌きを憶える事が出来るのか?
次回は、その辺を書いていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾
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