●前回のおさらい●
ヒナちゃんの了承も得、崇秀の了承も得た。
ならば、アチラの世界に移動するだけなのだが……本当に、これだけで大丈夫なのか?
……ってな訳でだ。
今度は崇秀が、ヒナの世界に先入りして。
俺が、その後を追う形でワープを敢行したんだけどな。
向こうの世界に戻った瞬間、あるトンデモナイ事が起こってやがった。
つぅか、なんなんだよ、これ?
この凶悪な『フェロモン』わ?
ヒナの体から流れ出すフェロモンの分泌量が、並大抵のものじゃないものに成っている。
さっきまでのヒナと比べて……輝きが違い過ぎる。
一緒に居るだけで、息をするのが苦しくなり、気が狂いそうになる強烈なフェロモンが放出されてやがる。
「あっ……あっ……なんだよこれ?」
「ブツブツブツブツブツブツブツ……」
オイオイ、しかも、なんかヒナ自身の様子まで変だぞ。
俯いたまま、眼も虚ろな感じで、なにか1人でブツブツ言ってるだけだし、全く焦点が定まっちゃいない。
これって、まさか……
「オッ、オイ、ヒナ!!シッカリしろ!!大丈夫か?オッ、オイ!!」
「ブツブツブツブツブツブツブツ……」
「ちょ!!ヒナってばよ!!」
「ブツブツブツブツブツブツブツ……」
ダメだ。
一向に元に戻る気配がない。
崇秀を体に迎えた事によって、なにかヒナの体におかしな弊害でも生じたっとでも言うのか?
だったら、どうしたら良いんだよ、コレ?
こんなもん、俺なんかじゃ対応のしようがないぞ……
「なんなんだよ、これ?一体、俺の目の前でなにが起こってるって言うんだよ!!オイ、ヒナって」
「チッ……やかましいわ。騒ぐんじゃねぇって言ってんだろ」
「へっ?ヒナ?崇秀?」
「ハァ~~~、あのなぁ倉津。人が挨拶してる時に、横からゴチャゴチャ言ってんじゃねぇの。イチイチうっさいんだよ、オマエは」
「崇秀?」
「あぁ、そうだよ。今しがた、挨拶がてらに『計算式』を教えてた所だ。ホント邪魔すんなつぅのな」
「すんませんな」
・・・・・・
だから1人で、ブツブツ言ってた訳な。
けど、オマエさぁ。
そう言う事がするならするで、事前に説明しとけよな。
一瞬、何事かと思って吃驚したじゃねぇかよ。
それに、このアホ。
いつもみたいな喋り方してやがるが、自分が、今ヒナの体だって事が解ってやがんのか?
そんな調子じゃ、完全にヒナの良さが損なわれて……ないな?
あれ?
それ処か、輝きを増してるもんな。
あれれ?
「まぁ、良いッて事よ。……つぅか、もぉ疑問がねぇなら、サッサと行くぞ、倉津」
「へっ?ちょ、ちょっと待てよ。こんな時間から、何所に行くんだよ?家で色々教えてやるんじゃねぇのか?」
「寝惚けた事をぬかしてんじゃねぇぞ。家で教える事なんぞ、後でも出来るだろうが」
「まぁ、そうだけどよぉ。じゃあ、どこ行くつぅんだよ?」
「ライブだよライブ。そこでしか教えられねぇ事を先に教えて、早急に、この体を返してやりたいからな」
「はい?ライブだと?ちょっと待て!!平日のこんな時間にやってるのか?」
俺の感覚で言うなら。
平日のライブっての言うは、大体、遅くても23:00には終わるものだと言う認識しかねぇからな。
後は、どのライブハウスも、客が引けるまでBarとして営業してるだけの感じだし。
まぁ、祝日なんかだとオールでやってる事なんかも多々あるんだけど、普段日なら、そんなもんじゃね?
「当たり前だボケ。いつ何時でもあっても、ライブをやってる場所なんてものはザラにあるんだよ。つぅか、余計な質問ばっかしてねぇで、サッサと車の用意をしろつぅの。時間が勿体ねぇだろ」
「あぁ、はいはい」
「それと、なんでも良いからギターを1本調達しといてくれ。短時間で、直接教えなきゃいけねぇ事が山程あっからよ」
「えっ?えぇっと……」
「はいはい、早く早く。トロい事は牛でも出来るぞ」
「あぁ、はい、すんません」
なんだよこれ?
なんで俺、こんなに上からガンガン命令されなきゃいけねぇんだ?
これじゃあ、完全にローディじゃねぇかよ!!
ホントなんなんッスかね、この粗悪な扱いは?
……なんて言ってはいるんだが。
そう思う反面、全然、嫌じゃないなぁなんて思う、困った自分が居たりするんだよなぁ。
別に、命令されるのが好きな訳じゃねぇんだけどよぉ。
なんつぅか、ヒナの容姿に、崇秀の性格って、ある意味、ヤバイぐらいマッチしてないか?
生粋の『覇者の風格』が漂って、逆らえない雰囲気があるんだよな。
まぁ……そう考えれば、崇秀が男で良かったと痛感するわ。
コレ、マジでヤバイ組み合わせだわ。
「……ってか、なにしてやがんだ?サッサと行くぞ」
「あぁ、そうッスね、そうッスね」
「つぅかオマエさぁ。さっきから、なんで雑魚語になってんだよ……」
それは、オマエのせいだ。
俺にそうさせるのは、間違いなくオマエが全部悪いんだぞ。
そんな可愛らしい容姿なのに。
命令口調で、俺に意地の悪い事バッカリ言うから、地味にギャップ萌を感じてしまってるんだよ。
だから、全部オマエが悪いんだぞ。
それに、付け加えて言うならなぁ。
さっきから俺の脳が、オマエのセリフを勝手に『ツンデレ娘風』に脳内変換してきやがるんだよ。
だから、そんな事を俺にさせる、悪いツンデレ娘には、お仕置きだ!!
これでも喰らいやがれ!!
(↑ただの逆恨み)
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
なんか色々と、微妙にヤバそうな雰囲気ですね(笑)
それなのにも関わらず、倉津君。
なんかまたロクデモナイ事を思い付いたみたいなんですが、そんな事に気を取られてて大丈夫なんですかね?
他にも気にしなきゃいけない事が、いっぱいあったような気がするんですが……
さてさて、そんな中。
倉津君は、一体、崇秀に何をしようとしているのでしょうか?
まぁ前述した通り、どうせロクデモナイ事だとは思うのですが……
ってな感じのお話を、次回は書いていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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