●前回のおさらい●
真上さんと武藤さんとの揉め事を丸く収めた倉津君。
その後、真上さんに向かって、気になる言葉を発して去って行く武藤さんだが。
その言葉をあまり理解出来ていない真上さんは困り顔。
そんな真上さんを見て倉津君は……(笑)
「行っちゃった……えっ?えっ?あっ、あの、倉津さん、なっ、なにか?」
「へっ?いや、あの、その、なんでもないッスよ。なんでも」
「本当に大丈夫ですか?お顔が赤いですし、汗を沢山掻かれてますよ」
ハイ、バレたぁ~。
しかも、ハイ、指摘されたぁ~。
そして真上さんは、そんな俺を見て、無作為にハンカチを取り出し、俺に近付いて来て汗を拭う。
すると当然だな。
朝のシャンプーの残り香が、俺の鼻腔を刺激する。
(↑臭いフェチな俺)
それに合わせて、心臓も『ドキドキ』する。
……っで、此処で思ったんだがな。
この人、マジでワザと、やってないか?
(↑人の親切を、疑う俺←クズ)
「あっ、あっ、あっ、あの、真上さん」
……はいはい、いつもの雑魚ですよぉ。
ダメ人間が動揺してますよ。
面白いッスねぇ……って俺じゃん!!
しかし、俺って、ほんとダメだな。
今までに色々な女性とコミュニケーションを取る機会があって、少しは女性慣れして来たつもりだったけど、所詮、初めて嗅ぐ女の子の匂いには滅法抵抗力が薄い。
匂いを嗅いだだけで……自動的に『チンコがピンッ』スわ。
もぅ『ピンピン』っすわ。
……自分で言うのもなんだけど、ホント、屑ッスな俺って。
けどだな、そうは思っていても、事態は全く良くない。
このままMAX勃起したら、真上さんのへそ辺りに、モノがブチ当たってしまう。
これだけは、なんとしても避けなきゃな。
人として終わちっまう。
「はい、なんですか?」
……無理。
こんなもん、どう考えても無理ですよ。
間近に真上さんの顔が有って、その上、角度的にも上目遣いですぜ、旦那。
放って置いても、自然にMAX勃起しちゃいますよ。
って事でだな。
今の状況を古いアニメに例えるとだな。
↓こんな感じだ。
『オイラ、クラってんだ。怪しい者じゃないよ』
『うわっ!!コイツ、すごく怪しい!!チンコビンビンだぞ!!みんな逃げろ!!』
『どこ行くのさぁ、みんなぁ~~~。逃げないでよ。オイラ怖くないのに……』
とか言いながら、全開に勃起してる訳だ。
そんなもん、逃げられて当然だっつぅの!!
あぁ~~~~早く人間になりたい!!
「ダメっす。ダメっす。ダメっすよ、真上さん」
「えぇっと、私、倉津さんに、なにか失礼な事をしてしまいましたか?」
天然だ。
さっき『ワザとしてるんじゃないか?』って、一瞬思ったけど、これは撤回だ。
この人、自分が、俺に何をやったかすら解って無いぞ。
だってよ、色の違う綺麗な瞳をクリクリさせながら、スゲェ不思議そうな表情を浮かべてるんだもんよ。
なんて人なんだ。
そりゃあ、こんな事を天然でしてたら、男が勘違いするもの頷ける。
天然フェロモン出血大サービスじゃないかよ!!
マジで怖ッ!!
(↑とか言いながら、結局、真上さんのへその辺りに、異物が当たる俺←マジ屑)
「いやいやいや、真上さんは、失礼な事なんてなにもしてませんよ」
失礼なのは、寧ろ、俺の方です。
「でしたら、何故、そんなに慌てておられるのですか?」
「いや、あのッスね。なんと言いますか、真上さん近過ぎッス」
「えっ?あっ、えっ、えぇっと、ごっ、ごめんなさい!!あっ、あの、そッ、そう言う意味じゃなくてですね。汗を凄く掻いておられたので……つい」
顔を茹でたタコの様に真っ赤にして、俺から離れる。
こう言う仕草が自然に出来るって、ホント可愛いな、この人。
しかしまぁ、この様子だと、俺が無様に勃起した件は気付いてない様だ。
此処に関してだけは、どうやら、本物の神は居たらしいな。
油断は出来ねぇけどな。
「いやいや、心配しなくても大丈夫ッスよ。俺も変な風には受け取ってないですから」
「本当……ですか?『変な子だな』って思ってませんか?」
いや、その前にッスね。
頬を染めながら、その、チラチラ見る仕草を辞めてくれませんかね。
男にとっちゃあ、そう言う女の子の恥ずかしそうな仕草は堪んないッスけど……
大好物なんッスけど……
可愛過ぎッスよ。
「思ってないッス。思ってないッス。親切だとしか思ってないッスよ」
「本当ですか?……本当に、そう思って頂けてますか?嘘付いてないですか?嘘付かれると、心が『キュッ』っと締め付けられて、とても哀しくなるんですよ」
……罪悪感がハンパねぇな。
匂い嗅いで『勃起』
上目遣いで『勃起』
天然仕草で『勃起』
男の自然現象とは言え、間違いなく俺は、そんな性的な視線で真上さんを見ていた。
そんな俺の邪悪な心に、とてつもなく罪悪感を感じる。
しかも、彼女の言い分からして、なにかそれを『哀しく』感じられている様な錯覚にさえ陥ってしまうぞ。
男って悲しいッスね。
「ほんとッスよ。だから、哀しまないで下さいよ」
「……信じて良いですか?」
「友達だから信じて下さい。俺、真上さんには、絶対に嘘は言わないッスよ」
「あっ……はい」
間の空いた『あっ……はい』って、男心を擽るなぁ。
それに真上さん、返事を返す時、ちょっと悩んでから、笑顔で返答するんだもんな。
ヤダなぁ、この人。
こう言うのが天然だと解ってても、男共は嵌るんだろうな。
ホント怖い人だよ。
「あっ、あの、倉津さん」
「なっ、なっ、なっ、なんッスか?」
「あの、宜しかったら、お茶でもご用意致しましょうか?私、少し喉が渇いてしまいましたので、また……お付き合い頂けますか?」
「あぁっと、是非お願いします」
「あっ、はい」
気遣ってくれるなぁ。
俺、奈緒さんが居なかったら、この人にズッポリ嵌ってただろうな。
可愛いしよぉ。
性格は、ちょっと強情だけど、基本的に良いしよぉ。
人に対する気遣いは、絶対に忘れねぇしよぉ。
自分の仕事に対しても真摯に接してるしよぉ。
それにだ、なんて言っても『天然』だしよぉ。
怖いぐらい完璧なんだよな。
まぁまぁ、そうは言っても『タラレバ』なんてものは、絶対に有り得ないけどな。
俺は、奈緒さんの事が本当に一番大好きだし、真上さんの『魔性』の理由も完全に見抜いてるからな。
それだけに安心だ……とは思うんだがな。
多分大丈夫だろう!!
あんま自信ねぇけど(笑)
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
真上さんは無意識なだけに怖い怖い。
その魔性の正体が解っていても、地味に嵌らずにはいられない恐怖の天然娘(笑)
今回、前回のお金の話をしようと思ったのですが。
倉津君がアホなので、そのお話は次回に持ち越しですね。
いやはや、こんないい加減な感じで申し訳ないです<(_ _)>
……ってな訳で次回こそは、そう言うお話をしたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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