最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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383 解っていても嵌りそうになるもの(笑)

公開日時: 2022年2月24日(木) 00:21
更新日時: 2023年9月9日(土) 12:52
文字数:2,424

●前回のおさらい●


 真上さんと武藤さんとの揉め事を丸く収めた倉津君。


その後、真上さんに向かって、気になる言葉を発して去って行く武藤さんだが。

その言葉をあまり理解出来ていない真上さんは困り顔。


そんな真上さんを見て倉津君は……(笑)

「行っちゃった……えっ?えっ?あっ、あの、倉津さん、なっ、なにか?」

「へっ?いや、あの、その、なんでもないッスよ。なんでも」

「本当に大丈夫ですか?お顔が赤いですし、汗を沢山掻かれてますよ」


ハイ、バレたぁ~。

しかも、ハイ、指摘されたぁ~。


そして真上さんは、そんな俺を見て、無作為にハンカチを取り出し、俺に近付いて来て汗を拭う。


すると当然だな。

朝のシャンプーの残り香が、俺の鼻腔を刺激する。

(↑臭いフェチな俺)


それに合わせて、心臓も『ドキドキ』する。


……っで、此処で思ったんだがな。

この人、マジでワザと、やってないか?

(↑人の親切を、疑う俺←クズ)



「あっ、あっ、あっ、あの、真上さん」


……はいはい、いつもの雑魚ですよぉ。


ダメ人間が動揺してますよ。


面白いッスねぇ……って俺じゃん!!


しかし、俺って、ほんとダメだな。

今までに色々な女性とコミュニケーションを取る機会があって、少しは女性慣れして来たつもりだったけど、所詮、初めて嗅ぐ女の子の匂いには滅法抵抗力が薄い。


匂いを嗅いだだけで……自動的に『チンコがピンッ』スわ。


もぅ『ピンピン』っすわ。


……自分で言うのもなんだけど、ホント、屑ッスな俺って。


けどだな、そうは思っていても、事態は全く良くない。

このままMAX勃起したら、真上さんのへそ辺りに、モノがブチ当たってしまう。


これだけは、なんとしても避けなきゃな。


人として終わちっまう。



「はい、なんですか?」


……無理。

こんなもん、どう考えても無理ですよ。

間近に真上さんの顔が有って、その上、角度的にも上目遣いですぜ、旦那。


放って置いても、自然にMAX勃起しちゃいますよ。


って事でだな。

今の状況を古いアニメに例えるとだな。

↓こんな感じだ。


『オイラ、クラってんだ。怪しい者じゃないよ』

『うわっ!!コイツ、すごく怪しい!!チンコビンビンだぞ!!みんな逃げろ!!』

『どこ行くのさぁ、みんなぁ~~~。逃げないでよ。オイラ怖くないのに……』


とか言いながら、全開に勃起してる訳だ。


そんなもん、逃げられて当然だっつぅの!!


あぁ~~~~早く人間になりたい!!



「ダメっす。ダメっす。ダメっすよ、真上さん」

「えぇっと、私、倉津さんに、なにか失礼な事をしてしまいましたか?」


天然だ。


さっき『ワザとしてるんじゃないか?』って、一瞬思ったけど、これは撤回だ。

この人、自分が、俺に何をやったかすら解って無いぞ。


だってよ、色の違う綺麗な瞳をクリクリさせながら、スゲェ不思議そうな表情を浮かべてるんだもんよ。


なんて人なんだ。

そりゃあ、こんな事を天然でしてたら、男が勘違いするもの頷ける。


天然フェロモン出血大サービスじゃないかよ!!


マジで怖ッ!!

(↑とか言いながら、結局、真上さんのへその辺りに、異物が当たる俺←マジ屑)



「いやいやいや、真上さんは、失礼な事なんてなにもしてませんよ」


失礼なのは、寧ろ、俺の方です。



「でしたら、何故、そんなに慌てておられるのですか?」

「いや、あのッスね。なんと言いますか、真上さん近過ぎッス」

「えっ?あっ、えっ、えぇっと、ごっ、ごめんなさい!!あっ、あの、そッ、そう言う意味じゃなくてですね。汗を凄く掻いておられたので……つい」


顔を茹でたタコの様に真っ赤にして、俺から離れる。


こう言う仕草が自然に出来るって、ホント可愛いな、この人。


しかしまぁ、この様子だと、俺が無様に勃起した件は気付いてない様だ。

此処に関してだけは、どうやら、本物の神は居たらしいな。


油断は出来ねぇけどな。



「いやいや、心配しなくても大丈夫ッスよ。俺も変な風には受け取ってないですから」

「本当……ですか?『変な子だな』って思ってませんか?」


いや、その前にッスね。

頬を染めながら、その、チラチラ見る仕草を辞めてくれませんかね。


男にとっちゃあ、そう言う女の子の恥ずかしそうな仕草は堪んないッスけど……


大好物なんッスけど……


可愛過ぎッスよ。



「思ってないッス。思ってないッス。親切だとしか思ってないッスよ」

「本当ですか?……本当に、そう思って頂けてますか?嘘付いてないですか?嘘付かれると、心が『キュッ』っと締め付けられて、とても哀しくなるんですよ」


……罪悪感がハンパねぇな。


匂い嗅いで『勃起』

上目遣いで『勃起』

天然仕草で『勃起』

男の自然現象とは言え、間違いなく俺は、そんな性的な視線で真上さんを見ていた。

そんな俺の邪悪な心に、とてつもなく罪悪感を感じる。


しかも、彼女の言い分からして、なにかそれを『哀しく』感じられている様な錯覚にさえ陥ってしまうぞ。


男って悲しいッスね。



「ほんとッスよ。だから、哀しまないで下さいよ」

「……信じて良いですか?」

「友達だから信じて下さい。俺、真上さんには、絶対に嘘は言わないッスよ」

「あっ……はい」


間の空いた『あっ……はい』って、男心を擽るなぁ。

それに真上さん、返事を返す時、ちょっと悩んでから、笑顔で返答するんだもんな。


ヤダなぁ、この人。

こう言うのが天然だと解ってても、男共は嵌るんだろうな。


ホント怖い人だよ。



「あっ、あの、倉津さん」

「なっ、なっ、なっ、なんッスか?」

「あの、宜しかったら、お茶でもご用意致しましょうか?私、少し喉が渇いてしまいましたので、また……お付き合い頂けますか?」

「あぁっと、是非お願いします」

「あっ、はい」


気遣ってくれるなぁ。

俺、奈緒さんが居なかったら、この人にズッポリ嵌ってただろうな。


可愛いしよぉ。

性格は、ちょっと強情だけど、基本的に良いしよぉ。

人に対する気遣いは、絶対に忘れねぇしよぉ。

自分の仕事に対しても真摯に接してるしよぉ。


それにだ、なんて言っても『天然』だしよぉ。


怖いぐらい完璧なんだよな。


まぁまぁ、そうは言っても『タラレバ』なんてものは、絶対に有り得ないけどな。

俺は、奈緒さんの事が本当に一番大好きだし、真上さんの『魔性』の理由も完全に見抜いてるからな。


それだけに安心だ……とは思うんだがな。


多分大丈夫だろう!!


あんま自信ねぇけど(笑)


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


真上さんは無意識なだけに怖い怖い。

その魔性の正体が解っていても、地味に嵌らずにはいられない恐怖の天然娘(笑)


今回、前回のお金の話をしようと思ったのですが。

倉津君がアホなので、そのお話は次回に持ち越しですね。


いやはや、こんないい加減な感じで申し訳ないです<(_ _)>


……ってな訳で次回こそは、そう言うお話をしたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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