最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1489 もう一回、箱の中身は何じゃらほい?

公開日時: 2025年3月3日(月) 00:21
文字数:2,183

●前回のおさらい●


 午前中のリフォームを終えて、休憩中の倉津君と山中君。

そこに奈緒さんと沙那ちゃんが現れて、なにやらお弁当を持って来てくれたのだが。

その弁当を開けてみると、そこには衝撃の事実が!!

「なっ!!なっ!!なっ!!なっ!!なんじゃこりゃあ!!」

「いやいやいやいや、ホンマ、なんじゃこりゃあ!!」

「「ふふ~~~ん」」


いやいやいやいや、マジスゲェ!!マジでスゲッェって!!


なにが、スゲェってよぉ。

オカズを盛り付けられてる弁当の中身が、有り得ねぇぐらいスゲェんだって!!


俺の弁当には、まるで写真を撮ったかの様なジャズべが。

オカズの組み合わせだけて、ご飯の上に、綺麗に盛り付けられてるんだよ。


ホンで山中は、ドラム。

奈緒さんのは、PEAVEYのベース。


ちょっと待て!!ちょっと待て!!

これ……もぉキャラ弁なんてレベルの代物じゃねぇぞ!!

どんな細かい作業をしたら、こんな器用な真似が出来るんだよ?


訳が解らねぇ……


……って、ってかね。

そんな俺達の驚く姿に、自信たっぷりげな奈緒さんに沙那ちゃんや。

こうやって気合を入れて弁当を作ってくれるのは、非常に有り難い事なんッスけどね。


此処まで弁当の完成度が高過ぎると、逆に喰い難いわ!!



「いや、ほんま、なんやねん、これ?」

「ふふ~~~ん。まぁ細かい話まではしないけど。沙那ちゃんの卓越した技術の賜物だね。それを生かした弁当が、それ」

「いやいや、これは、あまりにも卓越し過ぎやろ」

「あぁ、でも、沙那はオカズが作れないから、オカズを作ってくれたのは奈緒お姉ちゃんだよ。つまみ食いしたら、凄く美味しかった」

「……っと言う事なので、どうぞ」


いや、だから、あのね。

そうやって軽々しく『どうぞ』って言われてもですなぁ。


これはもぉ、明らかに芸術の粋なんッスわ。

なのでブッチャケ言えば。

そんな芸術作品が少しでも崩れるのが惜しいから、箸を付けるのさえ烏滸がましいレベルの代物なんッスよ。


どうしろつぅんッスか、これ?



「いや、あの、流石に此処まで来ると、喰うのが、あまりにも勿体無くて、喰い難いッスよ」

「えっ?えっ?おにぃちゃん、食べ難いの?どうして?」


( ゚д゚)ハッ!


しっ、しまった!!

あまりの完成度の高さに、ついつい本音がポロっと口から出ちまったが。

一生懸命作った弁当が『喰い難い』とか言われたら、そりゃあ、なにも報われねぇよな。


なら、イカンイカン!!

どれだけ完成度が高かろうとも、これは流石に口にしちゃイカン言葉だったろ!!


現に、そんな俺の言葉のせいで、沙那ちゃんが凄く悲しそうな表情を浮かべてる。


・・・・・・


あぁだったら!!

此処で俺が取るべき行動は1つだな!!


もぉ、それしかねぇわな!!



「嘘嘘嘘嘘。冗談冗談、沙那ちゃんが盛り付けしてくれた弁当は、全然食べ難そうじゃないぞ」

「ほんと?」

「ホント、ホント。って言うか、凄く綺麗に盛り付けられてたから『ちょっと食べるのが勿体ないなぁ』って思っただけだからな。決して、本当に食べ難い訳じゃないんだぞ」


まずは誤解を解かないとな。

いや、この場合は『ちゃんと沙那ちゃんが納得出来る説明しないとな』だな。


俺がそう言うと、沙那ちゃんはニコニコしながら……



「じゃあ、召し上がれ」


……って言い返して来たので。


此処は覚悟を決めて!!



「だな。……ってか、マジで美味しそうだな。戴きま~~す!!」

「うわっ、マジか。コイツ、マジで行きよったで。……まじもんの勇者やわ」


やっ、やっ、やかましいわ、この糞陰獣!!

誰が勇者じゃ!!

俺は冒険の書にセーブなんかしてねぇわ!!

(↑この家に来た時、ノリでセーブしたフリをしてたのを完全に忘れてる俺)


つぅか、出来れば俺だって、箸なんか付けたかねぇわ!!


けど、そのせいで、一生懸命作ってくれた沙那ちゃんの悲しむ姿を見る羽目になるなら、これはもぉ喰うしかねぇだろうが!!

そんな状態でドチラか選択しなければいけないなら、当然、俺には、この弁当を食べるって選択肢しかねぇだろうがよ!!


……って言うか!!

弁当つぅもんは、本来、喰う為にあるもんだ!!

それを美味そうに喰って、何が悪いつぅんだよ!!


そんな事も解らねぇなんて、オマエ、馬鹿じゃねぇのか!!


けど、そんな心境とは裏腹に……しくしくしくしく(´;ω;`)


……勿体無ぇ。


マジで、これは勿体無さ過ぎる……


***


 ……っとまぁ、そんな風に俺が先陣を切ったので。

それを皮切りに、みんなも『芸術弁当』のに箸を付け始めたんだが。

沙那ちゃんが盛り付けた弁当の見た目も然る事ながら、奈緒さんがオカズの味付けをしてるだけに、味も絶品中の絶品。


まさにこれは、眼も口も同時に楽しめる、申し分がない程の究極の弁当だと言え様。


……っでまぁ、そうやって飯を喰ってる訳なんだが、此処で俺は、ある事に気付いた。


いやまぁ、そうは言っても、これ自体は弁当に係る話ではないんだがな。

そんな風に、芸術弁当を作ってきてくれた沙那ちゃんの視線がだな。

弁当を食べながらも、明らかに、あの屋根裏で発見したハードケースの方に行ってるんだよなぁ。


しかも、相当、気に成って仕方が無いのかして。

さっきから妙にソワソワ・ソワソワしながら、チラチラ・チラチラとそちらの方ばかり見てる有様。


そりゃあまぁ、あんな所に、不用意にハードケースなんか置かれてあったら。

ビルダーとしては『なにが入ってるのか気に成っても仕方がなくなる』ってもんだわな。


なら、食事中には、どうかとは思うが、ちょっとそこに触れてみるかぁ。


このまま、そわそわしてる沙那ちゃんを放置して置く訳にもイカネェしな。

(↑兎に角、沙那ちゃんには甘い俺)


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


お弁当の中身は、沙那ちゃんによってトンデモなく細かい作業で作られたキャラ弁でしたぁ♪


まぁ要するに、完全にネタ回ですね(笑)


しかしまぁ、沙那ちゃんがビルダーとして育てられているのは知っていても。

此処までの技術だとは思っていなかった倉津君にとって、これは、あまりにも衝撃的な物だったでしょうけどね(笑)


さてさて、そんな芸術的なキャラ弁を食べる中。

沙那ちゃんが何やら、倉津君が屋根裏で見つけたハードケースに興味を示してる模様。


なので次回は、きっと開封回になると思いますので。

良かったら、皆さんもハードケースの中身を予想してみて下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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