最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1546 説明の必要性

公開日時: 2025年4月29日(火) 00:21
文字数:2,196

●前回のおさらい●


 帰宅したら、奈緒さんと沙那ちゃんの姿が何処にもない。

けど、2人の遺棄場所に心当たりがある倉津君は、実家にあるカラオケルームに向かい、そこで2人を発見。


そこから、奈緒さんに昨晩の出来事を話す環境を整えてたら……

 ……さてさて。

沙那ちゃんがギターを弾いてくれてる間に、奈緒さんとの話を片付けないといけないから、早速だけど話を始めるとするかの。


まぁ、そうは言ってもな。

昨晩の結果を伝えるだけの話なんだから、そんなに手間の掛かる様な仰々しい話じゃないんだけどな。


どちらかと言えば、奈緒さん相手だったらサクッと終わりそうな感じだし。


ほんじゃま、そう言う事で。


なんて思いながらも、奈緒さんの方を振り返ってみると……



「ぷっぷっ」


何故か、振り返っただけだと言うのに、俺の顔を見るなり笑われた。


へっ?けど、なんでそうなるんだ?

まだ、なんの話もしてないのに、俺はイキナリ笑われてるんだ?


なんか変な事したか?

それとも、なんか俺の顔がおかしな事に成ってたのか?



「えっ?えっ?なんッスか?なにをそんなに笑ってるんッスか?」

「あぁいや、ごめん、ごめん。なんかさぁ、さっきの沙那ちゃんと、クラのやり取りを見てたら、本当の親子みたいなんだもん。そんなの見たら、つい、笑っちゃうって」


なるほど、笑ってる理由はそこでしたか。


沙那ちゃんとのやり取りを微笑ましく感じてくれてた訳ですな。



「あぁ、なにを笑ってるのかと思ったら、そこッスか」

「そこだねぇ。沙那ちゃん、スッゴくクラに懐いてるんだもん」

「そうッスかね?あぁでも、それって、あれじゃないッスかね」

「なになに?」

「雛鳥が産まれた時に、最初に見た者を親と思うって、あの現象。それと同じで、初めて遊んでくれる友達が出来たから、嬉しくて、俺にくっ付いて来てるだけなんじゃないッスかね」


上手く例えようとしたんだが、物凄く悪い例えにしかならなかったな。

それ処か、俺の頭の悪さが全開に出てる様な酷い表現にしかならなかったみたいだしな。


いや、この場合、頭が悪いどうこうと言うよりも、完全にデリカシーが欠落してると言うべきなのかもしれんがな。



「あぁ~あっ、そう言う事を言っちゃうんだ。沙那ちゃん可哀想」

「いや、だって……」

「クラ……そんな事ばかり言ってると。再来年ぐらい、中学生に成った沙那ちゃんに『おにぃちゃん嫌い!!こっち来ないで!!あっち行って!!』とか言われちゃうかもよ」


Σ(゚д゚lll)ガーン



「えぇ~~~っ、それは嫌ッスね。流石に、かなりのショックっす」

「でしょ。だったら、そんなロクデモナイ事を言ってないで、ちゃんと大切に扱ってあげるんだよ。沙那ちゃんは、本当にクラの事を慕ってくれてるんだからさ」

「そうッスよね。反省ッス……ってか、奈緒さん」

「うん?なに?」

「それはそうと、昨晩の崇秀との話とか聞かなくて良いんッスか?」


沙那ちゃんの話も大事なのは十分な程に理解はしてるんッスけどね。

簡単に終わりそうではあるにせよ。

コチラの話も、結構、重要な話だと思うんッスけど……その辺は、どうッスかね?


その様子だと、そっちの話はもう良いって感じなんッスか?



「うん。別に聞く必要ないかなぁ」

「って言いますと?」

「クラと、仲居間さんさぁ、ナンダカンダ言っても仲が良いからね。何も言わなくても、お互いの事を、よく理解し合ってると思うのよ。だから、あの段階での和解は、そんなに難しい事じゃなかったと思うんだけど、どう?」

「あぁ、まぁ、そうッスね。流石に、そこまで不気味で、気持ちの悪い関係ではないッスけど。実際の話、あの馬鹿とは長い腐れ縁ッスから、話自体は、電話が掛かって来た後、直ぐに玄関口でケリは付きましたね」

「だろうね。それで、どうせその後、飲みながら、今後の展望でも話してたんでしょ。そこも、そうじゃないの?」


全部読まれとる。



「まぁ、その通りなんッスけど。よくノーヒントで、そこまで解りましたね」

「そりゃあ彼女だもん。それぐらいなら、何も聞かなくても解るよ」


ヤッパリなぁ。

ヤッパリ、事細かに説明する必要すらなかったか。

いや寧ろ奈緒さんは、俺の、この状態を見るだけで全てを理解してくれていた訳だから、説明をする事自体必要すらなかったって事だな。


ホント、この人の俺に対する理解力は群を抜いているよな。


まじでハンパねぇわ。


……って事でございまして。

俺が話すまでもなく。

こんな風に奈緒さんが理解してくれてたので、沙那ちゃんの親父さんに会うまでに『して置きたかったミッション』は全て完了!!


なんとか第三関門も突破だな。


なので、少し余裕が出来た事だし……



「あぁ、もぉ、奈緒さん最高ッス。ホント、どこまでも最高な彼女ッス」

「当たり前でしょ。私は君の彼女なんだから、それぐらいはね……って言うか、クラ」

「はいはい、なんッスかね?」

「急にで悪いんだけど……ごめん」


なんて良い感じで話を進めようと思ってたんだがな。

何故か此処に来て、急に奈緒さんに謝罪をされたんだよな。


けどなぁ。

この謝罪に対して、俺には全く身に覚えがない。


現状で奈緒さんが、俺に謝る様な事をなんかしたんだろうか?

……って言うか。

謝られるどころか『なんて理解力のある彼女なんだ』って感心してた処なんだけどなぁ。


と成るとだな。

今考えらうる所では、例の一件の話での謝罪って話に成るんだが。

もしあの一件の事で謝罪してるにしても、おかしいんだよなぁ。

大体にして、それも昨日の内にすべて解決している訳だから、もう今更奈緒さんが謝る様な話でもないんだよなぁ。


だとしたら、一体、この謝罪はなんなんだ?


これはまた、よく解らん展開に成ったもんだな。


奈緒さんに何があったんだ?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


奈緒さんには、話す必要性もなかったので。

難なく、親父さんとの約束の時間には間に合いそうな雰囲気にはなったのですが……


何故か、此処で奈緒さんが突然の謝罪。


一体、何を彼女は謝っているのでしょうね?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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