最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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404 うん?なんだ、この柔らかい物は?

公開日時: 2022年3月17日(木) 00:21
更新日時: 2022年12月28日(水) 21:31
文字数:2,571

●前回のおさらい●


 グチ君の突然の引退宣言を、なんとか宥めた倉津君と、カジ君でした(笑)

 ……にしてもだな。

今日も何かと色々あったから、なんとも疲れる日だな。

一応の片付けをしている2人を見ながら、ふと、そんな事を思った。


学校に来た時から、そうなんだけどよぉ。

あの『ダリィ』って言葉は、実は本心だったんだよな。


まぁ、あの時点では、昨日の暴挙が最大の原因だったんだけどよぉ。

その後、朝から、ほぼノンストップで、今までズッと楽器の演奏だろ。

そんで序に、カジ&グチのバンドの問題も然り。


普段の授業がある日なら、その時間を有効に使って寝りゃ済む話なんだがな。

今日に限っては、勝手が違ったから、そのタイミングすら全く無かった。


故にだ、睡眠時間が8時間以上無いと、自動的に眠気が来る俺はホッと一安心したのも手伝って、疲れのピークが襲ってきている。


まさに、眠さが爆発しそうな勢いなんだよな。



つぅか、マジ眠いな。



「良し、これで片付いたっと。……よぉ、ところでクラッさん。今日は、この後どうすんだ?」

「ふあぁ~~~、寝る。……つぅか、今帰るのが面倒臭ぇから、準備室にある体育用のマットでも此処に敷いて、一眠りしてから帰る」

「はぁ?此処で寝るって……つぅか、そんな事をワザワザすんなら、家で寝た方が楽じゃね?」


正論だな。



「まぁ、そうなんだけどよぉ。なんせ、兎に角、眠いんだよ」

「けど、倉津。眠りこけて、学校に閉じ込められたら、どうするんだ?」

「あぁ、ソイツなら心配はねぇ。どうせまだ、大人の連中が此処で深夜の作業とかをするだろうから、閉じ込められる心配だけはねぇよ」

「つぅか、マジで寝る気なんだな……」

「あぁ、マジで寝る気だ。今のところ帰宅意思は無い」


いや、眠いのにチャリを漕いで帰ったら、どこかで事故りそうな勢いなんだよな。

若しくは『居眠り運転をして、電信柱に衝突する』っと言う、漫画的な事件にすら遭遇する可能性すら見受けられる。


そんな理由があるからだな、俺が下手に眠気が来てる時に帰宅を目指すのは、非常に危険なんだよ。


これがあるから、今、一旦、寝る事を表明した訳だ。


ってな訳でだ。

俺は呆れる2人を無視して、ノソノソと準備室から体育館マットを引き摺り出して来る。


恐らく崇秀が、此処で『何かをする為』に使っていた物だろうから、そんなには汚れていないだろう。


俺はマットを床に転がすと、その場で大の字になって寝転んだ。



「おやすみ……ぐぅ……」

「って、早ッ!!もぅ寝ちまったよ」

「はぁ、こんな所で、本当に寝るとはな。仕方ない。本人の希望通り、放って帰るか」

「だな。こりゃあ、どうしようもねぇわ」


俺は、カジ&グチが帰った事すら知らないまま、眠りについていた。


本当に疲れていたらしく爆睡だ。


***


「ふぁあぁぁ~~~、良く寝た。今、何時だ?」


何気に目が覚めた。


なので、直ぐに体を起こすのも億劫な感じがして。

そのままの体勢で、寝起きでボケた頭を掻きながら、時間を確認する為に携帯電話を取り出して見た。


すると時間は、午後9:00ジャスト。


どうやらカジ&グチと話をし終わってから、2時間程、完全に眠りこけてたらしい。


普段なら45分(授業時間)おきに、大体、目が覚めるんだが。

この様子からして、どうにも疲れの蓄積度がハンパじゃないみたいだな。

疲れていると熟睡しやすいし、特に精神的な疲れは、より深い眠りを誘うらしい。


なんとも心理学通りの単純な思考だ。


しかしまぁ、これが授業中じゃなかったのは、不幸中の幸いだったな。

もし授業中なら、確実に授業が始まって間もない時間帯に眼を覚てた訳だからな。


そんな事になったら、クッソくだらねぇ勉強をしなきゃいけない。


まさに地獄だよ。


危ねぇ、危ねぇ。

くわばら、くわばら。


それにしても俺ってスゲェよな。

こんな11月のクソ寒い季節に、よくもまぁ、上に掛けるものがなにも無いこの状態で、マット1枚でグゥスカ・ピィスカ寝れたもんだな。


普段は寒がりなクセに、呆れる鈍感ぶりだよな。


自分でも感心する。



そんなくだらない思考と、学生に有るまじき思考をしながら、帰宅の準備をしようと体を立てようとした。


するとだ……『むにゅ』っと、左手が柔らかな物を掴んでしまう。


なんだ、これ?


俺は、不安に思いつつも、自分の左手の持った物を確認すると……そこには。

何故か素直が、俺の背中に寄り添う様にして『くぅくぅ』っと小さな寝息を立てながら眠っていた。

なにやら背中だけが妙に暖かいと思ったら、理由は素直の体温だったんだな。


そして言わずと知れた、俺が左手で掴んだ栄光の物は『素直のパイオツ』だ。


……はぁ、しかしまぁ、毎度毎度の事とは言え。

いつもオッパイばっかり、ピンポイントにアクシデントを起してスマンな、素直。


確認の為に言って置くが、ホントに、わざとじゃないんだぞ。

(↑それはそれとしても『やらけぇ~~』←矢張りクズ)


うっ、うっふぉん!!

まっまぁ、その、なんだ、あれだよな、あれ。


こうやって改めて見るとだな。

ホント、素直の寝顔って、可愛い顔して寝てるよな。


それによぉ、俺が体を起こしたからか、肌の温度が急激に失れていったのか、小さく丸まっちまったよ。

元々、素直の体は小さい方だから、小さく丸まると子猫みたいなんだよな。


この格好、この仕草、滅茶苦茶可愛いな。


しかしまぁ、こんな素直を見れば見る程『俺って、勿体無い事してるよな』って、実感が湧いてくる。

こんな可愛い子に告白されただけでも、光栄な事なのによぉ。

それを振っちゃってるんだもんな。


まぁ、これに関しては、出逢った時期が悪かったとしか言い様がないんだけどな。


……っと、イカンイカン。

素直は、俺みたいに馬鹿じゃないから、体が頑丈には出来てないんだよな。


だったら、このまま放って置いたら簡単に風邪引いちまうな。

ここにゃあ、なにも無いけど、せめて俺の上着でもソッと掛けて置いてやらないとな。


俺は制服の上着を脱いで、素直に掛けてやった。


『汗臭いかも知れないが、風邪引きたくなかったら我慢しろよ』


すると素直は、その想いに反応して、上着を『ぎゅ』っと握って、更に丸まった。


オイオイ……『この可愛らしい生き物、持って帰って、家に飾って良いか?』って、瞬間的に思う程、素直は可愛らしく丸まってる。


俺は、そんな素直を見ながら、椅子に座って、彼女の目覚めを待つ事にした。


本音で言えば『はぁ~~~、もぅちょっと見てよ』って、変に癒されてる感じだな。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ~~~<(_ _)>


11月の寒い時期に、暖房も付けずに眠りこけれたのは、素直ちゃんの体温だったんですね。


でも、なんで、こんな事に成っているのでしょうか?

そして、何事も起きずに、この状況を脱する事が出来るのか?


それは次回の講釈。

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~い(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾



なんか嫌な予感が……(;゚Д゚) ('ω'*)気のせいです



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