●前回のおさらい●
歌謡コンクールの司会者であるケンさんの不用意な言葉『倉津君女誑し説』
だが、此処最近、女子からの恋愛相談や、文化祭の下準備に東奔西走して、学校での評判が頗る良い倉津君。
さぁさぁ、なら此処では、どんな反応が返って来るのか!!
(因みに本人は自覚があるのか、特に気にしてません(笑))
「ちょっとケンさん!!それだけは、全然違いますよ!!倉津君は、決して、女誑しなんかじゃないです!!それに女の子だけじゃなく、男子からも信頼度の高い男の子なんですよ!!だから、間違っても、そんな事を言わないで下さい!!」
「えっ?あっ……」
……ってな事をだな。
イキナリなにかの火が入ったみたいに、かなり怒りながらステージ上で伊藤が言ったんだよ。
俺は、一瞬、何事かと思ったんだが……
冷静に考えれば、そうだよな。
ユニットを作った男子ってのが女誑しじゃ、世間体が悪いもんなぁ。
その事に気付き、俺自身は、妙に納得する。
っと同時にだな。
俺に対する、伊藤の認識を改めようと、心の中で説教を垂れてみる。
こんな感じだ(↓)
いや……伊藤さんや。
チミは、なにを白昼堂々と、酷い勘違いを人前で熱く語っとるのかね?
オィちゃんには、チミの語る様な、そんな信頼度の高さなんて大それたもんは、女子の中にも男子の中にも存在しないぞなもし。
あっしって生き物はね。
母親の腹からポロッと無駄に生まれ落ちた時点で、半分以上、そんな堅気の人間じゃねぇんでゲスよ。
そんな糞みたいなあっしが、人から信頼を勝ち取るなんて不可能でござんす。
糞人間は、どこまで行っても糞人間でしかないんでゲスよ。
その証拠にだな、さっきも、欲望塗れの要求をステラに言って、ちょっち怒られた屑でゲスよ。
なので、この辺を、もう1度よく考え直してみなせぇ。
……ってな感じな訳だな。
(↑早い話、カスな俺)
「そうだよ!!そこに居る舞歌ちゃんの言う通り、なにも知らないくせに、倉津君の事を女誑しとか言うなよ、ケン!!あたしはねぇ。倉津君に恋愛相談したからこそ、こうして今の彼氏と上手く付き合う事が出来たんだからね!!適当な事を言うな、ケン!!」
「えっ?」
グワッ!!
観客席から、どこかで聞いた事のある女子の声がしたと思ったら。
アイツは、確か、ダッツの紹介で、俺に初めて恋愛相談を持ち掛けて来た女じゃねぇかよ!!
自分が彼氏と上手く行ったからって、それだけで、俺なんぞを信じるなんぞ無謀の極致!!
平然と、危険極まりない事をのたまわってるてんじゃねぇぞ!!
それとな……空気読め。
今コンテストの途中だからな。
コンテストに関係ないイラン事を言わんで良いちゅうの!!
俺の出番が遅くなるちゅうの!!
「ホントだよ。倉津君の悪口言うなら、此処から出て行ってよ。それでウチの学校の敷居は2度と跨いで欲しくないって感じ!!帰れケン!!死ね!!」
「えっ?えっ?」
いやいや、だからだな。
さっきの女子同様、オマエも、偶々、相談に来た話が上手くいっただけの話であってだな。
別に、特別親身なって考えてやった訳じゃねぇってのな!!
そんなもんは、俺の言った戯言が、偶々嵌っただけなんだって……
俺なんて、崇秀と比べたらだな、ただの雑魚ッスよ雑魚。
「そうだぞケン!!オマエみたいな糞ショウモネェだけ芸人野郎とは格が違うんだよ!!クラスを纏めた上に、此処まで大々的なイベントを作ったのは、倉津君のお陰なんだぞ!!金で雇われてるだけのショボイ芸人のクセに、調子のんなよ、カス!!帰れ帰れ!!」
「いや、だから、誰?」
ぎゃああぁぁぁ~~~!!
誰かと思えばだな。
真上さんメイド事件の時に、壁の耳を共闘した『コソッと勃起マン』じゃねぇかよ!!
つぅか!!それ以前にオマエ、酷い誤解だぞ、それ!!
これはな。
向井奈緒って、悪ふざけを具現化した様な美しい女神様みたいな人がだな。
これまた、自己の楽しみの悪ふざけの延長で、こうなっただけの事であってだな。
俺なんぞは、なんもしてねぇつぅの!!
「オイ、コラ、ケンよぉ。俺等のカリスマ、魔虎兄貴に、なぁ~~んて無礼な事を言ってくれちゃってる訳?オマエ、一回、芸能界から干したろか?追放だよ追放。なぁロンよぉ」
「あぁ、その通りだぜ、モヒィ!!テメェ……魔虎兄貴を愚弄するって事はな。俺等を敵に回すって事と同義語だからな。タダで済むと思うなよ。明日から職安通いになるから、シッカリ就職活動でもして頑張れよなぁ~~~。なにがあっても、ゼッテェ、許さねぇかんな」
オマエ等もかよ……
いや、あのなぁモヒ&ロンよ。
幾ら必至に2B-GUILDをバックアップしてくれたからとは言え。
そんな、地方限定で居そうなヤーさん紛い奴が使いそうなガラの悪い脅し文句を使うんじゃありませんよ!!
知性と、品性が知れるぞ、オマエ等!!
それによぉ、俺の事を知ってても、知らなくてもだな。
所詮、このケン山本って人の言う通りだって……
俺なんぞはな、年がら年中、女の子に対してエロイ事バッカリ考えては、いつも怒られてる、どこにでも居る様なアホな蛸助中学生なんだってばよ。
だから、そんな蛸助をだな。
勝手に変な風に神聖化すんなつぅの!!
タコ神=旧世界の支配者クトゥルフか俺は!!
「それにテメェ解ってのか?魔虎兄貴はなぁ。そこに居るアリスの新ユニットの応援をしてやって欲しいって、わざわざ俺等に頼みに来たんだぞ。しかも、コンテストの期間中とは言え、自分達の敵になる事が解ってるユニットの応援だぞ!!魔虎兄貴は、どれだけ熱い男だと思ったやがんだ、ゴラァ~!!」
だからな……
ただのタコなんだって俺は……
「オォ、そぅだぜモヒィ!!しかも丁寧になぁ。どれがどの子か一目で解る様に、写真・解説付きでカタログ作ってくれてんだぞ!!テメェに、こんな真似出来んのかよコラ!!ヘラヘラとショウモナイ事ばっかり言ってやがる雑魚芸人が!!調子こいてんじゃねぇぞ!!」
「いや、知らないし」
いや……モヒ&ロンよ。
オマエ等いい加減にしないと、仕舞いには、大いなるクトゥルフ(俺)の怒りを買うぞ。
第一にだな、それ、ただのプロフィール・ブックだからな。
今日の素直達の応援に必要かと思って、モジャ公に頼んで作って貰っただけだからな。
決して、俺が、夜なべとかして作った訳じゃねぇからな。
言うなれば、それはタコの俺じゃなくてだな、そこは悪魔の腹心モジャ公を賞賛すべき処なんだぞ。
「……マメ過ぎる。けど、なんかそこまでして貰ってるのに、女誑しとか言われたら、流石に気分悪いよね。山本さん、それ、ちょっと不味いんじゃない?」
「いや、由佳ニャン。だって俺、その男の子の事、よく知らなかったし……」
「ほらほら、謝罪しないと暴動起こるかもよ。ほら、あそこで怖い人が睨んでるし」
「えっ?」
「オォ、にぃちゃんよぉ。俺のマブダチを、よくも貶してくれたな。アイツはなぁ、俺の為にワザワザ、此処でのチケットを手配してくれる様な親切な奴なんだよ。舐めた事を言ってくれてんじゃねぇぞ、ゴラアァ~~」
さ~~め~~~じ~~~~ま~~~~~君!!
一回死んで……いやもぉ、マジで一回死んでくれ。
つぅかオマエ……今、俺の事を恥ずかしげもなく『マブダチ』っとか言いやがったがな。
よくもまぁ、ヌケヌケと、そんな事がぬかせたもんだな。
オマエ……そのマブダチである俺の足に、なんの躊躇も無しに、思いっきりナイフぶち刺さなかったっけ?
それってマブダチ?
違うんじゃね?
それに、その文化祭のチケットの件にしたってよぉ。
この間、奈緒さんが起した騒動を、綺麗サッパリ、なにも無かった様に治めてくれたからこその成功報酬じゃんよ!!
しかもよぉ、偶々持ち合わせてただけで、別に、オマエの為に用意した訳じゃねぇんだぞ。
だから、オマエの言ってる事、全部間違ってるじゃん!!
違うだろうに!!
「アンタの言う通りだぜ、怖い顔の旦那。確かに、年下とは言え、倉津は熱い奴だよ。俺もよぉ。その倉津って奴とはな。ちょっとした腐れ縁が有って、ある意味、戦友って奴でよぉ。ソイツの事を舐めた風に言われんのは、ちょっとバッカリ気にクワネェな。オマエよぉ、そのステージ、俺等が作ったもんだから、速攻で降りろ、ケン。そんな馬鹿な奴に、此処を使って欲しくねぇな」
おぉ!!壁から聞こえて来る真上さんの小声で、見事な天昇を果たした究極の声フェチのにぃちゃんじゃねぇかよ!!
いやいや、あれ以来だから2日ぶりだな。
ところで、あの後、どうだったんだよ?
真上さんの可愛いボイスで、夜も眠れねぇぐらいに、一杯抜いたか?
俺は過度に抜き過ぎて、翌日、ちゃんと豪い目にあったぞ。
ハハッ、お互い困ったもんだな。
……いやいや、そうじゃなくてだな。
いやまぁ、確かにアンタとは戦友と言う関係だから、なにも違いはしねぇんだろうけどよぉ。
そこまでアンタに言って貰えるほど、俺なんかしたか?
真上さんの声を……
『!?』
ぐっ!!あぁそうか!!
そう言えば、このにぃちゃんっと言えば……異様なまでにノリが良かったんだったな。
って事は、これは、あれなのか?
完全に場の面白そうな雰囲気に飲まれて、性質の悪い悪乗りを敢行してるって事だよな。
まっ、まいったな、オイ!!
悪乗りの感染が拡大して、コンテストと、全然、関係ない話で盛り上がって来てんじゃねぇかよ!!
……ってか、いい加減、俺等に演奏させて貰えんかのぉ?
このコンテストも俺等の出番で、最後なんじゃから……
「「「「「帰れ帰れ!!この街に2度と来んなぁ~~!!」」」」」
あぁ……ダミだ、こりゃあ……
悪い循環が、収拾の方向に向かうどころか『悪乗りする悪玉菌・仲居間菌』が観客の中だけに留まる事を知らず。
会場全体に、一気に拡大しやがった。
今となっては、全然俺が知らない奴まで悪乗りして、ケン山本を非難しはじめたぞ。
この分じゃ、演奏しないまま終わったりしてな……
ハハッ……滅茶苦茶気合が入ってただけに、なにを取っても、全く笑えねぇ状況だなぁ……(苦笑い)
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
うん、もぉ此処まで行くと、ただの悪乗りですな(笑)
高々『女誑し』って言った程度で、誰が此処まで酷い状態に成ると予測できたでしょうか?
まぁ、この学校の生徒はアホや、ノリの良い生徒が多いので、こう成っても仕方がないのかもしれません。
さてさて、そんな状態に成ってしまった以上、このままコンテストはお開きに成ってしまうのでしょうか?
それとも……
ってな感じで。
また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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