●前回のおさらい●
コソッとステージ上で羞恥プレイをしていた事が、ステラさんにバレてしまった倉津君&奈緒さん。
そんな彼女に『奈緒さんをお仕置きする』と言われ。
チョコチョコと自分のポジションに逃げていく奈緒さん。
その場に残された倉津君は、どうなるのか?……(笑)
「真琴」
「あぁ、はい、なんッスかね?」
「今から、少し浮かれている奈緒に、お仕置きをします。手伝って下さい。勿論、ポンコツに拒否権はありません」
「拒否権がねぇって、オマエ……それってよぉ。強制って言わねぇか?」
「そうとも言いますね」
「なっ、なにする気だよ?浮かれたからって、奈緒さんを虐めんのはダメだぞ」
「いいえ、奈緒を徹底的に虐めます。解りましたか?解ったのなら協力しなさい」
「いや、だからな。気持ちは解るが、落ち着こうな、ステラ」
「ダメです。奈緒がマイクを持って話し始めたら、コチラも始めますよ。……もし、しなかったら、真琴も、奈緒以上の酷い目に遭いますよ。それでも良かったら、勝手になさいな」
「いや……ステラさん?」
「ふふふっ、その序に仲居間さんから『学んだ技』を見せてあげますから。ふふふっ……」
不敵な笑みだけ残して、ステラも、俺のポジションから去って行く。
自分のポジションに移動しながらも。
ステラの奴は、嶋田さんと山中のアホに1言2言なんか言って行った。
すると、話掛けられた2人も悪い顔をしながら、俺の方を見て笑う。
オイオイ、マジで、なにする気だアイツ……
俺が無い頭を絞って、そんな事を懸念してる間に、奈緒さんが口を開き始めた。
「遅くなって、ごめんね、アリス」
「「「「「奈緒様、おせぇよ!!待ちくたびれたぞ!!」」」」」
「皆さんの言う通りですよ。向井さん遅いですよ。なにしてたんですか?」
「うん、ごめんね、アリス。クラと、ちょっと打ち合わせをしてたのよ」
「あぁ、そうなんですか。それなら仕方有りませんね。……じゃあ、向井さんも帰って来た事だし。そろそろGUILDライブを開催しましょうか」
「そうだね」
「「「「「待ってました!!」」」」」
いやいやいやいや、奈緒さん!!奈緒さんってば!!
ホント、そのまま始めるのは危険だって!!
ステラの奴が、なんか良からぬ事を企んでますよ!!
しかもアイツ『崇秀の技』がなんとかかんとか、スゲェ、おっかねぇ事を言ってましたよ!!
だから、奈緒さんダメだって!!
「じゃあ、一曲目は、ウチのライブ恒例の『Seriou……」
♪♪♪~~~♪♪♪♪~~~~♪♪♪♪~~~♪♪♪♪~~~~♪♪♪~~~♪♪♪~……
奈緒さんが『Serious stress』をコールしようとした瞬間。
コミカルな曲が流れ始めた。
えぅ?これって『Troubling』だよな?
奈緒さんが、悪ふざけ全開で作った『Troubling』だよな?
なんで?ライブ開始の一番大切な一曲目から『Troubling』なんだ?
なんで、こんなヘンテコな曲を、わざわざ一曲目に選曲したんだ奈緒さんは?
それに『Serious stress』をコールしようとした奈緒さんの意図は?
わっ、訳わかんねぇ?
「えっ?えっ?うそ?えっ?なんで?これ『Troubling』だよね。……曲順変更?」
あっ……奈緒さんがあんなに動揺するって事は、明らかに、さっき不敵な笑みを浮かべたステラの罠だ。
しかも、このステラのギターの音色。
微かにだが、楽しげで愉快な映像が、頭に送られてくるぞ……
アッ、アイツ、まさか……
「えっ?えっ?向井さん、どっ、どうしましょう?『Serious stress』を唄う予定だったのに、気分が楽しくなってきちゃいました」
「えっ?えぇっと、兎に角、曲がかかってしまった以上。これを、うっ、唄うしかないよ。取り敢えず、これ、一緒に唄って素直」
「あっ、あっ、あっ、はい」
「「♪~~~(↑↑)」」
「「「「「えっ?奈緒様?アリス?ぷっ!!はっははっははっはは……」」」」」
ぶっ!!
今まで様々なライブを、飄々とこなして来た奈緒さんが、初めてライブ中に、酷い声の上ずり方をした上に、声が裏返ったぞ。
それに釣られて素直も声が制御出来ずに、完全に上ずってる。
ステラの悪意によって、2人して音を完全に外してる!!
それでも客は、ステラの奏でる、楽しげな音の映像を見せ付けられてるせいで、ただ只管大笑いしてる。
けど、ボーカルの2人は、ライブ中に歌を唄って笑われた事など1度も無いから、恥ずかしさの余り顔を真っ赤にして、全く調子をとり戻せないでいる。
その上、ステラの馬鹿with嶋田さん&山中も、曲を止める気配すらない。
俺も曲自体は、一応弾いては居るが。
なに、このグダグダ感?
どうすんだよ、これ?
……そんなグダグダのまま、曲はラストまで行き、一曲目が終わる。
「ちょっとステラ!!君ねぇ、一体どう言う……」
当然、恥ずかしさから生じる怒りで。
奈緒さんは顔を真っ赤にして、反論の異議を申し立てるんだが……
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪--♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪-----……
ステラは、完全にそれを素知らぬ顔して2曲目の『Serious stress』を演奏を始める。
しかも、ただ弾くだけならまだしも。
基本がパンクな曲調の筈なのに、即興でJ-POP調のコミカルなアレンジをされてる。
これじゃあ『重いストレス』が溜まってるって言うより『軽いストレス』
軽く飲み会に行く事や、バッティングセンターでボールを思いっ切り打てば、全てを忘れて解消出来るレベルの軽いストレスだとしか感じない。
オイオイ、こんな事をしてアイツ……なんのつもりだよ?
「ちょ……なによ、これ?私に、どうしろって言うのよ?」
「あっ、あの、向井さん。こんなの、ぼっ、僕には、とても唄えそうにないんで、シンセ弾いてきますね」
「あっ、ちょ!!素直!!」
素直が……逃げた。
まぁまぁ、自己保身を考えりゃ、素直の行動は、なにもおかしくは無いんだがな。
奈緒さんの近くに居れば、100%被害を受けるのは必須だし。
裏切りウンヌンカンヌンを抜いたとしても、人間であるが故に、危険性を感知すれば、当然そう言う行動に出るわな。
俺自身も、そうならないとも限らないから、こりゃあ、素直を責めれたもんじゃないな。
「あぁっそ、みんなして、そう言う事をしちゃうんだ。……あぁっそ、わかったわよ。こんな程度のアレンジ位、唄ってやろうじゃないの!!憶えとけよぉ~~~」
うわうわっ!!
ステラの意地の悪い演奏に対して、奈緒さんの反骨心に火が着いちまったよ。
『燃える反骨クィーン奈緒さんVS天然底意地悪娘ステラ!!』
病院以来の地上最悪なカードが、再び、此処で実現してしまったぞ。
このライブ……ただじゃ済まないな。
それに、こうなってしまった以上、俺も一曲目みたいにボケ~~っと普通に演奏してる訳にはいかない。
なにかしろの対応策を打たねば、必ずと言って良い程、どちらかから俺に向って飛び火が飛んで来る筈だからな。
最低でも曲調位は合わせておかないと、どんな目に遭わされたものか解ったもんじゃない。
無策なのは、兎に角、危険だ。
……けどよぉ。
こう言っちゃあなんなんだが、パンク調の曲を、J-POP調にアレンジすんのって、どうやんだ?
普通に曲をアレンジする程度の事なら出来なくもないんだがな。
こう言う変則的で無茶なアレンジの仕方なんて、俺やった事ねぇからサッパリなんもわかんねぇぞ。
だから此処は、取り敢えず、軽めの音で調整して、まずは両者の様子見だな。
後は、なんとか、かんとか、その場凌ぎで演奏しながら、この場を凌いで行くしか無さそうなんだが。
どうすっかな……
って言うか。
どうせ、なる様にしかならないか……
そうッスね……ははっ……
……そして、そんな感じのままの演奏が続き。
一曲目同様、またしてもグダグダな空気まま2曲目も終わる。
そしたら奈緒さん……
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
奈緒さん、とうとうステラさんにお仕置きされてしまいましたね(笑)
まぁまぁ、普段から悪さばっかりしてますから、偶には、こうやってお仕置きされるのも良いかもしれませんね。
さてさて、そんな中。
なにやら、奈緒さんが反撃の狼煙を上げそうな雰囲気。
矢張り、このお姉さんが、ただただやられる事だけはないみたいですね(笑)
次回は、その辺を書いて行きたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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