最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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569 倉津君も、偶には気を遣う(笑)

公開日時: 2022年8月29日(月) 00:34
更新日時: 2023年1月12日(木) 22:02
文字数:2,068

●前回のおさらい●


 女子会の最中。

余計な事ばかりしたチヒロンは、奈緒さんと美樹さんによって見事に葬られた(笑)


ご愁傷様( ´艸`)

「あぁ、清々した。ってか、馬鹿は放って置いて、飲み直しだよ、飲み直し」

「まぁ~ったく千尋は、なに考えて生きてんだろうね?」

「美樹……それ……解明出来たら、ノーベル科学賞モノだよ。そんな奇妙な思考、誰にもわかんないって」

「確かにね。……ってか、もぉ、そう言うの辞めにしてさぁ。飲も、飲も」

「だね。……あぁ、眞子。美樹にビール注いであげてよ」

「あっ、はい。……どうぞ♪」

「ありがとう。眞子ちゃん、気が利くね」


いや……気が利くと言うか。

奈緒さんが、今、明らかに『注げ』って言いましたけど……



「じゃあ、奈緒さんも、ご一緒にどうぞ」

「ありがと……じゃあ、私からも、眞子に返杯ね」

「あぁっと、奈緒さん。注ぐのは、ちょっとだけ待って貰って良いですか?」


台所へ行って、小細工をしたいんで。



「あれ?飲まないの?」

「いえ、戴きますけど。……先に、少しだけ『酒の肴』でも作って来ようかなって思いまして」


だって奈緒さん……いっつも、誰かが家に訪ねて来たら。

一人で、みんなを気遣って、ゆっくりしてる姿を見た事ないじゃないですか。

今日だって、この後の状況次第では、俺が買ってきたお菓子も無くなって『酒の肴』が無くなる可能性が有るんですよ。


だから今回は、台所で、俺が簡単な物を作って、奈緒さんを気遣かってあげる番なんです。


偶には奈緒さんも、損な役回りバッカリせずに、みんなと寛ぐ事も大事ですよ。


それに、いつも、お世話になってるんッスから、俺だって1度ぐらい恩返しぐらいしたいじゃないですか。


まぁ……『都合良く』って言いますか、なんと言いますか。

丁度、俺も、こんな形してる事ですし、せめて今日だけでも、ゆっくりして欲しい訳ですよ。



「えっ?君が買って来てくれたお菓子が有るから、それで十分だよ。変に気遣いしないの」

「あぁ、いえ、そうじゃなくてですね。お菓子だけじゃ心許ないですから。ちょっとしたもので良ければ、10分程戴ければ、直ぐに作ってきますよ」

「うん?眞子ちゃんって料理出来るんだ」

「あぁっと、奈緒さんみたいに本格的な物は作れませんが、お父さんの『酒の肴』位のものでしたら、多少は」

「あぁ……だったら、私は、眞子ちゃんの手料理を戴こうかな。折角なんだから、奈緒も、眞子ちゃんに作って貰いなよ」

「えっ?あっ、あぁ、うっ、うん。……そっ、そうだね」


慣れないんだろうな。

飲んでる時に、この人が落ち着いて座ってる所なんて、ほぼほぼ見た事が無いからなぁ。

それに+α、俺なんかに、ちゃんとした食べれるものを作れるかが不安でもあるんだろうがな。


いや、あの態度から言って、寧ろ、本命はコッチの方が有力か……


けどまぁ、そんなに心配しなさんなって。

簡単なものなら、意外と上手く作れたりするんですよ俺。


奈緒さんと付き合い始めてから、少しづつ、家での『酒の肴』は自分で作ってたりしますからね。


そしてそれは、カップラーメンとかじゃないからご安心召されよ。


そんな事を考えながらも俺は、無意識の内に鼻歌交じりに台所へ向った。



「うわ~~~っ、なにあれ?……かなり可愛いね。女子力MAXじゃん……」

「……でしょ」

「ねぇ、奈緒。……此処だけの話、あの子、家に持って帰って良いかな?」

「あのねぇ。千尋も同じ事を言ってたけど……絶対ダメ」

「……ケチ」


なんか言いましたか?


***


 ……さて。

んじゃま、そんな感じで台所に着いて、チョコチョコと冷蔵庫の中身もチェックもした事だし。

ここは1つ、オィちゃんの隠された料理の腕前って奴を、軽く見せてやろうじゃあ~~~あ~~~りませんか。


そんな訳で……


『ぶう~~~らぁぁ~~~ぁ~~~!!倉ぁ~~~津ぅ~~真ぁ~~~琴のぉ~~『男』の簡単クッキング!!の時ぃ~~~間~~~だぁ!!』


おっしゃ!!こんな風に若本先生バリに気合入れてやったるでぇ!!


―――はい?なに、なに?

そんな形のクセに、男臭いモッサイタイトル・コールなんかしてんじゃねぇよ、このボケ!!だって?

……しかも、それだけに留まらず、タイトルコールのやり直しまで要求するだと?


・・・・・・(ちっ……人が、無駄にヤル気になってるのに、嫌な事を思い出させやがるなぁ)


あぁハイハイ、そうッスね、そうッスよね。

こんな可愛らしい俺の姿を見せ付けられたんじゃ、そう言うのがやって欲しく堪らなくなっちゃいますよね。


この欲萌豚共が!!


やりゃあ良いんでゲショ、やりゃ。

俺がこの姿で、オマエ等の欲望を満たす様なコールをすりゃあ満足なんでげしょ!!


……おほん!!

んじゃまぁ、そんなオマエ等、萌豚共の為に、渾身の一発って奴をかましてやるから有難く思いやがれぇ!!


『☆眞子ちゃんの愛情タップリ簡単クッキング☆~~~♪10分もあったら、お料理も一杯出来ちゃうぞ♪』


はいはい、これで良いッスかね?

これなら欲豚共もご満足頂けただろうから、もぉこれで文句はねぇよな!!


―――はい?なんだと?

な~~んだ、やれば出来るじゃないか、そのコーナーの間は、そのまま続けて見せろ……だと?



・・・・・・(人の苦労も知らねぇで、コイツ等全員、殴り倒したろか!!)


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


なにやら倉津君が、酒の肴を作りに言った様なのですが。

楽しみにしてくれている美樹さんとは真逆に、真子の正体を知る奈緒さんは不安な表情しか見せない(笑)


こんな状態で、大丈夫なのか?


そして倉津君本人が言う、料理の腕前とは如何なるものなのか!!


それは次回の講釈なのですが。

倉津君の作る『料理の簡単レシピ』に興味がありましたら、是非、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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