最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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630 VSよく喋る芸人さんの来訪

公開日時: 2022年10月29日(土) 00:21
更新日時: 2023年1月17日(火) 15:56
文字数:4,567

●前回のおさらい●


 またしても崇秀の掌の上でモンキーダンスをする羽目に成った眞子。


そして、かなり悔しい思いをしていたその時、控室の扉が開き。

この場に誰かが入って来たのだが……誰だ?

「なんや、なんや?ライブ前や言うのに、豪い騒がしいのぉ。相変わらず、此処に居る連中は緊張感0やな。お気楽な奴等やで、ホンマ」


文句を言いながら楽屋に入って来たのは、どこかの新人のお笑い芸人さんみたいですね。

これってひょっとして、奈緒さんが芸能界で知り合いに成った芸人さんが陣中見舞いに来て下さったのかな?

それともこの人は、ライブの前説でもする人なのかなぁ?


もしそうじゃないなら、何故、音楽のライブに、お笑いの芸人さんが楽屋に入って来るんだろう?


此処『関係者以外立ち入り禁止』ですよ。


・・・・・・


あぁ~~もぉ……また、ややこしいのが増えたよぉ~~。


ヤダなぁ~~~。



「よぉ、久しぶりだな、山中。まだ生きてやがったのか」

「なんや、誰や思うたら秀やんけ。しょうもな。……ってか、なんしとんねんオマエ?」

「これが雑誌の取材を受けてる様に見えるか?……雑魚共の救援ボランティア活動をしにきてやったんだよ」

「オイオイ、秀。それは、流石に戴けんやろ。幾ら親しい仲や言うたかて、奈緒ちゃんに、そないな事を言うたったら可哀想やで。……必至に頑張っとんねんから、もぅちょっと言葉は選んだれや」

「私かい!!」


奈緒さん……

人類でも類を見ない程、性質の悪い悪性病原菌『お笑い山中菌』の毒にドップリと全身を犯されてますよ。


これに関しては、早期治療をお薦めします。



「ほら見ぃ。このどこを取っても、見事で完璧なツッコミ。これのどこが雑魚や言うねん」

「おぉ……確かに、完璧な間だったな。こりゃあ、雑魚って言ったのは訂正だな。ゴメンな、向井さん」

「あぁ良いですよ、良いですよ。人間、誰しも間違いは有りますからね」

「おぉ~~~、寛大な心の持ち主やなぁ。それでこそ、お笑いの頂点を目指す者やな」

「……って、これ、なんの話?私、芸人じゃないんだけど」

「「えっ?マジで?知らんかった」」

「なんでやねん!!」


あっ、あれ?

エヴァって……3人で、シンクロするシーンなんて有ったっけ?

そんなに高いシンクロをして、なにを倒す気なんだろ、この人達って?


って言うかね。

私も、この場面で一回ぐらいツッコミたいです……



「流石、奈緒ちゃんやな。切れ味抜群のナイスツッコミやで……って!!おっ?おっ?おっ?なんや、なんや?」


あの……どうして私を、そんなにジッと見てるんですか?

なんで、そんなに無駄にニコニコしてるんですか?


私を見る顔が、あまりにも気持ち悪いですよ芸人さん。


そんな風に邪な視線で見られると私が『穢れる』んで、出来ればコッチをもぉ見ないで下さいね。

噂の空気読まずに歌を唄い続ける『リアル・ジャイアン』さん事『R・J』さん。


ってか、キモイから笑顔で向くな♪


……死~~ねッ♪



「うん?カズ、どうかしたのよ?なによ、その反応?」

「いや、ちゃうねん、奈緒ちゃん」

「うん?」

「……なんや知らんねんけどな。ほら、此処になんでか女神が居んねん。なんで、こんな所に女神が居るんや?不ッ思議や~~なぁ」


女神……ですか……


・・・・・・


あぁ……山中君だっけ。

さっきのは、全然、嘘だよ嘘♪全~~然、嘘!!


うん♪うん♪

そう言う視線で見てるなら、私を、もっと、も~~~っと見ても良いんだよ♪


山中君は良い人だよね♪



「あぁ、ダメだよカズ。その子は、仲居間さんの彼女だから、下手に手を出したら殺されるよ」


……はい?


えぇっと、あぁっと、奈緒さん……また、それは、いつもの悪癖の悪乗りが始ちゃいましたか?


『精神安定剤』のお薬をあげますから、そう言う笑えない冗談は辞めて下さいね。



「まぁ、悪いが、そう言うこった。軽々しく人の女に手を出すもんじゃねぇぞ、この淫獣」


はっ……はい?


アナタも……また、悪乗りにシンクロしちゃいましたか?


『隔離病棟』に入れてあげますから、崇秀も辞めて下さいね。



「なんやねんなぁ、それ?おもんな。……って事は、なにかい?この子が、前から噂になっとる『MITの女』か?クッソ!!予想に反してメッチャ可愛いやんけな」


おぉ……可愛い。



「まぁな。思ってた以上ではなかったが、ソコソコはイケてるだろ」

「なんでソコソコやねんなぁ?頭良い上に、こんなに可愛いねんやったら、もう神の領域やぞ。完璧やんけな、完璧」

「そぉかぁ?付き合って解った事なんだがな。コイツ、結構、世間知らずの馬鹿だぞ」

「オマエなぁ。自分の彼女や言うたかて、こんな可愛い子に、そんなん言うたるなや。……オマエ、ドンだけ理想が高いねん」

「天高く、果てしなく。まぁ俺の理想つぅのは、最低でも、地上見下ろせるぐらいの高さではあるだろうな」

「うん。オマエはな、そうやって、永遠に理想を追い続けて、宇宙の彼方まで噴き飛んで行け。そんで酸素切れになって1人ぼっちで死ね。……若しくはオマエ、晩年は、孤独死を迎える独居老人決定やな」


うん、そうだそうだ、そうだよね。

私を『モブ子』とか『ソコソコ』とか言う崇秀なんか、誰にも相手にされなくなって、1人寂しく『孤独死』しちゃえば良いんですよ。


そんな悪い事ばっかり言う崇秀には、お似合いの末路だよ、お似合いの。


あぁそれはそうと山中君は、実は凄く良い人だね♪

誰かさんと違って、人を見る目が有るよ。



「ほぉ。それは、実に悪くない提案だな。俺を邪魔する者が居ないなら『自分の能力UP』もし易いってもんだからな。良い案だよ」

「う~~わっ。このアホ、なんも懲りとれへん。……このキチガイめ」

「はぁ?これのどこがキチガイなんだよ?ただ単に、俺は馴れ合いが嫌いなだけなの」

「アホ抜かせ。これは馴れ合いちゃう言うねん。それになぁ、この子みたいな可愛い女の子と知り合う事こそが、男として生きる『命題』や。それを無視して『孤独死OK』って、完全に頭イカレとるやんけ」

「アホ臭ぇ。……そんなんだから、オマエは、いつまで経ってもコンパの盛り上げ役にされんだよ。基本的にガッツキ過ぎなんだよ」

「そやかてオマエ。こんな途方も無いぐらい可愛い子を目の前にしたら、普通は興奮もするやろうに」


おぉ……山中君5回も可愛い子って言ってくれてた。



「オイオイ、オマエ、マジで、まだ盛ってやがるのかよ?いい加減なぁ、少しは落ち着けつぅの。……年、幾つだよ?」

「早生まれやから、まだ13じゃ。だから、まだまだ、お盛んな時期でも、なんもおかしないわ」

「あぁっそ。それならそうで、オマエのチンコ、早々に根元からモゲて無くなれば良いのにな」

「う~~わっ、最悪や……コイツ、なんちゅう言い草や」


あの~~~、お話の途中、非常に申し訳ないんですが……


私……理由もなく『それ』モゲちゃいましたけど。


それって……山中君が、女の人に盛る様に、私も、奈緒さんに盛り過ぎたのが原因でしょうか?


もしそうなら……あまりにも悲しい結末です。


あぁでもでも。

奈緒さんと、崇秀が理解してくれてるから、今は、女の子でも、結構、楽しいですよ♪



「なぁ、ところで秀。この子が、オマエの彼女や言う冗談はさて置きやな。ホンマ、誰なん?」

「あぁ、コイツか?コイツは倉津の親戚だ。……眞子、挨拶しろ」

「えっ?あっ、あぁ~~はい」

「自分(あなた)、眞子ちゃん言うんかいなぁ~~~。名前にピッタシなぐらい、可憐で可愛いな自分(あなた)」

「えっ?えっ?そんな、そんな」

「コラコラ、そこの盛りのついた馬鹿中学生。私の大事な眞子に手を出すんじゃないの」

「へっ?なんや、自分等、そう言う関係か?俗に言う『百合の人』なんか?」

「違うわよ。眞子は、クラに頼まれて、私の家で預かってる子なの。だから私は、眞子の保護者同然の立場なのよ」


あれれ。

これはなんか、ちょっと寂しい言われ様だなぁ。


保護者って言われる位だったら、なんて言いますか……

実際、奈緒さんと私は恋人同士なんだし、いっその事『百合の人』でも良いのになぁ。


けど、立場上、なにも文句は言えないか……ちぇ。



「そら、人としてアカンで眞子ちゃん!!奈緒ちゃんの所になんか居ったら、一緒に居るだけでロクデモナイ女になってまうがな。人生捨てる事になるで」

「あのねぇ、カズ。君の中で、私ってなんなの?」

「……眞子ちゃん、なんも言わんでえぇから、黙ってウチおいで。……って言うか、俺と結婚しよか。……いや、してくれ」

「……興奮して、聞いてないし」


あの~~~素直ちゃんは?

真琴ちゃんの噂では、山中君って『素直ちゃんが好き』なんじゃなかったっけ?


そう言う、男の心変わりは良くないよ。


特に悪い例も知ってるし(第一章17話参照)



「あの、山中さん。……どうして、奈緒さんを悪く言うんですか?奈緒さんを悪く言うのは辞めて下さい。非常に気分が悪いです」

「おぉ!!もぉ名前憶えて貰ろた!!やりぃ!!」


えっ?

人が怒ってるって言うのに、そっち?


あぁ……この人も、崇秀同様に『懲りる』って機能が無いんだぁ。


ポンコツなのですね。



「あの、私、凄く怒ってるんですけど」

「ゴメンって、ゴメンって、悪かった。謝るって……そやけどな眞子ちゃん。俺にとって奈緒ちゃんは、なにを言うても怒れへん『自分の姉貴』みたいな存在やねん。それで口が過ぎとった言うんやったら、ほんま謝る。……ゴメンやで」

「う~~~わっ、要らない、要らない。こんな出来の悪い弟なんて、絶対要らないし。……体が拒絶反応を起こして、サブ疣出て来た」

「うわっ!!こんなに慕ってる可愛い弟分に、そんなん言いなや。それにやな『出来が悪い子程、可愛いもん』やって言うやんけな」

「まぁねぇ。……あぁ、けど、カズでしょ。……ヤッパ要らないから。ゴミ箱とかに、自分から入ってくれない?」

「そんなキッツイ事言わんといてぇな。嫌でも、せめて生暖かい眼で見守ってぇな、奈緒おねぇ様」


こら~~!!

勝手に、奈緒さんを奈緒おねぇ様って言うな!!

奈緒おねぇ様って言って良いのは、基本的に私だけなんだからね!!


……なんて、独占欲♪独占欲♪

奈緒おねぇ様は、誰にもあげないもん♪



「う~~~ん。じゃあ100万歩譲ってOKって事にしてあげる。但し、認めてあげる代わりに、喉が渇いたから、飲み物買って来て」

「なんや上手い事言いよんなぁ。そやけど奈緒ちゃん、それ、人呼んで『パシリ』って言えへんか?」

「全然違うって、これは、お姉さんからの、お・ね・が・い。……ほらほら、お姉さんって、弟を、良くそう言う風に使ったりするじゃない」

「まぁなぁ。……まぁえぇわ、大切な姉貴の頼みやったら、なんぼでも行って来たるがな」

「それじゃあカズ。……序で悪いんだけどさぁ、此処に居る人数分の飲み物、自腹で買って来て♪もちろん、頼まれてくれるよね?」

「うっ~~~わっ、この姉、最悪や……」

「あぁ、そう。そう言う事を、お姉さんに言っちゃうんだ。……折角、私の大切な妹の眞子も、カズと一緒に行かせ様と思ったのに」

「誰だ!!奈緒姉貴が最低だとか言った奴は!!ふてぇ野郎だな!!……ったく!!こんな最高な、お姉タマなのによぉ」


それは貴方です。

そしてアナタは、自身で言った様に最低です。


あぁでも、これって……山中君と上手くコミュニケーションを取れ、って奈緒さんの意図が多大に含まれてるんだろうなぁ。


奈緒さん、そう言うの過敏だからなぁ。


うん!!じゃあ、おねぇ様の為にも、頑張ってみよっかな!!


でもさぁ……今の立場上しょうがないとは言え。


妹はなくない?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


中身がどうあれ、眞子の容姿は浜辺美波さん級の美少女。

そりゃあまぁ山中君じゃなくても、男なら当然、眞子に興味がそそるのは当り前だと思います(笑)


なので、山中君自身の行動は、特におかしな行動を取ってる訳ではないのですが……

眞子としての倉津君は、少々、そんな彼にウザさを感じている様な雰囲気ですね。


では何故、男性時代、あんなに仲の良かった山中君の事を、こんな風に思ってしまうのでしょうか?


次回は、その辺の男女での心境の違いを書いていきたいと思いますので。

良かったら、また気軽な感じで遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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