最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1416 取り敢えずは様子見

公開日時: 2024年12月20日(金) 00:21
文字数:2,026

●前回のおさらい●


 無名の打ち上げが、倉津君の地元にある「洋風居酒屋ネスト」で行われると言う悪夢。

地元なだけに崇秀や眞子、それに奈緒さんが現れる可能性を考慮したら、警戒せざるを得ない状況に毎度毎度の愚痴を零す(笑)

 まぁ、そんなややこしい事態に陥り成りながらも、打ち上げ開始から10分程が経過。


その間、俺は、相も変らず沙那ちゃんを膝の上に乗せた状態に成りながらも、この場の様子を窺い。

打ち上げのメインである【無名】のメンバーとは、少し離れた場所に陣取り。

2人で呑気にソフトドリンクなどを飲んでいた。


何故なら、さっきの理由があるにしても。

イキナリ、それを理由に帰ったんじゃあ、流石に顰蹙ものだし。

ニューカマーである橘親子と、他の面子との顔合わせが上手く行ってるかも確認しておきたい所だからな。


それ故に、こういう場所に陣取ってる訳だ。


まぁ、そうは言っても、直接、橘親子に関係してくるのは、この中じゃギターを扱ってるステラぐらいのもの。

他の連中で弦楽器を扱う者が、この場には居ないから、今回の目標はステラのみに集約されてるのかも知れないな。


そう思ったので、早速行動開始。

橘親子をアイツに紹介する為に、チラチラとステラに眼で信号を送ってみたのだが……


何故かアイツは、それを一切合切感じてくれない。

それ処か、なにか嫌な事でもあったのか、妙に不機嫌そうでイライラしている様子すら窺える。


ダメだ。

これは絶対に触れちゃあいけない時のステラだ。


どうやら、この場でのアイツは『触らぬ神に祟りなし』な、ご様子だ。



故に俺は、特に誰かに構う事もなく、沙那ちゃんとだけ遊んでいた訳だ。


だが、そうこうしていると……



「真琴君♪」


アチラ側から俺を発見した素直がやって来た。

しかも素直の方は、ステラとは真逆で、妙に機嫌が良さそうな感じだな。


なら少し、沙那ちゃんを踏まえて、素直と話をしてみるか。

音楽関係者だから、沙那ちゃんが話題を書く事もないだろうし、なにより話しやすいだろうしな。



「おぅ、素直」

「あっ……」


……っと思って、素直に返答してみたんだが。


それに対して、即座に2人で反応したのだが、沙那ちゃんんと俺の反応は真逆。

沙那ちゃんは、いつもの様な嬉しそうな感じじゃなく。

何故か、どこか警戒してる様子を浮かべながらも、更に怪訝な顔までして、俺の方に向き直ってギュッと抱きついてきた。


あれ?なんだこの反応は?



「あっ、あれ?あの、こんにちわ」

「・・・・・・」


おやおや?素直の個人的な挨拶にも反応しないな。

しかも、人懐っこい筈の沙那ちゃんが挨拶もしないで、頬っぺたを膨らまして、素直をジトッと睨み付けるなんて、こりゃあ一体どういう事だ?


なにが起こってるんだ?


ほらほら、そんなに警戒しなくても、素直は良い奴だから大丈夫だって。


それに素直は有名人なんだぞ。



「あっ、あの、真琴君。この子は?」

「あぁ、いや、この子はな……」

「私、このお姉ちゃん嫌い」

「へっ?」

「えっ?」

「あっち行って」


はっ?はぁ~~~っ?

なんで、そんなハッキリと素直にだけは拒絶反応を示すんだ?


今日1日一緒に居て沙那ちゃんが、こんな嫌な態度を取った事なんて1度もなかったのによぉ。


なんで素直にだけ?



「オイオイ、どうしたんだよ?」

「このお姉ちゃん。私から、倉津のおにぃちゃんを取るつもりだ。だから嫌い。アッチ行って」


あぁ……そう言う事か。

何事かと思ったら、そういう事だったんだな。


今まで沙那ちゃんは、異性としか接触をして居なかったから、比較的、男に対しては抵抗が薄かったが。

それが同性の女となると『独占欲』って困ったもんが働いてしまっているんだな。


しかしまぁ、こんな小さい子でも、キッチリと女の子してるもんなんだな。



「あぁっと、心配しなくても、僕は、真琴君を取り上げたりしないよ」

「……ホント?本当に取らない?絶対の絶対に取らない?」

「うん。取らないよ。だから、僕とも仲良くしてくれるかな?」

「えぇっと……じゃあ、仲良くしてあげても良いよ」


うわっ!!完全に上から行ったな。

怖いもの知らずとは良く言ったもんだな。


まぁ言うても素直は、基本的に優しいから、そんな程度の事なら全然気にしないだろうけどな。



「うん。じゃあ、お願いします。これで僕ともお友達だね」

「うん」

「僕は、有野……」

「唄が上手な素直お姉ちゃんだよね。TVで見た事あるから、私、知ってるよ」


あぁ……知ってはいたんだな。


まぁまぁ、3B-GUILDを卒業したとは言え、あれだけ頻繁にTVに出捲くってた訳だし。

それ程までに素直達3B-GUILDの世間での知名度が高いなら、そりゃあ沙那ちゃんが知ってて当然か。


特に音楽関係の父親を持って居たら、これは当然と言えば当然の結果か。



「知っててくれてたんだ」

「うん、知ってる。3B-GUILDって言う、自分達で楽器を演奏しない変なグループのボーカルの人だよね」


うわっ!!その発想は無かったわ!!


アイドル・ユニットと言えども、メインのメンバーが楽器を使わないと、沙那ちゃんの目には変な集まりにしか見えないんだな。


常識云々を抜いたとしても、骨の髄までビルダー・スピリッツなんだな。


これに対して直は、どんな反応を示すんだろうな?


ちょっと面白い展開に成って来たな(笑)


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


あれ程警戒していた筈なのに、早くも気が緩む倉津君(笑)


ダメだコイツは(笑)


まぁまぁ言うて。

こんな打ち上げの場で、辛気臭い顔をしてても仕方がないので。

これはある意味「素直ちゃんのお陰で気が緩んだ」っと言った所でしょうか。


それにしても沙那ちゃん、素直ちゃんに対してはキッチリ女子ってましたね(笑)


さてさて、そんな中。

沙那ちゃんん独特の考えをぶつけられた素直ちゃんは、一体、この後、どんな反応を示すのか?


次回は、その辺を踏まえて書いて行きたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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