第一章・第十七話『辞めさせたい事実』が始まるよぉ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
017【辞めさせたい事実】
『あぁ……これで、大人達の欲望に塗れた文化祭も終わって行くんだな……終わりか』
病室で横たわっている真上さんを見ながら、文化祭の終わりを告げる15000発目の花火が打ち上がって行くのを確認する。
その花火は、天空に舞い上がり盛大なまでに大きく咲き。
そして……儚く散って行った。
その後、少し遅れて盛り上がる人々の歓声が、学校から、少し離れた、この病院まで聞こえて来る。
この最後の大花火を見て、学校の方面では大きく上がって盛り上がっている様子だ。
どうやら向こうでは、何事の問題も無く、大人達の欲望渦巻く文化祭も終焉を迎えたみたいだな。
色々な事が交差した文化祭だけに、こう言う終焉を迎えれた事に、少し感傷に浸りながらも安堵する。
***
……っで。
そんな終わった文化祭の事なんかより、ズッと大事な真上さんの方が、今現在どうなったかと言えばだな。
病院に担ぎ込まれた時点では、危なく肺炎に成りかけては居たものの。
なんとか早急な処置が出来た為、2・3日の入院は必要とされたが、ギリギリのラインで普通の風邪に止まったって感じだ。
そんで今、真上さんは、危険な状態が去ったとあって呼吸も一気に安定に向い、スースーと言う安らかな寝息を立てながら深い眠りについている。
まぁこれに関しては、冬場に水浸しにされたあんな酷い状態だった真上さんから考えれば『良かった』若しくは『安心した』とは思える状態ではあるんだが……その分、未解決のままで、よろしくない事象がタップリと残されている現実もある。
勿論『そんな未解決の問題』と言うのは、他でもなく。
あの一連の虐めの仕方だ。
真上さんと言う人物が、元々恨みを買い易い体質に生まれてるとは言え、流石にあれは頂けない。
幾ら一方的に深い怨恨が有ろうが、人として越えちゃいけない一線を、あんな風に簡単に越えちゃあ不味い。
この辺については、ヤクザモドキと言われる俺ですら、そう思える。
特に今回の様な、人の生死が絡む様な虐めをして。
もし仮に、相手が本当に死にでもしたら、どうするつもりなのだろうか?
責任感もなく、軽い気持ちでやった子供の虐めだと言う事は解っていても、そうなってしまった後では、もぉ取り返しが付かない。
だから、そんな常識が薄い彼女達には、少し罪の意識ってもんを植えつけなきゃならない。
自分のした事に関して、いつまでも反省が出来無い様では、人間性の進歩もない処か、寧ろ、このままじゃOUTサイドな人生を歩んでしまう可能性が高いからな。
故に、俺は、この最悪な事態を避けるべく。
この病室に入ってからと言うもの、それ等についての対処法を、ズッと思案し続けていた。
……けどな。
この真上さんだけを庇う様な、俺の一方的な見解ってのも少し不味いって思うんだよな。
何故なら、あの苛めの主犯格であろう青山って女の子が、本来から、あんな残忍な性格だったとも思えない部分が多く見受けられるんだよね。
例を挙げるならな。
俺が、あの子達と初めて逢って話してた時、ハキハキとした明るい話し方で接してくれていたし、常に楽しそうな表情を浮かべていた。
これだけで安易に『そんなに悪い人間じゃない』っと決め込むのも如何なもんかとは思うし、良い様に見過ぎてる自分も居るのかも知れないが……これ等の様な普通の明るい振舞いこそが、彼女達の本来在るべき姿ではないかとも思える。
それが今は、真上さんに対する恨みだけが前面に押し出され。
完全に良い部分が形を潜め『人間の暗部』だけが表面化しているだけだとも考えられるんだよ。
……っとは言ってもだ。
これは、俺が彼女達に求めているだけの姿の話であって、別に酷い虐めをした奴に対して、庇護をする気持ちなんてものは微塵もない。
けどもだ、彼女が、あぁなってしまったのは、きっと不用意に放出されている『真上さんの特別な魅力』のせいなんだとも推測出来る部分が大にしてある。
故に、彼女達の処分を『どうしたものか?』っと悩んで居る。
要するにだ、もし俺の推測が正しければ、青山さんが、あぁなった理由ってのが、全てあの爽やか野郎の岡田の馬鹿せいって話になるんだよ。
とどのつまり、女性に対して、最後まで好きで居られなかった男側の心変わりが全て悪の元凶。
その身勝手な男の煽りを、今回真上さんが受けた苛め問題と捉える事も出来る問題なんだよな。
それにだ。
そう結論付け様としてるのには、もう1つ理由がある。
まずにして、真上さんの意図。
俺の知る彼女の性格から言っても、この虐めの被害者である真上さん自身が、青山さん達に対する仕返しなんてものを、全く望んでいない。
それどころか、この人の事だから、この残虐な苛めをした青山さん達と仲直りしたい、とすら考えているかも知れない。
彼女のこう言う特殊な思考が簡単に想像出来てしまうだけに、出来るだけ穏便に事を進めたいって心境が無くもないんだよなぁ。
だから……『青山さん達の処分』と『真上さんの意図』を考慮し、1時間程前に、ある一計を案じる事にしたんだ。
これも先程同様、玄さんに頼んだ事なんだがな。
『真上さん同様の状態の女性を、此処の病院に救急車で運んで貰う』って話なんだ。
勿論、そうは言ってもだ。
なにも、この肺炎一歩手前の危険で最悪な状態の人を、本当に作りだす必要性なんてのはない。
ウチの組が、此処の病院を専属の病院にしてる以上、これら全ては『偽装搬送』って物で済ませられるってもんだからな。
①『偽の通報を病院側に伝えて』
②『本物の救急車を学校に向わせ』
③『偽者の患者を搬送する』
この3つの行動を起すだけで、この件については、なんの問題も無くスムーズに事が運ぶ。
……っで、この偽装で起した事件により、青山さん達の心的状況を試してみれば。
彼女達が、人として更生する余地があるか、どうかが、本当の意味で確かめられる。
此処で反省しない様な人間なら、俺は、本気で彼女達を社会的に抹殺するつもりだ。
俺としては、彼女達が、本当にそんなクズ人間ではないと思いたいのだが、これバッカリは、今の段階では、なにも解らないのも事実だ。
……さて、文化祭も終わったのにも係わらず、違った意味での大きなイベントになっちまったが、彼女達は、どう出るんだろうな?
俺は、安定した真上さんの病室を後にし、廊下に出て彼女達の到着を待つ事にした。
あぁっと、それともう2点程、玄さんに、別口の頼み事をしたんだ。
勿論1つは、真上さんの着替えを買って来て貰う事。
真上さんは女の子だから、そう言うのをキッチリして置いてあげたいからな。
んで、もぅ1つについては、今此処では伏せておこう。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
今回から始まりました第十七話『辞めさせたい事実』のタイトル通り。
倉津君も感情に流されずに、色々考えてるみたいですね。
変な話かもしれませんが。
本来、苛め問題と言うのは『謝らせて終わり』とか『反省させて終わり』とか言う簡単な問題じゃないですね。
相手を心から反省させないと、苛め問題なんて物は解決しないんです。
そこで倉津君も、なにやら一計を案じている様ですが。
今回ばかりは、本気で彼を応援してあげたいと思いますので……また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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