●前回のおさらい●
素直ちゃんを駅まで送った後。
コンビニで買い物を済ませて、奈緒さんの家に帰って来た倉津君だったが……
家に入る前に、女性視点で見た『男性の嫌な部分』を愚痴ってから家に入る。
でも、何か物凄く重要な事を忘れてませんか、この子?(笑)
「只今、戻りました」
とか言いながらも、玄関に置いてある靴を全てチェックしてみる。
・・・・・・
ハァ~~~、ヤッパリだ。
さっきすれ違った人物は美樹さんで間違えなかった様で、予想に反する事なく美樹さんが奈緒さんの家に来てるよぉ~~。
悪い予感ってのは、こうやって絶対に当たるもんだな。
いやまぁ、そうは言っても、美樹さんが奈緒さんの家に来ている事を否定したい訳じゃないんだぞ。
美樹さん自身は凄く良い人だし、俺自身、凄く世話に成ってる人だから『普段』なら大歓迎な所なんだが……如何せん、今は俺の置かれている状況が悪すぎる。
だから、こんな物言いに成っちまってるんだよな。
あぁけど、美樹さんが来たから、さっきの乱痴気騒ぎは収まってるみたいだ。
まぁ此処だけが、現状では唯一の救いだな。
なにやら、さっきとは打って変わって、家の中の雰囲気が明るくなってる。
「あっ、おかえり、おかえり。お勤めご苦労様でした、眞子さん」
そんな中『ヤクザの出所か!!』なんて、激しいツッコミを入れたくなる様なボケが千尋から齎されたんだが。
残念ながら、今の眞子っと言う存在じゃ、それも叶わないよな。
なので此処は大人しく我慢して、普通に眞子として対応すべき所だな。
はいはい、大人しく普通にしてますよ。
「はい、戻りました」
あぁ!!やっぱツッコミてぇ~~~!!
「えぇ~~~っ、冷たいぃ~~~。眞子ちゃん、そこは『ヤクザの出所か!!』って、ちゃんと突っ込んでよ」
あぁあぁぁぁ~~~!!
今直ぐにでも、それがやりたいんじゃあぁ~~~!!
なんで、ワザワザそれを言いやがるんだよ、オマエさんって奴は!!
あぁ……もぉこうなったら、完全にオマエのボケを潰してやる。
「えっ?あっ、あっ、はい『ヤクザの出所か?』……っで、良いんですか?」
「ウグッ!!眞子ちゃん、虐めだよ……それ」
「えっ?えっ?なにがですか?私、樫田さんの気に触るような事を、なにか言いましたか?」
「もぉ……聞かないで……」
凹んで地獄に落ちろ。
このボケ専用の電波女め!!
「あぁ、それはそうと眞子。外に出て大丈夫だった?」
……っと、奈緒さんに言われて、ふと思う。
あぁ~~~そう言えば!!
奈緒さんの指摘通り、素直を駅に送る事だけに集中してて、無意識の内に、この女の形のままで外に出てたな!!
けど、そう考えると、言葉だけ気を付けて置けば、案外、なんて事は無いもんなんだな。
「あっ、はい。流石に、この格好じゃ寒かったですけど。一応、大丈夫でしたよ」
「そうなんだ。……それと眞子。その手に持ってるは、なに?」
「へっ?あっ、あぁ、こっ、これは……」
あぁ本当だ、本当だ。
いや……無意識って、ホント怖いな。
俺、翌々考えたら、外に出るだけじゃなく、この形のままでコンビニで買い物まで平然として来ちまってるじゃねぇか。
これは、かなりヤバいな。
……つぅかね、オィちゃん、この状況に、なに慣れてきてんだろうな?
それに、さっきも家の玄関の前で、さも当たり前の様な顔をして女の子視点で文句言ってたもんな。
俺、ひょっとして、頭おかしいくなってんじゃねぇの?
マジで、ヤバくね?
いやいやいやいや……でもな、でもな。
言い訳する訳じゃねぇんだけど、普通、自分の体って、そんなに意識して歩くか?
別にズッと鏡に写ってる訳じゃねぇんだからよぉ。
基本的には、体にさえ意識が行かなきゃ、顔は大してわかんねぇんだから、そんなに意識しないもんじゃねぇの?
じゃね?じゃね?そうじゃね?
……今更ながら怖いから、誰でも良いから『そうだ』と言っちくり。
「うん?どうしたのよ眞子?」
「あっ、あぁっと、お2人が、お酒を飲まれてたので、なにか要るかなぁって思って。外に出た序に、お菓子を少し買って来ました」
「えっ?……あっ、あぁ、そうなんだ。それはありがと」
「あぁ、はい。……どう致しまして」
奈緒さんもこの行動が意外だったのか、思わぬ、微妙な反応が返ってきたな。
そりゃあまぁ、今朝、俺が、あれだけ散々ゴネてたんだから、そう言う反応にもなるわな。
たった1日ですら経ってないのに……なに、この精神的な女性化?
こりゃあ、本格的にヤバイな。
「うん?どうしたのよ?2人してそんな神妙な顔して」
「うん?あぁ、なんでもない、なんでもない。……そんな事より眞子」
「あぁっと、はい」
「コチラ、Fish-Queenの美樹。有名だから、顔だけなら知ってるでしょ」
「えぇっと、あっ、はい。……あっ、あぁ、あの、初めまして、倉津眞子です」
アカンね。
変に意識して、一回動揺し始めたら、中々元のペースには戻れない。
これだったら、いっその事、なにも気付かずに、外に出て行った時の勢いのまま普通に話してた方が良かったんじゃねぇか?
「あっ、あれ?なにそれ?私の時とは反応が違うんだけど」
「いえ、あの、そう言う訳じゃ。ホント、そう言う訳じゃ」
「ふふっ、なになに、この面白い子。……それに倉津って、兄貴君の知り合いなの?」
「あぁ、うん、そう。『父方の親戚』なんだって」
いや、奈緒さん……母方。
・・・・・・・
あぁ~~~違う!!
XX眞子の奴、トンデモナイミスを犯してやがるよ。
翌々考えたら、母方で、倉津姓を名乗ってたらおかしいじゃねぇかよ!!
奈緒さん、咄嗟にそこに気付いて修正して来たんだ。
あっぶねぇ~~!!
あぁ……ってか、今な。
あまりにもビックリしたから、ちょっとだけ冷静な気持ちに戻れたな。
……っで、今、冷静になって思ったんだけどな。
今は眞子を演じ続ける時であって、変に女を意識する時じゃないんだよな。
もしそこを悩むなら、それは、みんなが帰った後、悩めばいい。
そんでその時、奈緒さんと、じっくり今後の話を相談すれば良いって話なんだよ。
良し!!此処が解れば、もぉ大丈夫だ。
再度、眞子モードを起動させてやる!!
(↑この間0.05秒(嘘))
「えっ?違いますよ奈緒さん。……母方ですよ」
「あれ?そうだっけ?でも、それじゃあ変じゃない?なんで眞子が倉津なのよ?」
「あぁ、そこですか。それはですね。ウチの母も、真琴ちゃんの処と同じ姓の『倉津』って家に嫁いだんですよ。……苗字が同じだから、ちょっと、ややこしいんですけどね」
おっし!!
頭の整理さえ付けば、眞子モードを再起動しても、別段なんて事はねぇな。
ただ……現段階で言える事は、本気で『頭の女性化』だけは気を付けないとな。
知らず知らずの内に、女である自分を、全部受け入れちまうのだけは危険だからな。
じゃねぇと、元に戻ったら、ただのカマじゃねぇかよ!!
いやはや、この女の体で、心のバランスを取り続けるのは、かなり難しそうだな。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
眞子に成っても、倉津君はアホでしたね(笑)
素直ちゃんを駅まで送る事に集中し過ぎて、今の自分の姿も忘れ、自然と外に出てしまっているんですからね。
まぁ、っとは言え。
これ自身は、倉津君の持つ性格の1つ『1つの事象に対しては集中力が高い』と言うのと『沢山の事を同時に考えられない』っと言うのが合わさった結果なので、まぁこれは、仕方がないと言えば、仕方がない事なんですけどね(笑)
そして、男性にからかわれた件にしても。
普通に考えて『【浜辺美波さん】級の可愛い子が、夜中にミニスカートで歩いていれば』そう言う対応をされても、これもまた仕方がない事なんですよね。
男性は、可愛い異性の気を、どうやっても引きたいものですし。
夜中にそんな格好で歩いてる可愛い子がいれば『チャンスがあるかも!!』って考えちゃいますからね(笑)
でも、そんな中。
何が一番凄かったかと言いますと。
そんな環境の中にあっても、倉津君が男性的な思考を持ち続けながら『女性的な言葉を一度も辞めなかった』事なんですよ。
まぁ本人は無意識だったとは思うのですが、この集中力は中々の物だと思いますです。
さてさて、そんな状況の中。
奈緒さん、チヒロン、美樹さんっと言う、非常に濃いメンバーを踏まえて『女子会』の再開です。
どんなトークが飛び出すのかは、次回の講釈なのですが。
もし、此処を少しでも気にして頂けるなら、是非、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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