最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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218 不良さん、奈緒さんと一緒に風呂に入る(意味深)

公開日時: 2021年9月12日(日) 00:21
更新日時: 2022年12月7日(水) 12:52
文字数:3,036

●前回のおさらい●


 朝一から、風呂の入っている奈緒さんの下着で一発抜こうと企む倉津君でしたが。

奈緒さんにアッサリ捉えられて、風呂場に放り込まれる。


そしてゆっくりと風呂に入ろうと思っていたら、そこに奈緒さんが乱入して来る(笑)

「なになに?別に良いじゃない。私、君の彼女なんだしさぁ♪シャワー浴びるだけだからさ……別に良いよね?」

「いや、あの、それは、別に構わないんッスけど……」


いや、そうじゃなくてッスね。


今もまだ、俺のチンコは、はち切れんばかりにパンパンのままッスよ。

それでも良いって事は……昨日、待ったを喰らった、Hをしても良いって事ッスか?



「先に言っとくけどね、クラ。今は、絶対にHはしないよ。あぁそれと、こう言うのってHしたいって合図でもないからね。やりたくなったからって、そんな遠回しな言い方をする女なんて、実際は、そんなに居ないんだからさ」


そんな事を言いながら、俺の存在を完全に無視して、何事も無い様にシャワーを浴び始める。

この奈緒さんの姿を見てるだけで、さっきから我慢してた分が、風呂の中に噴出しそうな勢いだ。


新感覚カルピス風呂……嫌過ぎる!!



「えっ?マジなんッスか?その話」

「そうだよ。あんなの、男の都合の良い解釈だよ。……世の中にはね。そんな都合の良いエロ女バッカリじゃないの」

「そうなんッスか?エロ漫画とかだと、結構、そう言うの多いですよ」

「ハァ、もぉなに読んでんだか……ってかねクラ。その発想自体が『童貞』っぽいよ。大体にしてさぁ、エロ漫画を描いてる人達って、大半が童貞なんじゃないの?若しくは、素人童貞とかさぁ。そんな人の情報を鵜呑みにして、どうするのよ」


あぁ、なるほどなぁ。

確かに、奈緒さんの言う、この意見には一理有るよな。


まぁ元来、エロ漫画って物は、その作者の妄想を反映させて書き綴ったもん。

だから自然と、女の子が、自分の思いのままになる。


そうなるとだ、基本的には、男なら誰だってHがしたい訳だから、女が自然にエロくなる。


そして、都合よく女から求めてくる。


だとしたらだな。

それは『妄想』と『リアル』では、かなりの開きが有るって事になるな。


確かに、そう考えたら、そんな奴の話を鵜呑みにするのは、危険っちゃ危険だな。


なるほどなぁ、中々、奥の深い講義だったな。



「なるほど。言われてみれば、確かにそうッスね。妙に納得したッス」

「でしょ」


いや、その件については納得したんッスけどね。


なんつぅか……あの……なんか、この風呂の温度……ドンドン上がって来てる様な気がするんですけど?


ってかね、奈緒さん。

さっきも言いましたが、俺、今、勃起してるんッスよ。

だから、チンコの先っちょが熱湯に晒されて、滅茶苦茶、熱痛いんッスよ。


なので……あの、出来ればッスね。

早くシャワーを終えて、風呂場から上がって欲しいな~とか思うんッスけど。


幾ら彼女とは言え、今の勃起全開の状態のままの姿で、風呂からあがったら格好悪いッスからね。



「♪~~~♪~~」


あっ、ダメだ。

この様子だと、まだまだ風呂からあがる気ゼロだ。


ってか、これって、昨日の梅干に引き続き、ひょっとして、またか?またなのか?



「あっ、あの、奈緒さん」

「うん?なに?」

「あの、俺、そろそろあがろうかなぁ、っとか思ってるんッスけど」

「あぁそうなんだ。ごめんごめん。……あぁでも、もぅちょっとだけ待って、もう直ぐ体を洗い終わるからさぁ。此処2人だと狭いんだよね」

「あぁ……そッスか。わかったッス。じゃあ、もぉちょっと我慢してるッス」


慌てて、体を洗い出した所を見ると、この行為自体には、特に悪意は無さそうだな。


けど、あんま長くはもたないのも事実ッスよ。


にしても、まさか夏場の風呂場で、奈緒さんと根競べをする羽目になろうとはな……ってか、悠長な事を言ってるけど、マジで熱いんだぞ!!



「ねぇクラ」

「ハァハァ……なっ、なっ、なんッスかね?」

「クラはさぁ。石川五右衛門って人、知ってる?」

「ハァハァ、誰ッスか、それ?」

「えぇっとね。天下の大泥棒って言われた人なんだけどさぁ。……聞いた事ない?」

「ハァハァ、あぁなんか、微妙に聞いた事が有りますね。ハァ……そいつが、どうかしたんですか?」


なっ、なんの話だ?


なんで今、その天下の大泥棒とやらの話が出て来るんだ?



「いやね。その人ね。天下の大泥棒の名に相応しい、凄い悪人だったのよ」

「そッ、そうなんッスか?ハァハァ」

「でねでね。五右衛門は、泥棒稼業を続けてる内に、ある時ヘタウチをして、とうとう役人に捕まっちゃうのね」

「ハァハァ……そりゃあまぁ、悪さすりゃあ。ハァ、いつかは捕まりますよね」

「けどね。五右衛門には、まだ幼い子供が居たのよ。……因みにだけど。クラは、その子供が、どうなったと思う?」

「えっ?いや、親が大泥棒でも、別に子供には罪は無いと思うんッスけど」

「所がね。当時の役人は、そうは考えなかったの。この子も、いずれ成長したら、親同様。五右衛門みたいな大泥棒になるんじゃないかって、考えたのね」

「ちょ……そりゃあ、かなり酷い話ッスね。人権も糞もあったもんじゃないッスね」


いや、話は、まぁまぁ面白いんッスけどね。


ヤッパ、今、それ、関係なくないッスか?


つぅか、余りの風呂の熱さに、いい加減、頭フラフラしてきたぞ。


もぉもたねぇぞ。


ぶっ倒れちゃいますよ俺。



「でしょ。でね。その当時の役人は、何もしていない、その子供にまで罪を着せる事にして、奉行所全体で、そう決定したのよ」

「ハァハァ。じゃあ、あれッスか?親と一緒に島流しになったとか」

「うぅん、違う。役人が出した決断は、そんな甘いものじゃなかったのよ。彼等の出した判決は、親子揃って『死刑宣告』。しかもね、情状酌量の余地無しでね」

「ハァハァ。ヒデェッスね。それ、マジっすか?じゃあ、じゃあ俺も、時代が時代だったら、糞親父と一緒に死刑にされてたかも知れないんッスね。……嫌過ぎる」

「だよね」

「っで、結局、ハァハァ、その石川親子は、どうなったんッスか?」


おぉ……漸く、話の終わりが見えてきた。

それに奈緒さんも、体の洗浄が終わりかけてるぞ。


これで、漸く俺も、この熱湯地獄から開放される。


上島龍平じゃねぇんだから、これ以上は無理だ。



「どうなったか?って……石川五右衛門親子はね。2人揃って、今のクラみたいに『釜茹で』になったのよ……ぷっ」


へっ?


はっ、はぁ?

……なんで、そこで笑うんだ?


って!!さっ、さっ、さっ、最悪だよ、この人!!

さっきから、なにを一生懸命話をしてるのかと思えば、実は、俺の事を言いたかっただけなんだな。


泥棒して捕まったら釜茹でって……完全に、今の俺の事じゃねぇか!!



……って事は、なにか?

最初から、このつもりで、奈緒さんは風呂に入って来て、俺を熱湯風呂に入れたんか?


もしそうなら、有り得ねぇぐらい最悪だな。



「奈緒さん!!」

「ごめん、ごめん。だってクラさぁ、茹蛸みたいになっても風呂から出て来ないんだもん」


アカン……これは、流石にアカン奴や。

いっぺん、この子は、ちゃんと怒ったらなアカン。


この悪さバッカリするティンカーベルは、オィちゃんのお仕置き専用の肉棒で、タップリと、お仕置したらなアカン。


オイちゃんの怖さを教えたる!!



「奈緒さん!!やって良い事と……はっ、はれ?」

「へっ?へっ?ちょ、ちょっとクラ!!クラ!!」


俺は、立った瞬間、そのまま立ち眩みを起こし。


その場で目の前が真っ白になる。


アカン……怒るどころか、これじゃあネタだよ。


どうやら俺は、二代目上島龍平だったらしい……奈緒さんが動きがスローモーションで動いていく。


いや、違うな。

俺が勢い良く出たばっかりの風呂の中に、綺麗に逆戻りして行ってるだけだ。


『バシャ~~~ン!!』


熱さも、何も感じねぇ……終わった。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


うん……石川五右衛門の如く、釜茹での刑にされた倉津君なのですが。

これは幾らなんでも、奈緒さんやり過ぎましたね。


此処は流石に、ちゃんと反省して欲しい所です(笑)


さて、そんな奈緒さんは次回、反省するのか?


また良かったら遊びに来て下さいね~~~(*'ω'*)ノ

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