●前回のおさらい●
真相を確かめるべく、ヒナと言う女生徒に会いに行く倉津君。
だが彼女は、本当に幼馴染の様に接してくる上に、倉津君の言動からなにやら察した様な雰囲気を醸し出してきたので……
ニゲロ((((( ゚Д゚)
……ってな訳でだ。
マジで俺は、一旦トイレに行き。
そこで当然小便をしてから、今現在の目的と成った『今の混乱してる頭の整理をする為に、校外に出てから喫茶店にでも行って落ち着こう』と、まずは企んでみた。
なんてたって学校内じゃ、アイツ等に遭遇して、根掘り葉掘り聞かれそうな気がしないでもないからな。
名案じゃね?
……なんて心の中で思ってても、上手く行かないのが俺。
トイレを出た直後の廊下で、ヒナって言われてる崇秀らしき女が廊下で待ち構えていやがった。
ダメか……早速逃げれんかったか。
どうやらコイツも、崇秀同様に鋭いらしいな。
なので取り敢えず此処は、平静を装って……
「よぉ、ヒナ。オマエもトイレか?だったら男子便所はコッチだからな。間違えても、女子便所に入るなよ、男女」
「あぁ、心配しなくてもトイレじゃないわよ。……そんな事より真琴。本当になにか有ったんじゃないの?今日は、いつも以上に様子が変なんだけど」
矢張り、平静を装っても駄目だったか。
そう簡単には見過ごしてくれんようだな。
「なんもねぇよ。ただ単に、適当に言い訳をコジ付けて、授業をサボろうとしてるだけのこったからな」
「あぁっそ。じゃあ私も一緒に、そのサボㇼに付き合ってあげよっか?私も息抜きしに学校に来ただけだし」
うぅ~~~ん、これもダメかぁ。
そしてドッチに転んでも、仲居間の姓がついてる人間は、お節介な気質みたいだな。
・・・・・・
なら、この際だ。
どうやっても逃げれそうにもないんだったら。
もう一層の事、この後、どうなるかも解らない事だし。
このヒナって女から、出来るだけ、この環境の詳しい情報を引き出して置いた方が賢明なのかもしれないな。
おかしな世界に居るとは言え、別にヒナと敵対してる訳でもねぇんだし。
「あぁっそ。……んじゃあまぁ、ジジィババァの所にでも行って、軽く昼飯でも喰うか?奢ってやんよ」
「昼食ってアンタ……まだ1時間目が終わった所で朝だっての」
「まぁ……そうだな」
「あぁそれと、一緒に行ってあげるけど。私がアンタに好意が有るとか厚かましい事は考えない様に」
「心配しなくても、オマエなんぞイラネェわ。コッチから願い下げだ」
「それはそれは」
ふむ、どこに居ても仲居間家の血は一緒か。
性別が変わろうとも、基本的な性格は、そんなに変るもんじゃねぇのな。
……そんな事を考えながら、ヒナと言う女を連れて『喫茶ミノルちゃん』に向った。
そう言えば、ジジィババァは、どうなってるんだろうな?
***
……下品だ。
予想に反する事無くジジィババァ関連の事象は、何1つ変わる事無く下品だ。
店は、相も変らず汚いままだし。
客層も、不良や、街のチンピラばっかりが集まる最低最悪な面々。
その上、ジジィババァは、いつもの調子で、朝からシモネタを連発でブッ放してきやがる始末。
まさに此処は『クズの吹き溜まり』のまま。
最低な店と、最低な店主は変わる事無く、何所まで行っても最低なままらしい。
コイツ等全員、さっさと地獄の底に帰れば良いのにな。
……ってな感じなんで。
ジジィババァの生態が、なにも変わらないと解った以上。
この女装したオッサンに深く関わると、面倒な事が増える一方なんで。
俺は早急にホットの珈琲を、ヒナはホットのレモンティーを注文して、ボックスに席を移動する事にした。
すると数分後。
ジジィババァは、頼んでもいないのにモーニングセットをサービスしてくれるんだが……オッサンなぁ。
パンの上に小倉餡と、生クリームをタップリ乗せてやがるんだよな。
名古屋スタイルのモーニングはヨセ。
二日酔いにはヘビー過ぎるわ。
そりゃあまぁ……折角の好意を無にしちゃ悪いから喰うけどよぉ。
マジで重いわ。
まぁそんな感じで。
ご機嫌な位ヘビーな物が出て来た所で、ジジィババァはカウンターの方に去って行くんだが……
このヒナって女には何から話したもんかなぁ?
現状じゃ、なにやらヒナも警戒してるのかして、話す切欠を探してる感じだしな。
なんて思いながら、ヒナを見ていたら。
「それにしても、久しぶりだね」
先にヒナの方から話し掛けてきた。
「なにがだよ?」
「あぁ、ほら、真琴とさぁ。こうしてジジィババァの店で、ゆっくりお茶するのなんて久しぶりじゃない。最近、お互いすれ違ってばっかだったし」
「あぁ、そう言やあ、そうだな。……つぅか、すれ違うも何も、それはただ単にオマエが忙しいだけだろうに」
「そうかもね。でも、そうやってアンタだけは、なにも変わらないだね。街の不良のまま暇してるだけだし」
そうなんか?
……って事はだな。
俺は楽器を弾く事もなく、今の今までズッと不良のままで来てるって感じなんだな。
それ、ダメ過ぎんだろ。
でもよぉ。
だったら、そこの修正されるべき記憶は、どう埋まるんだろうな?
まぁ予想もつかねぇから、此処は話を合わせておくか。
「まぁな。ライブだなんだと、楽器をガチャガチャ演奏するのも好かねぇし。どうせ将来、どうやってもヤクザにしか成らないんだから。後数ヶ月の残り少ない学生生活を好き勝手に満喫するのも悪かねぇだろ」
「ふむ。回答としては及第点な答えか」
「なんか言ったか?」
「うぅん。……って言うか、アンタさぁ、ホントに、このままヤクザに成っちゃうつもりなの?」
「まぁなぁ。高校に進学出来るほどの頭は持ち合わせちゃいないしな。社会の底辺で生きるのが、今の俺には、お似合いの姿なんじゃねぇの」
……って、奈緒さんに出会わず、音楽をやってなきゃ。
こうやって自分を悲観し捲くって、そう考えると思うんだよな。
学校も好きじゃねぇ筈だし、人生賭ける程の女も居ねぇみたいだし。
「そっか。中学卒業でヤーさんに成っちゃうか。けど、それってさぁ。眞子や、真菜の心配をしてるからなんでしょ。真琴が家を継げば2人を自由に出来るって感じで」
なるほど。
また此処で1つ解った事が有るんだが。
どうやらこの様子じゃあ、眞子は、奈緒さんの所の養子には成ってないらしいな。
しかも、この言い様だったら、生まれた時から、俺とは双子として扱われてる可能性が高い。
まぁCクラスで眞子が、自分の事を俺に「姉貴」って呼ばせてるのが判明してたから、そこはそうじゃないかとは思っていたんだが……
なんか妙な気分だな。
「まぁ、それも然りだな。家の犠牲に成るのは、出来の悪い俺1人で十分だからな。アイツ等には普通の家にでも嫁いで平穏な日々を送ってくれりゃあ、それで良いんじゃねぇの」
「じゃあ、アンタの幸せって何所にあるの?」
「なんだよ?やけに質問攻めだな」
「……って言うかね。マドロッコシイのは嫌いだからハッキリ聞くけど、アンタ誰?真琴なんだろうけど、真琴じゃないよね」
あぁ……少し話しただけだって言うのに、もうこんな早い段階でなにかに気付きやがったよ。
流石に鋭いな。
さてさて、こうなってしまった以上、こりゃあ、一体どうしたもんだ?
なんて答えたもんかねぇ?
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
ジジィババァの店である「喫茶ミノルちゃん」は、なにも変わる事無く、相変わらずな様子ですね(笑)
……っで、そんな最低な店の中で話し合ってる内に。
とうとうヒナちゃんが『アンタ誰?真琴なんだろうけど、真琴じゃないよね』っと言いだしてしまいました。
まぁ、この辺は、幼馴染と言うだけの事はあって、こちらの倉津君との違いに気付いちゃったんでしょうね。
さてさて、そうなると。
此処からは、どこまで話をするかが重要に成って来る訳ですが。
倉津君は、一体、どの様な話の持って行き方をするんでしょうね?
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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