最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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209 不良さん、何か違和感を感じる

公開日時: 2021年9月3日(金) 00:21
更新日時: 2022年12月6日(火) 20:47
文字数:1,811

●前回のおさらい●


 奈緒さんと和解後(?)

そのままデートとして、赤レンガ倉庫に行く事に成った倉津君。


ただ忘れ物をして物を取りに行った奈緒さんが、なかなか帰って来ない。

 切符を買ってから10分程経った。


だが、未だに奈緒さんの姿は現れない。

……それどころか、一向に来る気配すらない。


なんだ?あの後、奈緒さんの身に、なんかあったじゃないだろうな?

等と、俺の不安は、時間が経過する毎に増加の一途を辿る。



「ごめん、ごめん。遅くなっちゃった」

「大丈夫ッスか?なんか有ったんじゃないんッスか?」

「ちょっとね……急にさぁ、ちょっと面白い事を思いついちゃったもんだから、ついつい、時間が掛かっちゃったのよね。ごめんねクラ」

「そうなんッスか?あぁだったら、全然良いですよ。俺、こうみえても『待つ』(借金の取り立て待ち)のとかは、結構、得意分野ッスから」

「へぇ~~~、そうなんだ。意外だね。クラって、短気っぽいのにね」

「そッスか?俺、奈緒さんだったら、それこそ1日中でも、その場でズッと待ってますよ」

「ふ~~~ん……じゃあ、今度、試して良い?」

「モノの例えッスよ」


この人の場合、ホントに、やり兼ねないから怖いんだよな。

しかも、俺も大概馬鹿だから、その場でズゥ~~~と馬鹿みたいに、飽きもせず待ってそうだしよ。


怖い怖い。



「そっか。じゃあ待ってくれないんだ」


うっ、うん?

軽い気持ちで言った言葉なのに、また豪い所で喰い付いて来たな。


だとしたら、ヤッパ、なんかあったのか?



「いや、そりゃあ、幾らでも待つのは待ちますけど……なんつぅか、出来れば俺としては、奈緒さんと一緒に過ごしたいッス。その方が、断然楽しいじゃないですか」

「そっか、そっか。そう言う意味か……まぁ、確かにそうだよね」

「なんッスか、その微妙な反応は?」

「うぅん、別に、なんにも無いよ。そっか、そっか、クラは私と一緒に居たいんだ。そっか、そっか、そう考えれば悪くないね」


いや、奈緒さん、なにをそんなに納得してるんですか?

そんなの、当たり前に決まってるじゃないですか。


なにを今更……



「あの、奈緒さん」

「うん?なに?」

「なんで、今更、そんな事に納得してんッスか?そんな事イチイチ確認しなくても、俺、奈緒さん以外の女なんて興味無いッスよ」

「あぁそう言えば、そうだったね。前にも、そんな事を言ってたね……けどさぁ、君って、ホント、私の事が好きだよね。因みにだけど、どれぐらい好きなもんなの?」

「はぁ、大好きッスね。……つぅか、奈緒さん無しの生活なんて、もぉ考えられないぐらい好きッス」

「……そっか」


えぇ~~?なんで、そこで暗い顔するんだ?



「ちょ……奈緒さん、どうかしたんッスか?俺、なんかまた余計な事を言いましたか?」

「あぁ違う、違う。そう言うんじゃないの。なんかクラって、ホント、可愛いなって思ってさ」

「なんッスか、それ?」

「『子供っぽいね』って言ってんの」

「いや、それは、幾ら奈緒さんと言えども、そのセリフは聞き捨てならないッスよ……俺って、奈緒さんが言う程、そんなに子供っぽいッスか?一応、まだ中学2年だから、大した事は出来て無いッスけど。これでも、結構、頑張ってる方だと思うんッスけど」

「あぁそっか……ごめん、そうだよね」


また暗い顔をした。


奈緒さん……ヤッパ、俺みたいなガキが相手だと、口には出せない不満とか一杯有るんだろうな。

なんか、そう言うの叶えてやれないのって、男としてマジで情け無いよな。


けどなぁ。

そうは言っても『どうして良いか』なんて、全然わかんねぇし。

俺としては、奈緒さんと居るだけで十分満足してる部分もあるんだよなぁ。


こう言う意思疎通って、ホント難しいよな。



「奈緒さん……俺、これからも必死に色々勉強するからさぁ。嫌いにならないでくれよ」

「くすっ……どうしようかな?」

「なっ!!」

「だって仕方ないじゃない。そんな女々しい事を言うクラからは魅力なんて感じないんだもん。男ならさぁ、そんな情けない事を言わずに、私を引っ張って行く位の気概はなきゃね。じゃなきゃ、私、クラに飽きちゃうよ……ほぉら、口惜しかったら、上手く、私をリードしてみ」


口惜しいと言うより、正直言ってしまえば、さっき言った通り、情けない。

此処までハッキリと、女の子に言わせるなんて、男としてどうかしてるよな。


ホント、なさけねぇ。


だからせめて、今は出来る限りの最高の事をしてあげよう。

所詮、頑張った所で、それ以上なんて出来無いしな。


分相応、分相応。



んな訳で、俺は、イキナリ奈緒さんの手を繋ぎ、無言で引っ張っていく。


まず修正すべきは、此処だろうな。



「そぅそぅ。まずは、それで良いんだよ」


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


機嫌が悪かった理由が花粉症だった割に、なにか奈緒さんの態度が変ですね。


なんかあったのでしょうあ?


そこは次回の講釈。

また良かったら、遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ

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