最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1541 帰還への道

公開日時: 2025年4月24日(木) 00:21
文字数:2,398

●前回のおさらい●


 バンド結成のお祝いに『今日も飲んでいっても良いよ、何飲みたい?』っと聞いてくるヒナちゃん。

その発言に『ひょっとして、これが元の世界に手立てではないのか?』っと、またアホな事を閃めいた倉津君だったが。


その後、何故か、話の流れ上、崇秀の似顔絵を描く羽目に成って……

「まぁ、ざっと、こんな感じだな」

「あぁ……真琴と違って、かなり格好良いよね」

「あぁ、そうでござんすね。その上、頭脳明晰で、運動神経バッチリ。しかも、人当たりが良くて、GUILDを世界中に広げた張本人なんだから、もぉどうしょうもねぇわな」

「そうだったね。それ、さっきも、ちょっと聞かされてたけど。流石に、そこまで行くと『凄い』の一言に尽きるね」


いや……そうじゃねぇだろ。


そこは、色んな意味で勘違いしてるぞ、オマエさんは。



「アホヒナ」

「誰がアホヒナよ」

「オマエだよオマエ」

「なんでよぉ?なんで、そう言う事を言う訳?」

「アホ。アイツが出来るって事は、オマエにも出来る可能性があるって事なんじゃねぇのか?現によぉ。規模は違うにせよ。オマエは、自分自身の力でGUILDを立ち上げてるだからよ。それだけでも、オマエの秘めてる可能性は非常に高いんじゃねぇの」


……って事じゃありませんかい、お嬢さん?


まぁ勿論だな。

性別の壁から、これからも静流さんに、自分の自由に成る時間が制限される事があるかも知れないけどな。

それでも頑張れば、なんでも出来る可能性は示唆されてるんじゃないかとは思うぞ。


……っと言うか。

ヒナだからこそ、こういう事が自信を持って言えるんだしな。



「あぁそうだね。そう捉える方がプラス思考ではあるよね」

「そぉそぉ。ヒナなら、きっと上手くやれるだろ」

「まぁそうかな。……でも、真琴」

「うん?」

「それはそうと、さっきのお酒の件なんだけどさぁ。アンタ、私を手伝うって言ってた割には、密かに元の世界に戻ろうとしてない?」


あら、鋭い。

ヤッパリバレちまったか。


まぁでも、そりゃあ話の内容からしてもバレるわな。

しかも『手伝う』って言った直後に、こんな裏切る様な発言されたら気分も悪いだろうしな。


けど、此処で隠し事するのもなんだし。

此処1つ、正直な俺の気持ちを、ヒナには伝えておくかの。



「いや、まぁそりゃあな。俺だって、それでどうにかなるなら元の世界には戻りたいわな。彼女を向こうに置きっ放しにしてるんだしよ。戻りたいと思っても、おかしくはねぇだろ。……けど、これって、あまりにも無責任過ぎるか?」

「うぅん。そんな事ない。好きな人が居る所に戻りたいって気持ちは、誰だって、そうだと思うし。仮に私がそうで在っても、同じ様に考えると思う。だから決して、無責任なんかじゃないよ。寧ろ、彼女を放ったらかしにする方が無責任だと思うしね」

「ヒナ……」


良い奴だなオマエ。

あの発言を、そういう解釈してくれるか。


まぁ、そうは言ってもな。

これ自体、俺が、自分に都合のいい解釈をしてるのも分かってるんだがな。


こう言う事を平然と言ってのけるからこそが、仲居間一門の人間たる所以なのかもしれないな。

自分にデメリットがあっても、相手の気持ちを優先出来るのは、ホント、この一族にしか出来そうにないしな。



「それに真琴は、私の可能性を、ちょっとだけ教えてくれた。だから、もぉ実際は用済みだしね。帰れるんだったら、寧ろ、さっさと帰れば良いじゃないの」

「すまん」

「クスッ……そんな顔しても、同情引くだけ。ミットモナイ真似しないの。……ってか、飲んだお酒をドンドン再現してあげるから、さっさと飲みなさいよ。それで、早く帰って。今の真琴、全然可愛くないし」

「ホントすまんな」

「はいはい、漸く、いつもの真琴らしく成ってきたじゃない。早く寝たいからチャッチャッと注文する」

「おっ、おぅ」


うぅ……結局は、いつもこうやって最後には格好付かないのが俺だな。


これもまた人生ってもんか。


***


 ……あれから結構な量を飲んだ。

まぁ勿論、理由としては、昨日は二日酔いに成るぐらい飲んだ訳だから、こうなるのは必然なんだが……


此処で少し問題が発生した。


まだ記憶が飛ぶ程、飲んでる訳ではないんだが。

昨晩は、途中からなにを飲んだかハッキリ憶えてないのが仇に成っちまって、注文するものに限界がきちまったんだよなぁ。


どうしたもんだ、これ?



「どぉ?帰れそう?」

「どうも……ダメみたいだな。……一向に帰れる気配がねぇ」

「そぉ……じゃあ、最後に、これ試しに飲んでみて」

「なんだよ……これ?」

「良いから、飲んでみて」

「おぉ、なんか解らんけど……頂くわ」


俺は、ヒナから、それ受け取ると一気に飲み干した。


『グビッ』


・・・・・・


あれ?

なんだこれ?急激に眠気が……



「あぁ、やっぱり、そういう事だったかぁ。まさかとは思ったけど、このブレンドが正解だったとはね」

「ヒ……ナ……俺に……一体……何を……飲ませた……んだ?」

「安心して真琴。そのまま眠れば、全て元の世界に戻れる筈だから。色々ありがとうね。BYE-BYE真琴」

「えっ?ちょ……ヒナ……ゴメン……な……俺……」


ダメだ、どうやっても意識が保てない。


ヒナにはまだ、正式な謝罪が出来てないって言うのに……


そんなヒナの手元には『Brew Space-M……』

最後までは、目が霞んで良く見えなかったが……そんな名前のボトルが手に握られていた様に思えた。



「もぉ、最後までなんか格好つけようとするなんて生意気よ。これでも喰らえ!!」


完全に意識が途絶える前に。

オマエさんお得意のデコピンで、お別れの挨拶かよ……


最悪な別れだな……


でも、楽しかったぜ……


またオマエに逢いたいな……


***


『バチコ~~~ン!!』



「ブッ!!ほんげぇ~~~~~!!イテェ~~~~~!!イテェ、イテェ!!なんじゃこりゃあ!!」


なにこれ?なにこれ?

徐々に意識が薄れていく中、最後にヒナのコンパチを喰らっただけの筈なのに。

今しがた、隕石でも衝突した様な衝撃が、俺の頭蓋骨に響き渡ったんだが、コイツは一体なにがあったんだ?


あまりの衝撃に、一瞬、頭蓋骨が陥没して、脳みそが飛び出したのかと思ったぞ!!


・・・・・・


あれあれ?

でも、おかしいなぁ?

ヒナの一撃って、そんな威力高かったっけ?


なんか摩訶不思議な感じだな?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


順を追う様にオーダーをしてみたものの、変化は無しだったのですが。

ヒナちゃんが、そこでなにかに気付いて、とある物を飲ませた所。

何故か、頭蓋骨に隕石に衝突したような衝撃を喰らう羽目に成った倉津君。


一体、何が起こったのでしょうか?(笑)


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


あっ……次回のお話はメッチャ短いので『オマケコーナー』を付けさせて頂きますので、良かったら、そちらの方もお楽しみくださいねぇ。


ちょっとは、なにかの役に立つかもです(笑)

(*'ω'*)b

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