最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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476 苛めの模倣

公開日時: 2022年5月28日(土) 00:21
更新日時: 2023年1月5日(木) 14:07
文字数:2,100

●前回のおさらい●


 苛め再発を防ぐ為にも、如何に自分達が恐ろしい事をしたかを、青山さん達に体験させる事に決めた倉津君。


その方法とは……

「さて、これで真上さんと同じ状態になったな。物言わぬ虐め対称だ。……けどな、先に言っとくがな。俺はヤクザだから、アンタ等ほど甘くねぇぞ。物的証拠を残さねぇ為にも『販売用の臓器に成る』か『お脳が吹っ飛ぶ薬を打たれて、なにも解らないまま、一生、男にケツ振って生きる』か、好きな方を選択しろ。これが俺からの、せめてもの慈悲だ」

「ひや……はふへへ……」

「あぁ?『臓器』だと?」

「ひぇ?」

「そりゃあまた物好きなんだなアンタ。体と心をボロボロにされて生きるぐらいなら、尊厳を持って、潔く死ぬってか?じゃあ、そいつが此処に居る全員の総意って事で良いな?」

「ひがう……ひょんなひょひょ、いっへない」


青山さん達は首を必死になって横に振りながら、ポロポロと涙を流しながら訴えるが……此処では、無視。


これも散々、アンタ等が真上さんにした事だ。

それが、どれだけ怖いものか、その身を持って十分に体験しておけ。


そうすりゃあ、2度と、こんな馬鹿な真似はしねぇだろ。



「あぁけど、あれだな。これだけの器量良しを、ただバラすのも勿体ねぇよな。玄さんなんか良いアイデアないか?」

「そうですなぁ。確かにバラすだけでは、勿体無いですな」

「……あぁ、そう言やぁ、あの薄気味悪い金持ちの変態野郎が『スナッフ(殺人)・ビデオ』を御所望だったな。なら3人で殺しあって、一人だけ助かるってので良くね?」

「おぉ、それは中々の妙案ですな。あそこの道楽息子は、そう言う事には、金を惜しみやせんからね。その線で行きますかい」


玄さんもノリが良いな。



「けどよぉ。あれって、悪趣味なのにも程があるよな。アイツ、あんなもんを見て、なにが楽しいんだろうな?真っ裸の女の子同士が、稼動したままのバイブをマンコに挿入して『快楽』と『痛み』の中、死ぬまで殴りあうんだろ?それで勃起すんだから、アイツって、ホントどうしようもねぇ変態だよな」

「まぁ、そいつは、人それぞれの性癖って奴ですからね。その辺に関しては、あっしには、なんとも言えやせんがね」

「……なぁ、玄さん。いっその事よぉ。あの変態に、コイツ等、全員売っぱらうってのはどうだ?毎日お脳の薬を打たれて、あの変態の糞でも喰うのを見れば、腹の虫も収まるってもんだろ」

「ひやだよ……ほれだけは、ひゃめて……」


そら、嫌だわな。



「そいつは流石にイケやせんよ、坊ちゃん。ヤクザとは言え、約束を違える様な真似をしちゃイケネェ。仁義が通ってやせんぜ」

「あっ……」


一瞬だけ、安堵の表情を浮かべて玄さんを見た。


けど、安心させた張本人の玄さんは、思いの他、酷い事を言いだす。



「本人達が自ら選んで『臓器になる』と言ってる以上、約束通り臓器にしてやるのが筋ってもんでしょ」

「えっ……ひがう……」


流石、本職のヤクザ……言う言葉に容赦がねぇ。


鬼だな。



「なるほどなぁ。確かに、そいつはそうだな。しょうがねぇ、他人の臓器に成る前は『スナッフ・ビデオ』で勘弁してやるか」

「そうでやすよ。それが仁義ってもんです。……けど坊ちゃん、どうしやす?このお嬢ちゃん方、素直に殴りあいやすかね?」

「馬鹿だなぁ、玄さんは……そんなもん、コイツで一発だよ。これでダメなら、こっちがあるだろ。コイツさえやっちまえば、後は、これ欲しさに、友情なんて吹き飛んで、素直に殴り合うんじゃねぇの」

「「「ヒッ!!」」」


俺は、一丁の拳銃と、一本の注射器を取り出し。

青山さんの眼の前で、注射器から『チュ~』って水分を吐き出させる。


っと言ってもだ、勿論、どちらも本物では無いがな。


拳銃はただのモデルガンだから、撃った所で出て来るのはBB弾。

注射器に入ってるのは『ビタミン剤』だから、打てば栄養になるだけで、実害は、なにも無い。


けどな、こう言う場面なら、必ず『とある物』と勘違いするだろ。



「なるほど、流石は坊ちゃん。銃で脅してダメなら、注射ですか。そいつは賢明ですな」

「だろ……んじゃま、早速行って見ますか。青山さん動くなよ。変な所に注射が刺さると、ホントに痛いだけだからな」

「ひやだ……ひやだ……ひゃめて……」


青山さん達は顔を真っ青にして、泣きながら懇願してきた。


はぁ……それどころか、恐ろしさのあまり失禁しちゃったよ。


しょうがねぇな、もぉ。

どうやら此処等辺が、彼女達の限界点みたいだな。


なら、やぁ~めた。

これ以上やったら、精神が、おかしくなりかねないからな。



さてさて、んだば、この一件にオチを付けるか。



……っと思っていたら。



「はぁ……ったく、汚ねぇな」

「くっ、倉津さん……ダッ、ダメですよ、そんな事しちゃあ。青山さん達が可哀想ですよ」

「へっ?」

「私には、今ままで皆さんに、なにがあったのかまでは存じ上げませんけど。そっ、その、もぉ辞めてあげて下さい」

「はうへ~~~~……ふぉねがい、はふへへ……」


いいいぃぃぃいぃぃいいぃい~~~!!


まさか真上さんが意識を取り戻して、病室から廊下に出て来るとは思わなかったぞ。

いやいやいやいや、ってか、この再生力。

真上さんは自己再生するDG細胞でも持ってるんッスか?


まっ、まっ、まぁいいや。

これはこれで、真上さんを立てるには、絶好の演出に成るかも知れねぇしな。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


ぶっちゃけ言って、一般人からしたら、これ以上の怖い体験なんて早々にはないと思います。

ですが、倉津君の行っている報復の仕方は、明らかに青山さん達がやった苛めの模倣に過ぎませんから。

此処で彼女達が恐怖を感じているのであるならば、真上さんも虐められていた時、全く同じ心境だったと言う事だとも思います。


さてさて、そんな中。

まるでDG細胞(デビルガ〇ダム細胞)を持っているかの回復力で、青山さん達の助けに入った真上さん。


一体、次回は、どう言う展開になるのでしょうね?


それは次回の講釈。

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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