最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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403 グチの先を見据えた引退宣言

公開日時: 2022年3月16日(水) 00:21
更新日時: 2022年12月28日(水) 16:52
文字数:2,273

●前回のおさらい●


 少しづつでも進歩する為に『褒めて伸ばす』を採用して、実行する倉津君。

地味な作業ではあるが、こう言うのは着実に実力を付ける事が出来る。


だが、そんな中、グチ君は『コンテスト以降は、ドラムを叩く事はないだろう』っと言い出して、焦る倉津君!!

「ちょ、オマエ。もぅバンドしねぇの?」

「あぁ、悪いがカジ、元より俺は、そのつもりだったしな。今回、倉津に色々指摘されて、自分の限界を感じたよ。どうにも俺は、楽器の演奏は向かないようだ」

「なんでだよ?そんな事言わずに、3人で、もっとやろうぜ、グチ」

「いや、俺は辞めて置くよ。俺には、カジの様な歌唱力も無ければ。倉津の様なリズム感も、ファンキーな音を出す技術も無い。ただ演奏してるだけじゃ、いずれお前達の足を引っ張ってしまう。そう言うのだけは、俺も御免被りたいんでな」


思ったより、先を見据えた意見だな。

断るだけの理由としても、シッカリ纏まってる。


こりゃあ、冷たいかも知れないけど、グチの意見を聞き入れた方が良さそうな雰囲気だな。



「そんなの関係ねぇだろ。みんなで楽しくやろうぜ」

「いや、何度言われても、悪いがやらない。これは自分で決めた事だからな」

「けどよぉ、勿体ねぇじゃん。中二で、此処まで出来る奴なんて、山中ぐらいのもんだって」

「まぁ、そうかも知れんがな。けど、バンドで成功する人間なんて一部の人間なんだろ?俺は、そう言ったギャンブル的な人生を送るつもりはないからな。……まぁ、やったとしても、精々趣味が良い所だ」

「けどよぉ……」


まぁなぁ。

カジが必死で止める気持ちも解らなくは無いが、これに関しては、グチの言い分の方が正しいんだよな。


奴の言う通り、バンドで成功する奴なんて極一部の運の良い人間。

それ以外バンドは、世間に認知される事もなく、無名のまま消えて行くのが運命だからな。


人の人生だから、これバッカリは、なんとも言えねぇよな。



「まぁまぁ、そう言うなってカジ。俺も家に余裕があったら、そうしたいのは山々なんだがな。オマエも知っての通り、俺の家は超が付く貧乏だ。俺は中学卒業と同時に、知り合いのオジサン所で働き出す。……そうなったら、まずにして時間も無いし、折角、2人と一緒にやるのに中途半端にするのは嫌なんだよ」


はぁ~~~、やっぱりそこか。

以前に聞いていたグチの家庭環境を考えれば、そう言う答えが出て来るのは、なにもおかしな話じゃない。


寧ろ、出て来て当然だと思う。


この時点でグチの眼は、既に、自分が社会に出る事を前提にしている。

俺や、カジの様にフラフラした感覚はどこにもない。


本心を言えば、もっと一緒にやりたかったが、俺には引き止める事は出来ねぇな。


けど……



「オイオイ、グチ。なに、そんなに神妙な話になってんだよ?俺達だって、まだ遊びの延長なんだからよ。暇な時に、また一緒にやりゃあ良いじゃねぇか。変に頑なにならずによ。気楽に行こうぜ、気楽に」


って、回答はどうでしょうか?


これなら、趣味で叩くつもりのあるグチも遊びに来やすいだろ。


それにな。

人間、仕事だけに没頭するなんて出来ねぇよ。



「おぉ、そうだよ、グチ。クラッさんの言う通りだ。もっと気楽に行こうぜ」

「だが、それでは2人の邪魔になるのではないか?」

「邪魔なぁ。カジの奴がどう思ってるかは知ねぇがな。俺はなんとも思わねぇぞ。第一だな。オマエ等、そんな話が出来るレベルには、まだまだ到達してねぇし。以前の問題だよ」

「ってオイ!!何気に酷い言い様だな」

「なにがだよ?多少、上手くなったからってオマエ、所詮は、そのレベルだろうに。まだまだ遊びでやってても問題ねぇよ」

「クソッ!!全部当たってて、なんも反論出来ねぇ」


またまたカジの奴がナイスフォローをしてくれたな。

こうやってカジが、自分の立ち位置はグチと同じ立ち位置だと明白にすれば、グチも卒業までの間、バンドと言う遊び場で遊び易くなる。


まさに見事なフォローだな。


しかしまぁ、カジって意外と気が利くんだな。



「っで、どうなんだよ?卒業まで必死にやってみて、それからの判断でも遅くねぇんじゃねぇの?」

「放置すな」

「けど、本当に2人の邪魔にならないか?」

「だから心配しなくても、今の段階では、2人共邪魔だって……オマエ、俺の話を聞いてるか?」

「そうか、そうだったな。……しかし、本当に、それで良いのか?」

「あぁ、後1年ちょっとだとは言っても、まだまだオマエにも遊べる期間は有る筈だ。四の五の言わず、やれるだけ、やってみろよ」

「そういうこったよ」

「そうか……」


うむ。


なんかこれってよぉ。

青臭い友情を描いた感動的なドラマっぽくね?


良いよな、良いよな、こう言うの……


けど、感動して、絶対に3人で抱き合ったりはしねぇぞ。


それは、あまりにキモ過ぎるからな。

そんなキモイ奴、世の中に、そんなそんな居ねぇし……



「っで、どうなんだよ?ハッキリ言ってみろよ、グ~チ」

「そう面と向かって言われると、なんか言い難いな」

「アホか?そこは『じゃあ、やってみっか』って言やぁ良いんだよ。若しくは『しょうがねぇなぁ。オマエ等に付き合ってやるよ』でも良いんだよ」

「そんな軽い感じで良いのか?」

「あぁ、そんな軽い感じが良いんだよ。重苦しく言われても、カジがプレッシャーで潰れちまうだけだ」

「オイオイ……そこは俺の話に成るのかよ?」


黙れカジ。


此処は、大人しく犠牲になれ。



「ハハッ……そうか、カジが押し潰されちゃ敵わないな。じゃあ、しょがないから、卒業まで付き合ってやるよ」


笑いながら、グチはそう言った。


まぁ、この解答は及第点をやれるベストな解答だな。

それによぉ、人それぞれ、家庭や、個人の事情が有るだろうけど『遊び』や『夢』を忘れちまったら、何もかもが面白くねぇからな。


学生の間だけでも『無謀な夢』を見るのも悪くないだろうよ。


こうやって、一応カジ&グチの件は片付いたていく。


これにて、一件落着だ。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


ちょっと先を見据えたグチ君の冷静な意見でしたが。

倉津君の言う通り、人間『遊び』無くして、仕事にだけ生きて行ける人なんていません。


だから、少々の無謀な夢を見る位は、誰にでも許される行為だと思います。


さてさて、そんな中。

グチ君の引退問題は、一旦、先送りに成った感じに成るのですが。

次回は、また違う人間の『夢の話』をしていきたいと思います。


なので、また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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