●前回のおさらい●
少しづつでも進歩する為に『褒めて伸ばす』を採用して、実行する倉津君。
地味な作業ではあるが、こう言うのは着実に実力を付ける事が出来る。
だが、そんな中、グチ君は『コンテスト以降は、ドラムを叩く事はないだろう』っと言い出して、焦る倉津君!!
「ちょ、オマエ。もぅバンドしねぇの?」
「あぁ、悪いがカジ、元より俺は、そのつもりだったしな。今回、倉津に色々指摘されて、自分の限界を感じたよ。どうにも俺は、楽器の演奏は向かないようだ」
「なんでだよ?そんな事言わずに、3人で、もっとやろうぜ、グチ」
「いや、俺は辞めて置くよ。俺には、カジの様な歌唱力も無ければ。倉津の様なリズム感も、ファンキーな音を出す技術も無い。ただ演奏してるだけじゃ、いずれお前達の足を引っ張ってしまう。そう言うのだけは、俺も御免被りたいんでな」
思ったより、先を見据えた意見だな。
断るだけの理由としても、シッカリ纏まってる。
こりゃあ、冷たいかも知れないけど、グチの意見を聞き入れた方が良さそうな雰囲気だな。
「そんなの関係ねぇだろ。みんなで楽しくやろうぜ」
「いや、何度言われても、悪いがやらない。これは自分で決めた事だからな」
「けどよぉ、勿体ねぇじゃん。中二で、此処まで出来る奴なんて、山中ぐらいのもんだって」
「まぁ、そうかも知れんがな。けど、バンドで成功する人間なんて一部の人間なんだろ?俺は、そう言ったギャンブル的な人生を送るつもりはないからな。……まぁ、やったとしても、精々趣味が良い所だ」
「けどよぉ……」
まぁなぁ。
カジが必死で止める気持ちも解らなくは無いが、これに関しては、グチの言い分の方が正しいんだよな。
奴の言う通り、バンドで成功する奴なんて極一部の運の良い人間。
それ以外バンドは、世間に認知される事もなく、無名のまま消えて行くのが運命だからな。
人の人生だから、これバッカリは、なんとも言えねぇよな。
「まぁまぁ、そう言うなってカジ。俺も家に余裕があったら、そうしたいのは山々なんだがな。オマエも知っての通り、俺の家は超が付く貧乏だ。俺は中学卒業と同時に、知り合いのオジサン所で働き出す。……そうなったら、まずにして時間も無いし、折角、2人と一緒にやるのに中途半端にするのは嫌なんだよ」
はぁ~~~、やっぱりそこか。
以前に聞いていたグチの家庭環境を考えれば、そう言う答えが出て来るのは、なにもおかしな話じゃない。
寧ろ、出て来て当然だと思う。
この時点でグチの眼は、既に、自分が社会に出る事を前提にしている。
俺や、カジの様にフラフラした感覚はどこにもない。
本心を言えば、もっと一緒にやりたかったが、俺には引き止める事は出来ねぇな。
けど……
「オイオイ、グチ。なに、そんなに神妙な話になってんだよ?俺達だって、まだ遊びの延長なんだからよ。暇な時に、また一緒にやりゃあ良いじゃねぇか。変に頑なにならずによ。気楽に行こうぜ、気楽に」
って、回答はどうでしょうか?
これなら、趣味で叩くつもりのあるグチも遊びに来やすいだろ。
それにな。
人間、仕事だけに没頭するなんて出来ねぇよ。
「おぉ、そうだよ、グチ。クラッさんの言う通りだ。もっと気楽に行こうぜ」
「だが、それでは2人の邪魔になるのではないか?」
「邪魔なぁ。カジの奴がどう思ってるかは知ねぇがな。俺はなんとも思わねぇぞ。第一だな。オマエ等、そんな話が出来るレベルには、まだまだ到達してねぇし。以前の問題だよ」
「ってオイ!!何気に酷い言い様だな」
「なにがだよ?多少、上手くなったからってオマエ、所詮は、そのレベルだろうに。まだまだ遊びでやってても問題ねぇよ」
「クソッ!!全部当たってて、なんも反論出来ねぇ」
またまたカジの奴がナイスフォローをしてくれたな。
こうやってカジが、自分の立ち位置はグチと同じ立ち位置だと明白にすれば、グチも卒業までの間、バンドと言う遊び場で遊び易くなる。
まさに見事なフォローだな。
しかしまぁ、カジって意外と気が利くんだな。
「っで、どうなんだよ?卒業まで必死にやってみて、それからの判断でも遅くねぇんじゃねぇの?」
「放置すな」
「けど、本当に2人の邪魔にならないか?」
「だから心配しなくても、今の段階では、2人共邪魔だって……オマエ、俺の話を聞いてるか?」
「そうか、そうだったな。……しかし、本当に、それで良いのか?」
「あぁ、後1年ちょっとだとは言っても、まだまだオマエにも遊べる期間は有る筈だ。四の五の言わず、やれるだけ、やってみろよ」
「そういうこったよ」
「そうか……」
うむ。
なんかこれってよぉ。
青臭い友情を描いた感動的なドラマっぽくね?
良いよな、良いよな、こう言うの……
けど、感動して、絶対に3人で抱き合ったりはしねぇぞ。
それは、あまりにキモ過ぎるからな。
そんなキモイ奴、世の中に、そんなそんな居ねぇし……
「っで、どうなんだよ?ハッキリ言ってみろよ、グ~チ」
「そう面と向かって言われると、なんか言い難いな」
「アホか?そこは『じゃあ、やってみっか』って言やぁ良いんだよ。若しくは『しょうがねぇなぁ。オマエ等に付き合ってやるよ』でも良いんだよ」
「そんな軽い感じで良いのか?」
「あぁ、そんな軽い感じが良いんだよ。重苦しく言われても、カジがプレッシャーで潰れちまうだけだ」
「オイオイ……そこは俺の話に成るのかよ?」
黙れカジ。
此処は、大人しく犠牲になれ。
「ハハッ……そうか、カジが押し潰されちゃ敵わないな。じゃあ、しょがないから、卒業まで付き合ってやるよ」
笑いながら、グチはそう言った。
まぁ、この解答は及第点をやれるベストな解答だな。
それによぉ、人それぞれ、家庭や、個人の事情が有るだろうけど『遊び』や『夢』を忘れちまったら、何もかもが面白くねぇからな。
学生の間だけでも『無謀な夢』を見るのも悪くないだろうよ。
こうやって、一応カジ&グチの件は片付いたていく。
これにて、一件落着だ。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
ちょっと先を見据えたグチ君の冷静な意見でしたが。
倉津君の言う通り、人間『遊び』無くして、仕事にだけ生きて行ける人なんていません。
だから、少々の無謀な夢を見る位は、誰にでも許される行為だと思います。
さてさて、そんな中。
グチ君の引退問題は、一旦、先送りに成った感じに成るのですが。
次回は、また違う人間の『夢の話』をしていきたいと思います。
なので、また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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