最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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623 世界で一番良い女に成れる方法

公開日時: 2022年10月22日(土) 00:21
更新日時: 2023年1月16日(月) 15:28
文字数:2,066

●前回のおさらい●


 崇秀と、眞子として遊びながら、最終的にはカラオケボックスに。

そこで話の流れから、崇秀が病院で言った『世界一良い女に成れる可能性』を思い出し。


それは尋ねてみる事に……

「んあ?あぁ、なんの話かと思えば、オマエが病棟に入る前に、俺が言った、あの一言の事か」

「うん。そぉそぉ、それ。結局、それって、なんなの?凄く気になるんだけど、その様子から言って、なんか話しちゃ不味い話なの?」

「いや、別にそう言う訳じゃねぇんだけどよぉ。此処からは少々『倉津真琴』の話も絡むから、あの時は躊躇しただけの話だ」

「あぁ、そうなんだ。そう言う事かぁ」

「けど、その前提条件を理解した上でも尚、それを聞きたいって言うならなら、話はしてやる。但しオマエは、絶対に倉津真琴を出さずに、最後まで、そのまま聞けな」

「あっ、うん」


どういう事?


なんか崇秀自身が、妙に警戒してる部分があるみたいだけど。

倉津真琴が絡むって事は『男女の性別に関係がある話』って事だけは間違になさそうだよね。


だとしたら、一体、どんな話なんだろ?



「あのな。これ自身は、スゲェ単純な話なんだけどな」

「ふむふむ」

「あの時、オマエが発した言葉通りの思考を、今後も取り続けられるなら『女の気持ち』を理解した上で『男の気持ち』って事に成るだろ」

「うん?あぁ、まぁ、そうだよね。そうなるかな」

「だったらよぉ……それって、簡単に『男の理想の女』にはなれる訳なんじゃねぇの?」

「あっ……」

「……って事はだな。そうやって男性の理想像を再現した上で、後は、女子に好印象を持って貰える様な行動をし続ければ。眞子は、これまた簡単に『男女問わず好かれる世界で一番良い女に成れるんじゃねぇか?』って理屈なんだが、これで話を理解出来るか?」

「あぁ、そっかぁ。そう言う事かぁ」

「そそ。それに今のオマエなら、それを体現するのも、そんなに難しくはねぇだろ。……そう言う理屈」


あぁ……確かに、そうだよね。

普通の人間って言うのは『男女の性別』の違いだけで、お互いの思考を完全に理解し合える訳じゃない。


その点に置いては、ホント不可能だと思う。


……っとは言え、これは、崇秀が言う様に簡単な話じゃなく。

どちらかと言えば、非常に難易度が高い提案である事だけは間違いないとも思うんですけど……如何な物でしょうか?



「えぇ~~~っ、でもでも、それって難しくない?」

「まぁ、現状を維持する為には、今まで通り男女の思考を継続させる訳だから、そんなに簡単って訳じゃないかもな。けど『出来無い』って言う程の難易度でもねぇだろ。要は、オマエの気の持ち方次第だろうな」

「そっかぁ。……ねぇねぇ、崇秀。私に出来るかなぁ?」


あぁ~~あっ。

これだけは中々納得出来なくて、恥ずかしいからズッと言わずに居たんだけど。


話の流れで、ついつい一人称を『私』って言っちゃった。


実は、これが一番抵抗あったんだよね。


なんて言うか『倉津真琴』が言って一番気持ち悪い言葉だから、今までズッと避けて通ってたんだけどね。


でも使ってしまった以上、もぉ取り返しは付かない。


崇秀から……どういう反応が返って来るのかな?


嫌な反応はしないでね。



「さぁな。それは、さっきも言ったがオマエの心掛け次第だな。そこばっかりは、俺の感知する所じゃねぇからな」


えっ?あれ?


話を続けてくれるのは有り難いんだけど。

私が一番懸念していた、一人称の『私』はスルー?……スルーですか?


いやまぁ、実際の話で言えば、今更だよね。


そうだね。


そうだよね。

女である眞子が、一人称で『私』って言っても、全然おかしくなんかないよね。



「なによぉ、意外と冷たいなぁ。……普通、そこは『出来る』って言ってくれる所じゃないの?」

「いやまぁ、一般的にはそうなのかもしれないがな。俺は無責任な言葉なんかは吐きたくねぇからな。だから、そこは自分で判断してくれ。『出来る』のか『出来無い』のか……ってな」

「あぁ~~あっ、もぉ、そう言う所のドライさ加減は、昔から全然治んないんだよね」

「アホか?なんで俺が、そこまでオマエの面倒見にゃ成らんのだ?子供じゃねぇんだから、その程度の事は自分で考えろつぅの」

「あっ、あい」

「……それとオマエは『ドライ』の使い方を誤ってるぞ。それはドライとは言わない。ただの甘えだ」

「あっ、あぁ、そっか。……ごめん」


そっかぁ。

『ドライ』じゃないからって言っても、全部が全部の面倒をみれる訳じゃないか。


そりゃあそうだよね。



「あのなぁ、なに凹んでんだよ?そんな事に凹んでる暇があるんだったら、もっと自分を磨いて輝いてみろつぅの」

「えっ?」

「女が、良い女に生まれ変わる瞬間ってのは、そう言う時だぞ。……丁度、今の向井さんみたいにな」

「えっ?あっ、あぁ!!うんうん、だよね、だよね。奈緒さんって、本当に自分でなんでもやっちゃうもんね。そう言う時の奈緒さんって、本当に綺麗だもんね」

「そう言う事。……あの子はな。本当に自分のするべき事を、脳内で明確に理解してる。中々、あそこまで、自分を練り上げる女の子は珍しいからな。そう言う高い向上心あるからこそ、向井さんは、ズッと良い女でいられるんだよ」


奈緒さんか……


正直、今の私じゃ、とてつもなく難しいな。


でも、崇秀の奈緒さんの評価って、いつも高いよね。


なんでなんだろう?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


今現在、男性の感覚を持ち合わせたまま、女性の感覚も持つ倉津君。

そこを上手く利用すれば『誰にでも好かれる女性に成れる可能性がある』っと言うお話なのですが……ご理解頂けましたでしょうか?


なんと言っても、性別の違いだけで、完全に男女が解り合える事なんて、ほぼほぼ不可能に近いですからね。

故に、今現在その両方持つ倉津君は、有利な立場にあると言う話になる訳です。


まぁ言うて、男女問わず、産まれ持っての性格と言うものがありますので、誰にでも出来る訳ではないでしょうけどね(笑)


さてさて、そんな中。

今度は、当物語きっての『更生&成長を続ける女性』奈緒さんの話題に移って行く様なのですが。

この奈緒さんの話が、倉津君に、どう言う影響を与えるのかを、次回は書いて行きたいと思いますので。

良かったら、またお気軽な感じで遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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