●前回のおさらい●
電波怪獣チヒロン登場後。
素直ちゃんの用意していたケーキを全て1人で頬張った後。
夕食の買い物に行こうとした奈緒さんと眞子を引き留めて来た。
なにが起こる?
「なによ?今から買い物に行くんだから、ツマラナイ用事なら邪魔すんな」
「いやいや、ツマラナイ用事じゃないから」
「じゃあ、なんなのよ?」
「私に、こんな可愛い子を見せ付けて置いて、紹介もせずに買い物に行くなんて、万死に値する罪業だと思わない?」
「はい?なに言ってんのアンタ?」
「だから、そこに居る子、誰?……何処の子?教えろだブゥ」
へっ?何を言い出すかと思えば、そこなのか?
奈緒さんが買い物に行くのを気遣ってたんじゃなくて、眞子の事が気になって、奈緒さんと俺を引き留めたって言うのか?
だったらコイツだけは……
「さっきまで、全く興味を示さなかったくせに……この欲豚だけは」
「奈緒ちゃん、早く教えろだブゥ」
「千尋さぁ、もぉ、それ、良いから。飽きたから」
「あっそぉ。……っで、結局、誰なん?」
電波欲豚……恐ろしい執念だな。
しかもこれは、絶対に奈緒さんが口を割るまで、しつこく言って来そうな雰囲気だな。
そんな千尋の態度に諦めたのか、呆れながらも奈緒さんは口を開き始めた。
「はぁ……もぉ、買い物に行くって言ってる時にイチイチ煩わしいなぁ。その子は倉津眞子。クラの親戚よ」
「あぁ、そうなんだ。……ねぇ奈緒」
オイオイ電波の奴、まだ何か言いたい事がある様だが。
言いたい事があるだけの筈なのに、何故に俺の事をジッと見てやがるんだよ?
一体オマエは、なに考えてんだ?
まさか!!……千尋の奴、なんか気付いてんじゃねぇだろうな?
「今度は、なによ?早く買い物に行きたんだけど。簡潔に言ってくれる」
「わかった。じゃあ、この子……家に持って帰って良い?」
はい?
「はぁ?なに言ってんのよ?そんなのダメに決まってるでしょ」
「じゃあ、一週間レンタルと言う方向で」
「あのねぇ。レンタルも何も、眞子はDVDじゃないのよ」
「じゃあ、頂戴」
「だから、さっきからダメだって言ってるでしょ。人様に預かった子を、人身売買してどうするのよ」
「ケチ。……独り占めすんなレズババァ」
「アンタ、仕舞いに泣かすわよ。このレズ豚」
喧嘩はヤメてぇ~♪
2人を止めてぇ~~♪
私の為にぃ~~~争わないでぇ~~♪
もぉこれ以上~~~~♪
なんて、どこかで聞いた歌詞の様な状態ッスな。
魅力的過ぎて、すんません……
「あっ、あの、喧嘩はよくないですよ。仲良くしましょう」
うん、そうだよな素直。
喧嘩は良くない、喧嘩は良くないよな。
そして、いつもそうやって俺が困ってる時には味方してくれて、ありがとうな素直。
感謝しとるぞ。
……けどオマエ。
なんか最近、気付けば、いっつも仲裁役になってねぇか?
そう言う立ち位置が定着しつつあるぞ。
此処は気を付けろ!!
「えぇ~~~、だって素直。喧嘩するなって言っても、奈緒の鬼ババァが、眞子ちゃんを独り占めしようとしてるんだよ。こんなのズルくない?」
「なにも、独り占めなんてしてないでしょ。そんなの言い掛かりも良い所だよ」
「あっ、あの、向井さん、樫田さん。それ以前に、眞子ちゃんは、誰のものでもないと思うんですけど」
的確だ。
でも、正確に言えば、間違ってるぞ素直。
俺は4月の奈緒さんに出逢った瞬間から、既に俺は奈緒さんだけの所有物に成っとる訳だ。
故に彼女は、完全に俺を独占していると言う結果にも成り得る訳だ……しかも、身も心もな。
……って、今の俺の姿のままで言うとだな。
話が色んな方向に拗れる可能性がある訳だから、今は素直のこの意見が正しい。
まさに完璧ですな。
「そうだよ。素直の言う通りだよ。眞子は、誰のものでもないの(100%私だけのモノだけどね♪)」
「うわっ、この女、最悪!!自分も喧嘩してたくせに、1人だけ上手い事言って逃げたよ」
「別に逃げてないでしょ」
「……ってか、まぁ、もぉ良いっか。奈緒、お腹空いたから買い物行こ」
「はぁ……そろそろ飽きて言うと思ったよ。……はいはい、もぉ、今日はなにが食べたいの?」
「奈緒が作ってくれた料理なら、なんでも良いよ。奈緒飯最高!!」
山中が言い出した、あの『奈緒飯』って言葉。
結構、みんなの中でも定着してんだな……
まぁ、奈緒さんのご飯は、それが浸透しても当たり前なぐらいの絶品料理だからな。
妙に納得だ。
「あのねぇ、新婚の旦那かアンタは!!」
「かもねぇ~~~……だって奈緒は、私だけの大切な嫁だもん」
「いや、多分、それ、違うと思うわよ」
「なんでよ?」
「多分なんだけど、私、アンタの嫁と言うより、アンタの過保護なだけの保護者だと思うんだけど……」
「酷ッ!!間違ってないけど!!」
なんて言いながらも、2人で顔を見合わせた後、同時に笑って立ち上がり。
さっきの喧嘩がまるで嘘の様に、また別の話をしながら買い物に出掛けて行った。
しかしまぁ、あの2人ってホント仲が良いよな。
些細な事で揉める事があっても、ちゃんとその場で直ぐに仲直りするんだもんな。
なんか、こうやって改めて2人を見ると……奈緒さんと、千尋の関係って、崇秀と、俺みたいな関係みたいだよな。
まぁ、残念な事に、俺もアイツには我儘ばっかり言ってるから、千尋と同じ欲豚のポジションだけどな。
……って事は、千尋と一緒かよ!!
……なんて心の中で1人ボケツッコミをしていると。
素直が、出掛ける2人の後ろ姿をズッと目で追って見ている姿が目に入って来た。
今度は、なんだ?
此処からなにが起こるかは知らないが、こりゃあまた今日もイベント満載の様だな。
それにしても、なんだな。
ただ集まってるだけなのに、こうもイベント満載だとはな。
そう考えると、女子ってのは、本当に疲れる存在なんだな……
毎日、こんな風なら、その内、俺、死んでまうわ。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
欲豚ネェさんは、相も変わらずマイペースでございます(笑)
ですが、その変わらない態度を見て、倉津君自身は少しリラックス出来てるみたいですね♪
まぁ、その状況が、いつまで続くかは別として……(ボソッ)
さてさて、そんな中。
奈緒さんと千尋ちゃんが仲良く買い物に出て行く姿を見詰める素直ちゃん。
一体、此処には、なにがあるのでしょうか?
それは次回の講釈なのですが。
なにがあるのか?を気にして頂けたら、是非、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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