最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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201 不良さん、多人数の撃退法を教える

公開日時: 2021年8月26日(木) 00:21
更新日時: 2022年12月5日(月) 19:10
文字数:3,355

●前回までのおさらい●


 ゼンちゃんの依頼で、喧嘩を引き受けた倉津君。


まずは校門で待ってる雑魚との対戦。

「オイ、邪魔だ。どけ」

「なんだとテメ……げふっ」


俺は、イキナリ、うんこ座りしている雑魚に声を掛け。

問答無用で顔面に前蹴りをくれてやった。


勿論、校門の壁にキスが出来るサンドイッチ方式でだ。


まぁその面じゃ彼女も居無さそうだし、せめてウチの学校の壁とでも、タップリキスしてくれや。


此処で序にだな。

壁にキスしてる男の顔を蹴ってる足に、再度、ちょこっと力を入れてやれば……


『ゴキッ』

……なんて小気味の良い音を立てて、顎の骨が折れる訳だ。


これで、簡単に戦意喪失者が1人完成する。


あぁ一応、解説すっとだな。

相手に人数が居る時の喧嘩ちゅ~もんはな。

『一番弱そうな奴を、最初に狙うのが基本』なんだな。


一般論からすれば、一見、一番強そうな奴から狙って『ソイツを倒せば、なし崩しに勝てる』……なんて思いがちかもしれないんだが、それは大きな間違いなんだよな。


っで、なんで間違いかと言うとだな。

相手の大将格と喧嘩してる間に、大体、雑魚がイラン事をしてくるからなんだよ。


喧嘩の時って言うのは、そう言うイレギュラーが一番怖い。

だから、まずは『対象を狙わず』に『敵の数を減らす』ってのが定石に成る訳だな。


但し、その雑魚を沈める時にしたって条件が有る。

これをタダ倒したのでは意味が無い。


此処で一番大切な事は『必ず相手を一撃で仕留める事』だ。

俺がそれだけの威力を持っている事を、相手に認識させる事が一番の目的だからな。


まぁ勿論、そうは言っても、仲間がやられて黙ってる不良なんぞいない。

そんな事をしたら、それこそ、この業界の笑い者になって、その日の内に不良は廃業だ。


だから、此処からが本番な訳だ。



「オイ、コラ、テメェ、なにしてくれてんだ!!中坊が調子にのんなよ!!」


ははっ……なんとも悲しいまでの定番なセリフだな。

思わず、乾いた笑いが、口から飛び出していきそうになっちまった。


つぅか、驚きの雑魚さ加減だな、オイ。


あのなぁクソ雑魚。

漫画の世界じゃねぇんだから、そう言う時は、口上を垂れる前に、先に手を出さなきゃダメだろ。


不意を付ける時は、卑怯もヘッタクレも無い。

兎に角、不意打ちで相手をKOする。


こんなもん、喧嘩するにあたって基本中の基本だぞ。


だから俺は、そんな馬鹿雑魚の挑発には決して乗らない。

そいつを無視してでも、今は戦意喪失してる男に、更なる攻撃を加える事の方が大事だからだ。


気絶してる相手の顔面を、何度も何度も必要以上に踏みつけ、顔面をグシャグシャにになるまで蹴る。

多分、傍から見たら、酷い事をする奴だと思われるかも知れないが、喧嘩ってもんは、元来こう言うもんだ。


実は、こう言うのって、意外と常套手段なんだよな。

相手が、俺の事を容赦の無い人間だと思い込めば、思い込む程、深い恐怖心が生まれる。


そうなりゃあ、相手側は、普段の喧嘩は出来無くなるんだよな。


どうしても恐怖心が拭いきれず、自然と俺を相手にする時に躊躇してしまう。

まぁ早い話『腰が引けて、動きが鈍くなってしまう』訳だ。


これって、喧嘩の時に、結構、役立つから憶えておくと良いぞ。



「オッ、オイ、テメェ、いい加減にしろよ!!死んじまうだろ」

「るせぇなぁ。こんな奴が死んだって、誰も悲しまないだろうに。社会の糞の役にも立たねぇ人間を排除してやってるんだからよ。感謝しろつぅの」


まぁ此処まで言えば、雑魚Bは、俺を止め様と必死に殴りかかってくる訳だ。


けど、そんな攻撃には100%当たらない。

いや、正確に言えば、こんなものが当たる筈がない。


何故なら、攻撃してくる場所が、明らかなぐらいミエミエだし、先程の理論通り、腰が引けて、かなりビビッてるからだ。


『ヒョイヒョイ』


ほらな。

早くも、恐怖心を植え付けた効果が出てるだろ。


何発殴ってきても、結果は同じ。

当たらないものは、何をやっても当たらないんだから、意味はない。


だから、こう言う奴には……アビリティー・カウンター技能発動!!


オマエのパンチの威力は、キッチリ、倍にして返してやるぜ!!


『ガンッ!!』



「ぐぱぁぁぁ~~~」


ハイ、当たり!!


冷静に状況判断が出来てるんだから、コチラのパンチは当たって至極当然。

『オマエは矢吹ジョーか!!』ってぐらい、綺麗なカウンターが入った。


しかしまぁ、よくもまぁ、あんなに派手に飛んで行けるもんだな。

こうやって見ると、ホント世の中って、結構、漫画みたいな事バッカリだな。


まぁ、そう言う事で、早くも2人死亡っと。



「オッ、オマエ、知らねぇぞ!!俺達の仲間に、こんな事したら、瀬野さん黙っちゃいねぇぞ!!オマエ等全員、絶対にタダじゃ済まないからな!!あの人が暴走したら、誰も止められねぇ!!死んだぞテメェ!!」

「オイオイ……その瀬野って野郎が、何所のどいつかは、よく知らねぇけどよぉ。此処な。俺の学校の前なんだわ。オマエ等さぁ、ちょっとは気ぃ使って、もっとマシな遊び場所を提供しろや。俺にタップリ遊んで欲しいんだろ?」

「そうだぞコラ!!それよかよぉ、テメェ等、女は、どうしたんだよ?1人もイネェじゃねぇかよ!!嘘吐いてんじゃねぇぞ!!」


……黙れなゼン。

今、そう言う話する所じゃねぇだろ。


大体にしてオマエなぁ。

マジでコイツ等が、女を連れて来るとでも思ってたのかよ?

第一、こんな顔も悪いし、腕っぷしもヘチョイ雑魚が、そんな良い女連れて来れると思うか?


要は騙されたんだよ、オマエは。


マジ、頭悪いな。



「女はキッチリ用意してる。瀬野さんと、女の所に案内してやるからよ。ちゃっちゃと付いて来いよ。逃げんなよ!!」


おぉ、こりゃあ、意外な展開だな。

こんなんでも、付き合いたいって思う女が居るんだな。


それに、なんとも義理堅いこったな。


まぁその代わり、見るも無惨なブス確定は揺るがないだろうがな。



「あぁそうかよ。じゃあ、さっさと、そこに連れて行けや。ウチの『番長』が全員死刑にしてやんよ」


おいおい!!こらこら!!ゼンちゃんよぉ!!


誰が番長だ!!


『弱きを助け、強気を挫く』

そんな時代錯誤なもんは、もぉこの世の中にゃ1人たりとも存在しねぇよ。


居るとすれば、ソイツは、相当な馬鹿だ。


それとなぁ。

オマエが話に入って来ると、ややこしくなるから……頼むから、ちょっと黙れな。



「んだと?テメェんとこの番長なんざ、ウチの番長の瀬野さんの敵じゃねぇ。死刑になるのはテメェ等だ!!」

「あぁ?コラ!!ウチの番長はなぁ、テメェんとこのヘッポコピーとは違うんだよ。チームごと破壊すんぞ、コラ!!」

「んだコラ?瀬野さんはヘッポコピーじゃねぇんだよ。テメェんとこの奴がヘッポコプーなんだよ!!」

「んだオラ……」

「んだコラ……」


俺を放置して、オマエ等2人で『ガンのくれ合い♪飛ばし合い♪』ッスか?

どこの『ツッパリハイスクール・ロックンロール』ッスか?


そりゃあよぉ、俺だって、横浜銀蝿は好きだよ。

発売されたアルバムも、殆ど持ってるよ。


……けどな。

今は、そう言う話をする場面じゃねぇんじゃねぇの?


・・・・・・


……あぁもぉ、クソ鬱陶しい。

取り敢えず程度で悪いんだが、死ね雑魚C……永遠に黙ってくれ!!


『ガンッ!!』



「ぐるはぁぁあぁ~~~~~」


俺は、我慢の限界を超えたので。

ゼンと話してる途中の奴を、横から不意打ちをして、容赦なくブン殴った。

かなりイラついてたから、思いっ切り振り被った上に、パンチに捻りまで加えてしまった次第だ。


俗に言う『コークスクリューブローもどき』だ。

だから、コイツも顔面にパンチを受けて、漫画みたいに一直線に飛んでいく。


アホが……俺を無視するからだ。


まぁ、この馬鹿に唯一救いが有るとすれば、ある意味、頗る運だ良い事だな。

あれだけ、まともに顔面にパンチを受けたら、一瞬で意識は吹き飛んだだろうしな。


だから、天にも登る気分で意識不明になった筈だ。


まぁどうでも良いか……コイツ等に付き合うの、マジ、面倒臭くなってきた。



「オイ、そこの残ってるの。さっさと瀬野って奴の所に案内せぇや」

「はっ、はい」


俺は、素直に言う事を聞く奴には手を出さない。


人間、素直が一番って事だな。


俺と、ゼンは、そいつ等の残したスクーターに跨って、雑魚Dに、瀬野ってカスの居る所に案内させる。


これで、漸く、話にも展開が生まれるってもんだ。


あぁ因みに、雑魚A~Cは、その場に放置しておく。


知ったこっちゃねぇ。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


今回のシーンを見て頂いて『エグイなぁ』っと思われた方。

確かに倉津君のやり方はエグイですが、相手に怪我はさせて半殺しにはしていますが、決して殺してはいません。


なので、本来は『敵を倒す(殺す)事がメインのファンタジーより、エグクナイ』筈なのに。

これをリアルに現代物で書くと……『エグイ』っと批判される事が多いんですよね。


さて、此処で質問です。

①『大怪我』

②『死』

100%自分が負わされるとしたら、どっちが良いですか?


まぁまぁ、これはちょっとした遊び心で書いているのですが。

少し皆さん『死に対して、気持ちが大らかに成り過ぎてるんじゃないかなぁ』って思って、こんな事を書いてみました。


本来、死とは、その相手の人生を終わらせる恐ろしい物なんですよ。



さてさて、そんな中。

次回は、ボスキャラが登場してくるのですが……どんな奴なんでしょうね?


気に成った方は、また遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ

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