●前回までのおさらい●
ゼンちゃんの依頼で、喧嘩を引き受けた倉津君。
まずは校門で待ってる雑魚との対戦。
「オイ、邪魔だ。どけ」
「なんだとテメ……げふっ」
俺は、イキナリ、うんこ座りしている雑魚に声を掛け。
問答無用で顔面に前蹴りをくれてやった。
勿論、校門の壁にキスが出来るサンドイッチ方式でだ。
まぁその面じゃ彼女も居無さそうだし、せめてウチの学校の壁とでも、タップリキスしてくれや。
此処で序にだな。
壁にキスしてる男の顔を蹴ってる足に、再度、ちょこっと力を入れてやれば……
『ゴキッ』
……なんて小気味の良い音を立てて、顎の骨が折れる訳だ。
これで、簡単に戦意喪失者が1人完成する。
あぁ一応、解説すっとだな。
相手に人数が居る時の喧嘩ちゅ~もんはな。
『一番弱そうな奴を、最初に狙うのが基本』なんだな。
一般論からすれば、一見、一番強そうな奴から狙って『ソイツを倒せば、なし崩しに勝てる』……なんて思いがちかもしれないんだが、それは大きな間違いなんだよな。
っで、なんで間違いかと言うとだな。
相手の大将格と喧嘩してる間に、大体、雑魚がイラン事をしてくるからなんだよ。
喧嘩の時って言うのは、そう言うイレギュラーが一番怖い。
だから、まずは『対象を狙わず』に『敵の数を減らす』ってのが定石に成る訳だな。
但し、その雑魚を沈める時にしたって条件が有る。
これをタダ倒したのでは意味が無い。
此処で一番大切な事は『必ず相手を一撃で仕留める事』だ。
俺がそれだけの威力を持っている事を、相手に認識させる事が一番の目的だからな。
まぁ勿論、そうは言っても、仲間がやられて黙ってる不良なんぞいない。
そんな事をしたら、それこそ、この業界の笑い者になって、その日の内に不良は廃業だ。
だから、此処からが本番な訳だ。
「オイ、コラ、テメェ、なにしてくれてんだ!!中坊が調子にのんなよ!!」
ははっ……なんとも悲しいまでの定番なセリフだな。
思わず、乾いた笑いが、口から飛び出していきそうになっちまった。
つぅか、驚きの雑魚さ加減だな、オイ。
あのなぁクソ雑魚。
漫画の世界じゃねぇんだから、そう言う時は、口上を垂れる前に、先に手を出さなきゃダメだろ。
不意を付ける時は、卑怯もヘッタクレも無い。
兎に角、不意打ちで相手をKOする。
こんなもん、喧嘩するにあたって基本中の基本だぞ。
だから俺は、そんな馬鹿雑魚の挑発には決して乗らない。
そいつを無視してでも、今は戦意喪失してる男に、更なる攻撃を加える事の方が大事だからだ。
気絶してる相手の顔面を、何度も何度も必要以上に踏みつけ、顔面をグシャグシャにになるまで蹴る。
多分、傍から見たら、酷い事をする奴だと思われるかも知れないが、喧嘩ってもんは、元来こう言うもんだ。
実は、こう言うのって、意外と常套手段なんだよな。
相手が、俺の事を容赦の無い人間だと思い込めば、思い込む程、深い恐怖心が生まれる。
そうなりゃあ、相手側は、普段の喧嘩は出来無くなるんだよな。
どうしても恐怖心が拭いきれず、自然と俺を相手にする時に躊躇してしまう。
まぁ早い話『腰が引けて、動きが鈍くなってしまう』訳だ。
これって、喧嘩の時に、結構、役立つから憶えておくと良いぞ。
「オッ、オイ、テメェ、いい加減にしろよ!!死んじまうだろ」
「るせぇなぁ。こんな奴が死んだって、誰も悲しまないだろうに。社会の糞の役にも立たねぇ人間を排除してやってるんだからよ。感謝しろつぅの」
まぁ此処まで言えば、雑魚Bは、俺を止め様と必死に殴りかかってくる訳だ。
けど、そんな攻撃には100%当たらない。
いや、正確に言えば、こんなものが当たる筈がない。
何故なら、攻撃してくる場所が、明らかなぐらいミエミエだし、先程の理論通り、腰が引けて、かなりビビッてるからだ。
『ヒョイヒョイ』
ほらな。
早くも、恐怖心を植え付けた効果が出てるだろ。
何発殴ってきても、結果は同じ。
当たらないものは、何をやっても当たらないんだから、意味はない。
だから、こう言う奴には……アビリティー・カウンター技能発動!!
オマエのパンチの威力は、キッチリ、倍にして返してやるぜ!!
『ガンッ!!』
「ぐぱぁぁぁ~~~」
ハイ、当たり!!
冷静に状況判断が出来てるんだから、コチラのパンチは当たって至極当然。
『オマエは矢吹ジョーか!!』ってぐらい、綺麗なカウンターが入った。
しかしまぁ、よくもまぁ、あんなに派手に飛んで行けるもんだな。
こうやって見ると、ホント世の中って、結構、漫画みたいな事バッカリだな。
まぁ、そう言う事で、早くも2人死亡っと。
「オッ、オマエ、知らねぇぞ!!俺達の仲間に、こんな事したら、瀬野さん黙っちゃいねぇぞ!!オマエ等全員、絶対にタダじゃ済まないからな!!あの人が暴走したら、誰も止められねぇ!!死んだぞテメェ!!」
「オイオイ……その瀬野って野郎が、何所のどいつかは、よく知らねぇけどよぉ。此処な。俺の学校の前なんだわ。オマエ等さぁ、ちょっとは気ぃ使って、もっとマシな遊び場所を提供しろや。俺にタップリ遊んで欲しいんだろ?」
「そうだぞコラ!!それよかよぉ、テメェ等、女は、どうしたんだよ?1人もイネェじゃねぇかよ!!嘘吐いてんじゃねぇぞ!!」
……黙れなゼン。
今、そう言う話する所じゃねぇだろ。
大体にしてオマエなぁ。
マジでコイツ等が、女を連れて来るとでも思ってたのかよ?
第一、こんな顔も悪いし、腕っぷしもヘチョイ雑魚が、そんな良い女連れて来れると思うか?
要は騙されたんだよ、オマエは。
マジ、頭悪いな。
「女はキッチリ用意してる。瀬野さんと、女の所に案内してやるからよ。ちゃっちゃと付いて来いよ。逃げんなよ!!」
おぉ、こりゃあ、意外な展開だな。
こんなんでも、付き合いたいって思う女が居るんだな。
それに、なんとも義理堅いこったな。
まぁその代わり、見るも無惨なブス確定は揺るがないだろうがな。
「あぁそうかよ。じゃあ、さっさと、そこに連れて行けや。ウチの『番長』が全員死刑にしてやんよ」
おいおい!!こらこら!!ゼンちゃんよぉ!!
誰が番長だ!!
『弱きを助け、強気を挫く』
そんな時代錯誤なもんは、もぉこの世の中にゃ1人たりとも存在しねぇよ。
居るとすれば、ソイツは、相当な馬鹿だ。
それとなぁ。
オマエが話に入って来ると、ややこしくなるから……頼むから、ちょっと黙れな。
「んだと?テメェんとこの番長なんざ、ウチの番長の瀬野さんの敵じゃねぇ。死刑になるのはテメェ等だ!!」
「あぁ?コラ!!ウチの番長はなぁ、テメェんとこのヘッポコピーとは違うんだよ。チームごと破壊すんぞ、コラ!!」
「んだコラ?瀬野さんはヘッポコピーじゃねぇんだよ。テメェんとこの奴がヘッポコプーなんだよ!!」
「んだオラ……」
「んだコラ……」
俺を放置して、オマエ等2人で『ガンのくれ合い♪飛ばし合い♪』ッスか?
どこの『ツッパリハイスクール・ロックンロール』ッスか?
そりゃあよぉ、俺だって、横浜銀蝿は好きだよ。
発売されたアルバムも、殆ど持ってるよ。
……けどな。
今は、そう言う話をする場面じゃねぇんじゃねぇの?
・・・・・・
……あぁもぉ、クソ鬱陶しい。
取り敢えず程度で悪いんだが、死ね雑魚C……永遠に黙ってくれ!!
『ガンッ!!』
「ぐるはぁぁあぁ~~~~~」
俺は、我慢の限界を超えたので。
ゼンと話してる途中の奴を、横から不意打ちをして、容赦なくブン殴った。
かなりイラついてたから、思いっ切り振り被った上に、パンチに捻りまで加えてしまった次第だ。
俗に言う『コークスクリューブローもどき』だ。
だから、コイツも顔面にパンチを受けて、漫画みたいに一直線に飛んでいく。
アホが……俺を無視するからだ。
まぁ、この馬鹿に唯一救いが有るとすれば、ある意味、頗る運だ良い事だな。
あれだけ、まともに顔面にパンチを受けたら、一瞬で意識は吹き飛んだだろうしな。
だから、天にも登る気分で意識不明になった筈だ。
まぁどうでも良いか……コイツ等に付き合うの、マジ、面倒臭くなってきた。
「オイ、そこの残ってるの。さっさと瀬野って奴の所に案内せぇや」
「はっ、はい」
俺は、素直に言う事を聞く奴には手を出さない。
人間、素直が一番って事だな。
俺と、ゼンは、そいつ等の残したスクーターに跨って、雑魚Dに、瀬野ってカスの居る所に案内させる。
これで、漸く、話にも展開が生まれるってもんだ。
あぁ因みに、雑魚A~Cは、その場に放置しておく。
知ったこっちゃねぇ。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
今回のシーンを見て頂いて『エグイなぁ』っと思われた方。
確かに倉津君のやり方はエグイですが、相手に怪我はさせて半殺しにはしていますが、決して殺してはいません。
なので、本来は『敵を倒す(殺す)事がメインのファンタジーより、エグクナイ』筈なのに。
これをリアルに現代物で書くと……『エグイ』っと批判される事が多いんですよね。
さて、此処で質問です。
①『大怪我』
②『死』
100%自分が負わされるとしたら、どっちが良いですか?
まぁまぁ、これはちょっとした遊び心で書いているのですが。
少し皆さん『死に対して、気持ちが大らかに成り過ぎてるんじゃないかなぁ』って思って、こんな事を書いてみました。
本来、死とは、その相手の人生を終わらせる恐ろしい物なんですよ。
さてさて、そんな中。
次回は、ボスキャラが登場してくるのですが……どんな奴なんでしょうね?
気に成った方は、また遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ
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