最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1204 風呂場での質問の意図

公開日時: 2024年5月22日(水) 00:21
文字数:2,063

●前回のおさらい●


 お風呂に浸かりながら、崇秀の質問で「自分を振り返ってる内」に、いつものペースに戻りつつある眞子。

だが流石に質問が多いのかして、やや茹って来たので、洗面所に場所を移す事に。

 まぁそんな訳でして、2人とも浴槽から上がり。

最後にシャワーを浴びてから、洗面所に2人で仲良く移動。


出た瞬間、崇秀さんは、私を鏡の前に座らせて、また髪を綺麗にセットしてくれ始める。


だから私は、話の続きをさせて貰う事にした。


……だけど、その前に。



「あの、いつも髪を綺麗にしてくれて、ありがとう」

「んあ?あぁ、気にすんな。俺は元々、人の髪を弄るのが好きだからな。それに、オマエの髪を弄るのは、特別楽しいしな」

「ほぇ?特別?なんで?」


お礼を言った後、直ぐに話の続きをするつもりだったのに、話が逸れてしまった。


またこんな所でも、女の子に成ってからのお喋り癖が出ちゃったよ。

ホント、自分が興味を持ってしまった事に対しては、自制が聞かないんですよね。



「いや、なんで?ってオマエ。自分の彼女が綺麗になって嫌な気分になる奴が居るのか?」

「あぁ、そう言う事ですか。……納得しました」

「そっか。じゃあ、ちょっとの間、黙ってろな」


うわっ!!

まだ重要な事を、なにも話してないのに、言葉を封じられちゃったよ。



「あぁ、でも、ちょっと喋りたいです。喋らして下さい」

「んあ?なんか話す事でも有るのか?」


あり?さっきの浴槽での質問の答えは良いの?


まだあの件に関しては何も答えてないんだけど……


……って!!

あぁ!!崇秀さん、私の気持ちをリラックスさせる為に、ワザと、さっきの話を振ったんだなぁ。


自分を振り返らせる事によって、如何に今の私が女性であるかを証明し。

男性に抱かれる事が、極普通の事だと認識させようとしてたんだ。


やられたぁ。

なんか変だとは思ってたんだよね。



「ぶぅ!!」

「なんだ、もぉ気付いたのか?」

「うん。見事に嵌められたね。……けどさぁ、その調子だと、私が言う『運が良かった』って話は、もぉ理解しちゃった感じ?」

「あぁ、それなら最も単純な話だろ。人との出会いの話と、向井さんの理解力の高さの話だろ。そんなもん、直ぐに解るわな」


うん?違うよ。


いや、正確に言うと、違わないんだけど、ちょっと違うんだよね。

その回答だと、ある重要なカテゴリが抜けてるよ。



「あれ、違うよ。崇秀さんが一番理解してくれて、私を必要としてくれたからこそ『私は運が良かった』って思ったんだよ。それにね。私を気持ち悪がらずに、色々支えてくれたからこそ、そう言う心境に成れたんだよ」

「ふふっ、間抜け。それは大きな勘違いだ」

「えっ?えっ?なんで?って言うか、それって、どういう事?じゃあ実は、私の事を気持ち悪いとか思ってるの?そりゃあないよ」

「アホ。誰が、今更そんな事を思うか」

「えっ?じゃあ、どうして勘違いなの?」


ヤメテよ。

今更、変な事は、絶対に言わないでよ。


もぉ引き返せない現状で、おかしな事を言われちゃったら、軽く心臓麻痺を起してショック死するぞい。



「いや、悪ぃ悪ぃ。正確に言うと、勘違いではないんだけどな」

「だよね、だよね。私、勘違いしてないよね」

「まぁけど、全くしてないって訳でもないぞ」

「えぇっと、それって、なんでですかね?怖いから、溜めを作らずに、直ぐに教えてください」

「あぁ、いやいや。そんな怖がる話じゃねぇんだよ。ただ単にオマエは、ナンデモカンデモ、俺が、全て与えたと勘違いしてるってだけの話だ」


なんで、そうなるの?


アメリカ遠征で知り合った人も。

静流さんと言う最高のお母さんを与えてくれたのも。

その切欠を作ってくれたのは、他ならぬ崇秀さんじゃないですか。


だったら、なにも間違ってなくない?



「どこが?色々な人に出逢える切欠を作ってくれたのは、崇秀さんじゃないですか」

「切欠はな。でも、それを生かしたのはオマエだろ。だったら、全部が俺のお陰じゃねぇじゃんか」


そう言う詭弁ですか?


でも、それ……別に、敢えては、口に出して言わなくても良くない?

寧ろ、自分をよく見てくれてる訳なんだから、黙ってればいいんじゃないの?


まぁ、こういう部分が崇秀さんらしいと言えば、崇秀さんらしいんですけどね。



「あぁ、でもさぁ。その切欠が無かったら、生かし様が無かったんだから、崇秀さんのお陰で良いんじゃない?だから、此処は勘違いでも良いよ」

「そう来るか」

「いや。そう来るかもなにも。私が好きで、そう思ってるんだから、別に良いじゃん。それに、崇秀さんが好きだから、そう思いたいんだもん」

「豪く、美化されてんな」

「美化なんかじゃないよ。崇秀さんのお節介はワールドクラスなんだから、そう思われても当然だよ。……但し、偽善者じゃないからね。此処は先に言って置くよ」

「あぁっそ、じゃあ、もぅそれで良いわ」

「うん。諦めれ」


はぁ……でも驚いたなぁ。

勘違いだって言われた時は、なにを言ってくるのかと思って、無駄にハラハラしたよ。


心臓が止まるかと思ったよ。



「ところでよぉ眞子」

「あぁ、はいはい、なんですかね?」

「いや、少し前からな。それとは別に、ちょっと気に成ってた事が有るんだけどよぉ。そこを1つだけ聞いても良いか?」

「うん。良いよ。なに?」

「オマエさぁ。……なんで最近になって、俺の事を『崇秀さん』って呼ぶんだ?」


えっ?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


崇秀が沢山の質問をしてた理由は『眞子に自分を振り替えさせ』彼女をよりリラックスさせる為のものでしたね(笑)


実際、初Hに向かって、こういう気遣いがあるとないとでは全然違うのですが。

眞子は、それに見事なまでに嵌ってしまいましたし。

気付いた後も、結局は崇秀との話が楽しくなって、いつも通りベラベラベラベラ喋ってますので、効果は抜群だったと思います。


まぁ、大好きな人と喋るのが嫌いな子なんていないでしょうけど、それにしても眞子は単純ですね(笑)


さてさて、そんな中。

まだまだ眞子をリラックスさせる為に、崇秀の質問攻勢は終わらない訳なのですが。

此処に来て、最近始めた「崇秀さん」っと言う呼び方の指摘を受けたみたいなのですが。


これ……理由が理由なだけに、眞子は、どう答えるつもりなんでしょうね?


次回は、その辺も踏まえた上で続きを書いて行きたいと思いますんで。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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