●前回のおさらい●
鏡の前で自身の姿を確認した所。
男性であった倉津君を引き継いでる部分が多々あり、ほぼ自身の体から変化した事が確定した。
だが現時点では、原因は不明のまま。
そこで崇秀は、その原因を解明する為に、ある仮説を立ててみた。
さて、それは如何なるものなのか?
「なぁなぁ。『思い当たる節』ってなんだよ?」
「いや、これは、俺が勝手に立てた仮説でしかねぇし、解決方法には程遠いもんなんだけどな。それでも良きゃ、説明だけはしてやるよ」
「勿論、勿論、男に戻るヒントになる様なものなら、なんでも良いから教えてくれ」
「そうか。……じゃあ、言うけどな。オマエさぁ、生まれた時、双子だったんじゃなかったか?」
崇秀は、突然、なんの話してんだ?
あぁけど、コイツが関係のある話だって言ってたんだから、この双子ってキーワードにはなにかしろの関係が含まれているんだろうな。
なら此処は、余計な事を聞かず素直に答えよ。
「へっ?いや、悪いが、そんな話は聞いた事ねぇな」
「そうか。……なら、難産だったって話はないか?」
「難産なぁ。……あぁ、そう言われれば、確かに、酷い難産だったらしいな。なんでも、丸1日以上掛かったって言ってたからな」
「ほぉ……じゃあ最後に、もぅ一点だけ質問だ。オマエの出生届が出されたのって、産まれてから、大分、経ってなかったか?」
「へっ?いや、まぁ、そう言われても、流石に、そこまではわかんねぇな。……あぁ、けどな。産まれた日から、誕生日が一週間程ずれたって話は聞いた事が有るな。現に俺の本当の誕生日は、6月6日だって聞いてるからな」
「なるほどな。ヤッパリ、そうか」
「えっ?えっ?なにがだよ?」
この調子じゃあ、その生まれが、この体の変化と、何か関係が有るって言うんだろうな。
けど、俺にゃあ全く意味がわかんねぇ?
まさに、なんじゃそりゃあ?って感じだな。
「いやな。さっきも言ったが、これは仮説でしかないんだがな。第一子のオマエが生まれてメデタイのに、出生届を遅らせたって事は、なにかしろ『生まれた時点で、オマエに問題が有った』って可能性が高いんだよ。そこを考慮して、今のオマエの状態を分析したら。ひょっとしたら、オマエ『半陰陽じゃないのか?』って疑問が浮上してくるんだよ」
はい?
なに?
どういう事?
「あの~~~よぉ、非常に申し訳ないんだが『半陰陽』って、なんだ?」
「あぁっと、悪ぃ。解り難いなら『両性具有』だな。漫画で言うなら『二成』学術的に言うなら『インターセクシュアル』(IS/ Intersexual)『アンドロジニー』(Androgyny)『インターセックス』(Intersex)『ヘルマプロディトス』(Hermaphroditus)『アンドロジン』(Androgyne)『ハーマフロダイト』(Hermaphrodite)……後、有名な所では、MSXのゲームになった『アンドロギュノス』(Androgynous)なんて言い方も有るな」
はい?
「いやいやいやいや、なんで、そんなとこに行き着くんだよ?」
「だから、そこが、さっき言った『生まれた時点で問題が有った』って話になんだよ」
「あのよぉ。それって、俺、なんかの病気なのか?」
「いや、病気って訳じゃねぇんだがな。男と女を生殖器を、1つの体に持ち合わせて産まれた可能性があんだよ」
「だとしたら、なんの問題が有るんだ?」
「あぁ、まぁ、一般的な家庭なら『男』か『女』の、どちらかを選択して、役所に届けりゃあ問題はねぇよ。……けど、考えてもみろよ。オマエん家、ヤクザの大元だぞ。ヤクザの家に生まれた第一子が、男か、女か解らねぇままじゃ世間体が悪いだろ。それに、跡目が欲しいオマエの親父さんからしたら、女にするなんて選択肢は薄い。けど、母親にしたら、女の子が欲しかったかも知れない。悩んだ挙句、まずは出生届けの提出が遅れたって可能性だな」
たった……たったあれだけの質問で、此処までの的確な推理が出来るなんて。
コイツの知識や、推理力って、ホント、マジでハンパねぇな。
なんて奴だ。
「まぁなぁ。……けど、仮に、それが事実だとしても『二成』なんて、本当にあるのか?」
けど、そこなんだよな。
いや、崇秀を疑う訳じゃないんだがな。
なんか、そんなものが、本当に存在するのかどうかも知らない俺みたいな人間にとったら、それって漫画の中にだけ存在する様な話なんだよな。
だから、どうにも眉唾な話に聞こえてしまう。
此処は更に、二成について正確な情報が欲しい所だな。
「あぁ、それについては、前例も、実例も、幾つも存在するな。しかも、結構な数でな」
コイツが断言したって事は、本当にあるんだな。
「そんなに居るのか?」
「まぁ、出生率の問題で言えば、相当数だ。原因の一部が、水爆だって噂もあるしな」
「『水爆』?……って事は、一種の奇形って事か?」
「まぁ、言い方は悪いが、そう言う言い方もあるな」
「それが、俺だって言うのか?」
「いや、だからよぉ。これは、俺の仮説だって言ってんだろ。話聞いてるか?」
いや、仮説なのは解ったが。
それじゃあ、原因は、全く闇の中だよな。
だって、真相らしきものは、まだ、なにも語られてねぇもん。
コイツは、頭の中で、どう言う仮説を立ててるんだ?
「けど、そのオマエの仮説には、まだ続きが有るんだろ。これじゃあ、あまりにも曖昧過ぎるからな。説明にもなってねぇ」
「まぁなぁ。けど、確認するけどよぉ。仮説は、所詮、どこまでいっても仮説でしかないからな。そこは勘違いするなよ」
「おっ、おぉ」
矢張り、続きがあった。
そして崇秀は、思いも拠らない様なトンでもない事を言い出す。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
『何も無い所から性転換が起こる』なんて事は、漫画やゲームでもない限り有り得ません。
……なので、医学的な見地で見た場合。
その可能性があるのが『半陰陽』
若しくは『アナフィラキシーショック』によるホルモンバランスの乱れ、なんかが最有力に成ってきます。
ですが今回の場合は、状況から言っても『アナフィラキシーショック』による体の変化の確率は低いので。
まずは『倉津君が半陰陽であった可能性』に崇秀は着目したようですね。
さてさて、そんな風に一応は前提条件が整った現状で、崇秀は、一体、どんな仮説を繰り出してくるのでしょうか?
それは次回の講釈。
このネタに、少しでも興味を持って下さったのなら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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