最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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019 不良さん、別の意味で絡まれる(笑)

公開日時: 2021年2月24日(水) 20:12
更新日時: 2022年11月3日(木) 14:16
文字数:2,308

●前回のおさらい●

前回はコンパの後にあった事の説明と、ただ単に言い訳をしていただけでした(笑)


 そんな風な理由から学校に来てる俺なんだが。

此処で4時間目の終業のベルが鳴り、昼休みになる。


まぁこんな風に学校に来てるとは言え、授業内容は、相も変わらずカラッキシ意味不。

今更、真面目に学校に来て、急に授業を受けた所で、イキナリ勉強が出来る様になる訳でもないから。

授業中は、他の生徒に迷惑を掛けない為にも、俺自身はグッスリと睡眠時間を満喫している訳なんだがな。


そんなダメ人間生活を満喫中の俺ですら、いつも終業ベルと共に目覚める。


そして、習慣的に、ハードケースからベースを取り出し、また例の反復を始めた。


♪♪♪♪……


しかし、まぁなんだな。

こうやって教室でベースの練習をしてて思うんだが。

普通よぉ、クラスメイトが、イキナリ教室でベースなんて弾いてたら、少しはソイツに興味持っても良さそうなもんなんだがな。


誰一人として俺に声を掛けてこねぇって、どういう状況なんだよ、これ?

俺って、そんなにまで、この学校で恐れられてるのか?

余計な事さえしなければ、無暗に一般生徒に手を出す気なんてねぇのによぉ。


……これはこれで、なんか寂しいもんだな。


そうやって1人で黙々とベースの反復練習をしていると、声を掛けてくる奴がいた。



「よぉ。相変わらず精が出るな」


チッ!!

クラスの誰かが声を掛けてきたのかと思って少しは期待したんだが……よりにもよって、声を掛けて来たのは崇秀のボンクラかよ。


……しょうもねぇ。



「あぁ?ほっとけよ。先に進もうにも、俺は、これしか練習方法を知らねぇんだよ」

「なるほどなぁ。そいつは理に適った話だな。……にしても、少しは上手くなってきたんじゃねぇか」

「ウゼェ。テメェなんぞに褒められても、全然嬉かねぇよ。寧ろ、不快な気分になるだけだ」

「不快ねぇ……じゃあなにか?俺じゃなくて、向井さんにでも褒められたら嬉しいのか?それとも、マジで、向井さんに褒められたいのか?」

「ぶっ!!」


オマエねぇ、教室の中で、急になんて事を言うんだよ……

そう言う俺の心理を見事に読み切ったセリフを、堂々と人前で公表してんじゃねぇよ。


あぁ心臓に悪い。



「プッ!!なんだよ、その面白い反応は?男一匹硬派・倉津真琴も女に目覚めたってか?」

「ちっ、違ぇよ……そんなんじゃねぇよ」

「じゃあ、なんなんだよ?飽き性のオマエが、なんで、そこまで必死になってんだ?」

「うっ、うるせぇよ。そんなの、テメェにゃあ関係ねぇだろ」


別に必死になってる訳じゃねぇよ。

ただこれぐらい真剣にやんねぇと、向井さんも教えがいないだろ。

それに、何も出来てないままじゃ、今度、向井さんに逢った時、男として格好がつかねぇだろうに。


俺が必死に成る理由は、ただそれだけだよ……それだけ。



「まぁよ。女にカッコ付けたいのは、男なら、誰だってそうさ。何もオマエに限ったこっちゃねぇ」

「なっ、なに言ってやがる。俺は、そんな事は一言も言ってねぇだろうに」

「プッ……じゃあ、なにか。その言い分だと、俺が向井さんを口説いても問題無いって事だな」

「それはダメだ」

「なんでだよ?」

「それはな……テメェの胸に手を当てて聞いてみろ」

「ドキッ、ドキッ」

「死ね、糞野郎」


なに可愛く『ドキッドキッ』っとか言ってんだ、コイツ!!


マジで馬鹿じゃねぇのか?



「まだ死なねぇ……んな事より、なんで俺が向井さん口説いちゃダメなのか教えてくれよ」


うぜぇ~~~っ!!

この餓鬼だけは、本格的にウゼェ~~ッ!!

オマエは、ワザワザそんな事を口に出してまで、俺に何を言わせたいんだよ?


ウザ絡みしてんじゃねぇぞ!!


まぁ、そうは言っても、オマエが俺になにを言わせたいかは解っちゃいるけどな。

だが、そんなもん、口が裂けても絶対に言わねぇぞ。


そこだけは絶対の絶対だかんな!!


……言いたいところなんだが。

何故かコイツは、普段アッサリしてるくせに、人が嫌がる事になったら異常なまでに執念深い。

そのしつこさは、蛇や猫が裸足で逃げ出すぐらい酷いもんだ。


だから、なんか、この馬鹿を退ける方法ないもんかな?


・・・・・・


おっ!!そうだ、そうだ。

ベースを弄ってて、このアホを撃退する名案が浮かんだぞ。


俺は実体験から、今の奴には絶対出来ない事だからな。



「メンドくせぇ野郎だな」

「だぁ~ってよぉ。オマエだけ幸せなのって、ムカツクじゃん」

「何が幸せだよ、ボケ」

「何が幸せなんだ?」

「あぁもぉ、うぜぇぇぇ~~~」

「ウザイと思うんなら、早く本音を言っちゃえよ。俺も、それ以上は追求するつもりはねぇからよ」

「あぁそうかい、そうかい。解った、解った。じゃあ、オマエの聞きたがってる俺の本音って奴を教えてやるよ」

「おっ!!」

「但し、オマエが、俺の言う事が出来たらな」

「あぁ?なんだよ、それ?俺に何をさせようってんだ?」


ふふふ……掛かったなボケ。

俺の天才的で、シンプルかつ見事な計略に落ちて、みんなの前で恥を掻け。


和製クルーグマンの復活だ!!



「このベース弾いてみろよ」

「はぁ?」

「だからよぉ。このベースで俺のやってる『運指運動』ってのが出来たら、さっきの質問にも答えてやるよ」

「なんだそりゃ?ベース弾くのと、お前の話を聞くのとじゃあ、なんも関係ねぇじゃん」


これは良いぞ。

自分には出来ないとみて、崇秀の奴、言い訳をし始めやがったな。


この調子だと。

①アッサリ話を諦めるか。

②それとも、みんなの前で恥を掻くかの2択だな。


まぁ、恐らくコイツの強情っパリな性格から言って①って選択は絶対にしねぇ。

必ず②を選択する筈だ。


ただ、さっきも言ったがな。

この運動は見た目と違って、かなり難しい。


思いの他、指が動かなくて困惑する筈だ。


もしそうなったら、ざまぁみろだ。


和製クルーグマンと呼ばれている(自称)俺をナメるなよ。


最後まで、お付き合いありがとうございました(*'ω'*)


倉津君、違う意味で、一番嫌な絡まれ方をしましたね。

そして絡んだ崇秀は、倉津君を、からかいやすい相手と判断してるようです。


早い話、県内でも有名な不良である倉津君を、良いおもちゃにしてますね(笑)


実は、この崇秀ってキャラクター。

この物語で、一番【壊れたキャラクター】だったりします。


今後、この2人がどうなっていくのかは、次回の講釈(笑)


頑張って書きますねぇ(*'ω'*)ノ

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