●前回のおさらい●
ジジィババァの店で、倉津君が、この世界の人間ではないっと言う事を説明している中。
今の倉津君になら『ベースが弾ける』っと言う言葉に、ヒナちゃんが反応して……
そうやって、ジジィババァの店から連れ出された俺は、ヒナをチャリの後ろに乗せ。
彼女の指示に従って場所を移動するんだが……
到着した場所は、なんと『地下の仲居間スタジオ』
今朝、俺がカウンターで寝てた場所だな。
けどな。
此処で1つ不思議に思った事があるんだが。
今のGUILDに、そこまでの力が無いなら、何故、コイツは、こんな物を手に入れられたんだろうな?
『どう考えても、今のヒナには分不相応なもの』だと思うんだがな。
その辺が気になったので、ヒナに尋ねてみたら。
まずは拠点を作る為に、GUILDの運営でチマチマ貯めた貯金を投入して、唯一購入出来た物が此処らしい。
行動を制限されてても、この有様。
矢張りコイツは侮れない女だな。
……っでまぁ、そんなスタジオ内に入って行く訳なんだがな。
入った途端、ヒナは、俺にベースを渡して来て『弾いてみて』っとだけ言ってきやがった。
まぁ、突然弾けっと言われても、なにを弾いていいものやら解らないんだが。
取り敢えずは、崇秀の好きそうな曲にジャンルを絞り、適当に5曲程演奏してみた。
崇秀と曲の好みが近いかもしれんからな。
-♪-♪--♪-♪--♪--♪♪♪-♪♪♪--♪--♪♪♪-♪♪♪--♪--♪♪♪-♪♪♪--♪--♪……
……ってな訳で。
そんな風な選曲した曲を弾いてみたんだが、ヒナからは、どういう反応が返って来るんだろうな?
***
「・・・・・・」
「うん?なんだよ?人に弾けつった割には、やけに無反応なんだな。余りにも下手すぎて、お気に召さないか?」
「えっ?いや、うぅん。そうじゃないのよ」
「そうじゃない?」
「……って言うか、その真逆。眞子より、断然上手くて驚いてる」
はい?
「おいおい、ヒナよぉ。シッカリしてくれよ。『眞子より上手い』ってなんだよ?アイツの実力は、こんなもんじゃねぇだろうに」
「まっ、まぁね。そりゃあ、真琴の演奏は、どこかまだ荒削りな部分があるのは否めないけど、眞子よりは遥かに上手いよ。あの子は、そこまでベースを使いこなせてないし」
うん?なんだ?
こりゃあ、一体どういう事だ?
・・・・・・
あぁ!!そうか!!
これって、眞子の奴がバンドをクビに成っておらず。
アメリカツアーも敢行してないんだったら、俺同様、去年12月位から、そんなに演奏が進歩してないって事か。
しかも、強大なGUILDのバックアップが無いから、去年の湘南ライブもやってなければ、今年の150以上のライブもこなしちゃいねぇ。
なら、そこまで実力差が出てないってのも頷けなくも無い話だな。
(↑さっき、それを確認した処なのに、もぉ忘れてた俺)
「あぁ、そぉ。まぁ、褒められてるんだったら、別に否定する必要はないわな」
「別に褒めてる訳じゃないけどね。……でも、これでハッキリと証明だけはされた。アンタは、私の知ってる真琴じゃない。『真琴であって、真琴じゃない』って事がね」
「あぁ、まぁ、自動的にそうなるわな」
試してたって事か?
本当にベースが弾けるのであれば『俺であって、俺じゃない』
そして逆にベースが弾けるつぅのが口だけで、全然弾かなかったら『ただの与太話』でしかないって事か。
まぁ、この辺は確率論でしかねぇんだろうが。
今の段階じゃ、最も俺の正体を見分けるには、解り易い法則では有るのかもしれんな。
「……っで、アンタの正体が、少し見えてきた所で聞きたいんだけど。アンタの目的ってなに?本当に、なにをしに、此処に来た訳?」
難しい事を聞きやがるな。
目的なんぞ最初からなんもねぇんだから、これには、どうにも答え様がねぇんだよな。
ただ単に、気付いたら、こうなってただけだからな。
「ねぇな。なんもねぇ。敢えて言うなら『我々ハ、地球侵略ニ来タ宇宙人ダ』」
「えっ?それって、マジだったの?本気でコチラ側の地球侵略に来たって言うの?」
えっ?
さっきは適当にあしらった癖に、この場面だと真に受けるのか?
「いやいやいやいや、冗談だよ冗談。こんなもん本気にすんなよな」
「本気にする意味って有る訳?する訳ないでしょ。頭悪いんじゃないの?」
クッ!!
ヤッパリ、こうきやがったか!!
可愛げの無い奴め!!
&ホント小憎たらしい女だな。
・・・・・・
……いや、でも待てよ。
今のやり取りは冗談としてもだな。
今ヒナが言った『侵略』って言葉、なまじ嘘じゃなくならせる可能性はあるよな。
なんてたってよぉ。
今の俺には、向こうのGUILDのメンバーの記憶が残ってるから。
そいつ等の情報をヒナに渡して、コチラ側のGUILDでも彼らを引き入れれば、最低限ではあるが、面白い事にはなるかも知れないしな。
あれだけの強烈なメンバーを手中に納めれば。
『地球侵略』とまでは行かなくても『音楽業界を騒がせる』ぐらいの存在になら成れそうじゃね?
ふむ、なら、それも悪くない考えだな。
いや寧ろだな。
崇秀の居る世界でアイツに世話に成った分を、今現在、身動きが取れずに困っているヒナに、その借りを返してやって置いても罰は当たらねぇんじゃねぇかな?
だったら、悪くない提案になんじゃねぇか?
まぁ……歴史をカンニングしてるみたいな気分ではあるけどな。
俗に言う、どこかの主人公みたいに『パラレルワールドで知識チートをやらかしてる』のと同じ様な行為だしな。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
ベースを演奏する事により、自身の正体を証明した倉津君なのですが。
その後、またなんか良からぬ事を企み始めましたね(笑)
まぁでも、パラレルワールドに飛ばされた場合、人間なら誰しも、こういう感覚に成っちゃうのかもしれませんね。
ただ一言だけ言わせて貰うのであれば。
やろうとしてる事自体は、確かに『知識チート』ではあるのですが。
倉津君の場合に至っては【自分の為に『知識チート』やろうとしてる訳ではない】っと言う事だけは認識して欲しい所ではありますね。
現にヒナちゃんが困ってるから知識チートを使おうとしてるだけであって、自分には何のメリットもないですしね。
要するに、この子は純粋にアホなのです(笑)
さてさて、そんな中。
その知識チートを使うにしても、前提条件っと言うものがあります。
そう言った知識があるからと言って。
それを使えば、ナンデモカンデモ都合良く上手く行くって訳でもありませんからね。
では、その前提条件とは?
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
読み終わったら、ポイントを付けましょう!