最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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355 楽しい家族計画……じゃねぇわ!!

公開日時: 2022年1月27日(木) 00:21
更新日時: 2022年12月24日(土) 15:35
文字数:2,052

●前回のおさらい●


 グチ君の一件は、明日、ドラマーである奈緒さんと山中君が一度指導してみる事で、話は一旦落着。

だが、その後、倉津君と奈緒さんがイチャ付いてるのを見て嫉妬した山中君が『今日は、倉津君と一緒に、奈緒さんの家に泊めて貰う』っと言う嫌がらせに出た!!


さてさて、どうなる事やら(笑)

「良いよ。その代り、自分で布団ひいてね」

「うわぁ、余裕か……腹立つわぁ」

「カズが泊まるって事は、クラも泊まるんでしょ?泊まるんだったら、クラも、自分で、ちゃんと布団をひくんだよ」

「あっ、はいッス」


この人、本当に、なに事にも動じない人だな。


まぁでも、こうやって、一人暮らしをしている奈緒さんに家に、みんなで泊めて貰うのって、そんなに珍しい事でもないんだけどな。

頻繁にとまではいかないが、数人で集まってる時にのみ、こう言う事は結構ある訳だしな。


ただ今現在の俺の心境としては、山中が帰った後、奈緒さんとのイチャ付きタイムが欲しかったんだが……まぁしょうがねぇか。

今回、山中には親身に相談に乗って貰った事だし、今日だけは、儚くも悲しい男、山中に付き合ってやるのも悪くねぇか。


奈緒さんとイチャ付くのは、今度の機会にして諦めてやるよ。


神仏並みの慈悲深さだな、俺って。


***


 俺と、山中は、勝手知ったる奈緒さんの家。

押入れから布団を取り出して、部屋にひいていった。


ひき終ると、布団に寝転びながら山中が、最後に余計な事を言ってきた。



「ほな、俺は、2人のお邪魔になったら悪いから先に寝るわ。2人共、これやるから、程々にして、はよ寝るんやで」

「うん?なによ、これ?」


そう言って山中は、奈緒さんに何かを渡した。


だが、その奈緒さんに手渡されたものは『コンド-ム』


オイオイ山中君よぉ、これって、オマエが寝てる横で、俺と奈緒さんがHするとでも思ってるのか?


アホか!!そんな事する訳ねぇだろ!!


っと、俺の動揺に反して、奈緒さんはと言うと……



「あぁ、なにかと思ったらコンドームかぁ。けど、こんなのいらない、いらない」

「なんや?今日はせぇへんのか?それとも、この部屋のどっかに大量に隠してあるんかいな?それやったら、豪い準備良ぇこっちゃな」


山中、知ってるか?

それを、俗世間一般では……セクハラって言うんだぞ。


もし知らないんなら、今すぐ憶えて置けな。


ってか、人の大事な彼女にセクハラしてんじゃねぇよ!!



「さぁ~~~、どうだろうね。けど、Hするにしてもコンドームは要らないよ。クラとは、絶対に生でしかしないもん」

「ブッ!!」

「ぶっ!!」


ハハハ……『生』だけに『生々しい』ですね奈緒さん。


つぅか、そう言う他人に知られなくて良い情報を、女の子がベラベラ喋るんじゃありませんよ!!


もぉ……この人だけは。



「なんで2人揃って『ぶっ!!』なのよ?あのねぇ、少しは女の子の立場でモノを考えてもみなよ。コンドームなんかしたら、女側は、なんか凄い違和感が有るんだよ。それに、なにより、クラを直接感じられないから、コンドームなんか、絶対にしないの」

「いや、奈緒さん。それワザワザ言わなくても……」

「ヤッパ、奈緒ちゃん。ハンパなくエロイわ。エロ女王や」

「エロくないからね。……って言うかさカズ。私、さっき『エロって言うな』って言ったよね。聞いてなかったの?」

「ちょ……」


『ポコ』

『バタッ』


ハイ、いつもの一撃です。



「今回は俺、なんも悪ないやん。今のは奈緒ちゃんが勝手に言……」

「黙れ……」


『ポコ』

『バタッ!!きゅうぅ~~~』


あぁ死んだな。

今度のはボケじゃなく、完全に死んだな。


23時17分、最善を尽くしましたが、ご臨終ですな。


……さようなら山中、フォーエバー。



「さて、カズもスッカリ寝ちゃった事だし、一緒にフロに入ろっかクラ」

「へっ?」

「なに?学校で約束したじゃない『一緒に風呂の入ろうね』って。こんなに汗掻いたまま寝る気なの?」

「えぇ~~~っ、けど、山中が居るんッスよ」

「大丈夫、大丈夫。今の良い位置に入ったから、1時間は目が覚めない筈だよ。早く入ろ」

「いや、しかしッスね」

「やなの?(ジロッ)」


あっ、あれ?

その目は、ひょっとして、今の俺の言葉に怒ってらしゃいますか?



「いえいえ、とんでもないッス。光栄ッスよ光栄」

「うん、よろしい。じゃあ入ろっか。綺麗に背中流してあげるね♪」

「はっ、はぁ」


俺は反論を許されず、奈緒さんに従って、彼女の後を追って行った。


付き合う前からそうなんだが、俺って、奈緒さんの尻に敷かれっ放しだな。


ダメだな俺……


***


 奈緒さんが楽しそうに風呂に向って行く姿を見ながら、最後に何気に山中を確認すると……


奴は、殺虫剤を掛けられたゴキブリみたいに『ピクピク』しながら、ボソボソと、なにかを言っていた。


その言葉が気になって、祖ッと奴の言葉に耳を傾けてみると……



「まっ……まさか、風呂でHしようと考えていたとはな。流石の俺も、その『企画』は考え付かんかった。正に『楽しい家族プラン』……やっ、やるな奈緒ちゃん……『ガクッ』」


あぁ、やっと死んだ。


けどな山中、此処でもう一度ハッキリ言っとくがな。


『絶対にしねぇからな!!』


つぅか、それ以前に、人様の神聖な儀式の事を『企画』とか『楽しい家族プラン』とか言うなつぅの!!


生々しいわ!!



それに今日一日で、色んな意味を込めて『企画恐怖症』になってんだからよ!!


余計な事を言わずに、そこで死んでろ!!


この煩悩魔神が!!


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>

余計な事ばかり言う害虫・山中君が退治され。

第五話『ある意味、企画って怖いな』は終わって行くのですが……この最後の山中君の逸話、イラナイですね。


はい、すみません<(_ _)>


企画繋がりで『楽しい家族プラン』って言うのをオチにしたかっただけです。


重ね重ね、すみません<(_ _)>


さて、そんな感じではありますが。

次回からは、第六話『様々な鬼』っと言うお話が始まります。


何を指して『鬼なのか?』を堪能して頂ける様に頑張りますので。

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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