●前回のおさらい●
崇秀の『倉津君が検査をしてる間に休憩を取る』っと言う言葉に反応して。
ズッと崇秀の体調を気にしていた倉津君は『それなら検査が長引けばいいのになぁ』っと思いながらも検査室に向かう。
さて、どんな検査が待ち構えているのやら?(笑)
……病院に着いてから、全ての検査を終えるのに3時間程が経過していた。
故に、現在の時刻は、大凡AM11:00って所。
その3時間の内、物凄く簡単な検査もあれば、なんとも仰々しい機械の中に放り込まれたりもしたが。
その中で、ちょっと気になった事が有るとすれば『脳波の測定』が妙に長かった事ぐらいと、最初の産婦人科で『アソコ』を触診された以外は、大量に注射を打たれたぐらいで、そんなに驚く様なものはなにも無かったけどな。
所謂、俺が懸念していた【人体実験の様な検査はなかった】って言う事だな。
まぁそんな訳で、特に何事もなく、全ての検査が終わったので先に検査の会計だけ済ませて、崇秀が寝ているであろう病室に向って行った。
すると……
『ガチャ』
「崇秀、検査全部終わったよ」
「おぉ、眞子か。お疲れ」
「ぶっ!!」
もぉ……本当にコイツだけは……なんでそうなる?
大人しく休憩してるかと思えば、なんでそうなっちまうんだよ?
あのなぁ~~~~、なんでオマエは、いつもそうなの?
なんで『点滴』を打ちながら、大人しく寝てられない訳?
なんで、売店で『雑誌を買い占めて』パソコンに打ち込みなんぞをしてる訳?
このアホンダラァだけは、えぇ加減!!ちょっとは休めつぅの!!
もぉ……頭痛くなってきた。
「あのさぁ、崇秀」
「なんだよ?」
「なんで休憩するって言ってたのに、そんな事に成ってるのかは知らないけどさぁ。本ッ~~~~当に、ちょっとは休んだらどうなの?」
「んあ?なに言ってんだオマエは?」
「なにがよ?」
「これの何処が休んでねぇんだよ?滅茶苦茶、休んでるじゃんかよ。オマエの目ん玉は節穴か?」
「君はアホなの?馬鹿なの?頭のネジが、どこか遥か彼方に吹き飛んで無いの?」
「いや、見ての通り、体は至って健康だし。比較的、頭は賢い部類の人間だがな」
「全然、万全じゃないから!!」
「ほぉ、眞子も、倉津同様に良いツッコミするんだな。流石、親戚だ」
「いや、あのねぇ。そう言う事を言ってるんじゃなくて……お願いだから、ちょっとは本気で休んでよ。ねっ、ねっ」
「これ以上、更に休めだと?ヤダね。そんなもん嫌に決まってんだろ」
「なんでよぉ?あの、崇秀さぁ。あの、ひょっとしてなんですが、その崇秀の患ってる『貪欲勉強病』って、死ぬまで治らない不治の病とか?」
「なんだ、良く知ってるな。それは完璧な回答だな」
だ・か・ら!!そう言う時だけ『( ー`дー´)キリッ』っとした真顔で言うな!!
奈緒さんと言い、嶋田さんと言い、カジと言い。
この『真顔で、人をからかう』のって、どこかの巷で流行ってるのか?
辞めんかぁ!!
「つぅかよ、眞子。……んな事より、どっか遊びに行かね?」
はい?
何を言い出すのかと思えば、この期に及んで『遊びに行かない?』ですと?
本当に何を言ってるのかな、この子は?
「えぇ~~~……ッ。もぉ人が、お願いまでしてまで『休め』って言ってるのに……それが、どうやったら、遊びに行く話になるのよ?それ、どういう発想よ?」
「いや、どう言う発想も、こう言う発想も、昨日、オマエが自分で言ったんじゃねぇかよ。『最近、俺と遊んでない』ってな。だから、この機会に、オマエと遊びに行こうと思っただけだが……変か?」
「ぶっ!!」
なんでそこを、敢えて、今、反応する必要が有るん?
別に、今、反応せんでも、他のいつでもえぇやんか!!
この子、マジでアホちゃうん?
「まぁ、行かねぇんなら、行かねぇで、俺は一向構わねぇんだけどよ。それだったらそれで、俺は、親父の研究所に帰って研究を再開するだけだからな。……じゃあ、それで良いか?」
今遊びに行かないんなら、また、これ以上『体を酷使する』って言うのか?
俗に言う、これは、自分人質な脅しか?
……ってか、コイツの場合にのみ限っては、全然脅しじゃないな。
きっと、この場を、そのまま帰らせたら、また間違いなく、機械の様に殆ど寝ずに『研究』を始めるんだろうな。
アカン……その光景が、完全に頭の中に過った。
コイツは、マジでやりかねない。
「ねぇ、崇秀。……ホントに、そんな体で遊びに行って大丈夫なの?」
「オマエ、俺を舐めてんのか?俺、オマエが検査してる内に、1時間『も』寝てたんだぞ。それだけでも、体力の回復率は100%なんだよ」
いや……そこは『も』じゃなくて『だけ』じゃないかい?
それに普通の人間なら、1時間程度寝ただけじゃ大した回復は見込めないんだけどなぁ。
精々ライフの『30ポイント=ホイミ』程度も回復しないんだぞ。
それを、あ~~たは、全回復したと仰るのかい?
この化物め!!
つぅか、このアホンダラァ。
それ以前の問題として、キッチリ3時間休んでたのかと思いきや、1時間しか休んでやがらなかったのか?
もぉ……
「あのねぇ~~」
「あっそ。……じゃあ、そうやってゴチャゴチャ言って遊びにいかねぇなら、もぉ、早々にラボに帰るわ」
「グッ……」
「因みにだが、これからはもっともっと忙しくなるから、また来年の末にでも遊ぼうぜ」
『来年』って……
しかも『末』って……
「あのねぇ~~~……あぁ、もぉ良いや。遊びたい、遊びたい。崇秀と遊びたい。ワ~~イ♪ワ~~イ♪嬉シイナァ(棒読み)」
「あっそ。じゃあ、久しぶりに、2人でリミッターカットして、カッ飛ばして行ってみっか」
そう言うや否や崇秀は、俺の手を引っ張り、早急に病院内を抜けて行き。
半強制的に単車の後ろに俺を乗せて、瞬間的に、繁華街まで、本当にカッ飛び出しやがった。
もぉダメだコイツだけは、もぉ好きにして……
……さて、そんな風に俺は、今、光速で走る崇秀のNSRのシリに乗せられながらも、必死に奴の背中に捕まり。
いつもの遊び場所だった繁華街を目指して、直走ってる訳なんだけどな。
突然ではあるが、俺は此処から、ある事を崇秀に対して試したいと思うんだよ。
それが何かと言えばだな。
【この機会に一度、眞子と言う存在だけで、崇秀に接してみよう】思うんだ。
……って言うのもな。
俺……此処までの今日一日の経過で、崇秀が、本気で『倉津眞子』の存在を認めてくれてると判断出来ると思ったんだよ。
俺が、こんな姿に成っても尚、崇秀は……本当に、普段通り、普通に接してくれ。
いつも通りに馬鹿話が出来る様に気を遣ってくれながらも、コイツは、どこまでも自然体で倉津眞子と言う存在に接してくれた。
だから、俺も此処からは、嘘偽りの無く、心も、体も、言葉も、態度も『倉津眞子』と言う存在だけを前面に押し出して……本当に『女の俺』を崇秀が受け入れられてるのかを、今から最終確認しようと思うんだよ。
まぁ本来、此処までしてくれてる相手を、今更、試すなんて余り褒められた行為じゃないとは思うんだがな。
そうやって一度は本気で眞子として崇秀に接してみないと、今まで、こうやって俺を、眞子として付き合ってくれた崇秀に対しても失礼だと思うし、今後の為にも俺としては『本当の意味での、その辺の確証が欲しい』
きっと、こう思うって事は、俺は、真琴であっても、眞子であっても、本気で以前同様と変わらぬ付き合いを崇秀と持ちたいんだとも思うしな。
だから、今この時点から『倉津真琴』は、この場には存在しない……してはいけない。
今から崇秀には『本当に倉津眞子と言う存在』としてだけ接してみる。
そんな俺でも、崇秀は、本気で俺を受け入れてくれるだろうか?
俺には……そうである事を、心の底から願う事しか出来ないけどな。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
倉津君……矢張り、崇秀の行動で、なにか思う所があったのか?
とうとう【倉津眞子】として、崇秀に接する事を試してみる気になったみたいですね。
まぁ、相手が崇秀なだけに。
そんな事を今更試さなくても、奴は、どんな倉津君であろうと受け入れるとは思うのですが……
実は、懸念すべき不安な部分は、別にあったりします。
それが、なにかと言えば……は、流石に次回の講釈(笑)
なにが不安に成るのか?が気になった方が居られましたら、またお気軽に遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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